今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NY株急落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は前日110円台を回復する場面もあったが、この日はNY株が大幅に下げ、リスク回避の流れから円が買われ、一時109円33銭まで売られる。
  • ユーロドルは前日から水準をやや下げ、1.17台前半で推移。
  • 株式市場は全面安。「中国恒大集団」のデフォルト懸念から大きく下げ、ダウは1000ドルに迫る下げを記録する局面も。ナスダッックは前日比2.2%の大幅下落。
  • 債券は買われる。長期金利は1.31%台へ低下。
  • リスク回避が進み金は上昇。原油は1ドルを超える下げに。
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9月NAHB住宅市場指数 → 76
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ドル/円 109.33 〜 109.65
ユーロ/ドル 1.1706 〜 1.1736
ユーロ/円 128.14 〜 128.51
NYダウ −614.41 → 33,970.47ドル
GOLD +12.40 → 1,763.80ドル
WTI −1.68 → 70.29ドル
米10年国債 −0.051 → 1.311%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 米 経常収支(4−6月)
  • 米 8月住宅着工件数
  • 米 8月建設許可件数

本日のコメント

本「アナリストレポート」でもこれまでに何度か触れた「中国恒大集団」の資金繰り懸念が強まり、金融市場に大きな影響を与え始めました。NY株式市場は全面安の展開です。ダウは一時1000ドル近い下げを見せ、ナスダックは2.2%の下げに見舞われました。同じように、原油も大きく売られ、ドル円では「円買い」が活発となり、先週金曜日には110円台まで上昇したドル円は再び109円台前半まで売られています。リスク回避の流れが強まり、債券と金(きん)が買われ、昨日はビットコインなど、仮想通貨も大きく値を下げています。

「中国恒大集団」の資金繰り懸念から、香港市場では不動産株を中心に株価が急落し、これがNY市場にも広がっています。「恒大」を巡っては中国住宅都市農村建設省が先週、同社が20日に融資の利払いを行えない見通しだと、同社の主要債権金融機関に伝えていましたが、23日にも米ドル債8353万ドル(約92億円)と、人民元債2億3200万元(約39億円)の利払い日が来ます。その後も、今月29日と、10月にはさらに多額の利払いが到来します。報道によると、同社は社員や個人投資家などから「理財商品」を通じて多額の資金調達を行っており、負債額は33兆円を超えている模様です。格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先週、同社の長期格付けを「CC」(ダブルC)に格下げしたばかりでした。中国には、恒大と同業で経営難に陥っている華夏幸福基業など1000億元を超える負債を抱えている企業も少なくはないと見られており、これが不動産業全体の懸念につながり、NY株式市場に伝播した形です。

本日から2日間の日程でFOMCが開催されます。その前日に株価の急落が起きてしまい、FOMCの政策決定にも影響を与える可能性もあります。米経済指標に目を向けても、最近では「強弱まちまち」で、8月の雇用統計の結果など、予想を大きく下振れするものも目立つようになっています。ただ、それでも個人的には「11月の会合で正式にテーパリングを宣言し、2022年からの開始」とするシナリオは維持するつもりです。本日は日経平均株価も大きく下げると見られますが、この流れが再びNYに引き継がれ、「負の連鎖」に陥らない限り、といった条件は付けたいと思いますが、FRBが中国発のリスクに言及することは予想されても、基本方針は維持されると思われます。また、FOMCではNY株価の下落に対する議論もあるかもしれません。米国人にとって株価の行方は自身の将来設計に大きな意味を持っており、消費行動にも大きな影響を与えます。恐怖指数である「VIX指数」も「25.7」と、5月12日以来となる高水準になってきました。

今後の株価次第というところもありますが、ドル円は依然として110円を中心とする展開は変わっていないと考えます。リスク回避が進み、安全資産の債券が買われ金利は低下してはいますが、それでもまだ1.3%台は維持しています。従って今のところは、中国発の「恒大ショック」はグローバルな景気押し下げにはつながらないと考えており、「リーマンショック」級の金融不祥事には至らないと予想しています。今日の日本株がどこまで下げるのかを見極めながら、ドル円のレンジは108円90銭〜109円70銭程度と予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
8/31 クノット・オランダ中銀総裁 「来週開かれる政策決定会合でパンデミック緊急債券購入プログラム(PEPP)の3月終了と矛盾しないか決定がなされると見込んでいる」、「つまり、購入ペースの減速を意味する」 --------
8/31 ホルツマン・オーストリア中銀総裁 「9月会合で危機対応措置の縮小議論をすべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 (テーパリングについて)、「年内に開始するのが適当だろう」、「インフレ目標に向けて、一段と顕著な進展を遂げるという基準を満たしたと」、「労働市場についても、明確な進展を遂げたと思う」、「見込まれる資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始時期に関する直接的なシグナルを送ることを意図してするわけではない。利上げ開始については、われわれは異なった、そして一層厳しい基準を明確にしている」 債券と株が買われ、金利低下に伴いドル円は110円26銭から109円78銭近辺まで下落。
8/26 ブラード・セントルイス連銀総裁 「米国は好景気に沸いており、現時点での一段の刺激策は恐らく必要ない」発言し、「テーパリングを着手する必要がある」 --------
8/26 カプラン・ダラス連銀総裁 「現時点で把握できる状況に基づき、この見通しを大きく変更せざるを得ないような事象は見受けられない」、「9月会合までの数週間、このことを注視し続ける。9月会合の時点で資産購入を調整する計画を発表する状況が十分に整い、10月かそのすぐ後に実行に移せるとみているが、これからの注視後のこの見解はかわりないだろう」 --------
8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「新型コロナウイルスのデルタ変異株が米経済見通しと雇用の拡大にとってリスクだとしても、政策当局者は資産購入ペースを落とす行動の『スタートを切る』必要がある」、「われわれがこれまで目にした進捗を考えれば、そのような調整に着手する時期だという私自身の計算が変わるとは考えない」 --------
8/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 (米経済について)「金融当局の雇用と物価安定に関する目標の達成に向けて、大きな進展を遂げた」、(テーパリングに関して)「2022年1−3月までに終わらせることが望ましい」、「それにより、多くの選択肢が生まれる」 --------
8/11 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「われわれは近づきつつある。ただいつになるか正確には分からない。その時期が確実に近づいた時には、経済に無理が出ない範囲で早急にテーパリングを行い、正常な環境に向かって戻っていくことを私は強く支持する」 --------
8/11 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「景気回復が進行していることを踏まえ、今こそ金融緩和政策からより中立的な政策設定へと移行する必要がある」、「私が先に説明したように現在の引き締まった経済状態が、引き締まった金融政策を必要としているわけでは当然ないが、政策の設定を巻き戻す時期が来たというシグナルであることは確かだ」 --------
8/10 エバンス・シカゴ連銀総裁 恐らく年内に『一段と顕著な進展』が見える段階に達すると私は予想している。それが来年にずれ込むとは思わない」、(テーパリングに関する決定を前に)、「さらに数回の雇用統計を見てみたい」 --------
8/9 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米経済が米金融当局の目標に向って前進していると言って、差支えないと」、「労働市場には前進の余地がまだあると思う」 --------
8/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「かなり心強いのは確かだ。これが次の1−2カ月続けば目標に向けて『顕著な進展』があったことになり、新たな政策姿勢をどうするか考えるべきだろうというのが私の感触だ」 --------
8/5 ウオラー・FRB理事 「6日発表の雇用統計、翌月の雇用統計はいずれも非常に高い数字が出ると強く期待している」、「明日の雇用統計で100万人規模の数字が出て、9月発表の統計で100万人近い数字が出れば、1年半に失われた雇用の85%を取り戻したことになる」、「他の人が考えているよりも早期に、緩和的な金融政策を巻き戻せるようになるかもしれない」 --------
8/4 クラリダ・FRB副議長 「FF金利の目標レンジの引き上げに必要な条件は、2022年の終わりまでに達成されているだろう」、「23年には利上げを開始するだろう」 ドル円は108円後半から109円台半ばを超えて上昇。債券と株は売られる。
8/2 ウオラー・FRB理事 「9月までに発表する準備は整い得ると考えている」、「それは次の2回の雇用統計次第だ。前回のように強い数字が出れば、必要な進展が遂げられたと考える。そうでなければ、あと2カ月ほど先送りする必要が生じるだろう」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和