「米6月PCEコア3.5%」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は小幅に反発。109円82銭までドルが買われたが、依然として方向感に乏しい展開が続く。
- ユーロドルも1.18台半ばを中心に低調な動きに終始。
- 株式市場は3指数が揃って下落。ダウは149ドル下げ、ナスダックもアマゾンが下げをけん引。
- 債券は反発。長期金利は1.22%台へ低下。
- 金は反落し、原油は続伸。
4−6月雇用コスト指数 → 0.7%
6月個人所得 → 0.1%
6月個人支出 → 1.0%
6月PCEコアデフレータ → 3.5%
7月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 81.2
7月シカゴ購買部協会景気指数 → 73.4
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| ドル/円 | 109.60 〜 109.82 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1852 〜 1.1897 |
| ユーロ/円 | 130.07 〜 130.42 |
| NYダウ | −149.06 → 34,935.47ドル |
| GOLD | −18.60 → 1,817.20ドル |
| WTI | +0.33 → 73.95ドル |
| 米10年国債 | −0.047 → 1.222% |
本日の注目イベント
- 中 7月財新製造業PMI
- 独 独7月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏7月製造業PMI(改定値)
- 米 7月ISM製造業景況指数
- 米 7月マークイット製造業PMI(改定値)
- 米 米、中国企業59社への投資禁止措置発効
本日のコメント
連日暑い日が続いていますが、相場の方はクールな展開が続き、FOMC終了後は予想通り「材料難」から方向感の乏しい展開になっています。109円台前半までドル売りが進む局面があっても、そこからさらに売り込む勢いはなく、徐々に押し戻される展開が続いています。上値の方も110円台半ばが抜け切れない動きです。本日から8月相場が始まりますが、今月も大きな動きは期待できない展開が続きそうです。ただ今年の夏は本日から緊急事態宣言が発出され、不要不急、都県を跨ぐ移動は避けるよう要請されており、引き続き「巣ごもりの夏」になりそうです。相場に大きな動きはないと思われますが、警戒感は維持する必要があります。例年より市場参加者は減少しない可能性があり、ちょっとした材料で思いがけない動きになることも想定されます。
それにしても東京都を中心とする感染者の増加には、専門家が指摘した通りとはいえ、驚きもあります。このままでは東京都で1日1万人の新規感染者が出る日も、遠からず来そうです。その時には全国では2万人を超えるとの予想のようです。今回の爆発的な感染拡大で、毎日夕方にはテレビで映し出される新規感染者数の棒グラフでも、第1波や第4波が比較的小さく見えるのは筆者だけではないと思います。
米国でもデルタ変異株の感染が拡大しており、フロリダ州では7月30日だけで、新たに2万1683人の感染者が報告され、過去最多を記録しています。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、デルタ変異株の感染拡大で労働者の就労意欲が抑制され、景気回復を損なう恐れがあると指摘しています。その上で、景気刺激措置の縮小を開始するタイミングについては、「まだその時期ではない」と発言しています。一方でセントルイス連銀のブラード総裁は、9月に資産購入の縮小開始について決定することが望ましいと、これまでの持論を述べています。またブレイナードFRB理事は、「テーパリング開始の基準を満たすには、雇用市場にさらなる改善が必要だ」と述べ、9月の雇用統計を確認すれば、ある程度の方向性は示せるとの考えを述べています。9月の雇用統計は10月8日に発表される予定です。本欄でも指摘したように、7〜9月の雇用統計の結果を踏まえて、11月か12月のFOMCでテーパリングを宣言し、2022年1月から開始するとのシナリオも、ブレイナード氏の見方に沿えば、メインシナリオの色合いも濃くなっています。
先週末に発表された6月のPCEコアデフレータは「3.5%」でした。FRBが注目する本指標でも物価上昇が続いていることが確認され、テーパリング開始が議論されることは最早必然です。デルタ変異株の一段の感染拡大というリスクはありますが、よほどの事がない限りFRBが金融正常化への道筋を歩んでいることは、間違いないと見ています。そうなると足元の長期金利が低水準で推移している現状を正当化することが難しくなりますが、金利上昇がドルをサポートする展開を想定しています。このままドル高が進むとも思えませんが、何かのきっかけでドルが大きく売られた際にエントリーする準備は必要かと思います。
本日のドル円は109円30銭〜110円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/28 | パウエル・FRB議長 | 「 その段階にはない。そうした状況に達するにはまだ距離はあると、われわれは考えている」、「進展は続いている。一段の進展を見込んでおり、順調に進めばその目標を達成するだろう」 | 株と債券が買い戻され、金利低下に伴いドル円も下げる。 |
| 7/28 | FOMC声明文 | 「経済は目標に向かって進展しており、委員会は今後数会合において引き続き進展度合いを精査する」 | 株と債券は売られ、ドルが上昇。 |
| 7/25 | アンソニー・ファウチ、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 | 「米国は間違った方向に進んでおり、特に重症化リスクが最も大きい人はブースター(追加免疫)接種が必要になる可能性がある」、「最悪のシナリオでは冬季にコロナ死者数が昨年冬季のピーク時と同水準の1日あたり4000人に達する恐れがある」 | -------- |
| 7/15 | ブラード・セントルイス連銀 | 「米金融当局はインフレと雇用の両方に関して『一段と顕著な進展』を遂げるという目標を達成した」、「テーパリングできる状況にあると考える。市場を動揺させるようなことは望んでいないが、こうした緊急措置を終了する時期だと思う」 | -------- |
| 7/15 | パウエル・FRB議長 | 「これは経済活動の再開に伴いシステム全体に衝撃が及んでいる状況であり、それが2%を大きく上回る水準にインフレ率を押し上げている。当局としてはもちろん、心地よくない」、(このところの物価上昇については)、「歴史において他に類を見ないものだ」、「FOMCは6月の会合で、資産購入を縮小する可能性について議論を開始した。FOMCは今月27、28日に開く会合で、この議論をさらに進める」 | 債券が買われ長期金利は再び1.3%前後まで低下。 |
| 7/14 | パウエル・FRB議長 | 「生産のボトルネックなど供給面の制約で生産が限定されている業種で強い需要が見られ、それが一部の財とサービスに特に急速な物価上昇をもたらしている。だがそうした物価上昇は、ボトルネックの影響が解消されるのに伴い一部反転するだろう」、「労働市場の状況は改善が続いているが、まだ長い道のりが残っている」(その見通しについては)、「公衆衛生の状況が引き続き改善し、現在雇用の重石となっているパンデミック関連要素の一部が後退するにつれて、雇用の伸びは向こう数カ月に力強さを見せるだろう」 | テーパリング開始時期を早めるものではないとの見方から、株と債券が買われ、金利低下に伴いドル円は110円台半ばから110円割れまで下落。 |
| 7/13 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「恐らく年末か来年早々にはテーパリングの状況が整うだろうというのが、私の見解だ」、「資産購入を段階的に縮小し、経済に供給してきた緩和の一部を引き揚げることについて協議を始めるには適切だ」、(利上げについて協議するには)「極めて時期尚早な段階だ」 | -------- |
| 7/12 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「債券購入の縮小を始めるには(就業率が)59%を上回る程度の就業率が望ましい」 | -------- |
| 7/12 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | (目標を上回るインフレ率は)「一過性のものだとの考えに、私は同感だ」、「最も重要な要素は労働市場だと考える」 | -------- |
| 7/8 | ラガルド・ECB総裁 | 「新原則はあいまいさを全て取り除くとともに、2%は上限ではないと明確に伝えている」 | -------- |
| 7/7 | FOMC議事録 | 「委員会が定める『一段と顕著な進展』の基準にはまだ達していないと概して見なされたが、参加者は進展が続くと予想した」、「労働市場とインフレの道筋について確固たる結論を導き出すのは時期尚早だ」 | 株と債券が買われ、長期金利は約4カ月ぶりに1.3%を割り込む。 |
| 7/2 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「米経済が一段と自律的に機能し始めていると私は実際に見ており、これは金融緩和策を若干縮小できることを意味する。もちろん、大部分ではない。われわれはまだ完全雇用という目標に近くないからだ」、「われわれは債券購入のテーパリングの時期やペース、構成について議論を開始する準備が出来ている。私はそれが適切だと思う」 | -------- |
| 7/1 | ベイリーBOE総裁 | 「最近のインフレ加速の一部は、前年の物価水準が低いことによるベース効果および、新型コロナウイルス対策の行動制限の緩和に伴う需給ひっ迫によるものであり、こうした影響は長続きしないはずだ」、「現時点では金融環境の早すぎるタイト化によって回復が損なわれないことが重要だ」 | ポンドドルは1.38台前半から1.3760近辺まで下落。 |
| 6/30 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「市場に周知させたい。FOMCや公にも行われているこのテーパリング議論は良いものだと考えている」、「そうした調整が近く行われると市場に認識させることになる。ここで唯一問題になるのはその時期だ」 | -------- |
| 6/30 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「雇用の回復にはしばらく時間がかかるだろう」と述べ、(インフレについては)、「注意を払う必要がある」 | -------- |
| 6/24 | バーキン・リッチモンド連銀 | 「短期的なインフレ圧力は第4四半期(10−12月)に向けて和らいでいくと見込んでいる」、「物価上昇の大半は和らぐと考えなければならない。物価の反転すら見られる可能性もある。レンタカー料金が永遠に1日400ドルとなることはない。供給が増えるからだ」 | -------- |
| 6/23 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「最新のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を2022年終盤へと前倒しした」、「2023年には2回の動きもあると考えている」 | -------- |
| 6/23 | ボウマン・FRB理事 | 「こうした物価上昇圧力はボトルネックが解消されれば緩和されるかもしれないが、いくらか時間がかかる可能性がる。状況を引き続き注視し、必要に応じて自身の見通しを調整する」 | -------- |
| 6/22 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは雇用が好調すぎるとの考えやインフレの兆候への警戒を理由に予防的に利上げすることはない。実際のインフレやその他不均衡の事実に基づいた証拠を待つ」 | 市場に利上げに対する安心感が広がり、リスクオンが拡大。 |
| 6/21 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「今年3%前後のインフレ率が2022年と23年には2%近くに低下する」、「ただ物価上昇には強い不透明感がある」 | -------- |
| 6/21 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「FOMCが先週にテーパリング議論を開始したのは適切だ」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「私は2022年終盤の開始を予測している」、「ただし、これらは予想の内容に関連していると考えなければならない。私の予想は21年のインフレ上昇率(コアPCEインフレ率)が3%、22年のコアPCEインフレ率は2.5%だ」 | 株価は大きく下落し、債券は売られたがその買戻しが優勢に。ドル円は110円48銭まで上昇後反落。 |
| 6/18 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「労働市場が新型コロナウイルス禍前の力強さを取り戻せるようにするため、少なくとも2023年末まで事実上ゼロ金利政策が維持されることを望む」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | (資産購入の縮小について)「今日も議論した」、「米経済は明らかに進展した」、「今回の会合は議論することについて議論する会合だという考え方も可能だ」市場への影響:利上げ観測が早まったとの見方が強まり、ドル高、債券安、株安が進行。 | ドル円は109円85銭前後から110円72銭まで上昇。 |
| 6/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性がある」、「そのようなタイト化は時期尚早であり景気回復へのリスクになる」(そのため)、「年初の数カ月を著しく上回るペース」 | -------- |
| 6/2 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「少なくともテーパリングの議論を考えてみる時期だろう」、「インフレ上昇のリスクが一定程ある」(テーパリングについては)「ある日突然行うようなことではない」 | -------- |
| 6/1 | エルドアン大統領 | 「私は中央銀行総裁ときょう話した。われわれは金利を下げることが不可欠だ」 | トルコリラ急落。対ドルで8.75前後、対円で12円26銭前後まで売られる。 |
| 6/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」、「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



