「リスクオフが強まり金利低下。ドル円と株売られる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 米金利の低下にドル円は続落。108円50銭までドル安が進み、株価の大幅下落もドルの重しに。
- ユーロドルではドル高が進み、1.1842までユーロが売られる。欧州でのロックダウン措置の強化がユーロ売りに。
- 欧州で新型コロナ感染者が増加していることが材料に、株価は軟調。ダウは308ドル下げ、ナスダックも3日ぶりに反落。
- リスクオフの流れが強まり債券は大きく上昇。長期金利は大幅に低下し1.61%台に。
- 金と原油はともに下落。
経常収支(10−12月) → −1885億ドル
2月新築住宅販売件数 → 77.5万戸
11月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 17
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| ドル/円 | 108.50 〜 108.76 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1842 〜 1.1895 |
| ユーロ/円 | 128.60 〜 129.14 |
| NYダウ | −308.05 → 32,423.15ドル |
| GOLD | −13.00 → 1,725.10ドル |
| WTI | −3.80 → 57.76ドル |
| 米10年国債 | −0.074 → 1.621% |
本日の注目イベント
- 独 独3月製造業PMI(速報値)
- 独 独3月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
- 英 英2月消費者物価指数
- 英 英3月製造業PMI(速報値)
- 英 英3月サービス業PMI(速報値)
- 米 2月耐久財受注
- 米 3月マークイット製造業PMI
- 米 3月マークイットサービス業PMI
- 米 パウエル・FRB議長とイエレン財務長官、上院銀行委員会で証言
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンラインフォーラムで講演
本日のコメント
米長期金利が大幅に低下し、1.61%台まで低下する場面もありました。ただ、金利低下にもかかわらず株価は軟調な展開となり、主要3指数は揃って下落しています。ドル円は売られ、欧州市場では108円40銭前後までドル安が進み、NY時間では多少反発はしましたが、前日と同様に昨日も109円台には届いていません。ドル円自体、それほど大きな下落は見せていませんが、クロス円を見ると、これまでのように一本調子で円が売られる展開とは異なって来ました。クロス円を中心に利益確定の売りも散見されるようで、これがドル円の上値を重くしている可能性も考えられます。
リスクオフが強まった背景は、欧州での新型コロナ感染者の増加が主因です。フランス、イタリアに加え、ドイツでも新たな制限措置が講じられ、世界的な経済活動再開が遅れる懸念が高まったことが背景です。金利上昇圧力がある中でも債券は買われ、長期金利は急低下しています。また、原油価格も欧州の新たなロックダウン措置を受け、経済活動が鈍化するとの見方から、WTIは3ドル80セントも下げました。日本でも「緊急事態宣言」は全面解除されましたが、新型コロナによる感染者数は、下げ止まりどころか、やや増加する傾向を見せ、特に宮城県などではこれまでの最悪のケースで増加しています。「第4波は必ず来る」と言っている専門家の言葉が、正当化されそうな状況になってきました。
パウエルFRB議長は23日、下院金融委員会で証言を行い、新型コロナウイルスの流行が後退し米国民の外出や消費が可能になると見込まれるため、今年は物価が上昇するだろうと述べましたが、ただ、それが望ましくないインフレを招くリスクは大きくないとの見方を示しました。議長は、「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」と述べ、その理由として繰り越し需要やサプライチェーンの障害を挙げています。さらに、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」と指摘しています。また、イエレン財務長官も証言を行い「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」と述べています。一方で、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」と指摘しています。(ブルームバーグ)
「エルドアン・ショック」で今週月曜日早朝には12円70銭台まで急落したリラ円は、やや落ち着きを取り戻し、値を戻してはいますが、見通しは決して楽観的ではありません。今朝の報道では海外投資家がトルコの株式や債券からの撤退を進める中、昨日のリラの翌日物借り入れ金利が一時1400%に達したと伝えられています。海外投資家がリラを借りて「ドル買い・リラ売り」を強めるのを防ぐため、トルコ政府は銀行がスワップを通じて外国人投資家に貸し出せる額を厳しく制限しており、資金がひっ迫しているようです。個人的には昨年1月に急落して12円近辺まで売られた状況とは異なると考えています。あの時は、ドル円が101円台まで急落したことも大きな要因だった思います。また、中銀総裁の首をすげ替えはしましたが、足元の15%を超えるインフレ率を考えると、エルドアン氏の望む「利下げ」は考えにくく、出来ることは「利上げ」を行わず様子を見るといった程度ではないかと考えています。もっとも、強権を発動することが得意のエルドアン氏ですから、何が起きても不思議はありません・・・。慎重な対応が求められます。
上述のように、ドル円の上値も徐々に重くなってきました。本日は日経平均も再び下げるでしょう。リスクオフからドルが売られる展開も予想され、レンジとしては108円10銭〜108円90銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/23 | イエレン財務長官 | 「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」 | -------- |
| 3/23 | パウエル・FRB議長 | 「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」 | -------- |
| 3/17 | パウエル・FRB議長 | 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 | ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。 |
| 3/17 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 | -------- |
| 3/14 | イエレン・財務長官 | 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 | -------- |
| 3/11 | ラガルド・ECB総裁 | 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 | -------- |
| 3/4 | クノット・オランダ中銀総裁 | (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 | -------- |
| 3/4 | パウエル・FRB議長 | われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 | 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。 |
| 3/3 | ベージュブック | 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 | -------- |
| 3/2 | ブレイナード・FRB理事 | 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 | -------- |
| 3/1 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 | -------- |
| 2/24 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 | NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。 |
| 2/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 | -------- |
| 2/17 | FOMC議事録(1月26、27日分) | 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 | -------- |
| 2/16 | オーストラリア準備銀行議事要旨 | 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 | -------- |
| 2/10 | パウエル・FRB議長 | 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 | -------- |
| 2/7 | バイデン大統領 | 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 | -------- |
| 2/7 | イエレン財務長官 | 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



