今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利5カ月ぶりに1.7%台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 昨日の午後日経平均株価が急落したことで、ドル円は114円台を割り込み、NYでも朝方に113円65銭までドルが売られた。ただその後は株高と債券安がリスクオンを高めたため、ドル円は114円台を回復。
  • ユーロドルは1.16台前半から半ばでの膠着が続く。
  • 株式市場ではナスダックとS&P500が続伸し、S&P500は最高値を更新。ダウはIBMの下げが影響し、小幅安で引ける。
  • 債券は5日続落し、長期金利は5カ月ぶりに1.7%台に乗せる。
  • 金と原油は揃って反落。
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米新規失業保険申請件数 → 29.0万件
10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 23.8
9月景気先行指標総合指数 → 0.2%
9月中古住宅販売件数 → 629万戸
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ドル/円 113.65 〜 114.21
ユーロ/ドル 1.1619 〜 1.1651
ユーロ/円 132.26 〜 132.91/td>
NYダウ −6.28 → 35,603.08ドル
GOLD −3.00 → 1,781.90ドル
WTI −0.92 → 82.50ドル
米10年国債 −0.92 → 82.50ドル

本日の注目イベント

  • 独 独10月製造業PMI(速報値)
  • 独 独10月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(速報値)
  • 英 英10月製造業PMI(速報値)
  • 英 英10月小売売上高
  • 米 10月マークイット製造業PMI(速報値)
  • 米 10月マークイットサービス業PMI(速報値)
  • 米 8月マークイットコンポジットPMI(速報値)
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演(オンライン)
  • 米 パウエル・FRB議長、パネル討論に参加

本日のコメント

本日の話題は3つあります。一つは、日米の株価の動きと中国恒大集団のデフォルトリスク。二つ目は米長期金利の動向。そして三つめはトルコ中銀の金融政策です。

昨日の午後、日経平均株価が前場は小幅安だったものが急落し、前日比546円安で引けました。株価の急落にリスク回避の円買いが強まり、ドル円は114円台前半から113円90銭前後まで売られる場面がありました。株価急落の原因はよくわかっていませんが、先物主導の売りに、トレンドに追随するCTAなどの売りが加わったとの説明です。NYでは中国恒大のデフォルトリスクが意識され、ドル円は朝方にはこの日の安値となる113円65銭までドル安が進んでいます。中国恒大の社債を保有するオフショア債権者は、支払期限が過ぎても直ちに返済を要求しない計画だとブルームバーグは伝えています。猶予期間が終わる23日までに同社が支払いを実施しない場合、債権行使を留保するスタンドスティル(猶予)および債務についての交渉を始める可能性があるとのことです。21日の香港市場で取引を再開した同社株は一時14%ほど売られ、12.5%安で取り引を終えています。それでもNY株は上昇して取引が始まり、S&P500は7日続伸し、最高値を更新し、ダウとナスダックも最高値に迫る水準まで買われています。NY株が大きく下げるとほぼ間違いなく日本株は売られ「瀕死の重症」に陥るものの、反対に昨日のように日経平均株価が546円安と大きく下げても、NY株は「かすり傷」程度です。世界の株式市場がNYを中心に動いている証(あかし)です。

米長期金利が5月13日以来となる1.7%台まで上昇しました。そのため、朝方は113円65銭まで売られたドル円は114円台まで押し戻されています。先日講演で、「2022年の利上げの可能性」に言及したウォラーFRB理事は、公的通貨金融機関フォーラムが主催した行事での質疑応答で、「今後数カ月間が極めて重要だ」と述べ、インフレ高進が根強い場合には、「当局は来年の政策スタンスにおいて、私が予測していたよりずっと積極的になる必要があるだろう」と語っています。また当局が目指す2%へ低下する基本シナリオについては、「この状況が続くだろうと私が想定していたよりも、ずっと大きな上振れリスクがある」と答えていました。一方クリーブランド連銀のメスター総裁は、テーパリング開始を支持する考えを示しながらも、「利上げに関する検討は当面、全く考えられない」と利上げには否定的な考えを見せていました。(ブルームバーグ)今週もFOMCメンバーの発言が相次ぎました。それらは、次回FOMCでのテーパリング開始決定には異論はないものの、その先の利上げについては、最も「タカ派」のウォラー理事やブラード・セントルイス連銀総裁以外は概ね慎重な姿勢を崩しておらず、高インフレは「一時的」との見方を維持しています。

最後はトルコ中銀です。トルコ中銀は21日金融政策会合で先月に続く利下げを行いました。政策金利である1週間物レポ金利を「18.0%」から「16.0%」と、200ベーシスも引き下げました。エルドアン大統領が中銀に対して利下げ圧力をかけ続けていることから、市場予想も100ベーシスの引き下げは読んでいましたが、200ベーシスとは正直、驚きました。大幅な利下げを受けてトルコリラは対米ドルで最安値を更新し、対円でも12円25銭近辺から11円90銭前後までリラ安が進み、最安値更新です。

トルコの直近のインフレ率は「19.6%」です。インフレ率を下回る政策金利の引き下げで、トルコの実質金利はマイナス幅を拡大しています。本来は政策金利を引き上げ、リラ安を防がなければならいのが、トルコ中銀はエルドアン大統領の執拗な利下げ圧力に屈した形になっています。それもそのはず、大統領の意にそぐわなければ逆鱗に触れ、直ちに「更迭」されるからです。エルドアン氏は過去2年半弱の間に、中銀総裁を3人交代させています。さらに今月13日には3人の政策委員会メンバーを更迭し、その中には副総裁も含まれていました。金融政策にも「恐慌政治」の影響が色濃く反映されている状況です。リラ安が続いていることから輸入物価は大幅に上昇し、さらにインフレを加速させ、インフレの影響を回避するため国民は手持ちのリラを売り、ドルを買っているのが実情です。「政策金利引き下げ→リラ安→インフレ加速」といった悪巡回に陥っており、さらにドル建て債務の多い同国企業にとっても、実質的には債務の増大につがっています。2015年1月には52円前後だったリラ円はついに12円を割り込み、4分の1以下になったことになります。高金利通貨の宿命といえばそれまでですが、トルコリラは「負のスパイラル」に陥っています。

本日のドル円はやや上値の重い展開になりそうです。株価次第というところはありますが、中国恒大問題もくすぶっています。レンジ予想は113円50銭〜114円30銭といったところでしょうか。

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「ニューヨークの伝統の味がついに東京でも・・・」ミシュランガイドでも紹介されているNYの「ピーター・ルーガー・ステーキハウス」がNY以外で初となる店舗が今月14日、東京恵比寿に開店したそうです。同ハウスは130年の歴史を誇り、東京で使用する牛肉は毎週、米国から日本に空輸され、店舗内の専門の熟成庫で28日以上熟成されるそうです。既にオープンから60日間の予約は受け付け開始から数時間で埋まっています。

気になるお値段の方ですが、看板メニューの「Tボーンステーキ」(2人用)はオープン時で2万2000円(消費税・サービス料抜き)だそうで、NYの店舗と同様、時価での提供となるそうです。

これを高いとみるのか、安いとみるのかわかりませんが、高級和牛でもこれくらいはすることを考えると、「恵比寿でNYの味を・・・」、案外安いのかもしれません。

良い週末を・・・・・。

佐藤正和の書籍紹介

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/21 メスター・クリーブランド連銀総裁 「利上げに関する検討は当面、全く考えられない」 --------
10/21 ウォラー・FRB理事 「今後数カ月間が極めて重要だ」、「当局は来年の政策スタンスにおいて、私が予測していたよりずっと積極的になる必要があるだろう」、「この状況が続くだろうと私が想定していたよりも、ずっと大きな上振れリスクがある」 --------
10/20 クオールズ・FRB理事 「こうした買い入れの縮小開始を11月の会合で決定することを、私は支持するだろう」、(現在の高インフレについて)「一過性だとの見方に賛同する」とし、(米当局は金融政策で)「後手に回ってはいない」 --------
10/19 ウォラー・FRB理事 「金融当局の責務のうち雇用に関してはなお改善の余地があるものの、十分な前進を遂げたため、資産購入のテーパリングを2週間後のFOMCの後に始めるべきだと私は考える」、「2022年に入ってもインフレ率が2%をかなり上回って、私の上振れリスクが現実化した場合は、現在の予想よりも早い利上げを支持するだろう」 ドル円114円前後から114円台半ばに上昇。米10年債は売られ、長期金利は5カ月ぶりに1.64%台まで上昇。
10/14 ブラード・セントルイス連銀総裁 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 --------
10/14 ゴーマン・モルガンスタンレーCEO 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 --------
10/12 イエレン・財務長官 (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 --------
10/12 クラリダ・FRB副議長 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 --------
10/12 ポスティック・アトランタ連総裁 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 --------
10/4 ブラード・セントルイス連銀総裁 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 --------
9/30 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 --------
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和