今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利上昇が一服」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は米長期金利の上昇が一服したことで反落。米長期金利が1.12%台まで低下したことを受け、午後には103円72銭まで売られる。
  • ユーロドルは反発。1.2210までユーロが買い戻され、1.21台前半では底堅い動きを見せる。
  • 株式市場は反発。ダウは60ドル上昇し、主要指数は揃って買われる。
  • 債券相場は反発。10年債の入札が好調だったことから、買い物を集める。長期金利は1.12%台まで低下。
  • 金は反落し、原油は続伸。原油価格は53ドル台まで上昇し、約11カ月ぶりの高値に。バイデン政権での景気回復観測が買いにつながる。
ドル/円 103.72 〜 104.33
ユーロ/ドル 1.2137 〜 1.2210
ユーロ/円 126.57 〜 126.77
NYダウ +60.00 → 31,068.69ドル
GOLD −6.60 → 1,844.20ドル
WTI +0.96 → 53.21ドル
米10年国債 −0.017 → 1.129%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏11月鉱工業生産
  • 欧 ラガルド・ECB総裁、オンラインで質疑応答に参加
  • 米 12月消費者物価指数
  • 米 12月財政収支
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 クラリダ・FRB副議長、バーチャル討論会に参加

本日のコメント

大統領就任式を来週に控えている中、トランプ氏の民衆を扇動した発言を巡る混乱が続いています。議会民主党は、トランプ氏の罷免をペンス副大統領に求める決議案を議会に提出し、下院で可決される見込みです。法案可決後24時間以内にトランプ氏を罷免するようペンス副大統領に迫る予定ですが、ペンス氏はこの要求を拒みそうで、その場合には、本議会で弾劾決議案の採択を行う予定で、本日13日中にも採決の運びとなります。これに対してトランプ氏は、「不適切なところは一切ない」と断言しており、訪れたテキサス州アラモでは、大統領罷免に関する憲法修正25条について、「自分には全く脅威ではないが、バイデン氏とその政権はこれに呪われるかもしれない」と述べています。またトランプ氏の属する共和党のマコネル上院院内総務はトランプ氏について、弾劾されて当然の罪を犯したと考えているとNYタイムズ紙は報じています。同紙は、マコネル氏は弾劾訴追の動きにより、トランプ大統領を共和党から排除することが容易になるとの認識を示したと伝えています。(ブルームバーグ)弾劾訴追決議案は下院では可決される可能性が高いと見られ、上院の採決が注目されます。

11日のNY市場で104円40銭まで買われたドル円でしたが、昨日は米長期金利の低下に伴い103円72銭前後まで押し戻されています。昨日の東京時間では104円台を維持出来ていたものの、NY時間の午後には104円台を割り込み、ジリジリと値を下げました。米長期金利との相関が強まっており、その金利が1.12%台まで低下したことを考えれば、当然の成り行きと言えます。また、104円台半ばには一目均衡表の雲(日足)があり、その雲に上昇を一旦抑えられた格好にもなっています。

米長期金利が1.5%近くまで急騰したことについてクラリダFRB副議長は、「ワクチンや経済成長期待などプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」と、景気が回復する過程での金利上昇を容認する姿勢を見せています。市場の一部には今後FRBが債券の購入規模を徐々に縮小する、いわゆる「テーパリング」の観測もあるようですが、これについてセントルイス連銀のブラード総裁は、「新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、金融政策支援の縮小を議論するのは時期尚早だ」との見解を示しました。市場はバイデン次期大統領が大規模な追加の景気刺激策を講じるとの観測を強めており、これが金利上昇圧力になっています。追加の経済対策については14日にも発表されるとの報道もあり、その内容と規模次第では今後の金利の動きに大きな影響を与えます。また、次期財務長官に就任する予定のイエレン前FRB議長の公聴会が19日にも行われるようです。公聴会は上院財政委員会で行われる予定ですが、ここでは問題なく承認されると見られています。イエレン氏の財政政策に対する考え方の一部が披露される可能性もあり、注目されます。

ドル円の動きも、米10年債の動きも、今週から来週にかけて行われるバイデン新政権での政策内容を待つ展開になります。政策内容が期待を上回るものであれば、米株価が上昇し、債券が売られ、金利が再び1.4%を超えていく可能性があります。ドル円の動きも金利に沿った動きとなり、再び104円台乗せもありそうです。もっとも、期待が先行している部分もありそうで、期待外れの場合には103円割れもないとは言えません。ドル円の値動きも徐々に活発になってきており、ようやく相場らしい相場つきになってきたと考えております。本日のドル円は103円40銭〜104円20銭といったところでしょうか。

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緊急事態宣言の発令に伴い、毎朝配信しております「アナリストレポート」も、発令期間中不規則な配信体制となります。今週は14日(木)と、15日(金)はお休みとさせて頂きます。読者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、宜しくお願い申し上げます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/11 クラリダ・副議長 (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 --------
1/7 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 --------
1/4 シカゴ連銀のエバンス総裁 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 --------
12/24 フォンデアライエン・欧州委員長 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。
12/24 ジョンソン・英首相 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。
12/16 バイトマン・ドイツ連銀総裁 (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 --------
12/16 パウエル・FRB議長 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 --------
12/16 FOMC声明文 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。
12/10 ラガルド・ECB総裁 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。
12/1 シュナーベル・ECB理事 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和