今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ一時初の3万6千ドル台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は昨日の東京時間に114円台半ばまで上値を伸ばしたが、NYでは反落。113円94銭まで押し戻される。
  • ユーロドルは小幅に反発したものの、上値の重い展開が続く。
  • 株式市場は企業の好決算発表を材料に、3指数が最高値を更新。ダウは朝方3万6千ドルを付ける場面もあったが、上げ幅を縮小。
  • 債券はほぼ横ばい。長期金利は1.55%台で推移。
  • 金は反発し、原油は続伸。
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10月マークイット製造業PMI(改定値) → 58.4
10月ISM製造業景況指数 → 60.8
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ドル/円 113.94 〜 114.28
ユーロ/ドル 1.1566 〜 1.1609
ユーロ/円 131.99 〜 132.44
NYダウ +94.28 → 35,913.84ドル
GOLD +11.90 → 1,795.80ドル
WTI +0.84 → 84.05ドル
米10年国債 +0.004 → 1.556%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 日 10月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
  • 米 10月自動車販売台数
  • 加 カナダ10月住宅建設許可件数

本日のコメント

昨日のこの欄でも触れたように、日曜日の衆院選で与党自民党が単独でも絶対安定多数を確保したことで昨日の日経平均株価は大幅高となりました。引け値では先週末比754円高と、2万9600円台まで値を戻しました。株価の大幅高を受けて「リスクオン」が進み、ドル円は緩やかに上値を切り上げる展開となり、夕方には114円44銭までドル高が進みました。この動きから、海外でも重要なレジスタンス・ゾーンに挑むのではないかといった雰囲気もありましたが、NY市場では株価は続伸したものの、米長期金利が横ばいだったことからドル売りが優勢となり、114円割れの水準まで押し戻されています。やはり114円台半ばから115円にかけての水準は一筋縄ではいかないようです。昨日の攻撃はひとまず「不発」に終わっています。

本日から注目のFOMCが開催され、発表は日本時間4日(木)の朝方3時半になります。テーパリング開始に関する詳細も発表されるかと思いますが、FRB執行部のインフレに対する認識に変化があるのかどうかも興味のあるところで、パウエル議長の発言は今後の利上げのタイミングを計る上でも重要になります。また、本日は午後にオーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表もあります。こちらも俄然注目度が増してきました。これまで同行のロウ総裁は利上げの条件を明確に示し、その条件は「2024年まで満たされることはない」との認識を示してきましたが、先週発表された7−9月期のCPIトリムが「2.1%」と、予想を大きく上回ったことで修正を余儀なくされるのではないかとの観測を、市場は強めています。

先週、豪3年国債の利回りが一時0.8%まで上昇したにもかかわらず、RBAは国債購入を行わず、利回り低下を促す行動を取らなかったことが注目されています。RBAは利回り目標によるイールド・カーブ・コントロール(YCC)を行い、3年債の利回りを0.1%前後に抑制する政策を取ってきました。3年債利回りを目標水準に抑制するための対応を行わなかったことから、本日の会合では利回り目標の撤廃あるいは、修正を行うのではないかとの見方が急速に高まっています。RBAは会合後にロウ総裁が記者会見を行うことを発表しており、これは通常、重要な政策変更の後に行われることが多く、市場ではRBAの政策変更があるとの見方が強まっています。オーストラリアドルの午後からの値動きには注意が必要です。

ブルームバーグがまとめたデータによると、中国では売上高上位30社にランク付けされた不動産開発会社の3分の2は、中国政府が債務の伸び抑制に向けて設けた「三条紅線」(3本のレッドライン)のいずれかに抵触していることが判明しました。国営メディアが報じている「三条紅線」とは、
1.不動産会社の債務は資産の70%を超えてはならない
2.純負債は資本を超えてはならない
3.現金は少なくとも短期借入と同等の比率でなければならない
というものですが、データによると、広州富力地産など3社がいずれの条件も満たしていないことが判明しています。中国では恒大集団の流動性リスクが市場を揺さぶっており、不動産開発会社の財務には向かい風が強まっています。

ドル円は114円台半ばから上方が重いものの、下値は113円前半辺りが限定的となっています。金融政策の違いを材料に円が売られる地合いはまだ続くと思われます。上記水準ではすでにドル売り注文も多く集まっていると思われ重いのも事実ですが、一旦抜けてしまえば、上昇に弾みが付くことも考えられます。

本日のドル円は113円70銭〜114円50銭程度とみています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/28 黒田・日銀総裁 (現状の為替水準は)「若干の円安」、「ファンダメンタルズの範囲内」、「現時点の円安は日本経済にプラスなのは確実」(米国の量的緩和縮小)について、「米国の金融当局自体が言っているが、金利引き上げではない。そのため直接的に金利や為替に影響が出て来ることは想定されない」 --------
10/28 ラガルド・ECB総裁 (インフレは)「当初の想定よりも長く続く見込みだ」、「来年中には低下すると考えている」、「市場が利上げを想定している時点、あるいはその時点から近い将来においても、ECBのフォワードガイダンスの条件が満たされることをわれわれの分析は全く支持していない」 ユーロドルは1,60前後から1.16後半まで上昇。
10/24 イエレン・財務長官 「米国がインフレに対するコントロールを失いつつあるとは考えていない」、「このところ経験しているようなインフレは米国では長い間みられなかった。しかし正常に戻る中でこれも終わると予想する」 --------
10/22 パウエル・FRB議長 「われわれは資産購入のテーパリング開始へと順調に向かっており、経済がおおむね想定通り展開すれば、来年半ばまでに完了する見通しだ」、「私はテーパリングを始める時が来たと考えているが、利上げの時期とは考えていない」 --------
10/21 メスター・クリーブランド連銀総裁 「利上げに関する検討は当面、全く考えられない」 --------
10/21 ウォラー・FRB理事 「今後数カ月間が極めて重要だ」、「当局は来年の政策スタンスにおいて、私が予測していたよりずっと積極的になる必要があるだろう」、「この状況が続くだろうと私が想定していたよりも、ずっと大きな上振れリスクがある」 --------
10/20 クオールズ・FRB理事 「こうした買い入れの縮小開始を11月の会合で決定することを、私は支持するだろう」、(現在の高インフレについて)「一過性だとの見方に賛同する」とし、(米当局は金融政策で)「後手に回ってはいない」 --------
10/19 ウォラー・FRB理事 「金融当局の責務のうち雇用に関してはなお改善の余地があるものの、十分な前進を遂げたため、資産購入のテーパリングを2週間後のFOMCの後に始めるべきだと私は考える」、「2022年に入ってもインフレ率が2%をかなり上回って、私の上振れリスクが現実化した場合は、現在の予想よりも早い利上げを支持するだろう」 ドル円114円前後から114円台半ばに上昇。米10年債は売られ、長期金利は5カ月ぶりに1.64%台まで上昇。
10/14 ブラード・セントルイス連銀総裁 「高インフレ状態は向こう半年で自然に解消する可能性はいくらかあるが、それを金融当局者として当てにできるほど確かだとは言えない」と「テーパリングを11月に開始し、2022年1−3月末までに完了させることを支持している」 --------
10/14 ゴーマン・モルガンスタンレーCEO 「このバブルに少し穴を開ける必要がある」、「マネーは現在やや自由になり過ぎ、あまりに簡単に利用できる状態にある」、「賃金上昇とサプライチェーンのボトルネック、商品価格の急騰がインフレを押し上げている。それら全てが一過性というわけではなく、金融当局は現在の想定よりやや積極的に動かざるを得なくなるだろう」 --------
10/12 イエレン・財務長官 (物価上昇について) 「それは一時的と考えているが、そうした圧力が向こう1、2カ月で消えると示唆しているのではない」 --------
10/12 クラリダ・FRB副議長 「米経済における基調的なインフレ率は、金融当局の中長期目標である2%付近で推移していると、私は引き続き考えている。今年見られる望ましくないインフレ高進については、相対的な価格調整が完了し、ボトルネックが解消されれば、最終的には大部分が一過性のものだと分かるだろう」 --------
10/12 ポスティック・アトランタ連総裁 「価格圧力を高めている今般の要因は主として激しく広範なサプライチェーンの混乱だが、それが短期間では終わらないことがますます鮮明になりつつある」、「その点を踏まえれば、物価上昇の力は一過性のものではない」 --------
10/4 ブラード・セントルイス連銀総裁 「リスクは上向きで、2022年にかけてインフレはさらに高進するだろう。来年の個人消費支出(PEC)コア価格指数は2.8%上昇すると予想している」 --------
9/30 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリングをゆっくり、かつ整然と、率直に言えば退屈なやり方で開始する時期が近く訪れると考えるグループに私は属する」、「資産購入のテーパリングを開始した後、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げについて考え始めることが出来る。ただ私としては、来年遅く、ないし2023年早期まで利上げは見込んでいない」 --------
9/27 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏のインフレ率はこの秋、8月に達成した3%の水準からさらに上昇する見込みだ」、「上昇の大部分は一時的なものだと引き続き考えている」 --------
9/27 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ目標の達成において一段と大きな進展を遂げたことは明らかだと思う。雇用の最大化に向けても、非常に良い進展がある」、「私の予想通りに経済が改善し続けると仮定すれば、資産購入ペースの減速は近く正当化されるかもしれない」 --------
9/27 ブレイナード・FRB理事 雇用は依然として、一段と顕著な進展があったと私が判断する基準にわずかに届いていない」、「私が望んでいるような進展が継続すれば、その基準に近く達成する可能性がある」 --------
9/27 エバンス・シカゴ連銀総裁 「足元で見られる供給サイドに起因する一過性のインフレ率上昇では、目的を達成するには十分ではないと考える」、「2%を持続的にオーバーシュートするインフレ期間が必要」、「23年に1回の利上げを想定し、その後は極めて緩やかな傾斜になるだろう」 --------
9/24 メスター・クリーブランド連銀総裁 「景気回復が続けば労働市場の改善が継続し、来年末までにフェデラル・ファンド(FF)金利引き上げの条件も整うと見ている」 債券が売られ、金利が上昇。
9/22 パウエル・FRB議長 「早ければ次回の会合で決定する可能性がある」、「資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始のタイミングに関して直接のシグナルを送ることを意図しない」、「中国恒大の状況は非常に中国特有のものと見受けられる。中国は新興市場国としては債務水準がかなり高い」 ドル円110円35銭まで上昇。株高、債券安が大きく進行。
9/14 ロウ・オーストラリア中銀総裁 「22年や23年初めの利上げが織り込まれる理由は理解しがたい。この期間に他の国・地域で政策金利が引き上げられる可能性はあるが、我が国の賃金とインフレの動向は全く異なる」 豪ドル/米ドルが小幅に下落。
9/10 サマーズ・元財務長官 「2桁のインフレ率というカーター政権時代のような状況に近いとは思わないが、60年代と70年代初めに犯したほとんど全ての過ちを繰り返すという非常に深刻な危機にさらされていると考える」 --------
9/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「一段と顕著な進展を遂げたいという私の見解は、8月の雇用統計後も変わっていないと考える」、「年内のテーパリング開始を望む」 --------
9/9 エバンス・シカゴ連銀総裁 「昨年に経済活動が深刻かつ急激に落ち込んだ後、経済は力強く成長した。しかし、サプライチェーンや労働市場で広がるボトルネックが示すように、課題は山積している」、「新型コロナウイルスの新たな変異株が全米で健康や安全性に影響を及ぼす中、全ての共通要素は引き続き不確実性が高いということだ」 --------
9/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「夏の前半には強いデータが出ていたので、私は多くの予想よりも早期のテーパリング開始支持に相当傾いていた」、「最近の弱いデータはまだ幾らかの駆け引きがある可能性を示唆したが、私は今も年内のある時点が適切だと考えている」 --------
9/9 ボウマン・FRB理事 「私が期待するようなデータが出てくれば、年内に資産購入縮小の過程に入ることは適切となる可能性が高い」、「私は入ってくるデータに勇気づけられていることに変わりはないが」、「われわれの協議結果を事前に判断したくない」 --------
9/9 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏経済の回復がますます進展している」と、(今回の決定は)「テーパリングではない」、「PEPPを向こう3カ月について微調整する」 ユーロドルの上昇が抑制される。
9/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「8月の雇用者数の伸びの弱さにもかかわらず、新型コロナウイルス対策の大規模な債券購入を段階的にする計画を進めるべきだ」 --------
9/8 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が想定する通りに米経済の改善が続くならば、年内に資産購入ペースを落とし始めることは適切となり得よう」と、「今後入って来る労働市場のデータや、それが経済見通しにどのような意味を持つのかを慎重に判断していく。デルタ変異株の影響をはじめとするリスクも見極めていく」 --------
9/1 ワイトマン・ドイツ連銀総裁 物価見通しに対するリスクを注視しなければならない。私の見解は、上向きのリスクが優勢だ」、「緩和的な金融政策は依然として適切だが、インフレが加速し過ぎるリスクを無視すべきでない」 市場ではドル安ユーロ高がやや進む。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和