今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米国株、波乱の幕開け」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 欧州市場で102円72銭まで売られたドル円は反発。リスク回避のドル買いが優勢となり、103円25銭までドルが買われる。
  • ユーロドルは反発。昨年末と同水準となる1.2310までユーロ高が進む。
  • 株式市場は大幅安で始まる。コロナ感染が拡大していることや、ジョージア州での決選投票の不透明さを背景に、ダウは一時700ドルを超える下げに。その後下げ幅を縮小したものの、382ドル安で引ける。ナスダックとS&P500も大幅安。
  • 債券は横ばい。
  • 株が大きく売られたことで資金は再び金へ。昨年末比51ドル上昇し、一気に1946ドル台に。原油は反落。
ドル/円 102.90 〜 103.25
ユーロ/ドル 1.2242 〜 1.2310
ユーロ/円 126.27 〜 126.79
NYダウ −382.59 → 30,223.89ドル
GOLD +51.50 → 1,946.60ドル
WTI −0.90 → 47.62ドル
米10年国債 ±0 → 0.913%

本日の注目イベント

  • 日 12月マネタリーベース
  • 独 独11月小売売上高
  • 独 独12月失業率
  • 欧 ユーロ圏11月マネーサプライ
  • 米 12月ISM製造業景況指数
  • 米 12月自動車販売
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁、パネル討論に参加
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、オンラインイベントで司会
  • 米 ジョージア州で上院決選投票

本日のコメント

2021年が始まりました。株式市場は、日米とも昨年末はほぼ最高値近辺で取引を終えましたが、今年は波乱の幕開けでした。いずれもコロナ感染の拡大に歯止めがかからず、感染者数が過去最多を記録したことで、コロナ情報には慣れっこだった市場も「コロナの影響による景気後退」を意識せずにはいられない状況だったようです。昨日の日経平均株価はプラスで始まったものの直ぐ下落に転じ、一時は400円を超える下げに。103円30銭前後で取引されていたドル円も、この時は「リスク回避の円買い」で反応し、102円台に。その流れを引き継いだ欧州市場ではさらにドル売りが強まり、102円72銭までドル安が進みました。昨年12月17日に記録した102円88銭を、わずかですが下回るドル安水準を示現しています。

ただ、NYでは株価に対する反応は逆でした。米国ではコロナ感染者数が1日で30万人を超えたことや、ジョージア州で議会上院の決選投票を巡る不透明感からNYダウは大きく売られ、一時は700ドルを超える下げを見せました。この時のドル円は「リスク回避のドル買い」で反応したようで、ドル円は103円25銭まで反発しています。なかなか読みにくい相場展開です。それにしても、102円台半ばから後半では確実にドルが買い戻され、反発しています。ドルの先安観が根強いとはいえ、突っ込み過ぎると足元をすくわれる展開が続いています。ここは、ドル安を見据えているものの、その動きは極めて緩やかで、「一歩前進二歩後退といった展開だ」との腹ズモリで対峙するしかありません。

米上院の決選投票は今日行われ、これで議会の勢力図が最終的に決まることになります。上院では共和党50、民主党48で、残る2議席を巡っての闘いです。トランプ、バイデン両氏とも現地に入り応援演説を行うようですが、予想では共和党が過半数を獲得する公算が高いと見られています。またトランプ大統領はジョージア州で選挙事務を統括する州務長官に圧力をかけていたことが判明しました。トランプ氏はラフェンスパーガー州務長官に、バイデン氏勝利の選挙結果を覆すよう電話で圧力をかけたと、ワシントン・ポスト紙が報じています。トランプ氏もこの事実を認めているようですが、ラフェンスパーガー州務長官は、選挙結果に不正がなかったことを発表しています。この期に及んでもまだ選挙結果を認めないトランプ氏に対して、前国防長官のマティス氏などは、「選挙結果に疑問を投げかける時は過ぎた」と、選挙結果を受け入れるようワシントン・ポスト紙に寄稿しました。

シカゴ連銀のエバンス総裁は4日、インフレ率が2.5%を大幅に上回っても懸念はない、との認識を示しました。同総裁は記者との電話会見で、「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」と発言し、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」と語っています。(ブルームバーグ)この発言は、コロナ禍で物価上昇が困難の中、国民のインフレ期待を引き上げるには、それくらい大胆な施策が必要だとの強い意志を表したものと思われます。因みに同総裁は今年のFOMCでの議決権を有しています。

本日もドル円は昨日と同じような展開を予想します。レンジは102円60銭〜103円40銭といったところでしょうか。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/4 シカゴ連銀のエバンス総裁 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 --------
12/24 フォンデアライエン・欧州委員長 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。
12/24 ジョンソン・英首相 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。
12/16 バイトマン・ドイツ連銀総裁 (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 --------
12/16 パウエル・FRB議長 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 --------
12/16 FOMC声明文 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。
12/10 ラガルド・ECB総裁 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。
12/1 シュナーベル・ECB理事 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和