今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル高が進み、ユーロドルは1.17台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は109円台を回復。バイデン大統領の記者会見の内容や経済指標の改善がドルを買い戻す動きにつながった。
  • ユーロドルは続落し、昨年11月12日以来となる1.1762までユーロ安が進む。コロナを巡るドイツの混乱などがユーロ売りを誘発。
  • 株式市場は3指数が揃って反発。バイデン大統領がワクチン接種の目標を引き上げたことなどが好材料となり、ボーイングなどが上昇をけん引。ダウは199ドル上げたが、ナスダックは小幅高。
  • 債券は反落。7年債入札が不調に終わり、10年債にも売り物が。長期金利は1.63%台へと上昇。
  • 金と原油は反落。
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新規失業保険申請件数 → 68.4万件
10−12月GDP(確定値) → 4.3%
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ドル/円 109.03 〜 109.23
ユーロ/ドル 1.1762 〜 1.1815
ユーロ/円 128.38 〜 128.89
NYダウ +199.42 → 32,619.48ドル
GOLD −8.10 → 1,725.10ドル
WTI −2.62 → 58.56ドル
米10年国債 +0.025 → 1.633%

本日の注目イベント

  • 日 3月消費者物価指数
  • 独 独3月ifo景況感指数
  • 米 3月ミシガン大学消費者マインド(確報値)
  • 米 2月個人所得
  • 米 2月個人支出
  • 米 2月PCEコアデフレータ

本日のコメント

昨日のこの欄でドル高傾向は変わっていないものの、ドル円が109円台を回復し、109円台を固めるには時間がかかると書きましたが、1日でその見方が崩れています。ドル円は109円23銭近辺まで買われています。ただ昨日のドル高は、ユーロドルでのドル買いが影響したと見られます。ユーロドルは1.1762までユーロ安が進み、昨年11月12日以来となる安値まで売られています。欧州でのワクチン接種プロフラムの難航が経済成長を妨げるとの見方が広がり、ユーロ売りが強まりました。また、メルケル独首相が復活祭のロックダウン計画を撤回したことも、メルケル首相の求心力の衰えを象徴していると見られ、総選挙の行方にも影響する可能性が高まってきました。事実、直近の調査では、メルケル首相率いる与党CDU・CSUの支持率が急低下しており、野党・緑の党との差はわずかだと伝えられています。

バイデン大統領は25日、就任後初となる正式な記者会見を行いました。その中で大統領は、新型コロナウイルスワクチンの接種を、これまで就任後100日間で1億回という目標を掲げていましたが、予定より早く達成したことから、4月末までに2億回の接種を実施するという目標を新たに設定しました。大統領は、「野心的な目標だということは分かっている」とし、「達成可能だと確信している」とホワイトハウスで述べています。

大統領はさらに、今週に入り挑発的な行為が続いている北朝鮮に対して、外交の扉を開けておくと述べつつも、最近のミサイル試射は国連決議違反であり、これが続くなら対応することになると警告しました。「北朝鮮が事態のエスカレートを選ぶなら、対応することになる」と述べ、「状況に応じて米国は対応する」と続けています。(ブルームバーグ)北朝鮮は昨日の朝方、約1年ぶりに2発の単距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射しており、日本政府も「厳重に抗議する」としましたが、これまでと同じような対応に北朝鮮がひるむはずもなく、4月に菅首相が訪米した際には、北朝鮮問題が重要議題の1つになると思われます。

パウエルFRB議長は上下院の議会証言で、コロナワクチン接種の進展や大規模な経済対策の効果で米経済は回復するとの考えを基本としながらも、慎重な見方を変えておらず、特に労働市場については「FRBの目標には程遠い」との認識を示していました。パウエルFRB議長は昨日の米公共ラジオNPRのインタビューで、米経済が「ほぼ完全に復活」するまでは金融支援を継続する考えを改めて表明しました。「われわれの目標に向かってさらに大きく前進すれば、徐々に米国債や住宅ローン担保証券の購入を縮小していくだろう。その後さらに長期的には、利上げを可能にするためのテストを設定している」と発言しました。「つまり、経済がほぼ完全に回復した時、時間をかけて非常に漸進的かつ透明性をもって、緊急時に導入した緩和策を引き上げていくことになる」と述べています。今後予想される金融政策の変更は、テーパリングを行うことで、事前に市場に明確なメッセージを送り、しかもその後の利上げは極めて緩やかなものになるということです。昨日発表された週間失業保険申請件数は、市場予想を下回り、1年ぶりに低い水準になっています。

ドル円は再び109円台を回復し、109円台を維持しながら戻ってきました。直近の高値は今月15日に記録した109円38銭です。今回はその水準を上回り、さらに109円台ミドルを中心とする「レジスタンス・ゾーン」を上回ることができるかが焦点です。それは110円台乗せへの重要なステップであり、春から夏にかけての相場の展開を示唆するものになると考えます。本日のドル円は108円80銭〜109円60銭程度といったところでしょうか。

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足元ではやや調整色を強めている米株式市場ですが、それでもダウは約6%、ナスダックも若干ですが、昨年末を上回っています。バイデン大統領は富裕層への増税を計画していますが、先日公表されたデータによると、米国で最も裕福な世帯上位1%は、2020年に資産が約4兆ドル(約546兆円)も増え、全米の増加資産全体の35%を占めたそうです。1%が35%を稼ぐといった「富める者はさらに富み、富めないものは一向に富めない」という傾向がさらに強まっています。因みに、下位50%の世帯は増加分全体のわずか4%でした。さらに驚いたことに、米国内歳入庁(IRS)などの研究者が公開した論文では、上位1%の富豪では所得の21%が未申告だったとか。何が何だか分からい世界のようです。

良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/25 パウエル・FRB議長 「われわれの目標に向かってさらに大きく前進すれば、徐々に米国債や住宅ローン担保証券の購入を縮小していくだろう。その後さらに長期的には、利上げを可能にするためのテストを設定している」、「つまり、経済がほぼ完全に回復した時、時間をかけて非常に漸進的かつ透明性をもって、緊急時に導入した緩和策を引き上げていくことになる」 --------
3/23 ブレイナード・FRB理事 「見通しは大幅に改善しているが、雇用はコロナ禍前を1000万人近く下回っており、インフレ率は2%を下回る水準にとどまっていることから、経済はわれわれの目標からなお程遠い」 --------
3/23 イエレン財務長官 「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」 --------
3/23 パウエル・FRB議長 「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」 --------
3/17 パウエル・FRB議長 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。
3/17 FOMC声明文 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 --------
3/14 イエレン・財務長官 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 --------
3/11 ラガルド・ECB総裁 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 --------
3/4 クノット・オランダ中銀総裁 (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 --------
3/4 パウエル・FRB議長 われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。
3/3 ベージュブック 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 --------
3/2 ブレイナード・FRB理事 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 --------
3/1 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 --------
2/24 パウエル・FRB議長 「われわれの政策は緩和的だ。失業率が高く、労働市場は最大限の雇用達成から程遠い状況にあるためだ」、「一部指標で価格上昇が示されている資産があるのは確かだ」「この状況は必ずしもインフレにつながらない。インフレというのは、(一時的な物価高騰ではなく)、毎年のように繰り返され継続的に物価が上昇するプロセスだからだ」 NYダウは424ドル高と急騰。ドル円は106円台まで上昇。
2/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」 --------
2/17 FOMC議事録(1月26、27日分) 「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」 --------
2/16 オーストラリア準備銀行議事要旨 「債券購入プログラムは実施しなかった場合と比べ、金利と豪ドル相場の押し下げにつながった。これを考慮すれば、金融刺激策の巻き戻しを検討するのは時期尚早だろう」 --------
2/10 パウエル・FRB議長 「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」 --------
2/7 バイデン大統領 習主席に「電話しない理由はない」、(中国に対するアプローチはトランプ前大統領とは異なるものになるとし)「対立する必要はないが、激しい競争になるだろう」、「彼の中には民主主義という概念はみじんもない」 --------
2/7 イエレン財務長官 「労働市場は深い穴に沈んでおり、抜け出すのはまだずっと先だ」、「十分な支援がなければ労働市場は2025年まで回復しない可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和