今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「オミクロン株への感染、米国でも確認」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 「オミクロン株」の感染が初めて米国内で確認され、株安、金利低下が進んだことでドルが売られる。ドル円は112円68銭まで売られる。
  • ユーロドルは1.13台で推移し、1.1357まで反発。
  • 株式市場は大幅続落。ダウは、朝方には500ドルを超える上昇を見せたもののその後失速。米国内で「オミクロン株」の感染者が出たことや、早期の利上げ観測が重荷となりダウは461ドル安で引ける。
  • 債券は続伸。長期金利は1.40%台へと低下。
  • 金は反発し原油は続落。
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11月ADP雇用者数 → 53.4万人
11月ISM製造業景況指数 → 61.1
11月自動車販売台数 → 1286万台
11月マークイット製造業PMI(改定値) → 58.3
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ドル/円 112.68 〜 113.38
ユーロ/ドル 1.1309 〜 1.1357
ユーロ/円 127.59 〜 128.34
NYダウ −461.68 → 34,022.04
GOLD +7.80 → 1,784.30ドル
WTI −0.61 → 65.57ドル
米10年国債 −0.041 → 1.404%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10月貿易収支
  • 日 10月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏10月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏10月失業率
  • 欧 「OPECプラス」閣僚会議
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 クオールズ・FRB副議長講演
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米 大統領、今冬に新型コロナと闘うための戦略詳細発表

本日のコメント

新型コロナウイルス「オミクロン株」を巡るネガティブな情報が市場を混乱させています。特にNY株式市場では株価への影響が大きく、昨日のダウは上下で1000ドル程の値幅を記録しています。ドル円もリスクオフの流れが止まらず、再び112円台半ばを試す展開になっています。

米疾病対策センター(CDC)は米国内で初めて「オミクロン変異株」の感染が確認されたと発表しました。感染が確認されたのはカリフォルニア州で、11月22日に南アフリカから戻った渡航者から検出され、この感染者はワクチン接種済で症状は軽く、改善しつつあり、現在は自己隔離中とのことです。また昨日はノルウェー、アイルランド、サウジアラビア、そして韓国でも「オミクロン株」の感染が確認され、急速に世界中に拡大している模様です。現時点でも、「オミクロン株」に対する既存ワクチンの有効性などは分かっていませんが、今朝の報道では、ファイザーのワクチン開発の責任者は、来年3月には「オミクロン株」に対するワクチンが開発されるとインタビューで答えていました。

パウエルFRB議長は前日に続き昨日は下院金融委員会の公聴会で証言を行いました。証言は基本的には前日に沿ったものでしたが、「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」と述べ、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」と語っています。その上で、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」と証言を行っています。またNY連銀のウィリアムズ総裁は1日付けのニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、「経済がどれほど強いかを考慮し、これらの債券購入を、数カ月程度かもしれないが、幾分早く終了することは理にかなうだろうか。それが問題だ」と述べています。これまで、高インフレが持続するかについては慎重な見方を維持してきたFOMC高官メンバーが、ここにきて急速に「タカ派寄り」に変わって来た印象です。12月14−15日には今年最後のFOMCが開催されますが、その時までに「オミクロン株」の感染力やワクチンの有効性など詳しい情報が集約され、ある程度の楽観的な見通しが立てば、会合でテーパリングの加速についても議論される可能性がありそうです。英大手金融機関のバークレーズは「1月にテーパリングの加速を発表し、4月中旬に資産購入を終了し、5月に最初の利上げを行う。2022年には3回利上げを行い、2023年にはさらに4回の利上げを見込んでいる」ことを公表しています。この見通しは筆者が知る限り、「最もタカ派的」なものです。

下落が止まらないトルコリラですが1日、トルコ中銀はリラ下落を阻止するため、8年ぶりに為替市場に介入しました。先月からトルコリラの下落に一段と拍車がかかり、昨日は対ドルで13.95近辺までリラ安が進み、今年2月の6.89からほぼ価値が半分になっていました。市場介入によりドルリラは8.5%程急反発しましたが、その後は再び軟調な展開になっています。トルコ中銀は声明で、「市場の不完全な価格形成が介入の理由だ」と述べています。エルドアン大統領も会見で、「中銀は必要に応じ必要な介入を実施できる」と語っています。ブルームバーグは、「トルコ中銀がリラ急落に歯止めをかけようと約10億ドルを費やして為替介入に動いたことは、エルドアン大統領の経済改革計画に政策担当者がますます不安を募らせていることの表れだ」とのコメントを掲載していました。トルコでは高騰する物価が政治問題化しており、抗議デモも散発的に発生しています。今朝の時点でドルリラは13.40近辺で推移しています。

昨日も述べたように、ドル円は日足の雲の中で推移しており、雲の下限である111円90銭近辺を試す動きのようにも思えます。東京タイムでは日本株の上げ下げが材料となりドル円が動きますが、本日も日経平均株価は下げ、底値を探る展開が予想されます。

本日のドル円は112円40銭〜113円40銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/1 パウエル・FRB議長 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 --------
11/30 パウエル・FRB議長 「インフレ高進という形で恒久的な影響を残さないという意味で、われわれはこの表現を使う傾向がある」、「この言葉を使うのをやめ、われわれが意味するところのもっと明確な説明に努める良いタイミングと思う」 ドル円は112円台半ばから113円台半ばへ上昇。株価は下げが加速。
11/29 パウエル・FRB議長 「このところの新型コロナ新規感染の増加とオミクロン株の発生は、雇用と経済活動に下振れリスクとなるとともに、インフレ動向を巡る不確実性の高まりをもたらした」、「ウイルスに関する懸念が強まれば、対面での勤務の意欲がそがれ、労働市場の前進を遅らせてサプライチェーンの混乱を深めることになる」 --------
11/24 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「これまでの状況が続けば、私はテーパリングのペース加速を全面的に支持するだろう」と述べ、「それを加速させるべき論拠は確かにある。次回の会合前に発表される重要なデータは2つある」、「これまで発表された雇用の数字の一部が上方向に修正されたことを示している。雇用市場では人員採用が実に活発に続いているようだ」、「インフレの数字については、月間ベースで数カ月にわたって減速した後、CPIの月間の数字が再び高進した。これが続けば、これらはテーパリングの加速が必要なようだと示唆するものになる」 --------
11/24 FOMC議事録(11月2、3日分) 「幾人かの参加者は、インフレがFOMCの目標と整合する水準を上回る状態が続いた場合に、FOMCは資産購入ペースを調整し、フェデラル・ファンド金利誘導目標レンジの引き上げ開始を参加者が現在想定する時期から早める準備を整えるべきだと主張した」 --------
11/19 ウォラー・FRB理事 「労働市場の急速な改善とインフレデータの悪化を受け、私はテーパリングを加速し、来年には金融緩和をより急速に解除することを支持する方向に傾いておる」、「最新のデータを見守るつもりだが、金融政策はこれに基づいてテーパリング加速の方向へとかじを切る必要があるかもしれないと考える」 --------
11/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「資産購入プログラム終了後の来年に始まるか、2023年にずれ込む可能性がある」、「こうした大幅上昇は剥落し始めるだろう。インフレ率を2%に近づける可能性のある多くの要因があると考える」 --------
11/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「米国の長期インフレ期待はかなり上昇した」、「長期インフレ期待のさらなる上昇は望ましくない」 --------
11/16 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレのリスクを適切に管理するためには、FOMCは次の会合でよりタカ派的な方向に進むべきだ」、「これまでも提案してきたが、議論したいもう一つの案は、テーパリングが終わった時点で決定を待たずにバランスシートのランオフ(償還に伴う保有資産の減少)を認めることだ」、「これを行えば、若干ながらよりタカ派的な政策となると思う」 経済指標の上振れもあり、ドル円は114円台前半から114円85銭までドル高に振れる。
11/16 RBA議事録要旨 「インフレ見通しのリスクが変化し、予想される結果の分布は上向きにシフトした」、「忍耐強くある用意がある」、「現在のペースの量的緩和継続が適切だと思われる」 豪ドル円は83円台後半から84円台に上昇。
11/15 ベイリー・BOE総裁 (インフレの状況を)「非常に懸念している」、「労働市場は逼迫している」、(今月利上げを見送ったことについては)、「非常にぎりぎりの決断だった」と語っています。 --------
11/15 サマーズ・元財務長官 「バイデン政権によるFRBの人事では、インフレ抑制という課題を認識する必要があり、それが金融政策全般に反映されるべきだ」、「過度のインフレとそれが抑制されていないという感覚が、リチャード・ニクソンとロナルド・レーガンの当選を後押しした。ドナルド・トランプ氏が権力を取り戻すリスクもある」 --------
11/14 サマーズ・元財務長官 (インフレの勢いは)、「重大な政策調整またはインフレ率が2%のレンジに戻る前に景気を減速させる不幸なアクシデントをもたらす水準にまで積み上がっている」 --------
11/14 イエレン・財務長官 「今回のインフレの要因は新型コロナウイルスだと認識することが重要だ」、「インフレ率を下げたいのであれば、われわれが出来る最も重要なことはコロナ対策で進展し続けることだと考える」、(インフレがどこまで続くかについては)、「労働供給や需要パターンが正常化すれば、インフレ率が2022年後半までに鈍化し、物価は正常に戻ると考える」 --------
11/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 家計が支払っている高い価格は本物で、人々は現在その傷みを経験している」、「われわれはそれを非常に深刻に受け止める必要があるが、その痛みが本物であっても、そうした一時的な要因の一部に過剰反応する必要がないというのが私の見解だ」 --------
11/10 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「利上げに関するわれわれの計算式を変更し始めるのは、まだ時期尚早だろう」 --------
11/8 クラリダ・FRB副議長 「利上げを検討するのはまだずっと先だということは明らかだ」、「フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標を引き上げるために必要な3条件は、2022年末までに達成されていると確信する」、「今年のインフレは現時点で、長期目標の2%を『適度に』上回るというものを著しく上回っていると自分には見受けられる。来年も同様の状況となるなら、政策として成功とは見なさない」 「利上げはまだ先だ」との発言に反応し、ドル円は113円08銭まで下落。
11/8 ブラード・セントルイス連銀総裁 「必要に応じてテーパリングを幾分か早期に終了することは可能だ」、「来年に2回の利上げを予想している」 --------
11/8 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「テーパリング完了前にFF金利誘導目標を引き上げることはないだろう。しかしわれわれはインフレ動向を非常に注意深く監視しており、適切な状況となれば行動を取る用意がある」 --------
11/5 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「サプライチェーンが正常化し、需要が弱まるにつれ、インフレはいずれ落ち着くと想定するのが妥当だが、高いインフレが長期化するリスクが高まったことも同様に明白だ」、「こうしたインフレ圧力を前に、辛抱強くなれるとの主張は説得力が薄れた」 --------
11/4 ベイリー・BOE総裁 「インフレ率を将来的に目標以下に引き下げる公算が大きいであろう規模の利上げ予想に対しては警告する」 ポンド円は156円前後から153円台前半まで急落。
11/3 FOMC声明文 「委員会は月間の資産買入れペースを縮小し始めることを決定した。委員会は資産の純買い入れ額を毎月同様のペースで減らすことが適切ある公算が大きいと判断するが、経済見通しの変化によりそれが正当化される場合は購入ペースを調整する用意がある」、「委員会が判断する最大限の雇用水準と労働市場の環境が整合的になるまで、またインフレが2%に上昇し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで、この目標レンジ(ゼロ−0.25%)を維持することが適切になると予想する」 --------
11/3 パウエル・FRB議長 「われわれは辛抱強くなれると考えている。対応が必要な状況になれば、ちゅうちょしない」、「現在は利上げに適した時期とは考えていない。労働市場の一段の回復を目にしたいからだ」、「インフレは高水準にあり、これは主として一過性と予想される要因を反映している」 ドル円は113円70銭台から114円台前半まで上昇。株式市場の好感し、3指数が揃って最高値を更新。
11/2 RBA声明文 「景気の改善を背景に利回り目標を撤廃した」、「オーストラリアの金融情勢は高度に緩和的」、「インフレ率は上昇しているが、基調はなお低い」、「今年と来年の基調的なインフレ率が2.25%前後と予想」 豪ドル円は85円60銭近辺から85円10銭まで下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和