「ユーロ円2019年3月以来の高値」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 株価の大幅下落に伴い、リスク回避のドル買いが強まりドル円は104円85銭まで上昇。約2カ月半ぶりのドル高水準を示現。
- ユーロドルは小動きとなり、1.21台前半から半ばで推移。ユーロ円は127円34銭まで買われ、こちらは2019年3月以来となるユーロ高を記録。
- 株式市場は大幅に反落。ダウは620ドル下げ、3万ドルの大台を割り込む。ナスダック、S&P500は2%前後下げる。
- 債券相場は続落。長期金利は1.06%台へ上昇。
- 金は反発し、原油は続落。
12月個人所得 → 0.6%
12月個人支出 → −0.2%
12月PCEコアデフレータ → 1.5%
10−12月雇用コスト指数 → 0.7%
12月中古住宅販売成約件数 → −0.3%
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 63.8
1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 79
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| ドル/円 | 104.62 〜 104.85 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2126 〜 1.2156 |
| ユーロ/円 | 126.89 〜 127.34 |
| NYダウ | −620.74 → 29,982.62ドル |
| GOLD | +9.10 → 1,850.30ドル |
| WTI | −0.14 → 52.20ドル |
| 米10年国債 | +0.020 → 1.065% |
本日の注目イベント
- 中 1月財新製造業PMI
- 独 独1月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏12月失業率
- 英 英12月消費者信用残高
- 米 1月ISM製造業景況指数
- 米 12月建設支出
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
本日のコメント
2月になりました。米国では1月にバイデン氏が第46代大統領に就任し、大統領令に矢継ぎ早に署名を行い、トランプ政権から大きく舵を切り直しました。大規模な経済対策を打ち出し、新型コロナウイルス対策を最優先課題と位置づけ、政権を始動させています。比較的重要なイベントがあった中、この間のドル円の値動きはわずか2円35銭程度でした。1月の月初めには102円59銭までドル安が進み、2021年はドル安が進むとの印象を与えたスタートで、多くの投資家が身構えたものでした。
そのドル円は1月最後の取引き日である、先週29日のNY市場では104円85銭までドルが買い戻され、ほぼ1月としてはドル最高値の水準で終わっています。この欄でも2週間前から指摘してきたように、ドルの先安観は変わっていないものの、ドルが思ったほど売られない展開になっています。マイナーな抵抗帯であった104円ミドルを抜けたことで、日足チャートでは昨年6月以来となる、ローソク足の「雲抜け」が確認されています。同時にMACDも「プラス圏」に入ってきたことを考えると、ややドルロングに分がありそうでな気配です。先週末のNYでは株価が大きく下げ、「VIX指数」も再び上昇してきました。ドルはこの動きに反応し、「有事のドル買い」が定着しつつあります。混乱が生じた際に、国際決済通貨としてのドルを確保する動きが強まっています。今後は105円台に乗せることが出来るかどうかが注目されますが、仮に105円台を示現した場合、次のレジスタンスは105円15銭前後と105円50銭と見ています。
バイデン新政権に早くも「壁」が立ちはだかって来ました。バイデン大統領が打ち出した1.9兆ドル(約198兆円)の経済対策に対して、共和党の上院議員10人が新型コロナウイルス感染症による打撃からの回復を目的とする経済対策の代替案を示したと、ブルームバーグは伝えています。10人の上院議員は1月31日付けの書簡で、「超党派および結束の精神で、われわれはCOVID19からの救済の枠組みを策定した。これは超党派の支持を得て可決したこれまでの新型コロナ支援関連法を基盤としている」と記し、規模は約6000億ドルとしています。バイデン政権のディーズ国家経済会議(NEC)委員長は、この書簡を受け取ったことを認め、検討するとコメントしています。財政規律を重視する共和党では、当初からその大規模な追加の経済対策に反対する声も多く、規模の大幅な縮小を余儀なくされる可能性もありそうです。
米国株が大きく下げたことで、先週末の日本株も今年最大の下げを見せました。日経平均株価は前日比534円下げ、2万8000円の大台を割り込んでいます。先週末のレポートでも触れましたが、ロビンフッダーと言われる個人投資家が、「ゲームストップ株」を買い上げ、空売りをしているヘッジファンドを損切りに追い込みました。この株価の乱高下が市場全体のセンチメントを悪化させているようです。ヘッジファンド運営会社メルビン・キャピタルはゲームストップなど10余りのポジションが響き、1月の運用成績が約53%のマイナスになった。オンライン掲示板「レディット」上で動機付けられた個人投資家が仕掛けた「ショートスクイーズ」の波にのみ込まれた。(ブルームバーグ)との報道です。個人投資家がヘッジファンドを負かすといった事態は過去に記憶がありませんが、SNSによって一気に賛同者を結集できる事態は、トランプ氏が議会前に集結するようデモを扇動した行為と同じ構図と言えます。
本日のドル円は104円30銭〜105円程度を予想します。105円に近づく水準では、依然としてドル売り注文が集まり易いと思われます。東京時間ではなかなか抜け切れないかもしれませんが、105円台に乗せれば、どこかに「ストップのドル買い」もあると思われ、展開もやや異なることが予想されます。105円といった、いわゆる「大台の節目」は通常1回の攻撃では抜けないものです。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/28 | クノット・オランダ中銀総裁 | 「ユーロ高に対抗する必要が生じた場合、ECBは預金金利を現在の−0.5%からさらに引き下げる余地ある。もちろんそれは、資産購入、TLTRO、フォワードガイダンスなどの多様な手段によって決定される全体的な金融スタンスと合わせて見なければならない」 | ユーロドル1.21台から1.20台半ばへと下落。 |
| 1/27 | パウエル・FRB議長 | 「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」 | -------- |
| 1/25 | 習近平・中国国家主席 | 「対立はわれわれを袋小路に陥れる」、「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミットし続けるよう」 | -------- |
| 1/20 | イエレン・次期財務長官 | 中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」 | -------- |
| 1/19 | イエレン・次期財務長官 | (承認公聴会で)競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」、「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」 | ドル円は小幅に上昇し、104円台をつける。 |
| 1/14 | パウエル・FRB議長 | 「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない」(2%の物価目標について)、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」 | -------- |
| 1/11 | クラリダ・副議長 | (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 | -------- |
| 1/7 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 | -------- |
| 1/4 | シカゴ連銀のエバンス総裁 | 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 | -------- |
| 12/24 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 | ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。 |
| 12/24 | ジョンソン・英首相 | 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 | ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。 |
| 12/16 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 | -------- |
| 12/16 | パウエル・FRB議長 | 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 | -------- |
| 12/16 | FOMC声明文 | 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 | 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。 |
| 12/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 | 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。 |
| 12/1 | シュナーベル・ECB理事 | 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



