今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円2カ月半ぶりに105円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は続伸し、一時は105円03銭までドルの買い戻しが進む。105円台に乗せるのは約2カ月半ぶりのこと。
  • ドル高の流れが続き、ユーロドルは終始1.20台で推移。1.2056までユーロは売られ、ユーロドルのサポートゾーンを再び試す。
  • 株式市場は大幅に反発。先週末に大きく下げた反動もあり、ダウは229ドル高。ハイテク銘柄の好決算期待からナスダックは2%を超える大幅高に。
  • 債券は3日続落。長期金利は1.07%台へと上昇。
  • 金は3日続伸。原油も大幅に反発。
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1月ISM製造業景況指数 → 58.7
12月建設支出 → 1.0%
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ドル/円 104.89 〜 105.03
ユーロ/ドル 1.2056 〜 1.2099
ユーロ/円 126.51 〜 126.96
NYダウ +229.29 → 30,211.91ドル
GOLD +13,60 → 1,863.90ドル
WTI +1.35 → 53.55ドル
米10年国債 +0.014 → 1.079%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 日 1月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

本日のコメント

昨日このレポートでも触れましたが、ドル円は東京時間では上値が限られ、久しぶりの104円台後半の水準であったことから、むしろ実需のドル売りが相場を押し下げていました。一旦104円64銭近辺まで売られたドル円は、欧州時間に入るとジリジリと買いが優勢となり、NYでは105円台まで上昇しました。105円台を付けるのは、昨年11月16日以来となります。また昨日はドルが全面高の展開となり、ユーロドルは1.20台半ば、豪ドル米ドルも0.76台前半まで売られています。

先週末には大きく売られた米株式市場も昨日は買い戻され、ダウは229ドル高と、前日の大幅な下げを埋めるにはほど遠い展開でしたが、ナスダックは2%を超える上昇でした。ISM製造業景況感指数が高水準を維持していたことも支えになったようです。本日決算が発表されるアマゾンや、アルファベット(グーグル)などが、株高をけん引し、ナスダックは332ポイント上昇しました。好決算を予想し、先回りした買い物が先行したようです。注目の「ゲームストップ」は大きく下げています。

共和党上院議員らが新たに提案した経済対策案の内容が明らかになりました。規模は6180億ドル(約64兆円)とし、現金給付は1000ドルで、バイデン大統領が提案した1400ドルを下回っています。また受給資格の所得規準も厳しくなっています。共和党上院議員らは1日にバイデン大統領と会談することになっていますが、バイデン大統領も、自身の提案を調整する考えがあるようです。(ブルームバーグ)

政府は緊急事態宣言を1カ月延長し、3月7日までにするようです。昨日は東京都の新規感染者数が393人と大幅な減少でした。少ないのは、月曜日だということもありますが、1月に発令した緊急事態宣言の効果が出て来たと見られます。ただ、まだそれでも重症者数は高止まりしており、感染による死者の数も減りません。また65歳以上の高齢者の新規感染者の割合が増えているのも気になるところです。感染者数の減少は米国でも顕著です。NY州では1日当たりの新規感染者が8508人と、昨年12月後半以来、初めて1万人を割り込んで来ました。コロナ感染症による死者数が1月には9万5500人と、月間ベースでは過去最多を更新しましたが、2月には減少すると見られています。人の移動に制限をかければ感染者数は確実に減少することは分かっていますが、一方で運輸、ホテル、飲食業などは非常に厳しい現実に直面しており、特に規模の小さい飲食業では「時間との勝負」のようです。ここは何と言っても、1日も早いワクチンの普及が望まれます。

2カ月半ぶりに105円台まで上昇したドル円ですが、どこまでドル高が続くのかが焦点です。それはとりもなおさず、リスクオフがどこまで続くのかとほぼ同じですが、昨日はリスクオフが後退し、「VIX指数」も低下したにも拘わらずドルが買われています。米株式市場ではここに来て、個人投資家が投機的な取引を増やしていることが、リスクなのかもしれません。ドル円は依然として「ショートカバー」の域を超えてはいないと思いますが、一方で100円割れの可能性も徐々に遠のいています。FRBは金融緩和政策の継続を明確にしており、パウエル議長は一部で話題となったテーパリングに関して「時期尚早」と一蹴しています。一方本邦でも、日銀が長期金利の変動幅拡大を容認するのではないかといった観測も出ているようです。日銀はFRBと違って、短期金利だけではなく長期金利もコントロールしています。長期金利の変動幅拡大は、債券の売り圧力が強いことを考えると金利上昇につながる可能性があり、円高要因と見る向きもあります。緩やかなドル買い戻しが続いている足元の動きは、今後の日米金融政策の微妙な変化も材料にするかもしれません。

本日のドル円は104円50銭〜105円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/28 クノット・オランダ中銀総裁 「ユーロ高に対抗する必要が生じた場合、ECBは預金金利を現在の−0.5%からさらに引き下げる余地ある。もちろんそれは、資産購入、TLTRO、フォワードガイダンスなどの多様な手段によって決定される全体的な金融スタンスと合わせて見なければならない」 ユーロドル1.21台から1.20台半ばへと下落。
1/27 パウエル・FRB議長 「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」 --------
1/25 習近平・中国国家主席 「対立はわれわれを袋小路に陥れる」、「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミットし続けるよう」 --------
1/20 イエレン・次期財務長官 中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」 --------
1/19 イエレン・次期財務長官 (承認公聴会で)競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」、「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」 ドル円は小幅に上昇し、104円台をつける。
1/14 パウエル・FRB議長 「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない」(2%の物価目標について)、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」 --------
1/11 クラリダ・副議長 (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 --------
1/7 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 --------
1/4 シカゴ連銀のエバンス総裁 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 --------
12/24 フォンデアライエン・欧州委員長 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。
12/24 ジョンソン・英首相 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。
12/16 バイトマン・ドイツ連銀総裁 (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 --------
12/16 パウエル・FRB議長 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 --------
12/16 FOMC声明文 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。
12/10 ラガルド・ECB総裁 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。
12/1 シュナーベル・ECB理事 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和