「米長期金利1.60%台に低下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は小幅に反発したものの109円には届かず。ドルがユーロやポンドに対して買われたことが円にも波及。108円95銭までドル高に。
- ユーロドルは続落し、昨年11月以来となる1.1810までユーロ安が進む。
- 株式市場は続落。ダウは前日比プラス圏で推移していたが、引けにかけて値を崩し3ドル安。ナスダックは大きく売られ265ポイント安。
- 債券相場は3日続伸。長期金利は1.60%台に低下。
- 中東スエズ運河で大型タンカーが座礁したことを受け金と原油は上昇。原油は3ドル42セント買われ61ドル台に。
2月耐久財受注 → −1.1%
3月マークイット製造業PMI → 59.0
3月マークイットサービス業PMI → 60.00
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| ドル/円 | 108.63 〜 108.95 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1810 〜 1.1839 |
| ユーロ/円 | 128.36 〜 128.71 |
| NYダウ | −3.09 → 32,420.06ドル |
| GOLD | +8.10 → 1,733.20ドル |
| WTI | +3.42 → 61.18ドル |
| 米10年国債 | −0.012 → 1.608% |
本日の注目イベント
- 独 独4月GFK消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏2月マネーサプライ
- 欧 ECB経済報告
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10−12月GDP(確定値)
- 米 バイデン大統領、記者会見
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演、BISイベントで講演
- 米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演(オンライン)
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演(オンライン)
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演(オンライン)
- 米 クラリダ・FRB副議長講演(オンライン)
本日のコメント
米10年債は引き続き落ち着いた動きを見せ3日続伸。長期金利は一時1.58%台まで低下する場面もありました。それでもドル円はユーロドルやポンドドルでドル高が進んだこともあり、108円95銭までドル高に振れましたが、109円には届いていません。今回の下落でも108円40銭近辺で下げ止まり底堅い動きは見せたものの、上値も限定的になっています。ユーロやポンドは米金利が低下しても買われる傾向がありますが、円については米金利との相関がより強く、昨日のドル円の上昇はユーロ安などが波及したものと見られます。ナスダックは再び大きく下げ、長期金利が低下する中でも売られました。
スエズ運河で、日本の今治造船グループが所有する大型コンテナ船が砂嵐と強風の影響により座礁とのニュースで、金や原油が買われています。座礁したのは台湾のエバーグリーン・マリンが運航する大型コンテナ船「エバー・ギブン」で、全長400メートルもあるそうです。エジプトのスエズ運河庁は通行再開の時期についてはコメントしていませんが、「エバー・ギブン」の船体が運河をふさいだ格好となり、紅海と地中海を往来する船舶少なくとも100隻が通れなくなっている(ブルームバーグ)ようです。この事故でWTI原油価格は前日比3.42ドル上昇し、61ドル台を回復しています。
パウエルFRB議長は前日に続き、昨日は上院銀行委員会で証言を行いました。その中で、高止まりしている失業率に触れ、「労働市場への参加が拡大していることが失業率を高い水準にとどめている」との認識を示し、それは「極めて望ましい結果だ」と述べています。また金利上昇について議長は、「これまでの利回りの上昇は秩序立った動きだ。秩序立った動きでなかったら、私は懸念するだろう」と、これまでの発言を繰り返したにとどまっています。一方イエレン財務長官の証言では、エリザベス・ウォーレン議員と意見が一致せず衝突したと報じられています。
先週アラスカで行われた初の米中外交のトップ会談では異例ずくめで終わりましたが、ブリンケン国務長官は同盟国に対して、米国と中国のどちら側につくかという選択を迫ることはしないと述べています。ブリンケン氏は、「米国が同盟国に、対中国で敵につくのか味方になるのかというような選択を強いることはない」とし、「われわれが依拠するのは新機軸であり、最後通告ではない」と語っています。バイデン政権の外交が正式にスタートしましたが、中国に対しては対話の余地を残しながらもこれまでの強硬姿勢を崩さず、さらにロシアや北朝鮮などとも難しい外交が控えています。そんな中米国は、日本、オーストラリア、インドなどを巻き込み、単独ではなく連合体で対峙する路線を推し進めています。今回の発言で、日本など同盟国にとっては目の前の「踏み絵」を引っ込めてくれた格好となり、4月に訪米する菅総理にとっても、「やれやれ」といったところでしょう。
ドル円は109円台が近いようですが、まだ109円台に乗せその水準を維持できる状況でもありません。サポート要因は米金利です。1.6%前後まで下げたとは言え、まだ先高感は依然として残っています。長期金利が再び1.7%台に乗せるようなら、リスクオンからドルが再び上昇する可能性は十分にあると考えます。足元の動きはドル高局面での調整と見ており、コロナの収束、大規模な経済対策、GDPの上振れといった「メイン・シナリオ」はまだ崩れていないと思います。
本日のドル円は108円40銭〜109円20銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/23 | ブレイナード・FRB理事 | 「見通しは大幅に改善しているが、雇用はコロナ禍前を1000万人近く下回っており、インフレ率は2%を下回る水準にとどまっていることから、経済はわれわれの目標からなお程遠い」 | -------- |
| 3/23 | イエレン財務長官 | 「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」 | -------- |
| 3/23 | パウエル・FRB議長 | 「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」 | -------- |
| 3/17 | パウエル・FRB議長 | 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 | ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。 |
| 3/17 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 | -------- |
| 3/14 | イエレン・財務長官 | 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 | -------- |
| 3/11 | ラガルド・ECB総裁 | 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 | -------- |
| 3/4 | クノット・オランダ中銀総裁 | (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 | -------- |
| 3/4 | パウエル・FRB議長 | われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 | 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。 |
| 3/3 | ベージュブック | 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 | -------- |
| 3/2 | ブレイナード・FRB理事 | 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 | -------- |
| 3/1 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 | -------- |
| 2/24 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 | NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。 |
| 2/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 | -------- |
| 2/17 | FOMC議事録(1月26、27日分) | 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 | -------- |
| 2/16 | オーストラリア準備銀行議事要旨 | 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 | -------- |
| 2/10 | パウエル・FRB議長 | 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 | -------- |
| 2/7 | バイデン大統領 | 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 | -------- |
| 2/7 | イエレン財務長官 | 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



