今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NY、ダウは反落するもナスダックは最高値更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は小動きの中、やや下値を切り下げる展開に。ユーロドルでユーロが買われたことで円も買われ、104円26銭前後まで下落。
  • ユーロドルは続伸。1.1926までユーロ買いが進み、9月2日以来となるユーロ高を示現。
  • 株式市場はまちまち。前日3万ドルの大台を突破したダウは173ドル安。一方ナスダック指数は57ポイント上昇し、最高値を更新。
  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は0.882%前後で取引を終える。
  • 金は小幅ながら1週間ぶりに反発。原油価格は在庫が減少していたことから続伸し、45ドル台に乗せる。
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7−9月GDP(改定値) → 33.1%
10月耐久財受注 → 1.3%
10月個人所得 → −0.7%
10月個人支出 → 0.5%
10月PCEコアデフレータ → 1.4%
新規失業保険申請件数 → 77.8万件
11月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 76.9
10月新築住宅販売件数 → 99万9千戸
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ドル/円 104.26 〜 104.46
ユーロ/ドル 1.1890 〜 1.1926
ユーロ/円 124.15 〜 124.50
NYダウ −173.77 → 29,872.47ドル
GOLD +0.90 → 1,805.50ドル
WTI +0.80 → 45.71ドル
米10年国債 +0.002 → 0.882%

本日の注目イベント

  • 日 9月景気先行指数(改定値)
  • 独 独12月GFK消費者信頼感
  • 欧 ユーロ圏10月マネーサプライ
  • 欧 ECB議事要旨
  • 米 NY市場休場(感謝祭)

本日のコメント

前日3万ドルの大台を達成したNYダウは、コロナ感染が拡大していることや、新規失業保険申請件数が2週連続で増加していたことなどを嫌気して、利益確定の売りが優勢に。前日比173ドル安で取引を終えましたが、ナスダックの方は57ポイント上昇し、こちらは9月2日に記録した引け値を上回り、最高値を更新しています。日米ともに株価上昇の勢いは続いていますが、上昇スピードが速いため、警戒感も出始めているようです。昨日の日経平均株価は前場では500円以上上昇する場面もありましたが、後場には急速に上げ幅を縮小しています。この辺りで「健全な調整」(Healthy Correction)があってもいい頃なのかもしれません。

一方為替市場の方は盛り上がりに欠け、「調整」どころか、「膠着」から抜け切れない状況が続いています。昨日のNY市場でも値幅はわずか20銭程度で、今週はほぼ104円台半ばを行ったり来たりという状況です。ドル円は米金利との相関が強いことから、その米金利の動きが小幅に留まっていることにも影響されている可能性もあります。

FOMC議事録が公開されました。コロナ感染が拡大しており、それが景気の下振れリスクとなり得ることから、FRBが景気を支えるため一段の追加緩和の措置を取るのではといった観測もありますが、今回公表された議事録は11月4、5日に開催されたものでしたが、そのような措置を示唆する文言はありません。ただ、「資産購入のペースと構成を直ちに調整する必要はないと参加者は判断したが、そうした調整が正当化されるような状況に変わる可能性があるとの認識は示した」と、議事録は指摘していました。(ブルームバーグ)次回のFOMCが今年最後の会合になりますが、12月15、16日に開催されます。

米大統領選の結果に関して沈黙を守ってきた中国の習近平主席が、口を開きました。習氏は、両国の「相違点を管理、コントロール」し、経済大国同士の協力に重点的に取り組みたいとのメッセージをバイデン次期大統領に送りました。新華社によると、中国は「健全で安定した」関係を維持し、「衝突なし」かつ「対立なし」の原則を支持する考えだと、習氏が祝辞に記したと報じられています。(ブルームバーグ)中国側は、米政権がトランプ氏からバイデン氏に替わるこの時期を「好機」と捉え、関係改善にむけた「秋波」を送ってきたようですが、民主党政権でも中国に対する強行姿勢は基本的には不変だと思われます。今後早い時期に米中トップ同士の会談が実現するのかどうかが注目されます。来日中の王毅外相は昨日菅首相と会談を行いましたが、カメラに向かって手を振るなど非常に友好的な振る舞いを見せていました。ただ、会談内容には特にこれといったサプライズはなく、突然の来日の根拠がいまひとつ見えてきませんでした。

今年のイギリスの経済成長は「マイナス11.3%」と、1709年以来となる約300年ぶりの大幅な縮小に直面するとスナク英蔵相が警告しました。またBOE金融政策委員会(MPC)メンバーのソーンダース委員は、新型コロナウイルスとEU離脱という2つの影響で、年末年始は険しくなるとの見方を示していますが、その上で、最終的にはEU離脱の方がイギリス経済にとってはより困難であるとも語っています。EU離脱は貿易面だけではなく、金融の中心地としての地位にも変化が出ており、多くの金融機関がその欧州拠点をロンドンからフランクフルトやパリ、アムステルダムなどに移しています。

本日は米国が感謝祭でお休みとなり、明日は「ブラックフライデー」です。足元の株高による資産効果もあり、消費者の購買力も増していると見られます。クリスマス商戦を占う意味でも重要なイベントであり、注目したいと思います。本日のドル円は104円〜104円70銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和