「NY主要株価指数が揃って大幅高」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は前日の水準からやや値を戻す。米長期金利は低下したものの、株高からリスクオンの流れが優勢となり、ドル円は113円71銭まで上昇。
- ユーロドルではドルが売られ、約10日ぶりに1.16台まで上昇。
- 株式市場は3指数が揃って大幅高に。良好な経済指標に加え、大手米銀の好決算が市場のセンチメントを一変。ダウは534ドル上昇し、ナスダックとS&P500は1.7%の上昇。
- 債券は続伸。長期金利は1.51%台へと低下。
- 金は続伸し、原油も買われ81ドル台で引ける。
新規失業保険申請件数 → 29.3万件
9月生産者物価指数 → 0.5%
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| ドル/円 | 113.39 〜 113.71 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1584 〜 1.1608 |
| ユーロ/円 | 131.58 〜 131.86 |
| NYダウ | +534.75 → 34,912.56ドル |
| GOLD | +3.20 → 1,797.90ドル |
| WTI | +0.87 → 81.31ドル |
| 米10年国債 | −0.026 → 1.511% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏8月貿易収支
- 米 10月NY連銀製造景況業指数
- 米 9月小売売上高
- 米 9月輸入物価指数
- 米 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、パネル討論会に参加
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンライン会議で講演
- 米 財務省、半期為替報告書の議会への提出期限
- 米 企業決算 → ゴールドマン
本日のコメント
NY株式市場で久しぶりに主要3指数が揃って大幅高となりました。ダウは500ドルを超える上昇を見せ、ナスダックとS&P500は1.7%の上昇と急騰でした。新規失業保険申請件数が30万件を下回り、パンデミック以降の最小を更新したことや、バンクオブアメリカやモルガンスタンレーの決算が予想を上回ったことが市場のセンチメントを大きく好転させました。債券も買われ金利は低下しましたが、ドル円は113円台の半ばを超え、前々日の水準近くまで買われ、クロス円は軒並み大幅に上昇しています。主要国との金融政策の差に加え、原油価格の上昇が円を売る動きに拍車をかけているとみられます。ほぼ全ての原油を輸入している日本にとって、原油高は支払い代金の増加につながり、ドル需要が増すことになります。新型コロナ変異株からの脱却を実現させ、コロナ感染拡大による円売りを克服したと思いきや、今度は原油高による円売りが強まっている状況です。
米国では原油高だけではなく他の資源も上昇していることや、サプライチェーンの混乱による物価高、さらには人手不足に伴う賃金の上昇などからインフレ懸念が強まっています。バイデン大統領はサプライチェーン危機対策を解消するため、ロサンゼルス港を24時間体制で稼働させるなど、国内の港湾の目詰まりを解消して年末商戦での商品の不足や遅延を防ぎたいと、物流への取り組み強化を発表しています。24時間体制で稼働するのはロングビーチ港についで2港目だそうです。
インフレを巡る発言では、セントルイス連銀のブラード総裁が「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」とし、「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」と表明しています。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も「インフレが現在、より広範囲になっているように見える」と述べ、「テーパリングへの継ぎ目のない移行を期待する」と語っています。(ブルームバーグ)金融当局者の認識も徐々に市場に沿った形になってきましたが、先行きの見通しについては市場関係者よりも楽観的であることは確かです。モルガンスタンレーのゴーマンCEOは、「このバブルに少し穴を開ける必要がある」と指摘し、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」と述べ、さらに、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」との見解を示しています。
クロス円が軒並み上昇していますが、豪ドル円の上昇は中でも際立っています。9月22日に78円84銭の直近安値を付けた後は一本調子で上昇し、今朝の本レポート執筆時点では84円44銭まで買われています。3週間で5円60銭、率にして7.1%の上昇です。RBAは先週の政策会合で、政策金利を「0.1%」で据え置くことを決め、ロウ総裁は「実質インフレ率が2−3%の目標レンジに持続的に推移するまでキャッシュレートを引き上げない」と繰り返し述べており、さらに「この条件は2024年まで満たされないというのが経済の中心シナリオだ」と述べ、政策金利引き上げにはネガティブな考えを示しています。それでも豪ドルは対米ドルでも上昇し、さらにドル円で急激な円安が進んでいることから上昇しています。その背景は先ず、同国の主要輸出品である鉄鉱石など、資源価格の上昇が挙げられます。また、最大都市のシドニーではロックダウンが解除され、消費の拡大が見込め、第2の都市メルボルンでも同様なことが期待できます。このような背景からクロス円全般の上昇に沿って買われているものとみられます。上値のメドは、まさに現水準だとみています。84円台半ばから85円台半ばは今年5月から6月にかけてもみ合った水準で、その後77円台後半まで下落を始めた重要なレジスタンス・ゾーンです。今後ドル円が115円台に乗せるなど、円安が一段と進めば同水準を抜け切る可能性はありますが、簡単ではないとみています。
本日のドル円は113円40銭〜114円20銭程度を予想していますが、NY株が大幅に上昇したことから東京でもリスクオンが進む公算が高いと予想します。
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岸田首相が総裁選の時から声高々に提唱した「金融所得課税」の引き上げ、どうやら「打ち上げ花火」に終わろうとしています。「1億円の壁」と言われ、富裕層は株式などからの配当所得が多いため、1億円を超える辺りから負担する所得税率が低下するというものです。今回は先送りになりそうですが、今後中間所得層の増大を推進していく以上、避けては通れない問題です。米国でもバイデン大統領が富裕層の所得税率の引き上げ、富の平準化、格差の是正を図ることを政策の柱に掲げていました。そんな中、住宅バブル崩壊に賭けて大きな利益を出し、「世紀の空売り」として有名になった、マイケル・バリー氏が正反対な意見を唱えています。米国の上位1%は、収入の20.9%を負担し、税収入の40.1%を払っており、下位90%の人は税収の28.6%しか払っていない。上位1%は下位50%の7倍の税金を払っている。従って、バイデン大統領は金持ちが他の人々と同じように税金を払うべきだというが、高額所得者に対して減税すべきではないかと問いかけています。(ブルームバーグ、デイブレイクより)ことの成り行きは分かりませんが、どこの国でも政権が変わるとこのような「耳障りの良い政策」が聞かれることのようです。良い週末を・・・・・。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/14 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 | -------- |
| 10/14 | ゴーマン・モルガンスタンレーCEO | 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 | -------- |
| 10/12 | イエレン・財務長官 | (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 | -------- |
| 10/12 | クラリダ・FRB副議長 | 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 | -------- |
| 10/12 | ポスティック・アトランタ連総裁 | 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 | -------- |
| 10/4 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 | -------- |
| 9/30 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 | -------- |
| 9/27 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 | -------- |
| 9/27 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 | -------- |
| 9/27 | ブレイナード・FRB理事 | 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 | -------- |
| 9/27 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 | -------- |
| 9/24 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 | 債券が売られ、金利が上昇。 |
| 9/22 | パウエル・FRB議長 | 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 | ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。 |
| 9/14 | ロウ・オーストラリア中銀総裁 | 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 | 豪ドル/米ドルが小幅に下落。 |
| 9/10 | サマーズ・元財務長官 | 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 | -------- |
| 9/10 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 | -------- |
| 9/9 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 | -------- |
| 9/9 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 | -------- |
| 9/9 | ボウマン・FRB理事 | 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 | -------- |
| 9/9 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 | ユーロドルの上昇が抑制される。 |
| 9/8 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 | -------- |
| 9/8 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 | -------- |
| 9/1 | ワイトマン・ドイツ連銀総裁 | 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 | 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



