「英国で新規感染者急拡大」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は朝方に111円台乗せを試す動きを見せたが、110円97銭止まり。その後は米長期金利の低下に伴い110円台半ばまで下落。
- ユーロドルは引き続き小動き。1.19台前半から半ばで推移し、方向感も見えず。
- 株式市場はまちまちながらこの日はハイテク株が上昇。ナスダックは140ポイント上昇し、初の1万4500ポイント台に。S&P500は上昇し、3日連続で最高値を更新。
- 債券は反発。長期金利は再び1.5%を割り込み、1.47%台まで低下。
- 金は続伸し、原油は4日ぶりに反落。
| ドル/円 | 110.50 〜 110.97 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1903 〜 1.1939 |
| ユーロ/円 | 131.77 〜 132.21 |
| NYダウ | −150.57 → 34,283.27ドル |
| GOLD | +2.90 → 1,780.70ドル |
| WTI | −1.14 → 72.91ドル |
| 米10年国債 | −0.048 → 1.477% |
本日の注目イベント
- 日 5月失業率
- 日 5月小売売上高
- 独 独6月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月景況感指数
- 欧 ユーロ圏6月消費者信頼感(確定値)
- 英 英5月消費者信用残高
- 米 4月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 4月FHFA住宅価格指数
- 米 6月消費者信頼感指数
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、討論に参加(オンライン)
本日のコメント
ドル円はNY時間朝方には上値を試し111円テストを試みましたが、110円97銭で上昇が抑えられ反落しています。米長期金利が再び低下し、1.5%を割り込んだことでドル売りが強まった側面はありましたが、111円台に届かなかったことも影響したかもしれません。2日の雇用統計発表まではこのような、「一進一退」の動きが続きそうです。
英国では新型コロナの「デルタ変異株」感染が急拡大し、昨日の新規感染者数は2万2868人と、今年1月以来最多となって来ました。英国では成人の84%がワクチン接種1回目を、62%が2回目を済ませています。それでもジョンソン英首相は、イングランドでの活動制限措置が「7月19日に終了する公算が非常に大きい」と述べており、入院率と死亡率が比較的低い水準にあることに言及しています。(ブルームバーグ)英国での感染者急拡大を受け、香港は英国を「極めてリスクが高い国」に指定し、7月1日から英国発の全旅客便の乗り入れを禁止する措置を決めています。また欧州では、ポルトガルとスペインが英国からの渡航者に対して新たな制限措置を設けましたが、ドイツなどでは渡航制限を変更する計画はないとしています。
ブルームバーグがまとめる新型コロナウイルス感染症時代の世界で最も安全な国・地域番付「COVIDレジリエンスランキング」では、米国が首位に踊りでました。2位はニュージーランドでスイスが3位と続きます。因みに日本は23位で、今回急速に感染が拡大した英国は9位です。このランキングは、「ワクチン接種した人の割合」、「ロックダウンの深刻度」、「フライト能力」さらに「ワクチン接種後の越境可能ルート」を総合的に勘案し、「耐性スコア」を導き出しています。
日本も同じような状況で手綱を緩めることはできません。ワクチン接種は順調に進んでいるようですが、若者の感染が急拡大しています。東京都の新規感染者数は高止まりしており、試算では、今後オリンピック・パラリンピックの開催や夏休みなどで、1日に1000人を超える新規感染者が出る可能性も指摘されています。このまま感染者数が高止まりすれば、再び「緊急事態宣言」が発出されることもないとは言えません。東京オリンピック・パラリンピック開幕まで1カ月を切りました。ホワイトハウスのサキ報道官は、「大統領が東京五輪に出席する予定はない」と言明しています。同時に、「これまでと同じように米国は選手団を派遣する」と述べ、大統領夫人のジル・バイデン氏が五輪選手団を率いる可能性を検討していると説明しています。
ドル円の短期的な動きを見ると、今後も111円台のテストを何度か繰り返すことになりそうですが、下値の方は「1時間足チャート」の「200時間移動平均線」にサポートされる展開が続いています。先週の21日からこの移動平均線に跳ね返されているのが確認できます。一方上値の方は1時間足の雲に抑えられています。この結果、コアレンジは110円50銭〜110円80銭ということになり、本日の予想レンジは110円30銭〜111円程度に落ち着きそうです。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/24 | バーキン・リッチモンド連銀 | 「短期的なインフレ圧力は第4四半期(10−12月)に向けて和らいでいくと見込んでいる」、「物価上昇の大半は和らぐと考えなければならない。物価の反転すら見られる可能性もある。レンタカー料金が永遠に1日400ドルとなることはない。供給が増えるからだ」 | -------- |
| 6/23 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「最新のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を2022年終盤へと前倒しした」、「2023年には2回の動きもあると考えている」 | -------- |
| 6/23 | ボウマン・FRB理事 | 「こうした物価上昇圧力はボトルネックが解消されれば緩和されるかもしれないが、いくらか時間がかかる可能性がる。状況を引き続き注視し、必要に応じて自身の見通しを調整する」 | -------- |
| 6/22 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは雇用が好調すぎるとの考えやインフレの兆候への警戒を理由に予防的に利上げすることはない。実際のインフレやその他不均衡の事実に基づいた証拠を待つ」 | 市場に利上げに対する安心感が広がり、リスクオンが拡大。 |
| 6/21 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「今年3%前後のインフレ率が2022年と23年には2%近くに低下する」、「ただ物価上昇には強い不透明感がある」 | -------- |
| 6/21 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「FOMCが先週にテーパリング議論を開始したのは適切だ」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「私は2022年終盤の開始を予測している」、「ただし、これらは予想の内容に関連していると考えなければならない。私の予想は21年のインフレ上昇率(コアPCEインフレ率)が3%、22年のコアPCEインフレ率は2.5%だ」 | 株価は大きく下落し、債券は売られたがその買戻しが優勢に。ドル円は110円48銭まで上昇後反落。 |
| 6/18 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「労働市場が新型コロナウイルス禍前の力強さを取り戻せるようにするため、少なくとも2023年末まで事実上ゼロ金利政策が維持されることを望む」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | (資産購入の縮小について)「今日も議論した」、「米経済は明らかに進展した」、「今回の会合は議論することについて議論する会合だという考え方も可能だ」市場への影響:利上げ観測が早まったとの見方が強まり、ドル高、債券安、株安が進行。 | ドル円は109円85銭前後から110円72銭まで上昇。 |
| 6/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性がある」、「そのようなタイト化は時期尚早であり景気回復へのリスクになる」(そのため)、「年初の数カ月を著しく上回るペース」 | -------- |
| 6/2 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「少なくともテーパリングの議論を考えてみる時期だろう」、「インフレ上昇のリスクが一定程ある」(テーパリングについては)「ある日突然行うようなことではない」 | -------- |
| 6/1 | エルドアン大統領 | 「私は中央銀行総裁ときょう話した。われわれは金利を下げることが不可欠だ」 | トルコリラ急落。対ドルで8.75前後、対円で12円26銭前後まで売られる。 |
| 6/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」、「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」 | -------- |
| 5/31 | クノット・オランダ中銀総裁 | この一時的な物価上昇が二次的な影響や賃金の大幅な上昇圧力につながる可能性を示す兆候を私は現時点では見ていない」、「ユーロ圏の労働市場には依然かなりのスラック(たるみ)がある」 | -------- |
| 5/26 | イエレン・財務長官 | 「最近のインフレは一時的であり、定着するようなものではないというのが現時点での私の判断だ」、「しかしながら、この状態はもう数カ月間は続き、今年末までインフレ率は高止まりするとみている」 | -------- |
| 5/26 | パネッタ・ECB理事 | 「基調的インフレの上昇トレンドに反映され、インフレおよびインフレ期待をECBの目標に一致させるような持続可能なインフレ圧力の高まりのみが、購入の減速を正当化し得る」、「ユーロ圏の見通しは改善しているものの、回復はまだ不完全で経済は依然として金融および財政の支えに頼っている」、「政策による支援が不十分になることのリスクはなお高い」、「現在の環境が驚きではないが、為替レートの持続的で無視できない上昇も続いている。これが持続すれば、インフレ圧力を弱めるだろう」 | ユーロドル→1.22台から1.21台後半に下落。 |
| 5/25 | クラリダ・FRB副議長 | 「今後入ってくるデータ次第になると思う」、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」 | 株価の下げにつながる。 |
| 5/24 | ブレイナード・FRB理事 | 「インフレ動向の非常に重要な部分は長期的なインフレ期待で、こうした期待は極めて安定していた状況が続いている。インフレが上昇するような展開になっても、現状のインフレに深く影響を及ぼすことは想定されないと示唆している」、「今後数カ月に一段と上昇することが予想されるが、こうした経済再開やボトルネックに関連した物価上昇は弱まると私は見込んでいる」、「インフレが当局が想定する以上に上昇した場合でも、インフレ目標に戻るよう緩やかに誘導する手段と経験がある」 | 株式と債券が買われ、金利が低下したことでドル円下落。 |
| 5/19 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は経済が委員会の目標に向けて急速な進展を続ければ、今後の会合のいずれかに資産購入ベースの調整に関する協議を開始し始めることが適切になるかもしれないと提案した」(供給不足は)「早急に解消されない可能性があり、そうなれば来年以降もこれらの要因の影響で物価に上昇圧力がかかる可能性がある」 | -------- |
| 5/17 | クラリダ・FRB副議長 | 「4月の雇用統計を踏まえると、一段と顕著な進展を遂げていない」、「こうした購入ペースの減速を見込む前に、必ず事前に通知する」 | -------- |
| 5/17 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「雇用者はパンデミック前をなお800万人下回っている。この差を埋めると言う点で顕著な進展を遂げるまで、われわれの政策は極めて強力に緩和的な状態ないし、スタンスを維持する必要がある」、「今後も予断を持たずに注意深く見守っていく。だが今は動くことを検討する時期ではない」 | -------- |
| 5/13 | ウォラー・FRB理事 | 「昨日発表されたCPIの伸びは予想外に大きかったが、インフレに上向きの圧力をかけている要素は一時的なものであり、緩和的な金融政策は景気回復の支援という点で引き続き重要な役割を担っている」、」われわれはインフレ率の一時的なオーバーシュートには過剰に反応しない」 | -------- |
| 5/12 | クラリダ・FRB理事 | 「発表されたCPIには驚いた。必要とあればインフレ率を目標まで抑えるための行動をわれわれはちゅうちょしないだろう」 | -------- |
| 5/11 | ブレイナード・FRB理事 | 「見通しは明るいがリスクは残っており、われわれの目標からは程遠い」、「ガイダンスに盛り込まれた最大限の雇用とインフレの目標達成に今後も辛抱強く集中することが重要になる」、「経済の道筋を巡っては通常より大きな不透明感が存在する」 | -------- |
| 5/10 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | このような雇用統計が発表され、ボラティリティーが生じた際、正しい道筋にはいるが回復の道のりは長いということになる。回復の道のりが長いのであれば、当局が講じてきた緩和策を緩めることについて協議を始める時期ではまだない」 | -------- |
| 5/10 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「雇用統計が毎月、十分に改善するのを確認する必要があり、その上で協議を開始することになると考える。それにはしばらく時間がかかるだろう」 | 債券は売られ金利は上昇。株価はハイテク株を中心に下落。 |
| 5/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今回のデータは米金融当局が刺激措置を継続している理由を正当化する」、「この日の雇用統計はわれわれの道のりが長いことを示す一例だ。尚早に勝利宣言してはならない」 | -------- |
| 5/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (国内のインフレ上昇について)「一時的なものであり、また若干の上昇はわれわれにとって良いことだ」 | -------- |
| 5/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「経済活動の再開が進む中で物価上昇圧力を注意深く見守っている」、「インフレ率は年末までに2.25%近辺で落ち着く」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



