「コロナ、ロンドンで最高レベルの『ティア3』に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は急落し、一時は103円51銭前後まで売られる。英国とEUが通商交渉の延期で合意したことを受け、ポンドドルでドルが売られたことに連安した。ただその後はリスクオフのドル買いから104円台に戻す。
- ユーロドルもドル安の流れから1.2177近辺まで上昇。
- 株式市場はまちまち。ダウは朝方最高値を更新する場面もあったが、NY市が完全なロックダウンに入る可能性があるとの情報から下げに転じる。結局ダウは184ドル下げ、ハイテク株の多いナスダックは62ポイントの上昇。
- 債券はほぼ横ばい。FOMCを控え動きにくく、長期金利は0.89%台と変わらず。
- 金は反落し、原油は反発。
| ドル/円 | 103.51 〜 104.11 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2123 〜 1.2177 |
| ユーロ/円 | 125.91 〜 126.51 |
| NYダウ | −184.82 → 29,861.55ドル |
| GOLD | −11.50 → 1,832.10ドル |
| WTI | +0.42 → 46.99ドル |
| 米10年国債 | −0.003 → 0.893% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 中 中国11月工業生産
- 中 中国11月小売売上高
- 欧 国際エネルギー機関(IEA)月報
- 英 英失業率(8月−10月)
- 米 12月NY連銀製造景況業指数
- 米 11月輸入物価指数
- 米 11月鉱工業生産
- 米 11月設備稼働率
- 加 カナダ11月住宅着工件数
本日のコメント
ファイザーなどが提供するワクチンの接種が開始されました。NY市では、救命救急看護師がワクチン投与を受ける市民第一号になったとTVでも報じられていました。最初にワクチン接種を受けたのは、NY市クイーンズ地区にあるメディカルセンターに勤務する看護師、サンドラ・リンゼイさんで、その様子は全米にビデオで紹介されたようです。NY州のクオモ知事はこの様子を、「これが戦争に勝つための武器だと信じている」とのコメントを残しています。
一方で米国では死者数が30万人を超えてきました。デブラシオNY市長は「米国での感染拡大には歯止めがかからず、NY市は完全なロックダウンの可能性に備えるべきだ」と述べました。この発言が市場のセンチメントを急激に悪化させ、一時103円51銭近辺まで急落し、約1カ月ぶりとなるドル安水準を付けていたドル円を押し戻した格好になっています。
日本でも「勝負の3週間」は完全な「敗北」に終わり、政府は昨日の会合で、今月28日から1月11日までの期間、「GoToトラベル」を全国一斉に停止することを決定しました。決定が遅すぎた感もありますが、これで年末年始は「我慢のお正月」ということになります。日本では各地で感染者数が「過去最多」を記録する地域が増えており、感染の広がりは都心部だけではありません。また、死亡者の数も増えており、すでに2500人以上の方が命を落としています。多くの方の意見にあるように、このコロナに関しては、「アベノマスク」に始まり、政府の対応が「後手後手」になっている印象は否めません。欧州でも英国では16日から、ロンドンとイングランド南東部の一部に最も厳しい制限措置が適用され、ロンドンでは警戒レベルが最も高い「ティア3」に指定されることになっています。またオランダが14日にロックダウン強化を発表し、ドイツも16日から全土でロックダウンが強化される予定です。
EUのバルニエ主席交渉官は、英国との通商交渉合意に週内にも達する可能性があると述べています。EU加盟国の大使との非公開の会合で、「漁業権の問題で妥協できれば合意が可能になる」と語っています。一方、公平な競争が維持されなければならないと、フォンデアライエン欧州委員長は指摘し、英国側は、合意がまとまらないという結果もあり得るとしており、交渉は依然として予断を許さず、時間との闘いといった部分もあります。
米政府は14日、トルコに対する制裁を発表しました。これは、NATO加盟国のトルコがロシア製の地対空ミサイルシステム「S400」を導入したことに対するものです。ポンペオ国務長官は声明で、「S400システムの購入は米国の軍事技術および関係者を危機にさらし、ロシア軍セクターに相当の賃金を供給し、トルコの軍や国防産業へのロシアのアクセスにつながると、米国は最高レベルのやり取りで幾度もトルコに明白に伝えていた」と説明しています。制裁は、トルコ国防産業庁(SSB)とデミル同長官ら個人が対象の見込みで、同システム搬入から1年余り経過した後に行われる模様です。(ブルームバーグ)
昨日のNYでは、103円台半ばまで急落したドル円がその後104円台まで押し戻されています。依然として上値が重いことは確認できますが、103円台半ばが岩盤になりつつあるようにも見受けられます。103円50銭近辺まで売られた際、そこで追随売りが出て来ないことに、今のドル円の難しさがあるようにも思えます。結局103円台半ばで売った向きは、損切を余儀なくされているわけですから・・・。
本日のドル円は103円60銭〜104円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 | 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。 |
| 12/1 | シュナーベル・ECB理事 | 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 | -------- |
| 11/18 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 | -------- |
| 11/5 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 | -------- |
| 11/5 | パウエル・FRB議長 | 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 | ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



