今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円は続伸し、111円台に乗せる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京時間では上値が重かったドル円は、NYでは長期金利が上昇したことを受け111円台に乗せる。111円05銭近辺までドル高が進み7月5日以来の水準に。
  • ユーロドルでもドル高は進み、1.1692までユーロが売られる。
  • 株式市場ではダウが4日続伸。長期金利の上昇が重荷となりナスダックは下落。
  • 債券は続落。長期金利は1.5%台を回復し、6月28日以来となる1.51%台まで上昇。
  • 金は小幅に続伸。原油も大幅に続伸し75ドル台に。
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8月耐久財受注 → 1.8%
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ドル/円 110.78 〜 111.05
ユーロ/ドル 1.1692 〜 1.1709
ユーロ/円 129.77 〜 129.93
NYダウ +71.37 → 34,869.37ドル
GOLD +0.30 → 1,752.00ドル
WTI +1.47 → 75.45ドル
米10年国債 +0.036 → 1.487%

本日の注目イベント

  • 豪 豪8月小売売上高
  • 中 中国8月工業利益
  • 独 独8月GFK消費者信頼感
  • 欧 ECBフォーラム(オンライン)、ラガルドECB総裁が開会の辞
  • 欧 OPEC、2021年世界石油見通し(WOO)
  • 米 7月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 7月FHFA住宅価格指数
  • 米 9月消費者信頼感指数
  • 米 9月リッチモンド連銀製造景況業指数
  • 米 ボウマン・FRB理事、オンラインイベントで講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、オンライン会議で講演
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、パネル討論に参加

本日のコメント

やはりドル円は米長期金利が上昇したことを受け、NY市場朝方には今年7月5日以来となる111円台に乗せました。昨日の東京時間では実需のドル売りも散見され、上値の重い展開でしたが、NY市場では素直に金利高に反応した結果です。ただ、ここからは久しぶりの水準であることから、実需のドル売りも出易いと見ています。111円台で踏みとどまる時間が長ければドル売りも一旦後退し、その後の動きを確認する状況にはなると思われますが、そのためには110円50銭以上で推移することが求められます。多くの輸出企業の2021年下期の想定レートが「105円」程度であるため、余裕を持って相場に対峙することは可能です。上昇傾向を鮮明にしてきた米長期金利がこの先も上昇し、1.6%台に向うかどうかがカギになります。

先週のFOMC後に、「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」と述べたパウエル議長の発言を受け、テーパリング開始が「秒読み段階」になってきたことから、債券には売り圧力がかかり金利が上昇しています。ただ、テーパリングから利上げまでの工程やインフレに対する見方を巡っては、FOMCメンバーの間でも温度差があることは事実です。シカゴ連銀のエバンス総裁は講演で、「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」として、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」との認識を示しています。利上げに関しては、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」と語っています。

ブレイナード理事は、「雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」としながらも、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」と述べています。またNY連銀のウィリアムズ総裁も講演で、「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」と語り、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」と述べています。(ブルームバーグ)このように、11月の会合では今後想定外の事象が起きないかぎり、テーパリング開始を決定し、そのスケジュールを発表することになるだろうと思われます。

サプライズだったのは、2人の地区連銀総裁が辞任を発表したことです。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、健康問題を理由に今週辞任すると発表しました。またダラス連銀のカプラン総裁も10月8日付けで辞任することを発表しています。両総裁を巡っては、金融当局がコロナ禍で市場を積極的に支えていたこの1年間、さまざまな金融商品に投資し、保有していたことが今月の債務開示で明らかになっていたようです。これを受け、利益相反の可能性が指摘されるなど、批判が高まっていたことに対応したものとみられます。ローゼングレン総裁は12地区連銀の中でも最も長く総裁を務めており、存在感もあっただけにやや残念に思います。

ラガルドECB総裁は27日欧州議会での証言に臨み、ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだとした上で、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」と証言しました。ラガルド氏はこれまでも大幅な物価上昇は一時的なものだと認識を維持していましたが、その根拠として今回、原油価格の上昇とドイツの付加価値税(VAT)減税の巻き戻しなどを挙げています。その上で、「ECBの基本シナリオとして、引き続き中期的なインフレ率が目標を下回り続けるとみている」と述べています。

本日の注目材料は米9月消費者信頼感指数です。6月には今年最も高い水準を記録しましたが、その後やや軟調な展開が続いています。市場予想は「115.0」で、先月よりも改善していると見られていますが、予想を上回るとテーパリング開始への好材料とみられ、金利上昇につながる可能性があろうかと思います。本日のドル円は110円60銭〜111円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
8/31 クノット・オランダ中銀総裁 「来週開かれる政策決定会合でパンデミック緊急債券購入プログラム(PEPP)の3月終了と矛盾しないか決定がなされると見込んでいる」、「つまり、購入ペースの減速を意味する」 --------
8/31 ホルツマン・オーストリア中銀総裁 「9月会合で危機対応措置の縮小議論をすべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 (テーパリングについて)、「年内に開始するのが適当だろう」、「インフレ目標に向けて、一段と顕著な進展を遂げるという基準を満たしたと」、「労働市場についても、明確な進展を遂げたと思う」、「見込まれる資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始時期に関する直接的なシグナルを送ることを意図してするわけではない。利上げ開始については、われわれは異なった、そして一層厳しい基準を明確にしている」 債券と株が買われ、金利低下に伴いドル円は110円26銭から109円78銭近辺まで下落。
8/26 ブラード・セントルイス連銀総裁 「米国は好景気に沸いており、現時点での一段の刺激策は恐らく必要ない」発言し、「テーパリングを着手する必要がある」 --------
8/26 カプラン・ダラス連銀総裁 「現時点で把握できる状況に基づき、この見通しを大きく変更せざるを得ないような事象は見受けられない」、「9月会合までの数週間、このことを注視し続ける。9月会合の時点で資産購入を調整する計画を発表する状況が十分に整い、10月かそのすぐ後に実行に移せるとみているが、これからの注視後のこの見解はかわりないだろう」 --------
8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「新型コロナウイルスのデルタ変異株が米経済見通しと雇用の拡大にとってリスクだとしても、政策当局者は資産購入ペースを落とす行動の『スタートを切る』必要がある」、「われわれがこれまで目にした進捗を考えれば、そのような調整に着手する時期だという私自身の計算が変わるとは考えない」 --------
8/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 (米経済について)「金融当局の雇用と物価安定に関する目標の達成に向けて、大きな進展を遂げた」、(テーパリングに関して)「2022年1−3月までに終わらせることが望ましい」、「それにより、多くの選択肢が生まれる」 --------
8/11 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「われわれは近づきつつある。ただいつになるか正確には分からない。その時期が確実に近づいた時には、経済に無理が出ない範囲で早急にテーパリングを行い、正常な環境に向かって戻っていくことを私は強く支持する」 --------
8/11 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「景気回復が進行していることを踏まえ、今こそ金融緩和政策からより中立的な政策設定へと移行する必要がある」、「私が先に説明したように現在の引き締まった経済状態が、引き締まった金融政策を必要としているわけでは当然ないが、政策の設定を巻き戻す時期が来たというシグナルであることは確かだ」 --------
8/10 エバンス・シカゴ連銀総裁 恐らく年内に『一段と顕著な進展』が見える段階に達すると私は予想している。それが来年にずれ込むとは思わない」、(テーパリングに関する決定を前に)、「さらに数回の雇用統計を見てみたい」 --------
8/9 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米経済が米金融当局の目標に向って前進していると言って、差支えないと」、「労働市場には前進の余地がまだあると思う」 --------
8/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「かなり心強いのは確かだ。これが次の1−2カ月続けば目標に向けて『顕著な進展』があったことになり、新たな政策姿勢をどうするか考えるべきだろうというのが私の感触だ」 --------
8/5 ウオラー・FRB理事 「6日発表の雇用統計、翌月の雇用統計はいずれも非常に高い数字が出ると強く期待している」、「明日の雇用統計で100万人規模の数字が出て、9月発表の統計で100万人近い数字が出れば、1年半に失われた雇用の85%を取り戻したことになる」、「他の人が考えているよりも早期に、緩和的な金融政策を巻き戻せるようになるかもしれない」 --------
8/4 クラリダ・FRB副議長 「FF金利の目標レンジの引き上げに必要な条件は、2022年の終わりまでに達成されているだろう」、「23年には利上げを開始するだろう」 ドル円は108円後半から109円台半ばを超えて上昇。債券と株は売られる。
8/2 ウオラー・FRB理事 「9月までに発表する準備は整い得ると考えている」、「それは次の2回の雇用統計次第だ。前回のように強い数字が出れば、必要な進展が遂げられたと考える。そうでなければ、あと2カ月ほど先送りする必要が生じるだろう」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和