「ドル円続伸し108円台半ばへ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は予想を大きく上回る雇用統計の結果を受け続伸。昨年6月6日以来となる108円64銭までドル高が進む。前日に続きドル高の流れが鮮明に。
- ユーロドルでもドル高が一段と進み、1.1893までユーロ安に。
- 雇用統計の結果を受け、株式市場は大幅に反発。ダウは572ドル上昇し、S&P500も1.95%上昇。
- 長期金利は一時1.62%台まで上昇したが、その後前日の水準まで戻す。
- 金は続落し、引け値で1700ドルを割り込む。原油は3日続伸し、約2年ぶりとなる66ドル台に。
1月貿易収支 → −682億ドル
2月失業率 → 6.2%
2月非農業部門雇用者数 → 37.9万人
2月平均時給 (前月比) → 0.2%
2月平均時給 (前年比) → 5.3%
2月労働参加率 → 61.4%
1月消費者信用残高 → 1.315b
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| ドル/円 | 108.10 〜 108.64 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1893 〜 1.1945 |
| ユーロ/円 | 128.84 〜 129.48 |
| NYダウ | +572.16 → 31,496.30ドル |
| GOLD | −2.20 → 1,698.50ドル |
| WTI | +2.26 → 66.09ドル |
| 米10年国債 | +0.002 → 1.566% |
本日の注目イベント
- 日 1月貿易収支
- 日 1月国際収支
- 日 2月景気先行指数(CI)(速報値)
- 日 2月景気ウオッチャー調査
- 独 独1月鉱工業生産
- 英 ベイリー・BOE総裁講演
本日のコメント
「これで110円が視野に入った」・・・・。先週末は、そんな声もNY市場からは聞こえてくる展開でした。ドル円は長期金利が一時1.62%台まで急騰したことを受けドルが一段と上昇し、108円64銭までドル高が進みました。これは昨年6月6日以来、9カ月ぶりの水準です。因みに昨年6月6日ごろの長期金利の水準は0.85%〜0.93%程度で推移しており、米長期金利はこれからさらに低下し、8月には過去最低となる0.5%台を付けます。ドル円はここから徐々にドル安が進み、106円から105円割れまで売られ、ご存知のように今年1月6日には102円60銭近辺までドル安が進み、多くの市場関係者が「今年はドル安の1年だ」といった予測を共有することになります。
このように見ると、ドル円と米金利の動きはある程度相関していることも分かります。それにしても、先週木曜日から金曜日にかけてのドル円の急上昇には驚きました。105円台を回復した辺りからドルの上昇を示唆するシグナルが確認されていましたが、それでもIMMのポジションを見ると、円買いが減少してはいたものの、「微減」といった状況で、ネットポジションは大幅な「円買い」が継続されていました。テクニカルでは「週足」の「200週移動平均線」を抜けたことで、投機筋の「円買い」ポジションも多くが整理されたものと思われます。IMMのポジションは、5日時点のものが明日発表されます。
2月の非農業部門雇用者数は「37.9万人」と、市場予想の「19.5万人」を大きく上回りました。特に外食関連の雇用は28万6000人増で、昨年7月以来の大幅な伸びとなりました。やはりコロナ感染の減少で、厳しい制限が解除されたことが大きく作用した結果だと思われます。また1月の非農業部門雇用者数も「4.9万人」から「16.6万人」と、大きく上方修正されています。
米上院では6日、バイデン大統領が掲げる1.9兆ドル(約205兆円)の経済対策案が50対49で可決しました。1400ドルの現金給付については、所得制限が引き下げられ、個人では年7万5000ドル、カップルでは15万ドルになりましたが、バイデン大統領は月内に支給を開始したい意向です。法案は、修正されたことから再び下院に送付され、再審議を経て14日までには成立する見通しになっています。ブルームバーグの調査によると、追加の経済対策案が成立することで、米経済の見通しが上振れ、2021年全体のGDPは5.5%と、1984年以来となる高成長が予想されています。バイデン大統領も法案可決後の会見で、「これだけで600万人強の新たな雇用が予想されている。GDPを1兆ドル押し上げるだろう」と語っています。
ドル円は上昇傾向を強めており、すでに「週足」チャートでは上方にレジスタンスはありません。直近高値が昨年6月に109円台前半というレベルがありますが、あとは最後の「月足」を参考にするしかありません。ただ、上昇スピードが速すぎる点が気になり、今後さらに上昇するとしても、やはり「調整」は意識しておくべきでしょう。本日のドル円は108円〜108円80銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/4 | クノット・オランダ中銀総裁 | (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 | -------- |
| 3/4 | パウエル・FRB議長 | われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 | 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。 |
| 3/3 | ベージュブック | 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 | -------- |
| 3/2 | ブレイナード・FRB理事 | 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 | -------- |
| 3/1 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 | -------- |
| 2/24 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 | NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。 |
| 2/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 | -------- |
| 2/17 | FOMC議事録(1月26、27日分) | 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 | -------- |
| 2/16 | オーストラリア準備銀行議事要旨 | 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 | -------- |
| 2/10 | パウエル・FRB議長 | 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 | -------- |
| 2/7 | バイデン大統領 | 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 | -------- |
| 2/7 | イエレン財務長官 | 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



