「ドル、対円、ユーロなどで続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は小幅ながら続伸し、105円17銭まで上昇。長期金利が一時1.1%台を回復したことがドルを支えた。
- ユーロドルは続落し、一時1.2012近辺まで売られる。約2カ月ぶりの安値を付けたが、1.20台はキープ。
- 株式市場は大幅に続伸。個人投資家の投機的取引が下火になってきたことや、好決算を発表した銘柄などに買いが集まる。ダウは一時600ドルを超える上昇を見せ、引け値では475ドル高と、先週の下げをほぼ埋める。
- 債券相場は4日続落。長期金利は一時1.10%台まで上昇。
- 金は大幅に反落。原油は続伸し、一時55ドル台に。
| ドル/円 | 104.97 〜 105.17 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2012 〜 1.2050 |
| ユーロ/円 | 126.26 〜 126.52 |
| NYダウ | +475.57 → 30,687.48ドル |
| GOLD | −30.50 → 1,833.40ドル |
| WTI | +1.21 → 54.76ドル |
| 米10年国債 | +0.017 → 1.096% |
本日の注目イベント
- 豪 豪12月住宅建設許可件数
- 中 中国1月財新サービス業PMI
- 中 中国1月財新コンポジットPMI
- 独 独1月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏12月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)
- 米 1月ADP雇用者数
- 米 1月ISM非製造業景況指数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
本日のコメント
2日の米株式市場では個人投資家の投機的な取引が下火になり、落ち着きを取り戻したことで、本来の「業績相場」が復活し、この日好決算発表を行った銘柄を中心に大幅な上昇でした。安全資産の債券は売られ、長期金利が上昇したことで、金利高に反応しドルが買われています。昨日の東京時間では105円台が重かったドル円は105円17銭まで買われ、小幅ですが、ジリジリとドルの買い戻しが進んでいる状況です。
ダラス連銀のカプラン総裁は、「ゲームストップ」などの銘柄に見られる最近のボラティリティがもたらす金融安定へのリスクについて、「現時点でシステミックなものは何も見られない。現在の状況には多くの要因があるが、その一つはもちろん相当量の流動性があるということで、その影響はみられる」と述べ、その上で、「新型コロナウイルスのパンデミックへの対応として今やっていることをやるべきだとなお考えている。ただし、これを乗り越えれば、こうした流動性の抑制および金融政策の正常化を開始することが健全だろう」と話しています。(ブルームバーグ)2日の株式市場ではオンライン掲示板「レディット」を通じた個人投資家の間で人気化したトレードが急速に崩れ、「ゲームストップ株」は、一時前日比67%安まで急落しています。また同じように、AMCエンターテインメントHDや衣料小売りチェーンのエクスプレスも大きく下げ、8年ぶりの高値まで急騰した銀も下げています。
新型コロナウイルス感染拡大がすでに1年以上も続いていることで、企業業績にもその影響がはっきりと表れています。取引き終了後に発表されたアマゾンとアルファベット(グーグル)の決算は、ともに市場予想を超えていました。またコロナワクチンで売り上げを伸ばしたファイザーは業績も好調で、ワクチンだけの売上高を、今年は150億ドル(約1兆5700億円)見込んでいます。一方石油大手エクソンモービルが発表した決算は、10−12月期(第4四半期)では193億ドル(約2兆269億円)の巨額評価損を計上し、2020年通期の損益は少なくとも40年ぶりの赤字に転落する見込みです。コロナ禍で人々の行動や生活様式が大きく変わり、「すごもり需要」が企業業績に大きな影響を与える状況は世界共通です。
ドル円は1月6日に102円59銭を記録してから、すでに2円60銭ほどドルが買い戻されてきました。「有事のドル買い」、「米長期金利の上昇」といった材料が支えとなり、ショート筋の買い戻しが相場を押し上げました。テクニカルで見ると、ドル上昇傾向は鮮明です。日足では、筆者が最も頻繁に参考にする「一目均衡表」では、転換線が基準線を上抜けており、「重要な抵抗帯」であった雲の上抜けも示現しています。さらに「遅行スパン」もローソク足を上抜けしており、これで、いわゆる「3役好転」が完成しています。通常、このようなサインが出現すれば、かなり長い間上昇トレンドが続くと見るのが一般的です。ただ、気を付けたいのは、ここまでのドル高はドルショートの買い戻しが中心で、新規にドル買いポジションを構築する向きはまだ少ないという点です。シカゴ先物市場の円の建玉を見ても、直近ではまだ「7903枚の円買い」です。1月19日の建玉からの減少幅は3155枚(28.5%)でしたが、ネットではまだ「ドル売り・円買い」だということです。このような状況下では、まずショートは切ることが重要です。もっとも、ドル上昇のサインが点灯した先週には切らなければいけなかったはずです。また、新規にショートを振るのであれば、出来るだけ引き付ける必要があります。これも、ドル上昇サインが横ばいを見せてからでも遅くはありません。1月6日に付けたドル円が「今年のドルの最安値」になるとは、現時点では思いませんが、足元の動きは、長い目で見た「ドル反転の始まりの第一歩」かもしれません。ここは慎重に見極めたいと思います。本日のドル円は104円70銭〜105円40銭程度といったところでしょうか。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/28 | クノット・オランダ中銀総裁 | 「ユーロ高に対抗する必要が生じた場合、ECBは預金金利を現在の−0.5%からさらに引き下げる余地ある。もちろんそれは、資産購入、TLTRO、フォワードガイダンスなどの多様な手段によって決定される全体的な金融スタンスと合わせて見なければならない」 | ユーロドル1.21台から1.20台半ばへと下落。 |
| 1/27 | パウエル・FRB議長 | 「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」 | -------- |
| 1/25 | 習近平・中国国家主席 | 「対立はわれわれを袋小路に陥れる」、「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミットし続けるよう」 | -------- |
| 1/20 | イエレン・次期財務長官 | 中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」 | -------- |
| 1/19 | イエレン・次期財務長官 | (承認公聴会で)競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」、「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」 | ドル円は小幅に上昇し、104円台をつける。 |
| 1/14 | パウエル・FRB議長 | 「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない」(2%の物価目標について)、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」 | -------- |
| 1/11 | クラリダ・副議長 | (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 | -------- |
| 1/7 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 | -------- |
| 1/4 | シカゴ連銀のエバンス総裁 | 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 | -------- |
| 12/24 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「長く、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」、「公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ守る責任ある内容だ」 | ユーロドルは1.22台からじり安の展開に。 |
| 12/24 | ジョンソン・英首相 | 「数十年にわたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」、「いいとこだけを集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」 | ポンドドル、1.35台半ばから1.36台に乗せる。 |
| 12/16 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | (拡大するECBの国債保有が危険だとしながら)「そうしなければ、われわれは市場への支配的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことになる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充によりこの問題が増幅された」 | -------- |
| 12/16 | パウエル・FRB議長 | 「経済活動と雇用は回復を続けたが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「ようやくトンネルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと心が痛む」 | -------- |
| 12/16 | FOMC声明文 | 「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるとうにする。委員会はこうした結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」、委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」 | 株価が下落し、債券が売られ、ドル円は小幅に上昇したが、その後元の水準に。 |
| 12/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」(新型コロナウイルスのパンデミックについて)「先を見れば、ワクチン接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」 | 追加緩和策発表後、ユーロドルは1.20台後半から1.21台半ばへ。 |
| 12/1 | シュナーベル・ECB理事 | 「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持していくことに集中するのが適切だ」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



