「米1月雇用者数4.9万人増に留まる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 大規模な経済対策が実施される可能性が高まったことでドル円は一段と上昇し、105円76銭まで買われた。雇用統計発表後は低調な結果からドル売りが強まり、105円32銭まで売られ、この日の安値圏で越週。
- ユーロドルは1.19台後半から反発し、1.2050まで上昇。
- 株式市場は議会上下院で予算決議案が可決されたことを受け続伸。ダウは5日続伸し、ナスダックとS&P500は連日で最高値を更新。
- 債券相場は続落。長期金利は上昇し、1.16%台に。
- 金は反発。原油は続伸し、一時は約1年ぶりとなる57ドル台を記録。OPECなど、産油国の減産体制が今後も維持されるとの見方が背景。
8月失業率 → 6.3%
8月非農業部門雇用者数 → 4.9万人
8月平均時給(前月比) → 0.2%
8月平均時給(前年比) → 5.4%
8月労働参加率 → 61.4
12月貿易収支 → −666億ドル
12月消費者信用残高 → 97.34億ドル
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| ドル/円 | 105.32 〜 105.78 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1982 〜 1.2050 |
| ユーロ/円 | 126.50 〜 127.00 |
| NYダウ | +92.38 → 31,148.24ドル |
| GOLD | +21.80 → 1,813.00ドル |
| WTI | +0.62 → 56.85ドル |
| 米10年国債 | +0.025 → 1.164% |
本日の注目イベント
- 日 1月景気ウオッチャー調査
- 日 12月貿易収支
- 日 12月国際収支
- 独 独12月鉱工業生産
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
本日のコメント
1月の雇用統計は低調な結果に終わりました。すでに発表されたADP雇用者数や失業保険申請件数が労働市場の回復を示唆する内容だったことから、発表後は「期待外れ」のドル売りが強まりました。1月の非農業部門雇用者数は、事前予想の「10万5000人」に対して、「4万9000人」と、予想を大きく下回りました。また12月分も、「マイナス14万人」からさらに減少しており、改定値は「マイナス22万7000人」に下方修正されています。
相変わらず米雇用関係の指標は、ADPと雇用統計とではちぐはぐな結果が出るケースが多いという印象ですが、これでバイデン政権としては、大規模な経済支援を行う必要があり、1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策案も正当化されそうです。雇用統計の結果を受け、大統領経済諮問委員会(CEA)のメンバーであるブシエイ氏は、ブルームバーグとのインタビューで「さらなる支援がなければ、米経済は苦難が続くことになる」と述べ、「われわれは行動し続ける必要がある。早急にやらなければならない」と語っています。イエレン財務長官も7日、CBSの番組で「労働市場は失速しつつあるようだ」と語り、「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」との認識を示しました。さらに長官は、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」と指摘し、バイデン大統領の示した1.9兆ドルの経済対策案を後方から支援した格好になっています。
ブリンケン米国務長官は5日、中国外交のトップである楊共産党政治局員と電話会談を行いました。米国務省の報道官は声明で、ブリンケン長官が「米国はわれわれが共有する価値と利益を守るため同盟国やパートナーと協力し、台湾海峡を含むインド太平洋の安定を脅かす取り組みや、規制に基づいた国際制度を損なう行為について中国の責任を問う考えを改めて示した」と説明しました。これに対して中国は「これら3地域は中国の内政問題だとし、外国が干渉すべきではないと反論。台湾問題は中国の主権と領土保全に関わるものであり、米国は『一つの中国』の原則と、3つの米中共同声明を順守すべきだ」と、楊氏がブリンケン長官に述べたと、中国外務省が発表しています。(ブルームバーグ)米中外交トップ同士が会談を行うのは今回が初めてですが、バイデン大統領もCBSのインタビューで、中国の習近平主席とまだ話が出来ていないことにつて、「お互い話をする機会がまだ持てていない」と説明し、習主席に「電話しない理由はない」と述べています。その上で、バイデン氏は、中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし、「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」との考えを示しています。また習主席については、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」とも述べています。
ドル円は堅調な動きを見せ、先週末のNYでは105円76銭までドル高が進みました。チャートでは「200日移動平均線」に抑えられた格好になっていますが、米長期金利も上昇傾向を維持していることから、堅調な動きは続くと予想します。「200日移動平均線」は「日足」では最後の砦といっていい存在で、ここを明確に超えるようだと、一段の上昇が見込めると思われます。ただ1月21日の103円台前からは一本調子の上昇が続いているので、106円台ではそろそろ「調整」も見られるかもしれません。この欄でも何度も指摘していますが、実需筋はかなり余裕が出て来たように思います。筆者の懇意にしている大手輸出メーカーの担当者は「105円台まで戻ったので、一息ついたよ」と話していました。低調な雇用統計の結果に伴い、議会でもバイデン大統領の提案する大規模な支援策が承認され易くなってきました。これが長期金利の上昇圧力にもなってきそうです。本日のドル円は105円〜105円80銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/7 | バイデン大統領 | 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 | -------- |
| 2/7 | イエレン財務長官 | 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 | -------- |
| 1/28 | クノット・オランダ中銀総裁 | 「ユーロ高に対抗する必要が生じた場合、ECBは預金金利を現在の−0.5%からさらに引き下げる余地ある。もちろんそれは、資産購入、TLTRO、フォワードガイダンスなどの多様な手段によって決定される全体的な金融スタンスと合わせて見なければならない」 | ユーロドル1.21台から1.20台半ばへと下落。 |
| 1/27 | パウエル・FRB議長 | 「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」 | -------- |
| 1/25 | 習近平・中国国家主席 | 「対立はわれわれを袋小路に陥れる」、「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミットし続けるよう」 | -------- |
| 1/20 | イエレン・次期財務長官 | 中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」 | -------- |
| 1/19 | イエレン・次期財務長官 | (承認公聴会で)競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」、「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」 | ドル円は小幅に上昇し、104円台をつける。 |
| 1/14 | パウエル・FRB議長 | 「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない」(2%の物価目標について)、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」 | -------- |
| 1/11 | クラリダ・副議長 | (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 | -------- |
| 1/7 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 | -------- |
| 1/4 | シカゴ連銀のエバンス総裁 | 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



