今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル反落し1.21台を割り込む」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 株価が下げ、長期金利も上昇したことで、リスクオフが進みドル円は上昇。約1週間ぶりとなる104円41銭までドル高が進む。
  • ユーロドルも上昇が一服し反落。ECBの政策会合を控え、1.2058までユーロの持ち高調整が進む。
  • 株式市場は反落。ハイテク株の売りが相場全体に広がり、ダウは105ドル安。ナスダックはさらに下げ243ポイント売られる。フェイスブックが提訴されたことが重石に。
  • 債券相場は反落。長期金利は0.93%台へと上昇。
  • 金は大きく反落。原油は3日続落。
ドル/円 104.09 〜 104.41
ユーロ/ドル 1.2058 〜 1.2124
ユーロ/円 125.78 〜 126.27
NYダウ −105.07 → 30,068.81ドル
GOLD −36.40 → 1,838.50ドル
WTI −0.08 → 45.52ドル
米10年国債 +0.018 → 0.936%

本日の注目イベント

  • 欧 ECB政策金利発表
  • 欧 ラガルド・ECB総裁記者会
  • 英 英10月鉱工業生産
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月消費者物価指数
  • 米 11月財政収支

本日のコメント

リスクオンではドルが売られ、反対にリスクオフではドルが買われる動きが定着しつつあります。昨日のNYでは、コロナワクチンを巡る悪材料と、ファイスブックが米連邦取引委員会と複数の州から提訴されたことで株価が下げ、ドルが買われました。長期金利が若干上昇したこともドル買いを促したと思われ、ドルは104円41銭前後まで買われ、約1週間ぶりの水準を付けました。ただ、まだ最近形成したレンジの上限には届いておらず、狭いレンジ内での「もみ合い」は続いていると見られます。

米連邦取引委員会(FTC)と複数の州は9日、独占的な地位を利用して競争を阻害したとしてフェイスブックの提訴に踏み切りました。FTCとNY州を中心とする州連合はフェイスブックが自社の独占状態を維持するため他社との競争を妨害したと主張し、同社によるチャットアプリ「ワッツアップ」と写真共有アプリ「インスタグラム」買収を解消するよう裁判所命令を求めています。(ブルームバーグ)

米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンは、8日から英国で市民への投与が開始されましたが、これまでに2人がアレルギー反応を示したことを受けて、英国の国家医療制度(NHS)は、アレルギーを持つ人は接種しないよう警告しました。レーンMHRA(英医薬品・医療製品規制庁)長官は英議会で、「広範にわたる治験では今回の反応は特徴として挙げられていなかった。アレルギー反応が明らかになった今、勧告を強化する必要があれば迅速にそのように伝える」と述べています。現時点では予防的な対応と見られており、ワクチンの早期接種の流れに影響はない模様です。

米経済対策の協議は再び膠着しているようです。超党派グループが9080億ドル(約94兆5000億円)規模の案の詳細を公表しましたが、コロナ関連の賠償請求訴訟から企業を守る免責条項と州・地方自治支援の2点に関し、意見の相違は解消されていません。これとは別にムニューシン財務長官が民主党に提示した9160億ドル規模の案は、政権や一部共和党議員の支持を得ていますが、民主党主導部は超党派グループの協議を妨害しかねないとして難色を示しています。マコネル共和党上院院内総務は交渉で、「ゴールポストを何度も移動させている」と、絶妙な言い回しで民主党指導部を非難しています。

英国とEUとの通商協議は依然としてまとまる気配がありません。9日のトップ同士の話合いでも英国とEUとの間にはなお大きな隔たりが残っており、双方が譲歩する姿勢を見せていません。ただ年内に交渉が合意に達しないと、来年1月から貿易面で大きな混乱が予想されることから、締結交渉は13日まで継続することで双方が合意しています。メルケル独首相は、「合意不成立を覚悟している」と述べたと報じられています。

ドル円でもユーロドルでもややドル安の流れが止まった印象です。ドル円は104円41銭近辺まで買われ、約1週間ぶりのドル高に。またユーロドルも1.21台を割り込み、1.2058までドル高が進みました。ドル安の流れは依然として変わっていないものと思いますが、ドル下落を見込んでショートを振っている向きには、何ともストレスの溜まる日々となっています。本文の最初に記したように、株高が継続すると見れば、「リスクオンに伴うドル安傾向」は続くことになります。その株式については、すでに2021年の予想も概ね出揃っていますが、日経平均3万円、ダウは3万2000ドルといった見方も多くあります。コロナが鎮静化し、大型の景気刺激策が講じられ、金融緩和に伴うゼロ金利政策も続く、といったことが多くのアナリストを強気にさせています。何か、「いいとこ取り」といった印象ですが、しっかりとそれぞれの事柄を見ていきたいと思います。本日のドル円は104円〜104円70銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/1 シュナーベル・ECB理事 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 --------
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和