今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ、S&P500は最高値を更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は反発し上昇したものの114円には届かず。底堅い動きを見せ、113円91銭までドルが買い戻された。
  • ユーロドルは小幅に下落、独10月ifo景況感指数が予想を下回り、4カ月連続で悪化したことで1.1591までユーロが売られる。
  • 株式市場は3指数が揃って上昇。ダウとS&P500は最高値を更新。企業の好決算が株価上昇をけん引。
  • 債券は小幅に上昇。長期金利はほぼ横ばいの1.63%台で推移。
  • 金は続伸し1800ドル台を回復。原油も続伸し、一時は85ドル台に乗せたものの、その後は売りに押され、引け値では前日比変わらず。
ドル/円 113.60 〜 113.91
ユーロ/ドル 1.1591 〜 1.1617
ユーロ/円 131.86 〜 132.09/td>
NYダウ +64.13 → 35,741.15ドル
GOLD +10.50 → 1,806.80ドル
WTI ±0.00 → 83.76ドル
米10年国債 −0.002 → 1.632%

本日の注目イベント

  • 米 8月FHFA住宅価格指数
  • 米 8月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 9月新築住宅販売件数
  • 米 10月消費者信頼感指数
  • 米 10月リッチモンド連銀製造景況業指数
  • 米 企業決算 → UPS、GE、マイクロソフト、アルファベット、ツイッター

本日のコメント

トルコのエルドアン大統領は25日、米国など主要西側諸国との関係が悪化し、通貨リラが急落する原因となった外交問題を鎮静化させる意向を示唆しました。欧米など10カ国の大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定すると演説し、国外追放を警告しましたが、この発言からトルコリラが売られ、対ドルなどで最安値を更新していました。ブルームバーグによると、この問題で政府関係者がエルドアン氏に翻意するよう懸命に説得したようです。上級顧問らは新たな外交問題で生じ得る経済的な影響を大統領に説明し、大使らを実質的に国外追放に追い込むような措置を取らないよう勧告したとのことです。週明けの月曜日には11円50銭前後まで売られたリラ円は11円80銭台までやや値を戻していますが、高インフレに悩むトルコでは最大のリスクは「エルドアン氏自身」だと思います。

バイデン大統領が掲げる経済政策アジェンダを巡り、ペロシ下院議長は民主党内で90%の合意が出来ていると述べていましたが、同党穏健派のマンチン上院議員は25日、「今週中に合意できるはずだ」と語っています。この発言は、増税や支出の増加を巡り党内の論争が数カ月にわたって続いて来たバイデン大統領の経済政策に大きな追い風になると見られ、党内で合意に至れば、「下院は5500億ドル(約63兆円)規模のインフラ法案を週内に可決できる可能性がある」(ブルームバーグ)ようで、ようやく政策実施のメドがたつことになります。バイデン大統領も「COP26会合に向け出発する28日前に合意することを望んでいる」と述べています。

このニュースは米株式市場にも好材料として働いたようですが、NY株式市場では再び株価の上昇が続き、昨日はダウとS&P500が最高値を更新しました。ナスダック指数も最高値に150ポイントほどに迫り、金利が高止まりしている中でも最高値更新が視野に入って来ました。背景にあるのが、企業が予想を上回る好決算を発表していることが挙げられます。大手金融機関を皮切りに、クレジット会社や資源関連会社などが利益を積み上げたことで株価を伸ばし、昨日は電気自動車メーカーのテスラが大口受注を材料に買われ、同社の時価総額が初めて1兆ドル(約114兆円)を突破しています。今年に入って何度も最高値を更新してきた主要3指数はそのたびに「買われ過ぎ」との評価を受けてきましたが、株価の調整局面では個人投資家の大量の資金と、同じく大量の自社株買いが相場を切り返して来ました。金融正常化への道筋は見えてきたものの、「利上げはまだ先の話だ」との認識も相場を支えているようです。

ドル円は9月下旬から一貫して一目均衡表の「転換線」がサポートとして機能してきましたが、先週末のドル急落で同サポートを割り込み、昨日は反対に上昇局面でのレジスタンスとして上値を抑える役割を果しています。目先はこの「転換線」を上抜けすることが肝要で、そのためには114円台を回復する必要があります。1.7%台まで上昇した米長期金利が果した役割は大きく、今後も同金利がどこまで上昇するのかが焦点の一つになります。

本日のドル円は113円30銭〜114円10銭程度を予想しています。

佐藤正和の書籍紹介

これだけ! FXチャート分析 三種の神器

これだけ! FXチャート分析 三種の神器
著者:佐藤正和
出版社:クロスメディア・パブリッシング

チャートがしっかり読めるようになるFX入門

チャートがしっかり読めるようになるFX入門
著者:佐藤正和
出版社:翔泳社

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/24 イエレン・財務長官 「米国がインフレに対するコントロールを失いつつあるとは考えていない」、「このところ経験しているようなインフレは米国では長い間みられなかった。しかし正常に戻る中でこれも終わると予想する」 --------
10/22 パウエル・FRB議長 「われわれは資産購入のテーパリング開始へと順調に向かっており、経済がおおむね想定通り展開すれば、来年半ばまでに完了する見通しだ」、「私はテーパリングを始める時が来たと考えているが、利上げの時期とは考えていない」 --------
10/21 メスター・クリーブランド連銀総裁 「利上げに関する検討は当面、全く考えられない」 --------
10/21 ウォラー・FRB理事 「今後数カ月間が極めて重要だ」、「当局は来年の政策スタンスにおいて、私が予測していたよりずっと積極的になる必要があるだろう」、「この状況が続くだろうと私が想定していたよりも、ずっと大きな上振れリスクがある」 --------
10/20 クオールズ・FRB理事 「こうした買い入れの縮小開始を11月の会合で決定することを、私は支持するだろう」、(現在の高インフレについて)「一過性だとの見方に賛同する」とし、(米当局は金融政策で)「後手に回ってはいない」 --------
10/19 ウォラー・FRB理事 「金融当局の責務のうち雇用に関してはなお改善の余地があるものの、十分な前進を遂げたため、資産購入のテーパリングを2週間後のFOMCの後に始めるべきだと私は考える」、「2022年に入ってもインフレ率が2%をかなり上回って、私の上振れリスクが現実化した場合は、現在の予想よりも早い利上げを支持するだろう」 ドル円114円前後から114円台半ばに上昇。米10年債は売られ、長期金利は5カ月ぶりに1.64%台まで上昇。
10/14 ブラード・セントルイス連銀総裁 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 --------
10/14 ゴーマン・モルガンスタンレーCEO 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 --------
10/12 イエレン・財務長官 (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 --------
10/12 クラリダ・FRB副議長 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 --------
10/12 ポスティック・アトランタ連総裁 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 --------
10/4 ブラード・セントルイス連銀総裁 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 --------
9/30 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 --------
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和