今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMC政策変更なし」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は欧州時間に103円26銭前後まで売られたが、FOMC後には103円台後半まで反発。ただその後は再び103円30銭近辺まで下落。
  • ドル安の流れが加速した上に、ユーロ圏の経済指標の上振れも加わったことでユーロドルは1.22台に乗せる。
  • 株式市場はまちまち。ダウは小幅に下落したものの、ナスダックとS&Pは最高値を更新。
  • 債券相場はFOMC後に売られたが、その後元の水準に。
  • 金と原油は揃って続伸。
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11月小売売上高 → −1.1%
11月企業在庫 → 0.7%
12月マークイット製造業PMI → 56.5
12月マークイットサービス業PMI → 55.3
12月マークイットコンポジットPMI → 55.7
12月NAHB住宅市場指数 → 86
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ドル/円 103.31 〜 103.91
ユーロ/ドル 1.2125 〜 1.2207
ユーロ/円 125.92 〜 126.34
NYダウ −44.77 → 30,154.54ドル
GOLD +3.80 → 1,859.10ドル
WTI +0.20 → 47.82ドル
米10年国債 +0.008 → 0.916%

本日の注目イベント

  • 豪 豪11月雇用統計
  • 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
  • 英 BOE金融政策発表
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月住宅着工件数
  • 米 11月建設許可件数
  • 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数

本日のコメント

朝方発表されたFOMCの結果は、予想通り政策変更はありませんでした。個人的にも今回は政策据え置きを予想していましたが、一部には追加緩和の増額など、より緩和姿勢を強めるといった予想もあったため、発表後には債券が売られ長期金利は上昇しました。ただその後は元の水準近くに戻っています。株式市場ではナスダックとS&P500が最高値を更新しており、ダウは小幅安で終わっています。ドル円はFOMC後にドルが買われ、103円91銭まで上昇しましたが、こちらも103円40銭近辺まで押し戻されています。

FOMC声明文では、「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるようにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」と記され、さらに「委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」との文言も加えられています。今回の声明文ではより具体的に「顕著な経済活動の進展」(Substantial Economy Gains)との言葉が挿入されている点が、前回11月の声明文と異なっています。

会合後の記者会見でパウエル議長は、「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」と述べ、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと、心が痛む」と語っています。議長は最後に、「金融当局として、経済支援を続けるため今後もあらゆる手段を講じる」ことを表明しました。(ブルームバーグ)

ECBの政策委員会のメンバーであるドイツ連銀のバイトマン総裁は講演で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の増額や期間の延長は、市場の規律を弱める危険があると警告しました。バイトマン総裁は、ECBが保有する国債の量が大きくなりすぎないことが極めて重要だとしながら、「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」と語っています。

ドル円は昨日のこの欄でも指摘したように、103円台半ばを割り込み、欧州時間には103円26銭前後までドル安が進みました。ユーロドルも1.22台に乗せ、1.2212近辺まで上昇しました。リスクオンに伴うドル売りが継続されているということですが、それでも昨日のドル円は103円台前半で下げ止まっています。重要なのはやはり103円という大台です。ここを割り込むようだと、ドル売りに拍車がかかる可能性があると見ています。11月初めにもこの水準をテストし、その時は103円を割り込めずに反転しました。今回のテストでも同様に底堅さを見せるのかどうか、注目されます。

トランプ政権はスイスとベトナムを「為替操作国」に認定しました。かつて日本もこの「為替操作国」に認定されるかどうかを巡り、為替市場が動いたこともありましたが、米国は「為替操作国」認定に際し3つの基準を設けています。今回両国は、この3つの基準全てを満たしたものと思われます。特にスイスについては、必要以上に為替介入を実施したことが挙げられています。これに対してスイスは反発し、スイスフラン高を抑制するための介入は継続すると表明しました。因みに日本と中国、ドイツ、韓国などは現在「監視対象国」に認定されています。

本日のドル円は103円〜103円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/16 バイトマン・ドイツ連銀総裁 (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 --------
12/16 パウエル・FRB議長 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 --------
12/16 FOMC声明文 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。
12/10 ラガルド・ECB総裁 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。
12/1 シュナーベル・ECB理事 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 --------
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和