今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMCゼロ金利政策維持を表明」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はFOMC後に下落。ゼロ金利政策を2023年末まで維持することを改めて表明したことで、108円75銭までドルが売られる。
  • ユーロドルは反発。ゼロ金利政策維持が決められ、1.1986までドル安・ユーロ高に。
  • 株式市場は金融緩和策の継続が表明されたことで安心感が広がり、ダウは初の3万3千ドル台に乗せる。S&P500も最高値を更新し、ナスダックも続伸。
  • 債券相場は続落し、長期金利は一時1.686%近辺まで上昇し、その後低下。
  • 金と原油は下落。
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2月住宅着工件数 → 142.1万戸
2月建設許可件数 → 168.2万戸
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ドル/円 108.76 〜 109.32
ユーロ/ドル 1.1892 〜 1.1986
ユーロ/円 129.84 〜 130.45
NYダウ +129.84 → 33,015.37ドル
GOLD −3.80 → 1,727.10ドル
WTI −0.20 → 64.60ドル
米10年国債 +0.025 → 1.643%

本日の注目イベント

  • 豪   豪2月雇用統計
  • トルコ トルコ中銀政策金利発表
  • 欧   ユーロ圏1月貿易収支
  • 欧   ラガルド・ECB総裁講演
  • 英   BOE金融政策発表
  • 英   BOE議事録
  • 米   3月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   2月景気先行指標総合指数
  • 米   米中外交トップ、アラスカ州で会談
  • 米   パウエル・FRB議長、BISの会合で閉会の挨拶

本日のコメント

FOMCは17日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0−0.25%で据え置くことを決めました。これは市場予想通りの決定で、市場の関心はその後のパウエル議長の発言でした。FOMCの決定を受けて、ゼロ金利政策の当面の継続に伴い長期金利が低下したことからドルは売られ、ドル円は108円75まで下落。同様にユーロドルは1.1986までドル安が進みました。一方株式市場では安心感が広がり主要株価指数は揃って上昇。ダウは初の3万3千ドル台に乗せ、S&P500も節目の「4000」が視野に入ってきました。

声明文では、「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」と指摘。さらに「インフレ率は引き続き2%を下回っている」と説明しています。声明と同時に発表された経済予測では、FOMC参加者18人のうち7人が2023年末までに利上げが実施されると予想しており、そうした予想は前回12月の会合では5人でした。(前回会合での参加者は17人)インフレ懸念が台頭し、足元の金利も上昇傾向を強めていることが影響していると思われますが、それでも個人的には「予想以上にハト派的だった」と受け止めています。FOMCが発表した経済成長見通しでは、2021年の成長率を前回の「4.2%」から「6.5%」へと上方修正しています。

会合後の記者会見でパウエル議長は、「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」と述べ、「予測を基に予防的に行動することはしない」と語っています。その上で、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」と述べています。この最後の部分の言い回しは、前回ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙主催の講演で述べた文言と同じで、市場は再び「期待外れ」に失望したようです。長期金利の上昇に歯止めがかからず、同金利は一時1.686%近辺まで上昇し、先週末に記録した直近の最高水準を上回りましたが、その後緩やかに低下しています。

バイデン大統領はABCニュースのインタビューで、ロシアのプーチン大統領は「殺人者」だと思うかとの質問に、「そう思う」と答えています。またロシアが行ったとされる米大統領選への干渉に対し報いを受けることになるとも述べています。米国はプーチン氏に近い複数の人物を対象に、来週にも制裁を発表する模様です。(ブルームバーグ)バイデン政権は中国に対して引き続き厳しい姿勢で臨むことを明確にしており、今週開催された「2プラス2」でも中国包囲網を構築し、圧力を強める姿勢を見せています。加えて、ロシアと北朝鮮に対するスタンスも中国と同じように「対話のドア」を開けながらも厳しい姿勢で臨むことが、上記インタビューでの回答から窺うことができそうです。

ドル円はFOMCの結果が発表される前までは緩やかに上昇し、109円32銭までドルが買われました。その後1.68%台まで上昇した米長期金利が下落に転じたことに伴いドル売りが強まり、108円台後半に至っています。目先は109円台半ばを中心とする「レジスタンスゾーン」が抜け切れるかどうかが焦点です。110円は近いようで遠いイメージを持っていますが、もしそうだとすれば、ドル円は落ち着きを取り戻し、107−110円のレンジを形成するのでないかと予想しています。本日のドル円は108円50銭〜109円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/17 パウエル・FRB議長 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。
3/17 FOMC声明文 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 --------
3/14 イエレン・財務長官 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 --------
3/11 ラガルド・ECB総裁 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 --------
3/4 クノット・オランダ中銀総裁 (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 --------
3/4 パウエル・FRB議長 われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。
3/3 ベージュブック 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 --------
3/2 ブレイナード・FRB理事 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 --------
3/1 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 --------
2/24 パウエル・FRB議長 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。
2/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 --------
2/17 FOMC議事録(1月26、27日分) 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 --------
2/16 オーストラリア準備銀行議事要旨 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 --------
2/10 パウエル・FRB議長 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 --------
2/7 バイデン大統領 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 --------
2/7 イエレン財務長官 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和