今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米6月消費者マインド大幅に上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は小幅に下落し110円44銭を付ける。新型コロナの感染が世界的に再拡大してきたことが背景。大きな値動きが見られない中、円を買う動きが優勢に。
  • ユーロドルは水準を切り下げ約1週間ぶりに1.1878まで下落。
  • 株式市場は小幅ながら3指数が揃って上昇。ナスダックは2日連続、S&P500は4日連続で最高値を更新。
  • 債券市場はほぼ横ばい。長期金利は1.47%台と小幅に低下。
  • 金は反落し、原油は反発。
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4月ケース・シラ−住宅価格指数 → 14.88%
4月FHFA住宅価格指数 → 1.8%
6月消費者信頼感指数 → 127.3
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ドル/円 110.44 〜 110.73
ユーロ/ドル 1.1878 〜 1.1911
ユーロ/円 131.27 〜 131.62
NYダウ +9.02 → 34,292.29ドル
GOLD −17.10 → 1,763.60ドル
WTI +0.07 → 72.98ドル
米10年国債 −0.007 → 1.470%

本日の注目イベント

  • 日 5月鉱工業生産
  • 中 6月中国製造業PMI
  • 中 6月中国サービス業PMI
  • 独 独6月雇用統計
  • 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
  • 英 英1−3月期GDP(改定値)
  • 英 英1−3月期経常収支
  • 米 6月ADP雇用者数
  • 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 5月中古住宅販売成約件数
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、討論会に参加
  • 加 カナダ4月GDP

本日のコメント

週末の雇用統計を控え様子見気分が強まったことで各市場では大きな変化は見られません。ドル円はやや下値を切り下げ、110円44銭までドル安に振れましたが、これは英国などでコロナの感染者数が増え、経済活動の鈍化が予想されることで円買いがやや優勢になったようです。また、金(きん)が値を下げ、昨日のNYでは引け値で1760ドル台と、4月15日以来、約2カ月半ぶりとなる安値を記録しています。金利の付かない金は、金利上昇局面では常に売り圧力にさらされることになりますが、足元の米長期金利は、上昇というよりもやや低下傾向にあります。FRBによる利上げを先取りしていると考えればいいのかもしれませんが、一方で金はインフレには強い面もあり、このままさらに値を下げる可能性は低いと見ていますが、どうでしょう。コロナによる「巣ごもり」から、世界的に人々の貯蓄は増加しており、宝飾品の売れ行きは好調です。フランスの「エルメス」や「カルティエ」の株価は最高値圏で推移しています。

米経済指標は引き続き好調さを維持しています。昨日発表された6月の消費者信頼感指数は「127.3」と予想を大きく上回り、新型コロナウイルスがパンデミックとなってからの最高を記録しました。市場予想は「119」で、5月の数字も「117.2」から「120」に上方修正されています。コロナワクチン接種が進み、カリフォルニアやNYといった大きな州での経済再開が本格化しており、経済や労働市場に対する見方に楽観的な予想が広がっています。コンファレンスボードの担当者は、「短期のインフレ期待は上昇したが、消費者信頼感や購入計画にほとんど影響していない」と指摘し、「実際には住宅や自動車、大型家電のいずれについても、買う予定があるとの回答比率が上昇した。個人消費が短期的に経済成長を支え続ける兆候だ」と分析しています。(ブルームバーグ)仕事が豊富にあるとの回答比率は2000年以来の高水準になっています。

住宅価格の上昇も続いています。4月のケースシラー住価格指数は、過去30年余りで最大の伸びを示していました。米20都市の価格指数は前年同月比で「14.9%」も上昇し、全米ベースでも「14.6%」と、統計開始以来最大です。その背景としてS&Pダウ・ジョーンズの指数担当者は、「買い手候補が都市部の集合住宅から郊外の住宅に移っており、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応が米住宅市場の強さの一因になっていると、われわれが以前示唆した。4月のデータは引き続き、その仮説と一致している」と述べています。20都市の中でも特に、フェニクス、サンディエゴ、シアトルの3都市は」「20%」を超えており、フェニクスは前年同月比「22.3%」の上昇でした。米国人にとって「終の棲家」はやはり、暖かく、温暖な西海岸や西部ということなのでしょうか。

昨日もFOMCメンバーの講演が多くありましたが、雇用については概ね楽観的な見方を示していました。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は講演で、雇用を妨げている短期的な要因が後退すれば、「労働市場はこの秋、極めて力強く回復すると私は見込んでいる」と語り、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、「雇用の面での道のりは長いとなお考えている」と発言し、雇用者がコロナ禍前の水準を760万人下回っていることに言及していましたが、それでも、雇用の最終的な回復を妨げる「構造的な」理由があるとは考えていないとし、「8−9月までに力強い雇用の伸びが見られると予想している」と語っています。(ブルームバーグ)今週末に発表される6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は70万人増と、先月よりも大幅な増加が見込まれています。人手不足が続いており賃金も上昇している中、手厚い失業給付金の上乗せが徐々になくなることを考慮すれば、雇用は急拡大する可能性もあると予想しています。2か月連続で期待を裏切られた雇用。今回は3度目の正直となるのか、期待したいと思います。

本日のドル円は110円30銭〜111円程度と見ています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/24 バーキン・リッチモンド連銀 「短期的なインフレ圧力は第4四半期(10−12月)に向けて和らいでいくと見込んでいる」、「物価上昇の大半は和らぐと考えなければならない。物価の反転すら見られる可能性もある。レンタカー料金が永遠に1日400ドルとなることはない。供給が増えるからだ」 --------
6/23 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「最新のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を2022年終盤へと前倒しした」、「2023年には2回の動きもあると考えている」 --------
6/23 ボウマン・FRB理事 「こうした物価上昇圧力はボトルネックが解消されれば緩和されるかもしれないが、いくらか時間がかかる可能性がる。状況を引き続き注視し、必要に応じて自身の見通しを調整する」 --------
6/22 パウエル・FRB議長 「われわれは雇用が好調すぎるとの考えやインフレの兆候への警戒を理由に予防的に利上げすることはない。実際のインフレやその他不均衡の事実に基づいた証拠を待つ」 市場に利上げに対する安心感が広がり、リスクオンが拡大。
6/21 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「今年3%前後のインフレ率が2022年と23年には2%近くに低下する」、「ただ物価上昇には強い不透明感がある」 --------
6/21 カプラン・ダラス連銀総裁 「FOMCが先週にテーパリング議論を開始したのは適切だ」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「私は2022年終盤の開始を予測している」、「ただし、これらは予想の内容に関連していると考えなければならない。私の予想は21年のインフレ上昇率(コアPCEインフレ率)が3%、22年のコアPCEインフレ率は2.5%だ」 株価は大きく下落し、債券は売られたがその買戻しが優勢に。ドル円は110円48銭まで上昇後反落。
6/18 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「労働市場が新型コロナウイルス禍前の力強さを取り戻せるようにするため、少なくとも2023年末まで事実上ゼロ金利政策が維持されることを望む」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 (資産購入の縮小について)「今日も議論した」、「米経済は明らかに進展した」、「今回の会合は議論することについて議論する会合だという考え方も可能だ」市場への影響:利上げ観測が早まったとの見方が強まり、ドル高、債券安、株安が進行。 ドル円は109円85銭前後から110円72銭まで上昇。
6/10 ラガルド・ECB総裁 「市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性がある」、「そのようなタイト化は時期尚早であり景気回復へのリスクになる」(そのため)、「年初の数カ月を著しく上回るペース」 --------
6/2 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「少なくともテーパリングの議論を考えてみる時期だろう」、「インフレ上昇のリスクが一定程ある」(テーパリングについては)「ある日突然行うようなことではない」 --------
6/1 エルドアン大統領 「私は中央銀行総裁ときょう話した。われわれは金利を下げることが不可欠だ」 トルコリラ急落。対ドルで8.75前後、対円で12円26銭前後まで売られる。
6/1 ブレイナード・FRB理事 「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」、「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」 --------
5/31 クノット・オランダ中銀総裁 この一時的な物価上昇が二次的な影響や賃金の大幅な上昇圧力につながる可能性を示す兆候を私は現時点では見ていない」、「ユーロ圏の労働市場には依然かなりのスラック(たるみ)がある」 --------
5/26 イエレン・財務長官 「最近のインフレは一時的であり、定着するようなものではないというのが現時点での私の判断だ」、「しかしながら、この状態はもう数カ月間は続き、今年末までインフレ率は高止まりするとみている」 --------
5/26 パネッタ・ECB理事 「基調的インフレの上昇トレンドに反映され、インフレおよびインフレ期待をECBの目標に一致させるような持続可能なインフレ圧力の高まりのみが、購入の減速を正当化し得る」、「ユーロ圏の見通しは改善しているものの、回復はまだ不完全で経済は依然として金融および財政の支えに頼っている」、「政策による支援が不十分になることのリスクはなお高い」、「現在の環境が驚きではないが、為替レートの持続的で無視できない上昇も続いている。これが持続すれば、インフレ圧力を弱めるだろう」 ユーロドル→1.22台から1.21台後半に下落。
5/25 クラリダ・FRB副議長 「今後入ってくるデータ次第になると思う」、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」 株価の下げにつながる。
5/24 ブレイナード・FRB理事 「インフレ動向の非常に重要な部分は長期的なインフレ期待で、こうした期待は極めて安定していた状況が続いている。インフレが上昇するような展開になっても、現状のインフレに深く影響を及ぼすことは想定されないと示唆している」、「今後数カ月に一段と上昇することが予想されるが、こうした経済再開やボトルネックに関連した物価上昇は弱まると私は見込んでいる」、「インフレが当局が想定する以上に上昇した場合でも、インフレ目標に戻るよう緩やかに誘導する手段と経験がある」 株式と債券が買われ、金利が低下したことでドル円下落。
5/19 FOMC議事録 「幾人かの参加者は経済が委員会の目標に向けて急速な進展を続ければ、今後の会合のいずれかに資産購入ベースの調整に関する協議を開始し始めることが適切になるかもしれないと提案した」(供給不足は)「早急に解消されない可能性があり、そうなれば来年以降もこれらの要因の影響で物価に上昇圧力がかかる可能性がある」 --------
5/17 クラリダ・FRB副議長 「4月の雇用統計を踏まえると、一段と顕著な進展を遂げていない」、「こうした購入ペースの減速を見込む前に、必ず事前に通知する」 --------
5/17 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「雇用者はパンデミック前をなお800万人下回っている。この差を埋めると言う点で顕著な進展を遂げるまで、われわれの政策は極めて強力に緩和的な状態ないし、スタンスを維持する必要がある」、「今後も予断を持たずに注意深く見守っていく。だが今は動くことを検討する時期ではない」 --------
5/13 ウォラー・FRB理事 「昨日発表されたCPIの伸びは予想外に大きかったが、インフレに上向きの圧力をかけている要素は一時的なものであり、緩和的な金融政策は景気回復の支援という点で引き続き重要な役割を担っている」、」われわれはインフレ率の一時的なオーバーシュートには過剰に反応しない」 --------
5/12 クラリダ・FRB理事 「発表されたCPIには驚いた。必要とあればインフレ率を目標まで抑えるための行動をわれわれはちゅうちょしないだろう」 --------
5/11 ブレイナード・FRB理事 「見通しは明るいがリスクは残っており、われわれの目標からは程遠い」、「ガイダンスに盛り込まれた最大限の雇用とインフレの目標達成に今後も辛抱強く集中することが重要になる」、「経済の道筋を巡っては通常より大きな不透明感が存在する」 --------
5/10 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 このような雇用統計が発表され、ボラティリティーが生じた際、正しい道筋にはいるが回復の道のりは長いということになる。回復の道のりが長いのであれば、当局が講じてきた緩和策を緩めることについて協議を始める時期ではまだない」 --------
5/10 エバンス・シカゴ連銀総裁 「雇用統計が毎月、十分に改善するのを確認する必要があり、その上で協議を開始することになると考える。それにはしばらく時間がかかるだろう」 債券は売られ金利は上昇。株価はハイテク株を中心に下落。
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今回のデータは米金融当局が刺激措置を継続している理由を正当化する」、「この日の雇用統計はわれわれの道のりが長いことを示す一例だ。尚早に勝利宣言してはならない」 --------
5/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (国内のインフレ上昇について)「一時的なものであり、また若干の上昇はわれわれにとって良いことだ」 --------
5/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「経済活動の再開が進む中で物価上昇圧力を注意深く見守っている」、「インフレ率は年末までに2.25%近辺で落ち着く」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和