今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「8月のミシガン大学消費者マインド大幅に悪化」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は急落。8月のミシガン大学消費者マインドが予想を大きく下回ったことで、米長期金利が低下。ドル売りを誘った。ドル円は109円55銭まで売られ、ほぼこの日の安値圏で越週。
  • ユーロドルは反発。1週間ぶりに1.18台を回復。
  • 株式市場は小幅ながら3指数が揃って上昇。ダウとS&P500はこの日も上昇し、これで4日連続の最高値更新。
  • 債券相場は急騰し、長期金利は1.27%台へ急低下。
  • 金はドル安が進んだこともあり、26ドルを超える上昇。原油は続落。
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7月輸入物価指数 → 0.3%
8月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 70.2
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ドル/円 109.55 〜 110.24
ユーロ/ドル 1.1760 〜 1.1804
ユーロ/円 129.23 〜 129.69
NYダウ +15.53 → 35,515.38ドル
GOLD +26.40 → 1,778.20ドル
WTI −0.65 → 68.44ドル
米10年国債 −0.082 → 1.277%

本日の注目イベント

  • 日 4−6月GDP(速報値)
  • 日 6月鉱工業生産(確定値)
  • 中 中国7月小売売上高
  • 中 中国7月鉱工業生産
  • 米 8月NY連銀製造景況業指数

本日のコメント

ドル円は今回も111円台には届かず、109円台半ばまで押し戻される展開でした。109円前後がサポートとなり底堅い動きを見せるものの、7月以来約1カ月、110円台半ばから後半が抜け切れない展開が続いています。今回も先週末のNYでは経済指標の発表をきっかけに、米債券が急騰し、長期金利が大きく低下したことでドル円は、110円20銭前後から109円台半ばまで売られています。

8月のミシガン大学消費者マインド速報値は市場予想を大きく下回る「70.2」と、2011年12月以来となる低水準でした。市場予想は「81.2」でしたので、そのギャップには驚きです。新型コロナウイルスの感染が再拡大していることが、米国の消費者心理を予想以上に慎重にさせていることがうかがえます。ミシガン大学消費者調査ディレクターのリチャード・カーティン氏は、「今後数カ月で景気が悪化すると消費者が正しく判断していることを示すものだ。景気への悲観が並外れて増したことは、主にコロナ禍が間もなく終わるとの望みが打ち砕かれたことによる感情的反応も反映している」とリポートで説明しています。(ブルームバーグ)項目別に見ると、「期待指数」が大幅に悪化しています。株価は連日で最高値を更新する日が続いており、求人件数も過去最高になっていますが、一方で手厚い失業給付金はほぼ9月で切れることも影響している可能性があります。

米国では新型コロナのデルタ変異株感染が深刻化してきました。1日あたりの死者の数は7日平均が13日時点で「645人」と、過去2週間で倍増し、5月以来の高水準です。一方、米疾病対策センター(CDC)が発表した14日の全米ワクチン接種回数は99万1000回と、1日当たりとしては7月初め以来の高水準になっています。そんな中、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は15日、米国は必要であれば基礎疾患のある人を対象にワクチンの「3回接種」を認める発言を行っています。デルタ変異株の強力な感染力を念頭に置いたものと思われますが、現時点では、ファイザーとモデルナのワクチンだけに限定しているようです。日本でも連日、これまでにない感染爆発が続いています。専門家の言う「最悪のケース」も、シミュレーションだけの世界ではない状況に近づいている気もします。一人一人が他の人との接触を避け、出来るだけ早い段階で2回接種を終えるしか、方法はないように思います。

今朝の報道で、アフガニスタンの反政府勢力「タリバン」が15日、首都カブールを制圧し、大統領府を掌握したとあります。「タリバン」は近く、「アフガニスタン・イスラム首長国」の樹立を宣言する構えのようです。懸念されるのは、アフガン問題が再び金融市場に悪影響を及ぼしかねないという点です。好調なNY株式市場も、デルタ変異株の感染拡大に加え、アフガン問題が中東に混乱を招き、それがリスク回避の動きを強めることもないとは言えません。ドル円も現時点では109円前後が非常に強いサポートになってはいますが、仮に明確にその水準を抜け切るようだと、想定外の円高に振れる可能性も出てきます。まだそこまでの可能性は低いと思われますが、一応注意は喚起しておきたいと思います。

本日のドル円は109円10銭〜109円90銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
8/11 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「われわれは近づきつつある。ただいつになるか正確には分からない。その時期が確実に近づいた時には、経済に無理が出ない範囲で早急にテーパリングを行い、正常な環境に向かって戻っていくことを私は強く支持する」 --------
8/11 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「景気回復が進行していることを踏まえ、今こそ金融緩和政策からより中立的な政策設定へと移行する必要がある」、「私が先に説明したように現在の引き締まった経済状態が、引き締まった金融政策を必要としているわけでは当然ないが、政策の設定を巻き戻す時期が来たというシグナルであることは確かだ」 --------
8/10 エバンス・シカゴ連銀総裁 恐らく年内に『一段と顕著な進展』が見える段階に達すると私は予想している。それが来年にずれ込むとは思わない」、(テーパリングに関する決定を前に)、「さらに数回の雇用統計を見てみたい」 --------
8/9 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米経済が米金融当局の目標に向って前進していると言って、差支えないと」、「労働市場には前進の余地がまだあると思う」 --------
8/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「かなり心強いのは確かだ。これが次の1−2カ月続けば目標に向けて『顕著な進展』があったことになり、新たな政策姿勢をどうするか考えるべきだろうというのが私の感触だ」 --------
8/5 ウオラー・FRB理事 「6日発表の雇用統計、翌月の雇用統計はいずれも非常に高い数字が出ると強く期待している」、「明日の雇用統計で100万人規模の数字が出て、9月発表の統計で100万人近い数字が出れば、1年半に失われた雇用の85%を取り戻したことになる」、「他の人が考えているよりも早期に、緩和的な金融政策を巻き戻せるようになるかもしれない」 --------
8/4 クラリダ・FRB副議長 「FF金利の目標レンジの引き上げに必要な条件は、2022年の終わりまでに達成されているだろう」、「23年には利上げを開始するだろう」 ドル円は108円後半から109円台半ばを超えて上昇。債券と株は売られる。
8/2 ウオラー・FRB理事 「9月までに発表する準備は整い得ると考えている」、「それは次の2回の雇用統計次第だ。前回のように強い数字が出れば、必要な進展が遂げられたと考える。そうでなければ、あと2カ月ほど先送りする必要が生じるだろう」 --------
7/28 パウエル・FRB議長 「 その段階にはない。そうした状況に達するにはまだ距離はあると、われわれは考えている」、「進展は続いている。一段の進展を見込んでおり、順調に進めばその目標を達成するだろう」 株と債券が買い戻され、金利低下に伴いドル円も下げる。
7/28 FOMC声明文 「経済は目標に向かって進展しており、委員会は今後数会合において引き続き進展度合いを精査する」 株と債券は売られ、ドルが上昇。
7/25 アンソニー・ファウチ、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「米国は間違った方向に進んでおり、特に重症化リスクが最も大きい人はブースター(追加免疫)接種が必要になる可能性がある」、「最悪のシナリオでは冬季にコロナ死者数が昨年冬季のピーク時と同水準の1日あたり4000人に達する恐れがある」 --------
7/15 ブラード・セントルイス連銀 「米金融当局はインフレと雇用の両方に関して『一段と顕著な進展』を遂げるという目標を達成した」、「テーパリングできる状況にあると考える。市場を動揺させるようなことは望んでいないが、こうした緊急措置を終了する時期だと思う」 --------
7/15 パウエル・FRB議長 「これは経済活動の再開に伴いシステム全体に衝撃が及んでいる状況であり、それが2%を大きく上回る水準にインフレ率を押し上げている。当局としてはもちろん、心地よくない」、(このところの物価上昇については)、「歴史において他に類を見ないものだ」、「FOMCは6月の会合で、資産購入を縮小する可能性について議論を開始した。FOMCは今月27、28日に開く会合で、この議論をさらに進める」 債券が買われ長期金利は再び1.3%前後まで低下。
7/14 パウエル・FRB議長 「生産のボトルネックなど供給面の制約で生産が限定されている業種で強い需要が見られ、それが一部の財とサービスに特に急速な物価上昇をもたらしている。だがそうした物価上昇は、ボトルネックの影響が解消されるのに伴い一部反転するだろう」、「労働市場の状況は改善が続いているが、まだ長い道のりが残っている」(その見通しについては)、「公衆衛生の状況が引き続き改善し、現在雇用の重石となっているパンデミック関連要素の一部が後退するにつれて、雇用の伸びは向こう数カ月に力強さを見せるだろう」 テーパリング開始時期を早めるものではないとの見方から、株と債券が買われ、金利低下に伴いドル円は110円台半ばから110円割れまで下落。
7/13 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「恐らく年末か来年早々にはテーパリングの状況が整うだろうというのが、私の見解だ」、「資産購入を段階的に縮小し、経済に供給してきた緩和の一部を引き揚げることについて協議を始めるには適切だ」、(利上げについて協議するには)「極めて時期尚早な段階だ」 --------
7/12 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「債券購入の縮小を始めるには(就業率が)59%を上回る程度の就業率が望ましい」 --------
7/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 (目標を上回るインフレ率は)「一過性のものだとの考えに、私は同感だ」、「最も重要な要素は労働市場だと考える」 --------
7/8 ラガルド・ECB総裁 「新原則はあいまいさを全て取り除くとともに、2%は上限ではないと明確に伝えている」 --------
7/7 FOMC議事録 「委員会が定める『一段と顕著な進展』の基準にはまだ達していないと概して見なされたが、参加者は進展が続くと予想した」、「労働市場とインフレの道筋について確固たる結論を導き出すのは時期尚早だ」 株と債券が買われ、長期金利は約4カ月ぶりに1.3%を割り込む。
7/2 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が一段と自律的に機能し始めていると私は実際に見ており、これは金融緩和策を若干縮小できることを意味する。もちろん、大部分ではない。われわれはまだ完全雇用という目標に近くないからだ」、「われわれは債券購入のテーパリングの時期やペース、構成について議論を開始する準備が出来ている。私はそれが適切だと思う」 --------
7/1 ベイリーBOE総裁 「最近のインフレ加速の一部は、前年の物価水準が低いことによるベース効果および、新型コロナウイルス対策の行動制限の緩和に伴う需給ひっ迫によるものであり、こうした影響は長続きしないはずだ」、「現時点では金融環境の早すぎるタイト化によって回復が損なわれないことが重要だ」 ポンドドルは1.38台前半から1.3760近辺まで下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和