今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利は1.6%へ上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間に利益確定の売りと見られる売りに押され114円前後まで下落したが、114円台はキープ。NYでは米長期金利が上昇したことでドルは底堅く推移。
  • ユーロドルは引き続き1.16を挟みもみ合い。
  • 株式市場はまちまち。ダウは3日ぶりに反落したが、ナスダックは124ポイント上昇し1万5千ポイント台を回復。
  • 債券は続落し、長期金利は1.6%台に乗せる。
  • 金は続落。原油は小幅ながら3日続伸。
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9月鉱工業生産 → −1.3%
9月設備稼働率 → 75.2%
10月NAHB住宅市場指数 → 80
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ドル/円 114.12 〜 114.36
ユーロ/ドル 1.1593 〜 1.1622
ユーロ/円 132.40 〜 132.78
NYダウ −36.15 → 35,258.61ドル
GOLD −2.60 → 1,765.70ドル
WTI +0.16 → 82.44ドル
米10年国債 +0.030 → 1.600%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 英 ベイリー・BOE総裁講演
  • 米 9月住宅着工件数
  • 米 9月建設許可件数
  • 米 ボウマン・FRB理事とサンフランシスコ連銀総裁、フォーラムに参加
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、イベントに参加
  • 米 企業決算 → エリクソン、J&J、フィリップモリス、P&G、ネットフリックス

本日のコメント

ドル円は底堅い動きが続いています。ユーロドルが連日1.16を中心にもみ合い、明確な方向性も確認しづらく、小動きな動きを見せているのとは対照的になっています。昨日も東京時間では、久しぶりの水準でもあったことからドル売りが優勢となり、114円近辺まで押される場面もありましたが、114円を割り込むことなくその後上昇に転じています。NYでは米長期金利が1.6%台を回復したこともあり、114円36銭までドル買いが進みましたが、前日の高値を更新するには至っていません。114円台半ばから115円にかけてはレジスタンスもあり、ドル売り注文も並んでいるとみられることから、やや足踏み状態が続いています。この水準を抜け切ることが出来るかどうかは、今後の水準を予想する上でも重要かと思います。

中国の第3四半期GDPは大きく減速していました。前期比「0.2%」増、前年同期比でも「4.9%」増と、第1四半期の「18.3%」はおろか、第2四半期の「7.9%」増からも大きく減少していました。9月に本格化した電力制限や不動産への規制強化が影響しており、さらには資源高から企業収益の悪化も目立っており、企業は増加したコストを価格に転嫁できずに収益を圧迫しているものとみられます。また中国恒大集団の経営危機問題もくすぶっており、不動産開発業界には同様な企業が他にも多く見られるとの報告もあります。中国の不動産開発は規模が大きく、GDPの3割程度を占めているとみられます。中国恒大集団が破綻すればその影響も大きく、現時点では中国政府は同社の救済には消極的のようですが、これらは習近平指導部の評価にもつながり、自身の政権維持にも大きく関わってきそうです。

ドル円は底堅い動きを見せてはいるものの、これまでのようなスピードを伴った上昇には一旦ブレイキがかかるのでないかと予想しています。FOMCでのテーパリング開始を巡る決定もほぼ織り込まれ、市場はその先の利上げの時期を探る展開になっています。一方で、米債務上限を巡る問題は未解決です。イエレン財務長官は18日、議会主導部に書簡を送りその中で「最近の債務上限引き上げは一時的な猶予を与えるものにすぎない」と指摘しています。連邦債務の法定上限を引き上げる法案は成立し、12月3日までやりくりが可能にはなったものの、財務省は上限突破を回避するため引き続き非常手段を使う必要があると警告しています。

中長期的なドル円の上昇傾向は引き続き継続されるとみていますが、11月のFOMCでの委員のインフレに対する認識の変化や、12月には上述のように債務上限問題が再びクローズアップされますが、その際の政治的なかけひきの行方などが材料になるとみられます。本日は底堅い動きが予想されますが、材料にも乏しく、上値では114円50銭が明確に抜け切れるかどうか。一方下値では昨日抜け切れなかった114円が破られるかどうかが注目されます。

本日のドル円は113円80銭〜114円60銭程度を予想しています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/14 ブラード・セントルイス連銀総裁 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 --------
10/14 ゴーマン・モルガンスタンレーCEO 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 --------
10/12 イエレン・財務長官 (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 --------
10/12 クラリダ・FRB副議長 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 --------
10/12 ポスティック・アトランタ連総裁 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 --------
10/4 ブラード・セントルイス連銀総裁 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 --------
9/30 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 --------
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和