今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円3年ぶりに114円台半ばへ上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は続伸し114円台に乗せる。NYでは114円47銭までドルが買われ、2018年10月以来、3年ぶりのドル高を示現。
  • ユーロドルは小動きとなり、1.16を中心にほぼ横ばいで推移。
  • 株式市場は3指数が揃って大幅に続伸。ゴールドマンの好決算が相場をけん引し、ダウは382ドル高。
  • 債券相場は反落。長期金利は1.57%台へ上昇。
  • 金は4日ぶりに反落。原油は続伸し、82ドル台に。
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10月NY連銀製造景況業指数 → 19.8
9月小売売上高 → 0.7%
9月輸入物価指数 → 0.4%
10月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 71.4
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ドル/円 113.99 〜 114.47
ユーロ/ドル 1.1589 〜 1.1610
ユーロ/円 132.30 〜 132.75
NYダウ +382.20 → 35,294.76ドル
GOLD −29.60 → 1,768.30ドル
WTI +0.97 → 82.28ドル
米10年国債 +0.060 → 1.570%

本日の注目イベント

  • 中 7−9月GDP
  • 中 中国9月小売売上高
  • 中 中国9月鉱工業生産
  • 米 9月鉱工業生産
  • 米 9月設備稼働率
  • 米 10月NAHB住宅市場指数
  • 米 9月財政収支
  • 米 カンザスシティー連銀総裁とミネアポリス連銀総裁、フォーラムで講演
  • 加 カナダ9月住宅着工件数

本日のコメント

ドル円は一段と上昇スピードを速め、先週末のNY市場では114円47銭までドルが買われています。これで、この欄でも度々触れている2018年9月から12月にかけて形成した「レジスタンス・ゾーン」にほぼ到達しました。この先には114円台後半から115円にかけてはマイナーなレジスタンスがあり、それを抜けると、いよいよ2016年から2017年にかけ、ドルが急上昇した118円に挑むことになります。

2016年12月と言えば、あのトランプ氏が市場やマスコミの予想を覆し、クリントン女史を破って大統領選に勝利した直後です。大方の予想がクリントンン女史の勝利でしたが、開票が進むにつれてトランプ氏が優勢となり、勝利が確定したあの時の相場の乱高下は今も鮮明に覚えています。102円〜104円前後で推移していたドル円は勝利の瞬間、一気に100円を割る水準までドル売りが加速し、実際にはドルがどこまで売られ、いくらを付けたのかは不明でした。各社でその日のドルの安値はまちまちで、インターバンクでも同様なことが起きていたことが原因で、98円台半ばまで下げたとの報道もあり、100円台が安値とするところもありました。それほど混乱していたということです。その後ドル円はチャートを見てもお分かりの様に、わずか3カ月余りで18円以上も上昇して、天井を付けたのが上述の水準です。トランプ氏の政治的手腕が不明であったことに加え、それまでの氏の言動がドル売りのきっかけになったものの、大統領就任演説を無難にこなし、その後の言動も期待以上だったことから「想定していた以上にやるかも?」といった期待値が急激に高まりドル高に振れたものです。それからのトランプ氏4年間は、皆さんご存知の通りです。

ドル円が114円〜115円に達するには少なくとも米長期金利が1.6%以上に上昇する必要があると考えていましたが、先週末のそれは1.57%台です。金利水準以上にドル円の上昇が速いということになります。これは、クロス円でも円売りがかなり活発だという理由を挙げることができると思います。ユーロ円は132円台後半まで円売りが進み、約4カ月ぶりの高水準となり、豪ドル円も85円台まで買われ、こちらも6月11日以来の高水準です。ポンド円に至っては157円台半ばと、実に5年4カ月ぶりの高水準を記録しています。主要国ではインフレ懸念が急速に高まり、これが米国と同様に金融正常化に向うとの連想を喚起させ、一方のわが国では依然として金融緩和からの出口が見えないことが大きな理由になっているとみられます。

原油にとどまらず多くの資源価格が急騰しており、加えて人手不足による賃金の上昇も続いています。コロナからの脱却で、経済活動の再開と言う事情もありますが、英国では物流の停滞が続きガソリンスタンドではガソリンの供給が追い付かず、ついに軍隊まで動員してガソリンを運搬する事態になっています。問題はこの状態がいつまで続くのかという点です。予想外に続くようだと、「資源に弱い日本」が標的となり、円安が予想以上に進行するリスクもやや意識される展開になっています。またNY株も出直ってきており、リスクオンが進み易い状況にもあります。資源価格、株式市場の行方にも目を向ける必要がありそうです。

本日のドル円は113円80銭〜114円60銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/14 ブラード・セントルイス連銀総裁 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 --------
10/14 ゴーマン・モルガンスタンレーCEO 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 --------
10/12 イエレン・財務長官 (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 --------
10/12 クラリダ・FRB副議長 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 --------
10/12 ポスティック・アトランタ連総裁 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 --------
10/4 ブラード・セントルイス連銀総裁 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 --------
9/30 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 --------
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和