今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「S&P、初の4000台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は上昇が一服。米長期金利が低下したことでドル売りが優勢となったが、110円55銭近辺で下げ止まる。
  • ユーロドルは前日の水準をやや切り上げたが、上値は1.17後半までと限定的。
  • 株式市場は3指数が揃って大幅高に。バイデン大統領の提案する大規模なインフラ投資を歓迎する一方、長期金利も低下したことで株式市場に安心感が。S&P500は初の4000ポイント乗せ。
  • 債券は反発。長期金利は1.67%台へと低下。
  • 金と原油は上昇。
*******************
3月ISM製造業景況指数 → 64.7
新規失業保険申請件数 → 71.9万件
3月自動車販売台数 → 1775万台
*******************
ドル/円 110.55 〜 110.75
ユーロ/ドル 1.1720 〜 1.1760
ユーロ/円 129.94 〜 130.27
NYダウ +171.66 → 33,153.21ドル
GOLD +12.80 → 1,728.40ドル
WTI +2.29 → 61.45ドル
米10年国債 −0.071 → 1.670%

本日の注目イベント

  • 欧 「グッドフライデー」の祝日で欧州市場は休場
  • 米 3月雇用統計
  • 米 債券市場は短縮取引
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、パネル討論に参加

本日のコメント

昨日のNY市場では通貨のドル以外は全て買われています。債券が買われ、長期金利は1.7%を割り込み、1.67%台で取引を終えています。長期金利の低下を好感し、株式市場では主要3指数が揃って大きく上昇しました。調整ムードの漂うナスダックが大きく買われ、S&P500は初の「4000」ポイントに乗せています。また、金(きん)も続伸し、WTI原油価格は大幅に反発して再び61ドル台に乗せています。「OPECプラス」が、5月から7月に段階的に石油生産を引き上げることで合意し、サウジアラビアは自発的に実施している100万バレルの追加減産を徐々に解消することを決めました。「増産」は本来、原油価格の下押し要因で報道を受け下落で反応しましたが、製造業を中心に世界経済の回復基調が鮮明で、内外から供給を増やすよう求められていることから次第に買いが優勢となった模様です。

この欄でたびたび触れているように、米経済指標の上触れが鮮明となり、大規模な景気刺激策の効果が企業経営者や消費者のマインドを大きく改善しているようです。昨日発表された3月のISM製造業景況指数は、高水準が予想されてはいましたが、結果は期待通りと言うか、期待を大きく超える「64.7」でした。前月の「60.8」だけではなく、予想の中心値であった「61.5」も大きく上回っていました。これは1983年以来となる高水準で、新規受注と生産が特に大きく伸びています。前日のADP雇用者数も大きく伸びており、これで、今夜の雇用統計にも俄然期待が高まります。3月の雇用統計では非農業部門雇用者数が「65万人増」と予想されていますが、ブルームバーグによると、一部には100万人増も見込まれているそうです。失業率も6.2%に改善すると見られています。ただ、市場では上振れ期待が相当高まっていることから、仮にその通りであってもドル円の上昇余地は限られることも考えられます。ここは、上値目線を維持しながらも、予想を大きく下回った場合に備えておく必要もあろうかと思います。

FOMCメンバーの多くが、インフレ懸念に関してイエレン財務長官と歩調を合わせる発言を行っています。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、バイデン大統領が発表した大規模なインフラ計画により、金融当局の利上げの道筋やインフレ見通しが変わることはないとの認識を示しました。総裁は、インフラ計画は「全体的に成長が押し上げられるものの、インフレが高進することはないだろう」と述べ、成長を加速させることができると語っています。また利上げについては、「急ぐ必要はない。私が目にする必要があるのは、2%のインフレ率が一定期間続き、さらに一定の期間2%を上回ると予想される状況だ。そうなれば、次の景気拡大期にインフレ率が必ず期間平均で2%になると私は確信できる」と述べています。セントルイス連銀のブラード総裁も、インフレ率が、これから1年程度でいくらか上昇する可能性があるとしつつも、「しばらく2%をやや上回ることとなれば、FOMCにとって歓迎すべき展開だろう」と指摘し、これまで長期にわたり2%を下回ってきたことを理由に挙げています。(ブルームバーグ)

米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナワクチンは、接種から半年後も極めて高い有効性があるようです。両社が発表した報告書によると、治験に参加した4万6307人について追跡調査した結果、2回目の接種後1週間後から半年後までの間に有症状の感染を91.3%防いだことが示されました。米国に限定すると、この有効率は92.6%に上ったとのことです。同時に、南アフリカ共和国で発生した変異株「B.1.351」に対しても効果があったことも示唆されています。

111円目前まで一気に駆け上がったドル円は今夜の雇用統計を前に動きを止めています。この欄でも述べたように「米国の一人勝ち」状態が強まっており、ドル高傾向は自然の成り行きですが、決してその通りに動いてくれないのが「相場のアヤ」です。今夜は111円を超えられるかどうかが上値の焦点ですが、一方110円台を維持できるかどうかにも注目しています。市場参加者が少ないということで、本日の予想レンジは110円〜111円30銭といったところでしょうか。

==========

今年の桜のシーズンももうほぼ終わりかけています。友人達との桜の下での宴も、これで2年続けてありません。これまでに桜の咲いた地方では、全ての地区で開花が「観測史上最速」だったとか。確かに3月は暖かい日が多かった記憶があります。家の近所を散歩すると、周りの家でキウィフルーツやアボガドが立派に育っているのを目にします。我が家の地植えのブ−ゲンビリアの花も4月から、寒い12月でも楽しむことができます。これも「地球温暖化」の影響なのでしょうか。今年の夏もきっと暑いのでしょう・・・。

良い週末を・・・・・。

佐藤正和の書籍紹介

これだけ! FXチャート分析 三種の神器

これだけ! FXチャート分析 三種の神器
著者:佐藤正和
出版社:クロスメディア・パブリッシング

チャートがしっかり読めるようになるFX入門

チャートがしっかり読めるようになるFX入門
著者:佐藤正和
出版社:翔泳社

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/1 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 ( インフラ計画は)「全体的に成長が押し上げられるものの、インフレが高進することはないだろう」、(利上げについては)「急ぐ必要はない。私が目にする必要があるのは、2%のインフレ率が一定期間続き、さらに一定の期間2%を上回ると予想される状況だ。そうなれば、次の景気拡大期にインフレ率が必ず期間平均で2%になると私は確信できる」 --------
3/31 ラガルド・ECB総裁 「投資家は好きなだけわれわれを試すことができる。ECBは現在、例外的な手段があり、必要に応じて使用する」 --------
3/31 バイデン・米大統領 われわれは誰も置き去りにすることはない」、「誰もが成功すれば、皆がもっとうまくいく」、「米経済を中流階級から構築するべき時だ」、(計画は)「富みだけではなく、勤労に報いるものだ」 米ナスダック指数が買われ、債券は下落。
3/30 クオールズ・FRB副議長 FOMCはインフレ率が目標値の2%を幾らか上回っても問題ないと考えているとの見方は、非常に確実性の高いFOMCのコミットメントであり、私はこれを強く支持する」、「早まるべきではない」、「マクロ経済や金融政策の動向を過去10年だけでなく、15年や20年分まで見ることによって、優れた結果を導きだせるのではないだろうか」 --------
3/25 パウエル・FRB議長 「われわれの目標に向かってさらに大きく前進すれば、徐々に米国債や住宅ローン担保証券の購入を縮小していくだろう。その後さらに長期的には、利上げを可能にするためのテストを設定している」、「つまり、経済がほぼ完全に回復した時、時間をかけて非常に漸進的かつ透明性をもって、緊急時に導入した緩和策を引き上げていくことになる」 --------
3/23 ブレイナード・FRB理事 「見通しは大幅に改善しているが、雇用はコロナ禍前を1000万人近く下回っており、インフレ率は2%を下回る水準にとどまっていることから、経済はわれわれの目標からなお程遠い」 --------
3/23 イエレン財務長官 「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」 --------
3/23 パウエル・FRB議長 「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」 --------
3/17 パウエル・FRB議長 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。
3/17 FOMC声明文 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 --------
3/14 イエレン・財務長官 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 --------
3/11 ラガルド・ECB総裁 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 --------
3/4 クノット・オランダ中銀総裁 (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 --------
3/4 パウエル・FRB議長 われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。
3/3 ベージュブック 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 --------
3/2 ブレイナード・FRB理事 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 --------
3/1 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和