「ドル円113円台前半まで反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円はNYの朝方には113円80銭まで小幅に続伸したものの、その後反落。米長期金利が低下したことを受け、113円23銭まで売られ、この日の安値圏で取引を終える。
- ユーロドルは反発し、1.16手前まで買い戻しが進む。
- 株式市場は反発したものの、ダウは小幅に下げ4日続落。ナスダックとS&P500は反発。
- 債券は続伸し、長期金利は1.53%台へと低下。
- 金は大幅に続伸。原油は5日ぶりに反落。
9月消費者物価指数 → 0.4%
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| ドル/円 | 113.23 〜 113.80 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1536 〜 1.1597 |
| ユーロ/円 | 130.99 〜 131.46 |
| NYダウ | −0.53 → 34,377.81ドル |
| GOLD | +35.40 → 1,794.70ドル |
| WTI | −0.20 → 80.44ドル |
| 米10年国債 | −0.040 → 1.537% |
本日の注目イベント
- 豪 豪9月雇用統計
- 日 8月鉱工業生産(確定値)
- 中 中国9月消費者物価指数
- 中 中国9月生産者物価指数
- トルコ トルコ9月消費者物価獅指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月生産者物価指数
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、パネル討論会に参加
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、オンライン討論会に参加
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンライン討論に参加
- 米 企業決算 → バンクオブアメリカ、モルガンスタンレー、シティーグループ、アルコア、TSMC
本日のコメント
ドル円は昨日の東京市場では底堅い動きを見せながらも上値の重い展開でした。しかし、海外市場では再び底堅い動きを見せ、NYでは朝方に113円80銭を付け、前日の高値を若干上回りました。ただドルを買う動きはそこまでで、その後は米長期金利が低下したこともありジリジリと値を下げ、113円23銭まで売られ取引を終えています。やや利益確定の売りに押された格好でしたが、これも「想定内の動き」と言えるでしょう。
先月21−22日に開催されたFOMCの議事録が公開されました。議事録では、「次回会合でテーパリング開始を決定する場合、そのプロセスは11月半ばあるいは、12月半ばに始まる月間購入スケジュールに沿って開始できると参加者は皆指摘した」としています。またテーパリングの内容についても、「月ごとの縮小幅として、米国債が100億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)は50億ドル」と、米国債を多めに縮小する方針であることも明らかになりました。注目されたインフレに関する議論については「インフレは近年にないペースで上昇しており、当局の目標である2%を大きく上回っている。コロナ禍からの経済再生に伴う混乱に端を発した供給のボトルネックと生産混乱で、物価圧力が想定よりも長期化する恐れがあると、一部の参加者は指摘した」とあるだけで、市場認識とはややかけ離れている印象です。
イエレン財務長官も12日夜に放送された「CBSイブニング・ニュース」のインタビューで、「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」と述べたにとどまり、大半の当局者はインフレに対する慎重な見方を維持しています。昨日発表された9月の消費者物価指数は前月比「0.4%」の上昇で、市場予想を上回っていました。年率では「5.4%」の伸びと、2008年以来の高い上昇率を示しています。金融当局の保守的な認識とは異なり、足元のインフレに対する警戒感を口にする市場関係者も増えてきました。ゴールドマンのジョン・ウォルド社長は、「一過性ではない」とし、「一過性と定義される事象と日々目にする事象との間に、これほど乖離があるのは見たことがない」と述べ、インフレの長期的影響が新興国市場に及ぶ恐れがあると話しています。また、世界最大の運用会社であるブラックロックのラリー・フィンクCEOも、「間違いなく一過性のものではない」とコメントし、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOも決算発表後、「インフレは恐らく今後数四半期にわたって低下しないだろう」と述べていました。(ブルームバーグ)FOMC議事録から、来月2−3日に開かれる次回のFOMCでテーパリングが決定されることは、ほぼ確実になりましたが、2023年初めと予想されている利上げも、想定よりも早まる可能性があるかもしれません。
衆議院は本日解散し、事実上の選挙戦が開始されます。岸田氏が首相に任命され、初の選挙になりますが、31日の開票で議席を増やせば、出足から支持率の低かった岸田政権が安定的に政策を実行しやすくなりますが、逆に議席を減らせば、同政権への信頼が大きく低下することになります。昨日は野党立憲民主党の枝野代表が同党の政策をぶち上げていましたが、時限的に消費税率を5%に引き下げ、年収1000万円程度なら所得税が実質免除されるなど、おいしそうなメニューが盛沢山でした。実現性が乏しいとの印象は残りましたが、われわれサラリーマンは少なくともここ20年ほどは社会保険料の負担増が続き、実質減収です。コロナ対策にかかった費用やこれからもかかる費用を考えると、今後ますます実質収入が減少する可能性が高いと思われます。「成長と分配の好循環」か、あるいは「1億総中流社会」か、われわれ自身が選択する時が来ました。
本日のドル円は112円90銭〜113円70銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/12 | イエレン・財務長官 | (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 | -------- |
| 10/12 | クラリダ・FRB副議長 | 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 | -------- |
| 10/12 | ポスティック・アトランタ連総裁 | 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 | -------- |
| 10/4 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 | -------- |
| 9/30 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 | -------- |
| 9/27 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 | -------- |
| 9/27 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 | -------- |
| 9/27 | ブレイナード・FRB理事 | 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 | -------- |
| 9/27 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 | -------- |
| 9/24 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 | 債券が売られ、金利が上昇。 |
| 9/22 | パウエル・FRB議長 | 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 | ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。 |
| 9/14 | ロウ・オーストラリア中銀総裁 | 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 | 豪ドル/米ドルが小幅に下落。 |
| 9/10 | サマーズ・元財務長官 | 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 | -------- |
| 9/10 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 | -------- |
| 9/9 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 | -------- |
| 9/9 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 | -------- |
| 9/9 | ボウマン・FRB理事 | 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 | -------- |
| 9/9 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 | ユーロドルの上昇が抑制される。 |
| 9/8 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 | -------- |
| 9/8 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 | -------- |
| 9/1 | ワイトマン・ドイツ連銀総裁 | 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 | 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



