「ドル円5年ぶりに116円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間に昨年のドルの高値を抜いたドル円は、海外市場でも続伸。116円台に乗せ、116円34銭までドル高が進む。
- ユーロドルは引き続き1.13を挟む展開。
- 株式市場はまちまち。ダウは214ドル上昇し最高値を更新する一方、ナスダックは金利上昇が嫌気され210ポイントの大幅下落。
- 債券は続落。長期金利は1.68%台まで上昇し、1.64%台まで低下して引ける。
- 金は反発し、原油は続伸。
12月ISM製造業景況指数 → 58.7
12月自動車販売台数 → 1244万台
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| ドル/円 | 115.96 〜 116.34 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1273 〜 1.1323 |
| ユーロ/円 | 130.98 〜 131.46 |
| NYダウ | +214.59 → 36,799.65 |
| GOLD | +14.50 → 1,814.60ドル |
| WTI | +0.91 → 76.99ドル |
| 米10年国債 | +0.019 → 1.647% |
本日の注目イベント
- 日 12月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏12月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏12月サービス業PMI(速報値)
- 米 FOMC議事録(12月14−15日分)
- 米 12月ADP雇用者数
- 米 12月マークイットサービス業PMI(速報値)
- 米 12月マークイットコンポジットPMI(速報値)
- 加 カナダ11月住宅建設許可件数
本日のコメント
昨日の東京時間、株価の上昇に呼応するかのようにドル円は買われ、昨年11月に記録した115円52銭を抜きました。海外市場でもその流れが続き、欧州時間には116円台に乗せ、NY時間早朝には116円34銭までドル高円安が進んでいます。やはり昨年のドルの高値を抜けると、売り圧力が無くなることと同時に、ストップロスのドル買いも巻き込み、想定以上のスピードで上昇しました。結局昨日1日では1円以上もドル高に振れたことになりますが、これまでと同様、ドル高と言うよりも円安と言った方が適切な展開でした。116円台半ばは、2016年トランプ氏が予想外の大統領選で勝利し、100円割れから一気に118円台までドルが買われ、ピークを付けてから徐々に下げ始めた頃の水準です。チャートではこの先のドル高のメドとしては、上記118円台半ばが一つの目安になろうかと思います。ドル円が、東京市場では今年最初の取引となる4日1日だけで、1円以上の値動きがあったということは、今年の1年の相場の乱高下を示唆していると受け止めています。
オミクロン株の感染拡大が止まらず、FRBが政策金利の引き上げに動き出すことが分かっている中でも、経済活動への影響は限定的といった楽観的な見方が市場を覆っていることでリスクオンの流れが継続され、円を売る動きが強まっている状況です。昨日のNY株式市場では、主要3指数の中でも「出遅れていたダウ」にも資金が集まり、ダウはここ2日間で460ドル以上上昇しています。また、昨年12月から比較すれば2500ドル以上も上昇していることになり、個人的には警戒感を強める必要があろうかと思っています。IT株の多いナスダックが金利上昇を嫌気して大幅な下げを見せたことも、今後の楽観相場に一石を投じていると思われますが、どうでしょうか。
米国の新型コロナウイルス感染者数は、3日に1日当たり100万人を超えました。ホリデーシーズンが終わり仕事や学校が始まる時期に感染者が急増しており、米疾病対策センター(CDC)のモデルによると、オミクロン株が新規感染者全体に占める割合は1月1日までの週では95%に上り、前週の77%から急上昇しています。これらの結果を受けてCDCは4日、ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、2度目の接種からブースター(追加免疫)接種までの期間を、従来の6カ月から5カ月に短縮すると勧告しています。(ブルームバーグ)
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は同連銀のウェブサイトに掲載された論文で、「私が想定した以上にインフレが高く、かつ根強いため、私は2回の利上げ予想を2022年に前倒しさせた」と説明しています。また同総裁は、「根本的には、新たな高インフレのレジームに入るよりも、過去20年にわたって続いてきた低インフレのレジームに最終的には戻る可能性が高いと確信している」としながらも、「しかし、高インフレレジームに陥ることのコストは、低インフレレジームに最終的に戻ることのコストよりも大きくなる可能性が高い」と説明しています。2022年の利上げが3回と見込まれている中、同総裁の「2回の利上げ」は別段目新しいものではありませんが、同総裁は米金融当局者の中でも「最もハト派」と見られているだけに、やや驚きを持って受け止めています。言い換えれば、それほど足元で進行しているインフレが危機感を漂わせているということになります。
想定以上に速いスピードで116円台に乗せてきたドル円ですが、ここからは、これまでのレンジを上抜けして新しいレンジである115−120円に入ったのかどうかを見極める必要があります。もし新たなレンジ入りしたのであれば、上記118円台半ばが目先のターゲットになりますが、さすがにその水準を試すのであれば、さらなるドル買い材料も必要かと思います。WTI原油格も77ドル台まで上昇してきました。また、米長期金利も昨日は1.68%台まで上昇し、1.7%台が視野に入ってきました。昨日書いた「ウィークリーレポート」でも触れましたが、バイロン・ウイーン氏の「びっくり10大予想」では、「米長期金利が2.75%まで上昇」を、その中に入れていました。もちろん、「びっくり」ということで、「奇をてらった」部分はあるでしょうが、同氏によると、「確率は自身が5割以上とみる事象を集めたもの」となっています。今年の「びっくり」はどこまで的を得ていたことになるのでしょうか。
本日のドル円は115円70銭〜116円50銭程度を予想します。NYでは「リスクオン」もそろそろ一旦後退するタイミングも近いと予想しますが、どうでしょうか。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/4 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「私が想定した以上にインフレが高く、かつ根強いため、私は2回の利上げ予想を2022年に前倒しさせた」、「根本的には、新たな高インフレのレジームに入るよりも、過去20年にわたって続いてきた低インフレのレジームに最終的には戻る可能性が高いと確信している」、「しかし、高インフレレジームに陥ることのコストは、低インフレレジームに最終的に戻ることのコストよりも大きくなる可能性が高い」 | -------- |
| 12/23 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレ動向はかなり深刻となっている」、「今後リセッション(景気後退)に陥った後にスタグネーション(停滞)に見舞われるリスクがあり、これから何年間かは困難な局面が懸念される」 | -------- |
| 12/22 | ホルツマン・オーストリア中銀総裁 | 「インフレ率が予想に沿って低下しなければ当局者にとって『警鐘』がなるだろう」、「従来の資産購入プログラムであるAPPを終了すれば、その後の利上げがあるという『非常に強いシグナル』を市場に送ることになる」 | ユーロドル1週間ぶりに1.1342近辺まで上昇。 |
| 12/17 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「米経済が、私の予想通り勢いを増し、新型コロナウイルスを切り抜けるように、1四半期は成長が低迷してもその後は回復するといった状況であれば、来年2、3回の利上げは適切だと思う」 | -------- |
| 12/17 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 米金融政策スタンスを好位置に置くということだ。もちろん、来年のある時点でフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを実際に開始し得るという選択肢を作るという意味もある」、「実際に利上げとなれば、景気サイクルのどの時点にいるかという観点で前向きな展開を示す兆候となろう」 | -------- |
| 12/17 | ウォラー・FRB理事 | テーパリング加速で最も重要な点は、当初よりずっと早い3月にプログラムを終了させることだ。それにより3月の会合で政策金利の変更があり得る。テーパリング加速の意図はそこにある」、「今後入手するデータの内容にもよるが、3月は利上げ開始を決定し得る会合になり得る」、「オミクロン株による深刻な影響が労働市場の改善や失業率の低下を遅らせるようなことがない限り、3月が利上げの開始検討の重要な時期から外れることはない」、「私の見通しでは、3月に利上げを決定する可能性は極めて高い」 | -------- |
| 12/16 | ラガルド・ECB総裁 | 「以前にも述べたように、2022年に利上げする可能性は極めて低い。これは変わっていない」、「インフレ見通しには上振れリスクがある可能性もある」 | ユーロドル下落。 |
| 12/15 | パウエル・FRB議長 | 「10月の雇用統計や7−9月の雇用コスト指数の力強い数値に加え、1990年以来の大幅上昇となった10月のCPIを受けて、CPI発表後の週末に資産購入のテーパリング加速の必要があると認識し、当局としてそのための作業に着手した」 | -------- |
| 12/15 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」、「雇用はこの数カ月堅調に伸びており、失業率は大幅に低下した。パンデミックと経済再生に関連した需給の不均衡は、引き続き高水準のインフレにつながっている」、「経済の道筋はウイルスを巡る状況に引き続き左右されている」 | 株価は大きく上昇。ドル円は113円台後半から114円30銭近辺まで買われる |
| 12/3 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレの数値がどうなるかに左右されるが、私だったら来年4回の利上げを示唆するだろう」、「それは衝撃になるが、衝撃は信頼回復には必要なことだ」 | -------- |
| 12/2 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」、「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」、(資産購入を来年1−3月期に向けて終わらせることは)「われわれの利益にかなう」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



