「トランプ大統領一転法案に署名」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- トランプ大統領が議会で可決した法案に署名したことを好感し、リスクオンが高まったことでこの日はドル高に。ドル円は103円89銭までドル高が進み、1週間ぶりに103円台後半まで上昇。
- ユーロドルは1.22台に乗せ、1.2240まで買われる。ユーロ円は127円目前までユーロ高に。
- 法案がひとまず成立したことで株価は上昇。ダウは200ドルを超える上昇を見せ、3指数が揃って最高値を更新。
- 債券は小動きの中ほぼ横ばい。長期金利は0.92%台で推移。
- 金は反落し、原油は続伸。
| ドル/円 | 103.56 〜 103.89 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2203 〜 1.2240 |
| ユーロ/円 | 126.36 〜 126.95 |
| NYダウ | +204.10 → 30,403.97ドル |
| GOLD | −2.80 → 1,880.40ドル |
| WTI | +0.61 → 47.62ドル |
| 米10年国債 | ±0 → 0.923% |
本日の注目イベント
- 米 10月ケース・シラ−住宅価格指数
本日のコメント
27日米議会が可決した9000億ドル(約93兆1500億円)の経済対策を含む包括法案に対して、国民一人当たり600ドルの現金給付には不満として署名を拒否していたトランプ大統領が一転して法案に署名を行いました。これにより法案は成立しましたが、トランプ氏は引き続き現金給付を2000ドルに増額するよう求めていましたが、今朝の報道ではこれも議会で可決しています。「1人当たり600ドルの現金給付額を2000ドルに差し替えるための法案は、賛成多数で可決した。採決結果は賛成275、反対134と、可決に必要な3分の2の賛成票を上回った」と、ブルームバーグは伝えています。
署名を拒否していたトランプ氏が一転して署名を行った背景には、自身が所属する共和党内部からも署名を求める声があり、さらに「トランプ氏は退任後も政治的な影響力を維持したいと考え、年始年末の経済の混乱回避を優先した」(日経新聞)ものと見られます。成立した経済対策は、2009年のリーマンショック時のそれを上回り、2021年の経済成長を3%程押し上げる効果があるとの試算もあります。
ひとまず法案が成立したことで、NY株式市場は3主要指数が揃って最高値を更新し、リスクオンが強まりました。リスクオンが強まり、株価が上昇すると売られる傾向があったドル円は、昨日はドル高に振れています。ドル円は103円89銭まで買われ、1週間ぶりの高値を付け、直近の円の高値からちょうど1円値を戻したことになります。依然としてドルの上値はまだ限定的と見ていますが、今のところ市場の参加者が少ない間隙をぬった投機的な動きは見られません。ユーロ円が127円に迫る水準まで上昇するなど、クロス円では概ね円安傾向が継続しており、これがドル円をサポートしているとも考えられます。また米長期金利も1%を目前に足踏みはしていますが、トレンドとしては上昇傾向を維持していることも、ドルが思ったほど下げない要因の一つになっています。
今年もあと3日で終わりますが、上述のように米国では大規模な経済対策に加え、コロナワクチンの接種も急速に進んでいるようです。今後、ドル円は下値を試す可能性が高いと見ていますが、どこかの段階で反発することも十分考えられます。コロナからの脱却と経済成長の再加速がドル高につながる構図ですが、この部分では日米欧では先頭を走る可能性もあります。ドル円が100円を割り込み、底値を確認してからの反転になるのか、あるいは100円という非常に重要な大台を割り込むことなく反転に向かうのか、この点については今後の動きを慎重に見ていきたいと思います。本日のドル円は103円40銭〜104円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/24 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 | ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。 |
| 12/24 | ジョンソン・英首相 | 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 | ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。 |
| 12/16 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 | -------- |
| 12/16 | パウエル・FRB議長 | 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 | -------- |
| 12/16 | FOMC声明文 | 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 | 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。 |
| 12/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 | 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。 |
| 12/1 | シュナーベル・ECB理事 | 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 | -------- |
| 11/18 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 | -------- |
| 11/5 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 | -------- |
| 11/5 | パウエル・FRB議長 | 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 | ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



