今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル3カ月ぶりに1.19台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間の午後に104円台を割り込み、103円90銭前後までドル安が進んだが、NYでは104円台を回復。104円21銭までドルが反発。
  • ユーロドルは続伸し、約3カ月ぶりに1.1964までユーロ高が進む。
  • 株式市場は感謝祭後の短縮取り引きのため参加者が減る中続伸。ナスダックとS&P500は最高値を更新。
  • 債券は反落。長期金利は0.83%台まで低下。
  • 金は23ドル下げ、1788ドル台まで下落。原油は小幅ながら反落。
ドル/円 103.97 〜 104.21
ユーロ/ドル 1.1921 〜 1.1964
ユーロ/円 124.12 〜 124.53
NYダウ +37.90 → 29,910.37ドル
GOLD −23.10 → 1,788.10ドル
WTI −0.18 → 45.53ドル
米10年国債 −0.044 → 0.837%

本日の注目イベント

  • 日 10月鉱工業生産
  • 中 11月中国製造業PMI
  • 中 11月中国サービス業PMI
  • 独 独11月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 欧 OPEC総会(オンライン)
  • 英 英11月消費者信用残高
  • 米 11月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 10月中古住宅販売成約件数
  • 加 カナダ10月住宅建設許可件数

本日のコメント

ドル円は先週末の東京時間午後に再び104円台を割り込み、103円90銭前後までドル安が進みましたが、NYではドルがやや買い戻される展開でした。ただ、ドルの上値は依然として重く、その傾向はユーロドルで一段と鮮明になってきました。この欄でもユーロドルが1.19台を回復した際に触れましたが、チャートではユーロの上昇を示唆する形が整っており、ユーロロングに妙味がある状況でした。ユーロ自体は、12月のECB理事会で追加の緩和策に踏み切る公算が高く、それ自体はユーロ売り材料ですが、足元の「ドル安傾向」が勝った感じです。ユーロドルは9月1日以来となる1.1964まで買われ、1.2台が視野に入ってきました。この水準はECB高官が何度もユーロ高をけん制した水準で、ECBとしては受け入れられない水準かと思われます。域内では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、ロックダウンなど、経済活動の封鎖を余儀なくされており、景気が再び底割れする懸念が台頭しています。ユーロ高はドイツなど、輸出を中心とする国にとっては[逆風]となるからです。ユーロ圏をけん引するドイツが再び景気後退に陥れば、ユーロ圏の景気回復にとっては大きなマイナス要因になります。ユーロドルが1.20に近づいた際、どのような発言がECB高官から出て来るのか、注目したいと思います。ただこれまで、「口先介入」で相場の流れを変えられたことは、ほとんどありません。

トランプ大統領は大統領選について、12月の選挙人団が民主党候補のバイデン氏に投票すれば、政権を手放し、ホワイトハウスを去る意向のあることを初めて示しました。トランプ氏はホワイトハウスで、大統領選での敗北後初めて記者団の質問に答え、バイデン氏の勝利を選挙人団が確認した場合、ホワイトハウスの建物を物理的に去るのかの質問に対し、「確かにそうする。分かるだろう」と述べ、さらに敗北を認めるのかと迫られると返答せず、「敗北を認めるのは非常に難しいことだ」と発言しています。また、トランプ氏が選挙での敗北を覆すための訴えについても、連邦最高裁判所で取り上げられることは「恐らく」ないだろうと認め、トランプ氏の法的手段が尽きつつある可能性を示唆したものの、不正を訴える取り組みを断念する期限はないとも述べています。(ブルームバーグ)

クリスマス商戦の前哨戦とも言われる米「ブラックフライデー」は、実店舗での客足は半減したものの、ネット購入の流れが加速し、事前予想通りの結果に終わったようです。センサーマティック・ソリューションズのデータによると、27日(金)の実店舗への客足は、新型コロナの影響もあり、前年比52%減少したようです。また感謝祭当日(26日)の客足は前年比95%の減少だったと報告されています。一方、アドビ・アナリティクスは、今年のサイバーマンデー(30日)のオンライン売上高は米史上最高となる、108億ドル〜127億ドル(約1兆1200億円〜1兆3200億円)になると予想されています。ダウは先週初の3万ドル台を達成し、ナスダックとS&P500は先週末も最高値を更新するなど、足元の株高が個人の購買意欲を掻き立てます。

再開前からお互いをけん制する発言のあった英国とEUの通商協議は、今のとこと現実的、かつ誠実な協議が進展しているとブルームバーグは報じています。解決すべき最大の問題は漁業権だとラーブ英外相は述べ、「EUが原則を理解することが重要だろう。彼らが現実的になって善意と誠実さを示せば、成立する合意はあると考えている」と語っていますが、まだ予断を許しません。

本日のドル円は103円70銭〜104円50銭程度を予想します。引き続き動きの出てきたユーロドルの推移には注意が必要です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和