「6月米雇用者数は85万人の増加」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 雇用統計発表直後に111円65銭まで買われたドル円は下落。FRBがテーパリングを早めるほどではないとの見方から110円96銭まで売られる。
- ユーロドルも一時1.1807まで売られたがその後反発。1.1874前後まで買い戻された。
- 株式市場は3指数が揃って最高値を更新。S&P500は7日連続で最高値を更新。
- 債券は続伸し、長期金利は1.42%台まで低下。
- 金は続伸し、原油は小幅に下落。
6月失業率 → 5.9%
6月非農業部門雇用者数 → 85.0万人
6月平均時給 (前月比) → 0.3%
6月平均時給 (前年比) → 3.6%
6月労働参加率 → 61.6%
5月貿易収支 → −712億ドル
5月製造業受注 → 1.7%
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| ドル/円 | 110.96 〜 111.65 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1807 〜 1.1874 |
| ユーロ/円 | 131.60 〜 132.05 |
| NYダウ | +152.82 → 34,786.35ドル |
| GOLD | +6.50 → 1,783.30ドル |
| WTI | −0.07 → 75.16ドル |
| 米10年国債 | −0.034 → 1.424% |
本日の注目イベント
- 豪 豪5月住宅建設許可件数
- 日 7月日銀地域経済報告(さくらリポート)
- 中 6月財新サービス業PMI
- 中 6月財新コンポジットPMI
- 独 独6月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月総合PMI(改定値)
- 米 NY市場休場(独立記念日の振り替え休日)
本日のコメント
6月の米雇用統計では、注目された非農業部門雇用者数が「85.0万人」と、市場予想の「72.0万人」を大きく上回り、前月から大幅に増加していました。発表直後は、雇用の上振れを受けドル円は111円65銭まで、ユーロドルも1.1807近辺まで「ドル高」が進みましたが、直ぐに切り返し、ドル円は111円割れまで売られました。失業率は「5.9%」と、予想より悪化し、FRBがテーパリングを早めるほどではないとの見方が広がり、株と債券が買われ、長期金利は1.42%台まで低下しました。NY主要株価指数は3指数が揃って「最高値を更新」するなど、適温相場が継続されています。NYのマーケットアナリストは、「6月の雇用統計は全体的に力強さを増したが、インフレや引き締めに対する懸念を強めるほどではなかった」とコメントし、金融当局が資産購入のテーパリングを性急に開始することはないとの見方につながりました。
ただFRBがテーパリング開始について議論を始めたのは事実で、その際に最も懸念される材料になっていると見られる「労働市場の回復の遅れ」に明かりが見えてきたのも事実です。今回の結果だけではまだ判断できませんが、この傾向が続くようなら、年内、あるいは来年早々のテーパリング開始も考えられます。AP通信はサンフランシスコ連銀のデーリー総裁とのインタビューを2日に配信し、その中で総裁は、「米経済が一段と自律的に機能し始めていると私は実際に見ており、これは金融緩和策を若干縮小できることを意味する。もちろん、大部分ではない。われわれはまだ完全雇用という目標に近くないからだ」と述べ、多くのFRBメンバーの懸念を代弁しているような発言を行っています。その上で総裁は、「われわれは債券購入のテーパリングの時期やペース、構成について議論を開始する準備が出来ている。私はそれが適切だと思う」と語っています。引き続き、7月、8月の雇用統計が最大の焦点になります。
バイデン大統領は7月4日の独立記念日の講演で、新型コロナウイルスとの闘いが終わりにはまだ程遠く、全国民にワクチン接種を受けるよう促す方針のようです。大統領は米国での新型コロナのパンデミック対応について、1月以降に感染件数と死者数が90%減ったことなど、これまでの成果をたたえる一方、60万人が死亡したことにも触れる予定です。バイデン政権では7月4日の独立記念日までに成人の70%に1回の接種を受けさせることを目標に掲げていましたが、成果は67%程度だと見られており、さらなる接種を呼び掛ける方針です。日本でも政府は、11日に期限の来る1都3県に適用中のまん延防措置を延長する方針だと一部のメディアが伝えています。仮に1カ月延長を決めた場合、23日に開幕し、8月8日に閉幕する東京オリンピック・パラリンピックの期間中全てで適用されることになります。
ドル円はどうやら110円台を固めつつあるように思えます。「適温相場」が大きく崩れない限り、110−112円のレンジ内での動きを想定していますが、今週は雇用統計も終わり、やや材料難と言えるかもしれません。本日のドル円は110円80銭〜111円50銭程度を予想します。
明日は独立記念日の振り替え日で、NY市場は休場となるため「アナリストレポート」はお休みとさせていただきます。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/2 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 市場への影響:「米経済が一段と自律的に機能し始めていると私は実際に見ており、これは金融緩和策を若干縮小できることを意味する。もちろん、大部分ではない。われわれはまだ完全雇用という目標に近くないからだ」、「われわれは債券購入のテーパリングの時期やペース、構成について議論を開始する準備が出来ている。私はそれが適切だと思う」 | -------- |
| 7/1 | ベイリーBOE総裁 | 「最近のインフレ加速の一部は、前年の物価水準が低いことによるベース効果および、新型コロナウイルス対策の行動制限の緩和に伴う需給ひっ迫によるものであり、こうした影響は長続きしないはずだ」、「現時点では金融環境の早すぎるタイト化によって回復が損なわれないことが重要だ」 | ポンドドルは1.38台前半から1.3760近辺まで下落。 |
| 6/30 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「市場に周知させたい。FOMCや公にも行われているこのテーパリング議論は良いものだと考えている」、「そうした調整が近く行われると市場に認識させることになる。ここで唯一問題になるのはその時期だ」 | -------- |
| 6/30 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「雇用の回復にはしばらく時間がかかるだろう」と述べ、(インフレについては)、「注意を払う必要がある」 | -------- |
| 6/24 | バーキン・リッチモンド連銀 | 「短期的なインフレ圧力は第4四半期(10−12月)に向けて和らいでいくと見込んでいる」、「物価上昇の大半は和らぐと考えなければならない。物価の反転すら見られる可能性もある。レンタカー料金が永遠に1日400ドルとなることはない。供給が増えるからだ」 | -------- |
| 6/23 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「最新のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を2022年終盤へと前倒しした」、「2023年には2回の動きもあると考えている」 | -------- |
| 6/23 | ボウマン・FRB理事 | 「こうした物価上昇圧力はボトルネックが解消されれば緩和されるかもしれないが、いくらか時間がかかる可能性がる。状況を引き続き注視し、必要に応じて自身の見通しを調整する」 | -------- |
| 6/22 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは雇用が好調すぎるとの考えやインフレの兆候への警戒を理由に予防的に利上げすることはない。実際のインフレやその他不均衡の事実に基づいた証拠を待つ」 | 市場に利上げに対する安心感が広がり、リスクオンが拡大。 |
| 6/21 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「今年3%前後のインフレ率が2022年と23年には2%近くに低下する」、「ただ物価上昇には強い不透明感がある」 | -------- |
| 6/21 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「FOMCが先週にテーパリング議論を開始したのは適切だ」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「私は2022年終盤の開始を予測している」、「ただし、これらは予想の内容に関連していると考えなければならない。私の予想は21年のインフレ上昇率(コアPCEインフレ率)が3%、22年のコアPCEインフレ率は2.5%だ」 | 株価は大きく下落し、債券は売られたがその買戻しが優勢に。ドル円は110円48銭まで上昇後反落。 |
| 6/18 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「労働市場が新型コロナウイルス禍前の力強さを取り戻せるようにするため、少なくとも2023年末まで事実上ゼロ金利政策が維持されることを望む」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | (資産購入の縮小について)「今日も議論した」、「米経済は明らかに進展した」、「今回の会合は議論することについて議論する会合だという考え方も可能だ」市場への影響:利上げ観測が早まったとの見方が強まり、ドル高、債券安、株安が進行。 | ドル円は109円85銭前後から110円72銭まで上昇。 |
| 6/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性がある」、「そのようなタイト化は時期尚早であり景気回復へのリスクになる」(そのため)、「年初の数カ月を著しく上回るペース」 | -------- |
| 6/2 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「少なくともテーパリングの議論を考えてみる時期だろう」、「インフレ上昇のリスクが一定程ある」(テーパリングについては)「ある日突然行うようなことではない」 | -------- |
| 6/1 | エルドアン大統領 | 「私は中央銀行総裁ときょう話した。われわれは金利を下げることが不可欠だ」 | トルコリラ急落。対ドルで8.75前後、対円で12円26銭前後まで売られる。 |
| 6/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」、「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



