今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ初の3万ドル突破」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は104円台で小動きながらリスク選好の流れからドルの上値が重い展開。104円台半ばを中心にもみ合う。
  • ユーロドルはドイツの経済指標が良好だったことで買われたものの、1.19には届かず。
  • リスク選好の勢いが増し、株式市場は連日の急騰を見せる。ダウは454ドル上昇し、初の3万ドル台に。S&P500も57ポイント上昇し、共に最高値を更新。
  • リスクオンの流れから債券は続落。長期金利は0.88%台に。
  • 金は続落し、一時は1800ドルの大台を割り込む。原油は反対に、コロナワクチンへの期待もあり、一時45ドル台に乗せ、44.91ドルで引ける。
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9月ケース・シラ−住宅価格指数 → 6.57%
9月FHFA住宅価格指数 → 1.7%
11月消費者信頼感指数 → 96.1
11月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 15
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ドル/円 104.43 〜 104.76
ユーロ/ドル 1.1842 〜 1.1896
ユーロ/円 123.88 〜 124.35
NYダウ +454.97 → 30,046.24ドル
GOLD −33.20 → 1,804.60ドル
WTI +1.85 → 44.91ドル
米10年国債 +0.026 → 0.880%

本日の注目イベント

  • 欧 ECB、金融安定報告書公表
  • 米 7−9月GDP(改定値)
  • 米 10月耐久財受注
  • 米 10月個人所得
  • 米 10月個人支出
  • 米 10月PCEコアデフレータ
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米 FOMC議事録(11月4、5日分)
  • 米 10月新築住宅販売件数

本日のコメント

リスク選好の流れが一段と強まり、NY株式市場は連日の大幅高で、ダウは引け値で3万ドルの大台を突破しました。リスクオンは、株高、債券安、ドル安、金価格の下落につながっており、コロナ禍の状況の中、カネ余りと低金利が市場の「狂乱」を演出しているようです。ダウの初の3万ドル突破を受け、トランプ大統領はホワイトハウスで急遽会見を行い、「株式市場、ダウ工業株30種平均は史上最高値を更新し、3万ドルを付けた。これまで3万ドルを突破したことはなかった。しかも、それはパンデミックの最中で起きた」、「全員を祝福したい」と述べました。トランプ氏が大統領選後にマスコミの前に姿を見せる機会は極端に減りましたが、やはり、敗北のショックからか、はたまた、ホワイトハウスを去らなければならない一抹の寂しさからか、元気がないように見えました。会見はわずか1分余りで終了し、記者からの質問は受けつけなかったようです。

日米で株価の上昇が顕著です。昨日の日経平均株価はザラ場で一時700円を超える上昇を見せる場面もあり、大引けでも638円高と、大幅高で終わっています。コロナワクチンへのメドがたって来たことに加え、トランプ氏がバイデン氏の政権移行手続きを容認したこと。さらに次期財務長官にイエレン前FRB議長が指名されたことなどが好感され、安心感から株価の一段高を見越した資金が流入したようです。イエレン氏の財務長官就任について、NY連銀のウィリアムズ総裁は、「驚くべき知性の持ち主であり、仕事における倫理観は比類がない」と称えています。金融行政に詳しいだけではなく、「今後米国のドル政策に関しては、より明確になる」(ブルームバーグ)と見られています。

中国の王毅外相が来日しました。中国政府要人の来日は久しぶりで、コロナ感染が拡大する中、オンラインではなくあえて来日し、フェーストゥフェースの会談を選択したことに、いろんな憶測が出ていますが、米中関係が最悪の状況の中、中国包囲網の分断を狙ったものだという意見には説得力があるように思います。本日には菅総理とも会談するようですが、日中関係にしても決して良好なわけではなく、特に尖閣諸島周辺への領海侵入に関しては「一触即発」の状況とも伝えられています。また香港の人権問題に関しても、日本は米国と同じ姿勢で臨んでおり、日中が急速に関係を改善するとも思えません。米政権がトランプ氏からバイデン氏に移るため、米国との関係改善への好機と捉え、日本に「橋渡し」を求めている可能性もありますが、本日の菅総理との会談内容を見たいと思います。

本日もNY株の大幅高を受け、日経平均株価は上昇が見込まれます。年内に2万7000円まで上昇するといった強気の予測も出はじめ、個人投資家の参戦が増えてきているようです。ただ、コロナ禍での株価の大幅高には違和感を拭いきれず、一部の株価が買われるのは理解できますが、全体が上昇する根拠の説明は難しいと思われます。「マネーゲーム」と割り切れば、それはそれで納得できますが、ゲームである以上、勝つ人がいれば、必ず負ける人もいるということです。いかにして「勝ち組」に入り込むのかが難しい部分です。株式市場の喧騒をよそに、為替市場は本日も静かな取り引きになることでしょう。予想レンジは104円〜104円90銭と、昨日と同じ予想です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和