「NY株連日の大幅上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 日本株が大幅高になったことに伴い、ドル円は堅調に推移。NYではリスクオンが強まり113円78銭まで買われたがその後小反落。
- ユーロドルは軟調に推移し、1.1228まで下落。
- 株式市場は前日に続き大幅続伸。オミクロン株が経済に与える影響は大きくないとの見方からダウは492ドル上昇。ナスダックはハイテク株を中心に3%の上昇。
- 債券は続落。長期金利は1.47%台に上昇。
- 金は反発。原油はオミクロン株への懸念がさらに後退したことから2ドル56セント上昇し、72ドル台を回復。
10月貿易収支 → −67.1b
10月消費者信用残高 → 16.897b
********************
| ドル/円 | 113.47 〜 113.78 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1228 〜 1.1273 |
| ユーロ/円 | 127.60 〜 127.97 |
| NYダウ | +492.40 → 35,719.43 |
| GOLD | +5.20 → 1,784.70ドル |
| WTI | +2.56 → 72.05ドル |
| 米10年国債 | +0.039 → 1.473% |
本日の注目イベント
- 日 7−9月GDP(改定値)
- 日 10月貿易収支
- 日 10月国際収支
- 日 11月景気ウオッチャー調査
- 独 ドイツ連邦議会が新首相の指名選挙を予定、ショルツ政権発足へ
- 加 カナダ中銀政策金利発表
本日のコメント
予想通り、新型コロナウイルス「オミクロン株」への過度の恐れが徐々に後退し、昨日のNYではダウを始め主要3指数が前日に続き大幅高でした。ダウはこの2日間で1000ドルを超える上昇を見せ、ここ最近の沈滞ムードを一気に吹き飛ばした感があります。ここ2日間の上昇を受け、バークレーズとUBSは株式に対する強気の見方を発表していますが、一方ゴールドマンは、リスク指標はまだ買いシグナルを発していないとして、強気の姿勢に警鐘を鳴らしています。
南アフリカの専門家はオミクロン株感染者が、呼吸器官への負担が従来の変異株に比べて軽いとの報告を行いました。今後さらに検証する時間が必要としながらも、重症化に対する過度の警戒感がやや和らいでいます。英グラクソ・スミスクラインとカナダのメディカゴが行った試験結果によれば、両社の開発したワクチン候補は、複数の変異株に対する後期臨床試験で71%の有効性を示したと発表しました。7日発表された試験結果では、植物由来の同社のワクチン候補は感染力の強いデルタ株に対して75%、ブラジルで最初に発見されたガンマ株に対しても89%近い有効性を示したとされています。臨床試験には2万4000人が参加し、この中で重症化もしくは深刻な副反応が報告された例は1件もなかったということです。(ブルームバーグ)まだ初期段階のデータしか集まっていないようですが、来週の今頃にはさらに信頼できるデータが報告されていることが期待できそうです。
バイデン大統領とプーチン大統領がオンラインで会談を行い、2時間にも及ぶ会談でバイデン大統領はロシアがウクライナに侵攻するなら米国は同盟国と共に「強力」な措置で対応すると警告しました。バイデン大統領はまた、ロシアが侵攻した場合、米国はウクライナに防衛装備品を供与することも警告していますが、対応措置は軍事的なものではなく、経済制裁を念頭に置いているものと見られます。具体的にはドイツの新政権に対して、ロシアがウクライナに侵攻した場合、海底ガスパイプライン(ノルドストリーム2)の停止に合意するよう求めるようです。またロシアの大手銀行とロシアルーブルの外貨交換能力を標的にした制裁も検討しているようで、この場合ロシアの一部大手銀行や政府系ファンドのロシア債購入も制限される可能性があると伝えられています。
オーストラリア準備銀行(RBA)は昨日の午後の政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めました。また債券購入プログラムは、週40億豪ドル(約3200億円)のペースで少なくとも来年2月まで継続し、政策委員会が2月の会合で再検討することになっています。この決定は市場予想通りでした。ロウ総裁は会合後の会見で、「政策委員会は実質インフレが2−3%の目標レンジの範囲内で持続的に推移するまでキャッシュレートは引き上げない。これには現時点よりかなり高い賃金の伸びを十分生むほど労働市場がタイトになる必要がある。ある程度の時間がかかる可能性が高く、政策委員会としては忍耐強くある用意がある」と語っています。またオミクロン株の発生については、「オミクロン株の発生が新たな不確実性要因だが、景気回復を妨げるとは予想されていない。景気は2022年上期にはデルタ株以前の軌道に戻るだろう」との考えを示しています。
オミクロン株への警戒感が和らいだことから、株式市場では一気にリスクオンが強まり、金利が上昇しています。ただその割には、ドル円の上昇に力強さはありません。昨日のコメントでも述べましたが、113円60〜90銭がやや壁になっており、この水準が抜けるかどうかが一つの焦点です。またウクライナ情勢や中国恒大集団のデフォルト問題も、ドルの上値を抑えている可能性があります。112円台半ばから114円前後の動きが、来週のFOMCまで続くことも予想されます。本日のドル円は113円10銭〜114円程度と見ています。
==========
明日(9日)のアナリストレポートは都合によりお休みとさせて頂きます。読者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
佐藤正和の書籍紹介
これだけ! FXチャート分析 三種の神器 |
チャートがしっかり読めるようになるFX入門 |
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/3 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレの数値がどうなるかに左右されるが、私だったら来年4回の利上げを示唆するだろう」、「それは衝撃になるが、衝撃は信頼回復には必要なことだ」 | -------- |
| 12/2 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」、「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」、(資産購入を来年1−3月期に向けて終わらせることは)「われわれの利益にかなう」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 | -------- |
| 11/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ高進という形で恒久的な影響を残さないという意味で、われわれはこの表現を使う傾向がある」、「この言葉を使うのをやめ、われわれが意味するところのもっと明確な説明に努める良いタイミングと思う」 | ドル円は112円台半ばから113円台半ばへ上昇。株価は下げが加速。 |
| 11/29 | パウエル・FRB議長 | 「このところの新型コロナ新規感染の増加とオミクロン株の発生は、雇用と経済活動に下振れリスクとなるとともに、インフレ動向を巡る不確実性の高まりをもたらした」、「ウイルスに関する懸念が強まれば、対面での勤務の意欲がそがれ、労働市場の前進を遅らせてサプライチェーンの混乱を深めることになる」 | -------- |
| 11/24 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「これまでの状況が続けば、私はテーパリングのペース加速を全面的に支持するだろう」と述べ、「それを加速させるべき論拠は確かにある。次回の会合前に発表される重要なデータは2つある」、「これまで発表された雇用の数字の一部が上方向に修正されたことを示している。雇用市場では人員採用が実に活発に続いているようだ」、「インフレの数字については、月間ベースで数カ月にわたって減速した後、CPIの月間の数字が再び高進した。これが続けば、これらはテーパリングの加速が必要なようだと示唆するものになる」 | -------- |
| 11/24 | FOMC議事録(11月2、3日分) | 「幾人かの参加者は、インフレがFOMCの目標と整合する水準を上回る状態が続いた場合に、FOMCは資産購入ペースを調整し、フェデラル・ファンド金利誘導目標レンジの引き上げ開始を参加者が現在想定する時期から早める準備を整えるべきだと主張した」 | -------- |
| 11/19 | ウォラー・FRB理事 | 「労働市場の急速な改善とインフレデータの悪化を受け、私はテーパリングを加速し、来年には金融緩和をより急速に解除することを支持する方向に傾いておる」、「最新のデータを見守るつもりだが、金融政策はこれに基づいてテーパリング加速の方向へとかじを切る必要があるかもしれないと考える」 | -------- |
| 11/18 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「資産購入プログラム終了後の来年に始まるか、2023年にずれ込む可能性がある」、「こうした大幅上昇は剥落し始めるだろう。インフレ率を2%に近づける可能性のある多くの要因があると考える」 | -------- |
| 11/18 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「米国の長期インフレ期待はかなり上昇した」、「長期インフレ期待のさらなる上昇は望ましくない」 | -------- |
| 11/16 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレのリスクを適切に管理するためには、FOMCは次の会合でよりタカ派的な方向に進むべきだ」、「これまでも提案してきたが、議論したいもう一つの案は、テーパリングが終わった時点で決定を待たずにバランスシートのランオフ(償還に伴う保有資産の減少)を認めることだ」、「これを行えば、若干ながらよりタカ派的な政策となると思う」 | 経済指標の上振れもあり、ドル円は114円台前半から114円85銭までドル高に振れる。 |
| 11/16 | RBA議事録要旨 | 「インフレ見通しのリスクが変化し、予想される結果の分布は上向きにシフトした」、「忍耐強くある用意がある」、「現在のペースの量的緩和継続が適切だと思われる」 | 豪ドル円は83円台後半から84円台に上昇。 |
| 11/15 | ベイリー・BOE総裁 | (インフレの状況を)「非常に懸念している」、「労働市場は逼迫している」、(今月利上げを見送ったことについては)、「非常にぎりぎりの決断だった」と語っています。 | -------- |
| 11/15 | サマーズ・元財務長官 | 「バイデン政権によるFRBの人事では、インフレ抑制という課題を認識する必要があり、それが金融政策全般に反映されるべきだ」、「過度のインフレとそれが抑制されていないという感覚が、リチャード・ニクソンとロナルド・レーガンの当選を後押しした。ドナルド・トランプ氏が権力を取り戻すリスクもある」 | -------- |
| 11/14 | サマーズ・元財務長官 | (インフレの勢いは)、「重大な政策調整またはインフレ率が2%のレンジに戻る前に景気を減速させる不幸なアクシデントをもたらす水準にまで積み上がっている」 | -------- |
| 11/14 | イエレン・財務長官 | 「今回のインフレの要因は新型コロナウイルスだと認識することが重要だ」、「インフレ率を下げたいのであれば、われわれが出来る最も重要なことはコロナ対策で進展し続けることだと考える」、(インフレがどこまで続くかについては)、「労働供給や需要パターンが正常化すれば、インフレ率が2022年後半までに鈍化し、物価は正常に戻ると考える」 | -------- |
| 11/14 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 家計が支払っている高い価格は本物で、人々は現在その傷みを経験している」、「われわれはそれを非常に深刻に受け止める必要があるが、その痛みが本物であっても、そうした一時的な要因の一部に過剰反応する必要がないというのが私の見解だ」 | -------- |
| 11/10 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「利上げに関するわれわれの計算式を変更し始めるのは、まだ時期尚早だろう」 | -------- |
| 11/8 | クラリダ・FRB副議長 | 「利上げを検討するのはまだずっと先だということは明らかだ」、「フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標を引き上げるために必要な3条件は、2022年末までに達成されていると確信する」、「今年のインフレは現時点で、長期目標の2%を『適度に』上回るというものを著しく上回っていると自分には見受けられる。来年も同様の状況となるなら、政策として成功とは見なさない」 | 「利上げはまだ先だ」との発言に反応し、ドル円は113円08銭まで下落。 |
| 11/8 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「必要に応じてテーパリングを幾分か早期に終了することは可能だ」、「来年に2回の利上げを予想している」 | -------- |
| 11/8 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「テーパリング完了前にFF金利誘導目標を引き上げることはないだろう。しかしわれわれはインフレ動向を非常に注意深く監視しており、適切な状況となれば行動を取る用意がある」 | -------- |
| 11/5 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | 「サプライチェーンが正常化し、需要が弱まるにつれ、インフレはいずれ落ち着くと想定するのが妥当だが、高いインフレが長期化するリスクが高まったことも同様に明白だ」、「こうしたインフレ圧力を前に、辛抱強くなれるとの主張は説得力が薄れた」 | -------- |
| 11/4 | ベイリー・BOE総裁 | 「インフレ率を将来的に目標以下に引き下げる公算が大きいであろう規模の利上げ予想に対しては警告する」 | ポンド円は156円前後から153円台前半まで急落。 |
| 11/3 | FOMC声明文 | 「委員会は月間の資産買入れペースを縮小し始めることを決定した。委員会は資産の純買い入れ額を毎月同様のペースで減らすことが適切ある公算が大きいと判断するが、経済見通しの変化によりそれが正当化される場合は購入ペースを調整する用意がある」、「委員会が判断する最大限の雇用水準と労働市場の環境が整合的になるまで、またインフレが2%に上昇し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで、この目標レンジ(ゼロ−0.25%)を維持することが適切になると予想する」 | -------- |
| 11/3 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは辛抱強くなれると考えている。対応が必要な状況になれば、ちゅうちょしない」、「現在は利上げに適した時期とは考えていない。労働市場の一段の回復を目にしたいからだ」、「インフレは高水準にあり、これは主として一過性と予想される要因を反映している」 | ドル円は113円70銭台から114円台前半まで上昇。株式市場の好感し、3指数が揃って最高値を更新。 |
| 11/2 | RBA声明文 | 「景気の改善を背景に利回り目標を撤廃した」、「オーストラリアの金融情勢は高度に緩和的」、「インフレ率は上昇しているが、基調はなお低い」、「今年と来年の基調的なインフレ率が2.25%前後と予想」 | 豪ドル円は85円60銭近辺から85円10銭まで下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



