「リスクオンが強まりドル円は再び114円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- リスクオンが一気に進み円は主要通貨に対してほぼ全面安の展開。ドル円は114円台を回復し、114円22銭まで買われる。
- ユーロドルは小動き。1.13前後で推移したが、ユーロ円の買いも入り、ユーロは底堅な展開。
- 株式市場は3指数が揃って大幅に反発。ダウは560ドル上昇し、ナスダックは2%を超える上昇。前日まで大きく売られた反動との声もあり、ハイテク株の上昇が目立った。
- 債券は続落。長期金利は1.46%台まで上昇。
- 金は続落し、原油は大きく買われる。
経常収支(7−9月) → −214.8b
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| ドル/円 | 113.68 〜 114.22 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1285 〜 1.1301 |
| ユーロ/円 | 128.26 〜 128.75 |
| NYダウ | +560.54 → 35,492.70 |
| GOLD | −5.90 → 1,788.70ドル |
| WTI | +2.51 → 71.12ドル |
| 米10年国債 | +0.041 → 1.463% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(10月27日、28日分)
- 英 英7−9月期GDP(改定値)
- 英 英7−9月期経常収支
- 米 7−9月GDP(確定値)
- 米 11月中古住宅販売件数
- 米 12月消費者信頼感指数
本日のコメント
昨日のNYではリスクオンが一気に強まり、円は主要通貨に対してほぼ全面安の展開でした。NY株式市場では株価が大きく反発し、ハイテク株を中心にリスク資産を買い戻す動きが加速し、ダウは前日比568ドル高で引けています。ナスダック指数も2%を超える上昇を見せましたが、一方で債券が売られ、長期金利が上昇したことでドル円は急反発しています。ドルが買われたことで金(きん)は売られ、景気回復期待から原油価格も大きく上昇しています。典型的なリスク選好型の動きにはなりましたが、ドル円の114円台前半までの上昇は、先週木曜日にも記録しており、ここまでのドル高は「これまでも来た道」です。問題はここから114円台半ばを超えることができるかどうかと、114円台を定着させることが出来るかどうかといった点です。ここから再び113円台半ばまで押し戻されるようだと、「やっぱりドルの上値は重い」といった印象が投資家の間で強まってくる可能性もありそうです。
オミクロン株を巡る情報が続いています。米国では新型コロナウイルスの新規感染者が20日には25万4000人と急増し、9月以降最多を記録しました。また米疾病対策センター(CDC)は、米国で解析された全ての新型コロナウイルス感染症例に占めるオミクロン株の割合が「73%」となり、先週の「3%前後」から大きく上昇したと発表しています。オミクロン株は感染しても重症化するケースがデルタ株ほど多くない兆候はあるものの、今回の数字は感染力が非常に強いことを表しており、今後感染者が急増すれば病院などに感染者があふれ、医療が逼迫する恐れがあります。バイデン政権は家庭で行える検査キット5億回分を来月から一般世帯に無料で配布し、病院には軍に所属する医師や看護士1000人を派遣することを発表しています。報道によれば、バイデン大統領自身もホワイトハウスで感染者と30分以上接触しており、検査の結果「陰性」であったことが判明しています。「ひゃっ」とした瞬間でした。バイデン氏が感染した場合、「ご高齢」ということもあり、市場へもそれなりの影響があると考えられます。
一方、ワクチンに関する朗報もあります。米食品医薬品局(FDA)はファイザー製およびメルク製の新型コロナウイルス感染症経口薬について、早ければ今週中に承認する予定のようです。ブルームバーグは事情に詳しい3人の話として、FDAは22日にも承認を発表する可能性があるが、予定変更もあり得るとしています。またFDAは承認にあたって、使用できる患者を限定する可能性もあるとしていますが、新型コロナとの闘いにおいて、治療法の拡大に向けた画期的な出来事だと報じています。米国以外でも、ドイツでは行動制限を強化し、28日以降同席できる人数を10人までに制限します。イギリスではクリスマス前に新たな行動制限措置を導入することはないと、ジョンソン首相は明言しています。いずれも、ロックダウンなど強硬な措置の導入は避けたい意向のようです。先週も触れましたが日本でも全国の新規感染者数が、まだわずかですが、再び上昇傾向を見せ始めています。上でも述べたように、オミクロン株の強い感染力を考えれば、一気に感染が拡大してしまうことは明らかです。第3回目の接種を出来るだけ早めるほかありません。
トルコ政府が前日発表した、リラ預金の支援策の詳細が明らかになりました。それによると、支援策は満期が3、6、9、12カ月のリラ建て預金口座を持つ個人に適用されるとのことです。中銀が毎日午前11時に公表するドル買いレートに基づきリラの下落率が計算され、下落率が満期時の預金金利よりも大きい場合、差額がリラで預金者の口座に振り込まれるというものです。ただこの措置はエルドアン大統領が、低迷する自身の支持率を押し上げるため、中央銀行に圧力をかけた結果だとの見方もあり、4カ月連続で行った利下げの根拠に、「イスラム教の教え」を持ち出すなど、かなり追い詰められている状況も浮かび上っています。
NY株が大きく上昇したことを受け、本日の日経平均株価も底堅く推移すると予想されます。ただ昨日すでに「想定外の大幅反発」を見せていることで、今日の上昇幅は限定的と見ています。仮に昨日のような上昇力を見せるようだと、「ドル円も114円台半ばをテスト」といったシナリオも描けますが、その公算は低いでしょう。本日のドル円は113円70銭〜114円50銭程度といったところでしょうか。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/17 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「米経済が、私の予想通り勢いを増し、新型コロナウイルスを切り抜けるように、1四半期は成長が低迷してもその後は回復するといった状況であれば、来年2、3回の利上げは適切だと思う」 | -------- |
| 12/17 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 米金融政策スタンスを好位置に置くということだ。もちろん、来年のある時点でフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを実際に開始し得るという選択肢を作るという意味もある」、「実際に利上げとなれば、景気サイクルのどの時点にいるかという観点で前向きな展開を示す兆候となろう」 | -------- |
| 12/17 | ウォラー・FRB理事 | テーパリング加速で最も重要な点は、当初よりずっと早い3月にプログラムを終了させることだ。それにより3月の会合で政策金利の変更があり得る。テーパリング加速の意図はそこにある」、「今後入手するデータの内容にもよるが、3月は利上げ開始を決定し得る会合になり得る」、「オミクロン株による深刻な影響が労働市場の改善や失業率の低下を遅らせるようなことがない限り、3月が利上げの開始検討の重要な時期から外れることはない」、「私の見通しでは、3月に利上げを決定する可能性は極めて高い」 | -------- |
| 12/16 | ラガルド・ECB総裁 | 「以前にも述べたように、2022年に利上げする可能性は極めて低い。これは変わっていない」、「インフレ見通しには上振れリスクがある可能性もある」 | ユーロドル下落。 |
| 12/15 | パウエル・FRB議長 | 「10月の雇用統計や7−9月の雇用コスト指数の力強い数値に加え、1990年以来の大幅上昇となった10月のCPIを受けて、CPI発表後の週末に資産購入のテーパリング加速の必要があると認識し、当局としてそのための作業に着手した」 | -------- |
| 12/15 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」、「雇用はこの数カ月堅調に伸びており、失業率は大幅に低下した。パンデミックと経済再生に関連した需給の不均衡は、引き続き高水準のインフレにつながっている」、「経済の道筋はウイルスを巡る状況に引き続き左右されている」 | 株価は大きく上昇。ドル円は113円台後半から114円30銭近辺まで買われる |
| 12/3 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレの数値がどうなるかに左右されるが、私だったら来年4回の利上げを示唆するだろう」、「それは衝撃になるが、衝撃は信頼回復には必要なことだ」 | -------- |
| 12/2 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」、「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」、(資産購入を来年1−3月期に向けて終わらせることは)「われわれの利益にかなう」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 | -------- |
| 11/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ高進という形で恒久的な影響を残さないという意味で、われわれはこの表現を使う傾向がある」、「この言葉を使うのをやめ、われわれが意味するところのもっと明確な説明に努める良いタイミングと思う」 | ドル円は112円台半ばから113円台半ばへ上昇。株価は下げが加速。 |
| 11/29 | パウエル・FRB議長 | 「このところの新型コロナ新規感染の増加とオミクロン株の発生は、雇用と経済活動に下振れリスクとなるとともに、インフレ動向を巡る不確実性の高まりをもたらした」、「ウイルスに関する懸念が強まれば、対面での勤務の意欲がそがれ、労働市場の前進を遅らせてサプライチェーンの混乱を深めることになる」 | -------- |
| 11/24 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「これまでの状況が続けば、私はテーパリングのペース加速を全面的に支持するだろう」と述べ、「それを加速させるべき論拠は確かにある。次回の会合前に発表される重要なデータは2つある」、「これまで発表された雇用の数字の一部が上方向に修正されたことを示している。雇用市場では人員採用が実に活発に続いているようだ」、「インフレの数字については、月間ベースで数カ月にわたって減速した後、CPIの月間の数字が再び高進した。これが続けば、これらはテーパリングの加速が必要なようだと示唆するものになる」 | -------- |
| 11/24 | FOMC議事録(11月2、3日分) | 「幾人かの参加者は、インフレがFOMCの目標と整合する水準を上回る状態が続いた場合に、FOMCは資産購入ペースを調整し、フェデラル・ファンド金利誘導目標レンジの引き上げ開始を参加者が現在想定する時期から早める準備を整えるべきだと主張した」 | -------- |
| 11/19 | ウォラー・FRB理事 | 「労働市場の急速な改善とインフレデータの悪化を受け、私はテーパリングを加速し、来年には金融緩和をより急速に解除することを支持する方向に傾いておる」、「最新のデータを見守るつもりだが、金融政策はこれに基づいてテーパリング加速の方向へとかじを切る必要があるかもしれないと考える」 | -------- |
| 11/18 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「資産購入プログラム終了後の来年に始まるか、2023年にずれ込む可能性がある」、「こうした大幅上昇は剥落し始めるだろう。インフレ率を2%に近づける可能性のある多くの要因があると考える」 | -------- |
| 11/18 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「米国の長期インフレ期待はかなり上昇した」、「長期インフレ期待のさらなる上昇は望ましくない」 | -------- |
| 11/16 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレのリスクを適切に管理するためには、FOMCは次の会合でよりタカ派的な方向に進むべきだ」、「これまでも提案してきたが、議論したいもう一つの案は、テーパリングが終わった時点で決定を待たずにバランスシートのランオフ(償還に伴う保有資産の減少)を認めることだ」、「これを行えば、若干ながらよりタカ派的な政策となると思う」 | 経済指標の上振れもあり、ドル円は114円台前半から114円85銭までドル高に振れる。 |
| 11/16 | RBA議事録要旨 | 「インフレ見通しのリスクが変化し、予想される結果の分布は上向きにシフトした」、「忍耐強くある用意がある」、「現在のペースの量的緩和継続が適切だと思われる」 | 豪ドル円は83円台後半から84円台に上昇。 |
| 11/15 | ベイリー・BOE総裁 | (インフレの状況を)「非常に懸念している」、「労働市場は逼迫している」、(今月利上げを見送ったことについては)、「非常にぎりぎりの決断だった」と語っています。 | -------- |
| 11/15 | サマーズ・元財務長官 | 「バイデン政権によるFRBの人事では、インフレ抑制という課題を認識する必要があり、それが金融政策全般に反映されるべきだ」、「過度のインフレとそれが抑制されていないという感覚が、リチャード・ニクソンとロナルド・レーガンの当選を後押しした。ドナルド・トランプ氏が権力を取り戻すリスクもある」 | -------- |
| 11/14 | サマーズ・元財務長官 | (インフレの勢いは)、「重大な政策調整またはインフレ率が2%のレンジに戻る前に景気を減速させる不幸なアクシデントをもたらす水準にまで積み上がっている」 | -------- |
| 11/14 | イエレン・財務長官 | 「今回のインフレの要因は新型コロナウイルスだと認識することが重要だ」、「インフレ率を下げたいのであれば、われわれが出来る最も重要なことはコロナ対策で進展し続けることだと考える」、(インフレがどこまで続くかについては)、「労働供給や需要パターンが正常化すれば、インフレ率が2022年後半までに鈍化し、物価は正常に戻ると考える」 | -------- |
| 11/14 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 家計が支払っている高い価格は本物で、人々は現在その傷みを経験している」、「われわれはそれを非常に深刻に受け止める必要があるが、その痛みが本物であっても、そうした一時的な要因の一部に過剰反応する必要がないというのが私の見解だ」 | -------- |
| 11/10 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「利上げに関するわれわれの計算式を変更し始めるのは、まだ時期尚早だろう」 | -------- |
| 11/8 | クラリダ・FRB副議長 | 「利上げを検討するのはまだずっと先だということは明らかだ」、「フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標を引き上げるために必要な3条件は、2022年末までに達成されていると確信する」、「今年のインフレは現時点で、長期目標の2%を『適度に』上回るというものを著しく上回っていると自分には見受けられる。来年も同様の状況となるなら、政策として成功とは見なさない」 | 「利上げはまだ先だ」との発言に反応し、ドル円は113円08銭まで下落。 |
| 11/8 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「必要に応じてテーパリングを幾分か早期に終了することは可能だ」、「来年に2回の利上げを予想している」 | -------- |
| 11/8 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「テーパリング完了前にFF金利誘導目標を引き上げることはないだろう。しかしわれわれはインフレ動向を非常に注意深く監視しており、適切な状況となれば行動を取る用意がある」 | -------- |
| 11/5 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | 「サプライチェーンが正常化し、需要が弱まるにつれ、インフレはいずれ落ち着くと想定するのが妥当だが、高いインフレが長期化するリスクが高まったことも同様に明白だ」、「こうしたインフレ圧力を前に、辛抱強くなれるとの主張は説得力が薄れた」 | -------- |
| 11/4 | ベイリー・BOE総裁 | 「インフレ率を将来的に目標以下に引き下げる公算が大きいであろう規模の利上げ予想に対しては警告する」 | ポンド円は156円前後から153円台前半まで急落。 |
| 11/3 | FOMC声明文 | 「委員会は月間の資産買入れペースを縮小し始めることを決定した。委員会は資産の純買い入れ額を毎月同様のペースで減らすことが適切ある公算が大きいと判断するが、経済見通しの変化によりそれが正当化される場合は購入ペースを調整する用意がある」、「委員会が判断する最大限の雇用水準と労働市場の環境が整合的になるまで、またインフレが2%に上昇し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで、この目標レンジ(ゼロ−0.25%)を維持することが適切になると予想する」 | -------- |
| 11/3 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは辛抱強くなれると考えている。対応が必要な状況になれば、ちゅうちょしない」、「現在は利上げに適した時期とは考えていない。労働市場の一段の回復を目にしたいからだ」、「インフレは高水準にあり、これは主として一過性と予想される要因を反映している」 | ドル円は113円70銭台から114円台前半まで上昇。株式市場の好感し、3指数が揃って最高値を更新。 |
| 11/2 | RBA声明文 | 「景気の改善を背景に利回り目標を撤廃した」、「オーストラリアの金融情勢は高度に緩和的」、「インフレ率は上昇しているが、基調はなお低い」、「今年と来年の基調的なインフレ率が2.25%前後と予想」 | 豪ドル円は85円60銭近辺から85円10銭まで下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



