今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル1.19台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は109円台半ばから後半でもみ合い。長期金利が小幅に上昇したことで底堅い動きを見せたものの、110円台には届かず。
  • ユーロドルは続伸し、1.19台を回復。1.1915までユーロ高が進み、ユーロ円も130円台半ばに。
  • 株式市場はまちまちながら、S&P500は小幅に上昇し、最高値を更新。
  • 債券は反落。長期金利は1.67%台へとやや上昇。
  • 金は5日ぶりに小幅安。原油は続伸。
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2月貿易収支 → −711億ドル
2月消費者信用残高 → 275.78億ドル
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ドル/円 109.60 〜 109.93
ユーロ/ドル 1.1861 〜 1.1915
ユーロ/円 130.28 〜 130.57
NYダウ +16.02 → 33,446.26ドル
GOLD −1.40 → 1,741.60ドル
WTI +0.44 → 59.77ドル
米10年国債 +0.018 → 1.674%

本日の注目イベント

  • 日 2月貿易収支
  • 日 2月国際収支
  • 日 3月景気ウオッチャー調査
  • 独 独2月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
  • 欧 ECB議事要旨(3月会合)
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米 パウエル・FRB議長、IMFの春季会合でパネル討論に参加
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、オンラインイベントで講演
  • 米 新規失業保険申請件数

本日のコメント

ユーロドルは上昇し、約2週間ぶりに1.19台まで「ドル安・ユーロ高」が進みましたが、ドル円ではドルが買われています。昨日のNYでは上昇を続けていたポンドに利益確定の売りが出た模様で、ポンドドルが下げ、その影響からドル円でもドル買いが強まったようです。米長期金利が小幅に上昇したこともドル円をサポートしましたが、株式市場も含め、目立った動きのない1日でした。

3月16、17日に開催されたFOMCの議事録が公表されました。FRBは2023年末まで現在のゼロ金利政策を継続する姿勢を見せてはいますが、前回会合では利上げを予想するメンバーが増えていたこともありその内容が注目されていましたが、特段市場を動かす材料には乏しかったようです。議事要旨では、「委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向け一段と顕著な進展が実現するには、しばらく時間がかかる公算が大きいだろうと参加者らは認識した」と記されています。また今後の政策変更に関しては、「資産購入ペースの変更を正当化するだけの顕著な進展があったと判断できるようになるその十分前に、委員会が明確な意思伝達を図ることが重要だと、幾人かの参加者が強調した」とあります。金融政策の変更は市場の混乱につながる恐れがあるため、事前に明確なメッセージを示すとしたパウエル議長の発言に沿った内容でした。

足元の債券市場の動きは落ち着きを取り戻し、長期金利は1.6%台半ばから後半で推移していますが、シカゴ連銀のエバンス総裁は講演で長期金利の利回りの最近の上昇について、「全く意外な展開というわけではないと考えている。経済が改善しつつあるというシグナルだ。今後われわれがインフレ圧力を注視していく中で留意する必要があるのも確かだ」と語っています。物価については「2.5%のインフレ率はいかなる状況でも限度を超えたと捉えるべきではない」とし、「3%でも一定の期間は歓迎されよう」とも述べています。(ブルームバーグ)これまでパウエル議長をはじめ、多くのFOMCメンバーが口にしたのは「2%を超えても」といった表現や、「一定期間2%を上回ることが見通せたら」といった表現にとどまっていましたが、エバンス総裁が「2.5%」、「3%」とい数字を例に出したことはやや驚きでした。これは、大規模な財政出動に加え、コロナワクチン接種が急速に進んだことでインフレ圧力が相当強い現実を踏まえての発言と理解しています。要は、当局はインフレ率が2%を超えることを十分に認識しており、超えたとしても驚くべきことではないと、市場の動きをけん制したものと捉えることができそうです。

先月20日にアーバル中銀総裁を更迭し、新しくカブジュオール氏を新総裁に据えたエルドアン・トルコ大統領でしたが、7日アンカラで与党議員らに対して、「インフレが最近加速したが、われわれは物価上昇率を1桁に押し下げる決意だ」と述べ、「金利も1桁に引き下げることを決意している」と続けました。今週5日発表されたトルコの3月の消費者物価指数は16.19%(前年比)と、前月よりもさらに上昇していました。政策金利である1週間物レポ金利も19.0%です。この2つの金利を1桁に戻すというエルドアン氏の「野望」は簡単ではありません。トルコは経常収支も赤字が続いており、経済的結びつきの強いEUとは、東地中海のガス田権益を巡り激しく対立しており、さらに女性を巡る人権問題でも関係が悪化しています。6日にはEUのミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長がトルコを訪問し、エルドアン氏と会談しましたが、溝は埋まらず対立が深まっている状況です。来週のトルコ中銀の金融政策発表はかなりの注目を集めそうです。

ドル円は次の材料待ちです。長期金利の動きが重要なことは変わりませんが、新年度に入り、本邦機関投資家の運用計画も気になるところです。

本日のドル円は109円40銭〜110円20銭程度を予想しています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/7 エバンス・シカゴ連銀総裁 「2.5%のインフレ率はいかなる状況でも限度を超えたと捉えるべきではない」、「3%でも一定の期間は歓迎されよう」 --------
4/7 FOMC議事録(3月16、17日分) 「委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向け一段と顕著な進展が実現するには、しばらく時間がかかる公算が大きいだろうと参加者らは認識した」 --------
4/5 イエレン・財務長官 「米国第一が、米国単独ということであっては決してならない」、「世界におけるリーダーシップと関与の欠如は、米国の機関と経済を脆弱させる」、(トランプ政権は)「米国を自ら孤立させ、米国が築いた国際秩序から後退させた」 --------
4/1 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 ( インフラ計画は)「全体的に成長が押し上げられるものの、インフレが高進することはないだろう」、(利上げについては)「急ぐ必要はない。私が目にする必要があるのは、2%のインフレ率が一定期間続き、さらに一定の期間2%を上回ると予想される状況だ。そうなれば、次の景気拡大期にインフレ率が必ず期間平均で2%になると私は確信できる」 --------
3/31 ラガルド・ECB総裁 「投資家は好きなだけわれわれを試すことができる。ECBは現在、例外的な手段があり、必要に応じて使用する」 --------
3/31 バイデン・米大統領 われわれは誰も置き去りにすることはない」、「誰もが成功すれば、皆がもっとうまくいく」、「米経済を中流階級から構築するべき時だ」、(計画は)「富みだけではなく、勤労に報いるものだ」 米ナスダック指数が買われ、債券は下落。
3/30 クオールズ・FRB副議長 FOMCはインフレ率が目標値の2%を幾らか上回っても問題ないと考えているとの見方は、非常に確実性の高いFOMCのコミットメントであり、私はこれを強く支持する」、「早まるべきではない」、「マクロ経済や金融政策の動向を過去10年だけでなく、15年や20年分まで見ることによって、優れた結果を導きだせるのではないだろうか」 --------
3/25 パウエル・FRB議長 「われわれの目標に向かってさらに大きく前進すれば、徐々に米国債や住宅ローン担保証券の購入を縮小していくだろう。その後さらに長期的には、利上げを可能にするためのテストを設定している」、「つまり、経済がほぼ完全に回復した時、時間をかけて非常に漸進的かつ透明性をもって、緊急時に導入した緩和策を引き上げていくことになる」 --------
3/23 ブレイナード・FRB理事 「見通しは大幅に改善しているが、雇用はコロナ禍前を1000万人近く下回っており、インフレ率は2%を下回る水準にとどまっていることから、経済はわれわれの目標からなお程遠い」 --------
3/23 イエレン財務長官 「経済対策の成立で、国民は生活基盤が損なわれることなくコロナ禍を乗り越えると私は確認している」、イエレン氏は「景気回復の兆候は見られるものの、われわれがどうゆう苦境から抜け出そうとしているのかを直視すべきだ。米国の雇用はなおコロナ前のピークを1000万人近く下回っている」 --------
3/23 パウエル・FRB議長 「今年は年を通じてインフレ率が上昇すると予想しているが、インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが、最もあり得る展開だとみている」、「この四半世紀、経済には強いディスインフレ圧力が世界的に見受けられる」 --------
3/17 パウエル・FRB議長 「金融環境を巡るさまざまな指標を見れば、金融情勢が全般に極めて緩和的である様子を示していることが分かるだろう。そして、それは適切なことだ」、「予測を基に予防的に行動することはしない」、「われわれの目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」 ドル円は109円台から下落。株価は上昇し、長期金利も1.64%台まで上昇。
3/17 FOMC声明文 「経済活動と雇用情勢が示す指標はここ最近は上向いたが、パンデミックによる悪影響が最も深刻だったセクターはなお脆弱だ」、「インフレ率は引き続き2%を下回っている」 --------
3/14 イエレン・財務長官 「インフレのリスクはあるだろうか。小さなリスクはあるが、制御可能だと私は考えている」(一部の物価は上昇するだろうが)、「それは一時的な動きだ」 --------
3/11 ラガルド・ECB総裁 「新型コロナウイルス流行に関する何らかの悪い展開がない限り、現在進行中のワクチン接種と段階的な制限緩和が、2021年中に経済活動がしっかりと回復するとの予想を支えるだろう」 --------
3/4 クノット・オランダ中銀総裁 (ワクチン接種により)「活動制限が解除されるであろう下期については楽観的になる理由があり、市場はそうした楽観を織り込みつつあるということだ」 --------
3/4 パウエル・FRB議長 われわれは広範囲にわたる金融環境を注視している。目標からまだ遠いところにいると考えている」、「われわれも目標達成を脅かすような、市場の無秩序な状況や金融環境の持続的なタイト化が見られれば懸念するだろう」、2%を大きく超えるインフレ期待を生むほどの水準にとどまることは確実にない」 株と債券は大きく売られ、長期金利は1.56%台に急騰。ドル円は107円台前半から107円98銭までドル高に。
3/3 ベージュブック 「新型コロナウイルス感染症ワクチンが一段と普及する中、大半の企業は向こう6−12カ月について楽観的な見方を維持している」、「大半の地区は、今回の調査機関中に雇用水準がゆっくりとではあるが上昇した」 --------
3/2 ブレイナード・FRB理事 「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年見通しが力強いことを示している」、「いかなる予想も依然かなりの不確実性が伴う」 --------
3/1 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (債券利回りの上昇について)「景気見通しが強まっていることを考えれば、驚きはない」、「景気には地平線上の夜明けが見える」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和