今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ6日続伸」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は上昇が一服。朝方の105円台半ばから利益確定の売りに押され、105円15銭まで下落。
  • ユーロドルは1.20台で堅調に推移。1.2066までユーロが反発。
  • 株式市場は経済対策への期待や、コロナ感染の拡大が鎮静化していることを背景に続伸。ダウは237ドル上昇し、これで6日続伸。ナスダックとS&P500は最高値を更新。
  • 債券は小幅に続落し、長期金利は1.17%台に。
  • 金は続伸。原油も6日続伸し、一時は約1年ぶりとなる58ドル台に。
ドル/円 105.15 〜 105.60
ユーロ/ドル 1.2022 〜 1.2066
ユーロ/円 126.64 〜 127.10
NYダウ +237.52 → 31,385.76ドル
GOLD +21.20 → 1,834.20ドル
WTI +1.12 → 57.97ドル
米10年国債 +0.006 → 1.170%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月NAB企業景況感指数
  • 中 中国1月マネーサプライ
  • 独 独12月貿易収支
  • 独 独12経常収支
  • 米 上院、トランプ前大統領の弾劾裁判開始予定

本日のコメント

超低金利がこの先も継続されることが予想され、さらに金融緩和が続いていることから、運用益を狙った投機的な資金があらゆる市場で跋扈しています。世界市場を見渡すと昨日は、株価の上昇はもちろんのこと、金、原油など主要商品は軒並み上昇し、ビットコインまで記録的な上昇を見せています。もっとも、ビットコインは、電気自動車専門メーカーのテスラが投資運用先としてビットコインに15億ドル(約1600億円)の投資をしたことが報道され、「テスラ効果」による部分が大きかったようです。それにしても、コロナ禍で人々は厳しい制限を受け、忍耐の日々を送っている一方、個人も含めた世界の投資家の多くは、「我が世の春」を満喫している構図になっています。

日本でも昨日の日経平均株価は2万9000円の大台を大きく超え、これで今月に入ってから1700円ほどの上昇です。世界で大きく出遅れていた日本株でしたが、ここにきてようやく「長かった春」が訪れたようです。これで3万円の大台が視野に入ったとの声もあり、中には1989年12月に記録した「3万8915円の歴史的高値も抜く」、といった強気の声も聞かれました。株価上昇の根底には、金(かね)余りがあるのは事実ですが、昨年の第1四半期から始まったコロナによる企業の業績の悪化も、ここにきて急回復しているのも事実です。現在、第3四半期の決算発表がピークを迎えていますが、市場予想を上回る決算発表が多くなっています。この傾向は米国ではさらに顕著で、これが連日ナスダックとS&P500を最高値へと導いています。バブルだとの声も、引き続き起こっていますが、企業業績が伴えば「合理的バブル」と言う言葉も説得力を持つかもしれません。

本日米国では、トランプ前大統領の弾劾裁判が上院で始まります。ブルームバーグによると、トランプ氏の弁護団は、弾劾裁判は「違憲」だと主張しており、1月6日に連邦議会議事堂への支持者乱入をトランプ氏が扇動したとの嫌疑を否定しています。弁護団はまた、トランプ氏はすでに大統領を退任しているため、訴追は却下されるべきだと訴えています。上院はまず、この問題を採決してから弾劾審理に入ることになっています。トランプ氏は民主党が要請した「宣誓証言」を拒否しており、他の証人尋問がおこなわれるのかは分かっていないようです。この欄で「トランプ氏」の名前が出るのも、久しぶりです。すでに過去の人ですから、弾劾裁判の結果がどうなろうと、相場への影響はないでしょう。

現時点では「東南アジアの一地域での出来事」として、市場への影響は見られないミャンマーのクーデターでは、昨日10万人にも及ぶ大規模な抗議デモが、首都ヤンゴンを中心に広がりました。デモ隊は拘束されたアウン・サン・スーチー氏の解放と、昨年の総選挙でスーチー氏の政党・国民民主同盟(NLD)が勝利した結果の認定。さらに軍の政治からの撤退を要求しています。欧米では今回のクーデターを非難する声も高まっていますが、現在のところ同国へ国際的な圧力をかけるような動きにはなっていません。ただ、ミャンマーは中国に替わって「世界の工場」としての地位を築きつつあり、日本企業も多数進出しています。今後の事態の変化によっては、日本の製造業にも影響が出て来ることも懸念されます。

ドル円は105台後半まで買われた後、上昇も一服です。長期金利の上昇傾向もこのあたりで小休止といったところですが、バイデン政権の大規模な経済対策に伴う国債の増発に加え、上述のように堅調な株式市場に資金が流入しており、投資家のリスク選好も強く、債券の売り圧力になっています。今後も株式と債券市場の動きが為替に大きな影響を及ぼす流れは続くと思われますが、米長期金利がどこまで上昇するのか、見極めていく必要があります。昨日の米債券市場では、30年債利回りが約1年ぶりに2%を超える場面もありました。

本日のドル円は104円90銭〜105円60銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/7 バイデン大統領 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 --------
2/7 イエレン財務長官 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 --------
1/28 クノット・オランダ中銀総裁 「ユーロ高に対抗する必要が生じた場合、ECBは預金金利を現在の−0.5%からさらに引き下げる余地ある。もちろんそれは、資産購入、TLTRO、フォワードガイダンスなどの多様な手段によって決定される全体的な金融スタンスと合わせて見なければならない」 ユーロドル1.21台から1.20台半ばへと下落。
1/27 パウエル・FRB議長 「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」 --------
1/25 習近平・中国国家主席 「対立はわれわれを袋小路に陥れる」、「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミットし続けるよう」 --------
1/20 イエレン・次期財務長官 中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」 --------
1/19 イエレン・次期財務長官 (承認公聴会で)競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」、「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」 ドル円は小幅に上昇し、104円台をつける。
1/14 パウエル・FRB議長 「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない」(2%の物価目標について)、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」 --------
1/11 クラリダ・副議長 (長期金利が1%を超えたことについて)「ワクチンや経済成長期待などのプラスの期待を織り込んで金利が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」 --------
1/7 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「米金融当局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性がある」、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしかねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」 --------
1/4 シカゴ連銀のエバンス総裁 「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」、「インフレ率が3%に向っているのを見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話しているだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させることにも間違いなく焦点をあてているだろ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和