「ドル円は反発し114円30銭台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は反発。日本株が500円を超える上昇を見せ、NY株も3指数が上昇したことからリスクオンの流れに伴い円が売られ、114円31銭まで上昇。
- ユーロドルはやや水準を切り下げたものの、引き続き1.16を挟んでもみ合う。
- 株式市場は小幅ながら3指数が揃って上昇。ダウとS&P500は連日で最高値を更新。
- 債券は続伸。長期金利は1.60%台へと低下。
- 金は反落。原油は上昇し引け値で84ドル台に。
8月FHFA住宅価格指数 → 1.0%
8月ケース・シラー住宅価格指数 → 19.66%
9月新築住宅販売件数 → 80.0万戸
10月消費者信頼感指数 → 113.8
10月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 12
************************
| ドル/円 | 113.94 〜 114.31 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1585 〜 1.1622 |
| ユーロ/円 | 132.34 〜 132.66 |
| NYダウ | +15.73 → 35,756.88ドル |
| GOLD | −13.40 → 1,793.40ドル |
| WTI | +0.89 → 84.65ドル |
| 米10年国債 | −0.023 → 1.6080% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期消費者物価指数
- 中 中国9月工業利益
- 独 独11月GFK消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏9月マネーサプライ
- 米 9月耐久財受注
- 米 企業決算 → マクドナルド、コカ・コーラ、イーベイ、ボーイング
- 加 カナダ中銀政策金利発表
本日のコメント
ドル円は114円台を回復し、NY市場では114円31銭まで「円売り」が進みました。想定通りとはいえ、先週末には113円42銭までドルが売られた割には、戻りが速いといった印象です。特にここ3日は米債券が買われ、長期金利は低下傾向にある中での反発でした。消費者マインドなど、発表された米経済指標が概ね良好だったこともありましたが、昨日は日米で株価が上昇したことからリスクオンの流れが強まり、ドル高というよりも、「円売り」と言った側面が強かったようです。市場がリスクオンに傾くと低金利の円はどうしても売られる傾向にあり、昨日はクロス円も軒並み上昇しています。
昨日の東京株式市場では日経平均が500円を超える上昇を見せました。主要株式市場に比べ出遅れが鮮明で、特に岸田政権が発足するとの観測が出た辺りから株価は下落基調でした。NYではダウとS&P500指数が最高値を更新し、ナスダックも最高値をうかがう展開が続いている状況です。今度の日曜日の衆院選では与野党が拮抗しているとの事前予想もあり、投票率次第では「政権交代」もありうるとの極端な予想もあります。政権交代が実現するかどうかは別として、今回の衆院選は人々の関心も高そうで、投票率も上振れする可能性はありそうです。このことが、株価の上値を重くしている部分があり、選挙後に株価が再び大きく下げるようなことがあると円が買い戻され、ドル円も113円を試す展開があるかもしれません。いずれにしても、今回の衆院選の結果が株価の変動を通じてドル円を動かしそうです。
10月の消費者マインドは市場予想を上回る「113.8」でした。「仕事が豊富にある」と答えた比率は前回よりも若干低下していましたが、依然として高水準を維持していました。また期待指数は前回よりも大きく伸び、今後景気回復が続き消費が伸びることを示唆していますが、コンファレンスボードの景気指数担当者は、「短期的なインフレ懸念が景気信頼感に与えた影響は限定的だった。10月は住宅や自動車、大型家電の購入を計画する消費者の割合がいずれも増加した」と説明しています。(ブルームバーグ)その住宅市場では9月の新築住宅販売件数が6カ月ぶりの高水準となり、基調的な需要の底堅さを示していました。ただ一方で住宅価格の高騰が続き、さらに、住宅ローン金利も徐々に上昇してきていることから、人々が購入を前倒しにしている可能性があり、このまま高水準を維持できるかどうかは不透明です。同時に発表された8月のケース・シラー住宅価格指数を見ると、主要20都市では引き続き価格上昇は止まらず、20都市平均では年率19.6%も上昇し、7月では20%を超えていました。1年たてば2割も価格が上昇してしまうことを考えたら、可能であれば早めに買うか、あるいは購入をあきらめるしかありません
最後に中国の不動産バブルに関するニュースです。中国当局は、中国恒大集団の債務危機を緩和するため同社創業者で富豪の許家印氏に対し、個人資産をなげうつよう指示したとの報道があります。ただ、許氏の個人資産が恒大の債務削減に十分寄与できるほど大きいのか、また流動性があるのかについては定かではないようです。公表されている許氏の資産の大半は、恒大の株式と、同社が2009年に香港市場に上場して以来払われてきた現金配当が大半を占め、その配当額は過去10年で約80億ドル(約9200億円)にも上りますが、その配当金を許氏がその後どのように再投資したかについては明らかでないようです。恒大にとって次の難関はドル建て債務払いで、30日の猶予期間が終わる今月29日です。またこれをクリアしても、2022年に合計で74億ドル(約8440億円)の支払い期限が来ます。
ドル円は再び114円台前半まで戻ってきましたが、ここからレジスタンス・ゾーンの入口である114円台半ばを超えて行くことができるかどうかが焦点です。
本日の予想は113円70銭〜114円50銭程度でしょうか。
佐藤正和の書籍紹介
これだけ! FXチャート分析 三種の神器 |
チャートがしっかり読めるようになるFX入門 |
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/24 | イエレン・財務長官 | 「米国がインフレに対するコントロールを失いつつあるとは考えていない」、「このところ経験しているようなインフレは米国では長い間みられなかった。しかし正常に戻る中でこれも終わると予想する」 | -------- |
| 10/22 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは資産購入のテーパリング開始へと順調に向かっており、経済がおおむね想定通り展開すれば、来年半ばまでに完了する見通しだ」、「私はテーパリングを始める時が来たと考えているが、利上げの時期とは考えていない」 | -------- |
| 10/21 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「利上げに関する検討は当面、全く考えられない」 | -------- |
| 10/21 | ウォラー・FRB理事 | 「今後数カ月間が極めて重要だ」、「当局は来年の政策スタンスにおいて、私が予測していたよりずっと積極的になる必要があるだろう」、「この状況が続くだろうと私が想定していたよりも、ずっと大きな上振れリスクがある」 | -------- |
| 10/20 | クオールズ・FRB理事 | 「こうした買い入れの縮小開始を11月の会合で決定することを、私は支持するだろう」、(現在の高インフレについて)「一過性だとの見方に賛同する」とし、(米当局は金融政策で)「後手に回ってはいない」 | -------- |
| 10/19 | ウォラー・FRB理事 | 「金融当局の責務のうち雇用に関してはなお改善の余地があるものの、十分な前進を遂げたため、資産購入のテーパリングを2週間後のFOMCの後に始めるべきだと私は考える」、「2022年に入ってもインフレ率が2%をかなり上回って、私の上振れリスクが現実化した場合は、現在の予想よりも早い利上げを支持するだろう」 | ドル円114円前後から114円台半ばに上昇。米10年債は売られ、長期金利は5カ月ぶりに1.64%台まで上昇。 |
| 10/14 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 | -------- |
| 10/14 | ゴーマン・モルガンスタンレーCEO | 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 | -------- |
| 10/12 | イエレン・財務長官 | (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 | -------- |
| 10/12 | クラリダ・FRB副議長 | 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 | -------- |
| 10/12 | ポスティック・アトランタ連総裁 | 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 | -------- |
| 10/4 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 | -------- |
| 9/30 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 | -------- |
| 9/27 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 | -------- |
| 9/27 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 | -------- |
| 9/27 | ブレイナード・FRB理事 | 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 | -------- |
| 9/27 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 | -------- |
| 9/24 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 | 債券が売られ、金利が上昇。 |
| 9/22 | パウエル・FRB議長 | 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 | ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。 |
| 9/14 | ロウ・オーストラリア中銀総裁 | 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 | 豪ドル/米ドルが小幅に下落。 |
| 9/10 | サマーズ・元財務長官 | 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 | -------- |
| 9/10 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 | -------- |
| 9/9 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 | -------- |
| 9/9 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 | -------- |
| 9/9 | ボウマン・FRB理事 | 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 | -------- |
| 9/9 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 | ユーロドルの上昇が抑制される。 |
| 9/8 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 | -------- |
| 9/8 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 | -------- |
| 9/1 | ワイトマン・ドイツ連銀総裁 | 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 | 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



