今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利一時1.64%台まで上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米長期金利が再び上昇し、発表された経済指標も良好だったことでドル円は上昇。109円14銭までドル高が進む。
  • ユーロドルではドルがやや買われ、1.1912までユーロが下落。ユーロ円は一時130円39銭まで買われる。
  • 株式市場はまちまち。ダウは6日続伸し、最高値を更新。S&P500も最高値を更新するも、ナスダックは78ポイント下落。
  • 債券相場は続落。長期金利は一段と上昇し、一時は1.64%台に。経済対策の早期実施と経済指標の上振れが債券の売り圧力に。
  • 金と原油は揃って下落。
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2月生産者物価指数 → 0.5%
3月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 83.0
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ドル/円 108.83 〜 109.14
ユーロ/ドル 1.1912 〜 1.1961
ユーロ/円 129.98 〜 130.39
NYダウ +293.05 → 32,778.64ドル
GOLD −2.80 → 1,719.80ドル
WTI −0.41 → 65.61ドル
米10年国債 +0.087 → 1.625%

本日の注目イベント

  • 中 中国小売売上高(1−2月)
  • 米 3月NY連銀製造景況業指数
  • 加 カナダ2月住宅着工件数

本日のコメント

米債券が再び大きく売られ、長期金利は前の週の1.62%台を上回る、1.64%台まで上昇しました。1.9兆ドル(約207兆円)規模の経済対策案が成立したことに加え、この日発表されたミシガン大学消費者マインドも「83.0」と前月を上回り、市場予想も超えていたことなどで、債券が売られました。前回同様、金利の大幅上昇でドルの相対的な投資魅力が増し、ドルは主要通貨に対して買われ、ドル円は109円14銭までドル高が進みました。ユーロドルでもドル高が進みましたが、円ほどユーロは売られなかったことで、ユーロ円は130円39銭近辺まで上昇し、2018年10月以来となるユーロ高を記録しています。金利高を嫌気して前回は株式市場では全面安の展開でしたが、今回はナスダックが下落したものの、金融など景気敏感銘柄の多いダウは大きく上昇し、3日連続で最高値を更新しています。大規模な景気対策や金利上昇が金融機関の収益にプラスに働くといった読みがあるのでしょう。

イエレン財務長官は14日、バイデン政権が大型の追加経済対策を実施し、完全雇用への復帰が視野に入る中でも、米国のインフレリスクは引き続き抑制されているとの認識を示しました。長官はABCテレビの番組で、「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」と述べ、一部の物価は上昇するだろうが、「それは一時的な動きだ」と語っています。その上で、「顕著なリスクだとは考えていない」とし、「実際にそうなった場合は当然状況を注視するが、われわれには対処する手段がある」と説明しています。また労働市場についても「パンデミックを打ち負かせば、来年には完全雇用に近い状態に戻れると期待している」とし、「追加経済対策はそのために必要なものだ」と指摘しています。(ブルームバーグ)

コロナワクチンの接種が進み、米国では1億回を超える接種が行われたようです。一方で「変異種」の感染が新たなリスクとして浮上してきました。イタリアでは「変異種」の感染拡大から再びロックダウンの強化が取られています。ファイザーとともにコロナワクチンの開発に成功した独ビオンテックのウグル・サヒンCEOは「世界の日常生活の大部分が依然として新型コロナによる制約を受けているものの、COVID―19が最悪とは限らない」と警告し、「将来的にはさらに深刻なパンデミックが起きる可能性がある。鍵を握るのはそうした事態に対する準備だ」と備えを呼びかけています。日本でも一部の新聞が、1都3県に発令中の「緊急事態宣言」が、21日までで解除される方向だと報じています。東京都の新規感染者数は連日300人台で、このところ完全に「下げ止まって」います。「緊急事態宣言」が解除になれば、人の移動が一気に増え、それに伴って再び感染が拡大する可能性が高いことは「素人」でも予想できます。「解除」はある程度ワクチンの接種が進んでからと思いますが、そのワクチン接種が遅れており、飲食業の経営も「崖っぷち」と言われており、悩ましいところです。

ドル円は再び109円台に戻ってきました。前回は109円23銭まで上昇しましたが、それは「東京時間限定」の動きでした。今回109円前後で推移し、海外市場で109円台ミドルまでドルが買われれば、110円も視野に入ってきます。円はドルに対してだけではなく、主要通貨に対して売られ易い地合いが続いています。この傾向がどこまで続くのか、また、何をきっかけに反転するのかを見極める必要があります。本日のドル円は108円80銭〜109円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/14 イエレン・財務長官 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 --------
3/11 ラガルド・ECB総裁 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 --------
3/4 クノット・オランダ中銀総裁 (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 --------
3/4 パウエル・FRB議長 われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。
3/3 ベージュブック 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 --------
3/2 ブレイナード・FRB理事 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 --------
3/1 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 --------
2/24 パウエル・FRB議長 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。
2/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 --------
2/17 FOMC議事録(1月26、27日分) 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 --------
2/16 オーストラリア準備銀行議事要旨 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 --------
2/10 パウエル・FRB議長 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 --------
2/7 バイデン大統領 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 --------
2/7 イエレン財務長官 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和