「G7首脳会議閉幕」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は堅調に推移。長期金利が下げ止まったことで109円84銭まで上昇。値幅は30銭を下回り動意に欠ける展開。
- ユーロドルは反落。約1カ月ぶりに1.21台を割りこみ1.2093まで売られる。
- 株式市場は前日に続き3指数は揃って上昇。S&P500は8ポイント上昇し、連日で最高値を更新。
- 債券は朝方には買われ長期金利は1.42%台まで低下する場面もあったがその後反発。1.45%台まで上昇して越週。
- 金は反落し、原油は続伸。71ドル台に迫る。
6月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 86.4
****************************
| ドル/円 | 109.56 〜 109.84 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2093 〜 1.2138 |
| ユーロ/円 | 132.66 〜 133.01 |
| NYダウ | +13.26 → 34,479.60ドル |
| GOLD | −13.36 → 1,879.60ドル |
| WTI | +0.62 → 70.91ドル |
| 米10年国債 | +0.020 → 1.452% |
本日の注目イベント
- 日 4月鉱工業生産(確定値)
- 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
- 欧 NATO首脳会議(ブリュッセル)
- 英 ベイリー・BOE総裁講演
本日のコメント
英国コーンウォールで行われていた「G7首脳会議」が閉幕しました。声明文の内容を巡り、中国に対してどの程度直接的な文言を用いるかに関して非公式な場で活発な議論が行われたようですが、香港と新疆ウイグル地区での人権問題について中国を明確に名指ししたものの、強制労働を巡っては中国へ言及を避けた(ブルームバーグ)ようです。G7首脳はまた、「不安定な行動」を取っているとしてロシアを強い表現で非難することで合意しています。バイデン大統領はこの後EU首脳との会談を経て、16日にスイスのジュネーブでロシアのプーチン大統領と会談することになっています。バイデン氏はG7首脳会議後の会見で、プーチン大統領が「現在の両国関係は近年で最低の状況にある」と指摘したことについて、「彼は正しい。関係は最悪だ」と述べています。ただその上で、米大統領選挙への介入や米企業へのサイバー攻撃を挙げて、「悪化した両国関係の責任はロシア側にある」と主張しています。菅総理はG7首脳会議後の会見で、東京五輪・パラリンピック開催について、「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と述べ、その上で「何としても大会を成功させなければならない」と、約40日後に迫っている大会開催に強い意欲を示していました。
G7首脳会議はこれまでにも、すでに形骸化しているとか、単なるセレモニーだと批判されてきました。さらにトランプ前大統領がG7に批判的であったことが首脳会議を「しらけさせた」部分もありましたが、今回は新型コロナウイルスのパンデミックから脱却できるかどうかのタイミングでもあった中、向こう1年間に少なくとも10億回分のコロナワクチンを追加供給する方針で合意するなど、一定の成果はあったと思われます。
イスラエル国会は13日、新しい連立政権を信任し、これにより12年間という長期にわたったネタニヤフ首相は退陣することになりました。ネタニヤフ氏は汚職事件での起訴や社会の二極化で求心力を失い、そこに3月の総選挙で第2党となった中道政党「インシュアティド」のラピド党首がイデオロギーの違いを超えて反ネタニヤフで結集に成功したことが今回の勝利につながった模様です。後任の首相には右派政党「イエミナ」のベネット党首が就任すると見られますが、連立政権はイスラエル史上初めてのことだと、ブルームバーグは報じています。今後パレスチナ問題などに対して新政権がどのように対応するのか、みていきたいと思います。
ユーロドルは5月14日以来となる1.21台割れを見せました。このままユーロがずるずると下げる印象はありませんが、上値では1.22台半ばが「壁」になっているのも事実です。当面は1.20〜1.2250のレンジ内の動きを予想していますが、今週は夏休み前最後のFOMCが開催されます。大きな値動きにはつながらないとみていますが、市場はFRBの資産購入縮小の時期に非常に敏感になっています。そのタイミングの変化を示唆するような発言があると想定以上に動く可能性はありますが、引き続き「物価上昇は一時的だ」ということと、労働市場のさらなる「趨勢を見極めたい」とする発言を予想しています。長期金利の動きが、そのようなことを示唆していると考えられます。
本日のドル円は109円30銭〜110円程度を予想します。
佐藤正和の書籍紹介
これだけ! FXチャート分析 三種の神器 |
チャートがしっかり読めるようになるFX入門 |
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性がある」、「そのようなタイト化は時期尚早であり景気回復へのリスクになる」(そのため)、「年初の数カ月を著しく上回るペース」 | -------- |
| 6/2 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「少なくともテーパリングの議論を考えてみる時期だろう」、「インフレ上昇のリスクが一定程ある」(テーパリングについては)「ある日突然行うようなことではない」 | -------- |
| 6/1 | エルドアン大統領 | 「私は中央銀行総裁ときょう話した。われわれは金利を下げることが不可欠だ」 | トルコリラ急落。対ドルで8.75前後、対円で12円26銭前後まで売られる。 |
| 6/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」、「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」 | -------- |
| 5/31 | クノット・オランダ中銀総裁 | この一時的な物価上昇が二次的な影響や賃金の大幅な上昇圧力につながる可能性を示す兆候を私は現時点では見ていない」、「ユーロ圏の労働市場には依然かなりのスラック(たるみ)がある」 | -------- |
| 5/26 | イエレン・財務長官 | 「最近のインフレは一時的であり、定着するようなものではないというのが現時点での私の判断だ」、「しかしながら、この状態はもう数カ月間は続き、今年末までインフレ率は高止まりするとみている」 | -------- |
| 5/26 | パネッタ・ECB理事 | 「基調的インフレの上昇トレンドに反映され、インフレおよびインフレ期待をECBの目標に一致させるような持続可能なインフレ圧力の高まりのみが、購入の減速を正当化し得る」、「ユーロ圏の見通しは改善しているものの、回復はまだ不完全で経済は依然として金融および財政の支えに頼っている」、「政策による支援が不十分になることのリスクはなお高い」、「現在の環境が驚きではないが、為替レートの持続的で無視できない上昇も続いている。これが持続すれば、インフレ圧力を弱めるだろう」 | ユーロドル→1.22台から1.21台後半に下落。 |
| 5/25 | クラリダ・FRB副議長 | 「今後入ってくるデータ次第になると思う」、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」 | 株価の下げにつながる。 |
| 5/24 | ブレイナード・FRB理事 | 「インフレ動向の非常に重要な部分は長期的なインフレ期待で、こうした期待は極めて安定していた状況が続いている。インフレが上昇するような展開になっても、現状のインフレに深く影響を及ぼすことは想定されないと示唆している」、「今後数カ月に一段と上昇することが予想されるが、こうした経済再開やボトルネックに関連した物価上昇は弱まると私は見込んでいる」、「インフレが当局が想定する以上に上昇した場合でも、インフレ目標に戻るよう緩やかに誘導する手段と経験がある」 | 株式と債券が買われ、金利が低下したことでドル円下落。 |
| 5/19 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は経済が委員会の目標に向けて急速な進展を続ければ、今後の会合のいずれかに資産購入ベースの調整に関する協議を開始し始めることが適切になるかもしれないと提案した」(供給不足は)「早急に解消されない可能性があり、そうなれば来年以降もこれらの要因の影響で物価に上昇圧力がかかる可能性がある」 | -------- |
| 5/17 | クラリダ・FRB副議長 | 「4月の雇用統計を踏まえると、一段と顕著な進展を遂げていない」、「こうした購入ペースの減速を見込む前に、必ず事前に通知する」 | -------- |
| 5/17 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「雇用者はパンデミック前をなお800万人下回っている。この差を埋めると言う点で顕著な進展を遂げるまで、われわれの政策は極めて強力に緩和的な状態ないし、スタンスを維持する必要がある」、「今後も予断を持たずに注意深く見守っていく。だが今は動くことを検討する時期ではない」 | -------- |
| 5/13 | ウォラー・FRB理事 | 「昨日発表されたCPIの伸びは予想外に大きかったが、インフレに上向きの圧力をかけている要素は一時的なものであり、緩和的な金融政策は景気回復の支援という点で引き続き重要な役割を担っている」、」われわれはインフレ率の一時的なオーバーシュートには過剰に反応しない」 | -------- |
| 5/12 | クラリダ・FRB理事 | 「発表されたCPIには驚いた。必要とあればインフレ率を目標まで抑えるための行動をわれわれはちゅうちょしないだろう」 | -------- |
| 5/11 | ブレイナード・FRB理事 | 「見通しは明るいがリスクは残っており、われわれの目標からは程遠い」、「ガイダンスに盛り込まれた最大限の雇用とインフレの目標達成に今後も辛抱強く集中することが重要になる」、「経済の道筋を巡っては通常より大きな不透明感が存在する」 | -------- |
| 5/10 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | このような雇用統計が発表され、ボラティリティーが生じた際、正しい道筋にはいるが回復の道のりは長いということになる。回復の道のりが長いのであれば、当局が講じてきた緩和策を緩めることについて協議を始める時期ではまだない」 | -------- |
| 5/10 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「雇用統計が毎月、十分に改善するのを確認する必要があり、その上で協議を開始することになると考える。それにはしばらく時間がかかるだろう」 | 債券は売られ金利は上昇。株価はハイテク株を中心に下落。 |
| 5/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今回のデータは米金融当局が刺激措置を継続している理由を正当化する」、「この日の雇用統計はわれわれの道のりが長いことを示す一例だ。尚早に勝利宣言してはならない」 | -------- |
| 5/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (国内のインフレ上昇について)「一時的なものであり、また若干の上昇はわれわれにとって良いことだ」 | -------- |
| 5/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「経済活動の再開が進む中で物価上昇圧力を注意深く見守っている」、「インフレ率は年末までに2.25%近辺で落ち着く」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



