今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ナスダック続落。米国株下げ止まらず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は欧州市場で114円15銭近辺まで買われたが、NYでは朝方、株価の下落に113円79銭まで売られる。大きな動きはなく113円台後半から114円程度で推移。
  • ユーロドルではドル買いが優勢となり、1.1264近辺までユーロ安に振れる。
  • 株式市場はこの日も乱高下。ダウは朝方800ドルを超える下げを見せたがその後急回復。午後にはプラスに転じたが引けにかけては再びマイナス圏に。
  • 債券は小動き。長期金利は横ばい。
  • 金と原油は上昇。いずれもウクライナ情勢の緊迫化が背景。
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11月FHFA住宅価格指数 → 1.1%
11月ケース・シラ−住宅価格指数 → 18.29%
1月消費者信頼感指数 → 113.8
1月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 8
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ドル/円 113.79 〜 114.06
ユーロ/ドル 1.1269 〜 1.1307
ユーロ/円 128.24 〜 128.78
NYダウ −166.77 → 34,297.73
GOLD +10.80 → 1,852.50ドル
WTI +2.29 → 85.60ドル
米10年国債 +0.002 → 1.769%

本日の注目イベント

  • 日 11月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月17、18日分)
  • 米 12月新築住宅販売件数
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 パウエル議長記者会見
  • 米 企業決算 → テスラ、インテル、ボーイング、AT&T、アボット
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

本日のコメント

「オーバーキル」・・・・。FOMCの結果発表を前に、この言葉が頻繁に市場関係者から聞かれます。明日の朝方に発表されるFOMCでは、3月の利上げ開始はほぼ間違いないようです。問題はその際の上げ幅と、その後の利上げペース。さらにはFRBが保有する資産の縮小開始に関する姿勢が非常に重要であり、注目を集めるところです。インフレ阻止を前面に掲げ、タカ派姿勢を強めるようだと、景気を冷やすことになり、これが「オーバーキル」につながるということのようです。

足元ではインフレの伸びに止まる気配がない一方、発表された経済指標はすでにオミクロン変異株の感染拡大の影響を受けていることを示唆しています。前日発表されたマークイットのPMIでは、コンポジットで前月比「6.2ポイント」低下していました。昨日発表された消費者マインドも「113.8」と、4カ月ぶりの低下となっています。市場の一部で予想されている「0.5%」の引き上げがあるようだと、市場はFRBのインフレに対する並々ならぬ強い意志を感じ取って、利上げ観測がさらに高まりナスダックを中心に株価が一段と下げる可能性があります。市場の見方では「0.25%」の引き上げか、「0.5%」かは五分五分のようですが、個人的には前者ではないかと予想しています。「オーバーキル」に加えて、株価のさらなる下落は個人消費を通じて景気の下振れにつながる恐れがあります。また、オミクロン変異株の感染拡大はピークを過ぎたとはいえ、まだまだ不透明です。さらに、緊迫化しているウクライナ情勢でも軍事衝突の可能性も排除できません。これら外部環境の不透明さを考えると、一気に「0.5%」の引き上げは難しいのではないかというのが見立てです。これまで米株式市場にとって、事あるごとにパウエル議長の言い回しや行動が株価を支えてきた、いわゆる「パウエル・プット」が今回も発揮されるのか非常に注目されます。

バイデン大統領は25日、ロシアがウクライナを侵攻すればプーチン大統領個人に制裁を科すことを検討するだろうと述べました。バイデン政権はNATO部隊を支援するため米軍8500人の派遣を決めましたが、ロシアはウクライナ国境に10万人余りの兵士を集結させているようで、緊張が続いています。

NY州では、新規感染者数が9万人を超えた今月7日のピークから86%減少したと報告されています。一方で死者数と入院者数は依然として高止まりしているようです。専門家の話ではオミクロン変異株の感染拡大は発生後2カ月程度でピークを迎え、減少するといった見方もあるようですが、東京都の昨日の新規感染者数は1万2813人と、過去最多でした。2カ月程度でピークを迎えるとすれば、日本では2月下旬ということになるのでしょうか。

英国のジョンソン首相が窮地に立たされています。ロックダウン中に自身の誕生祝いにパーティーを開くなど、政府の新型コロナウイルス対策規制に違反したとしてロンドン警視庁が正式な捜査を開始したと報じられています。ジョンソン首相に対しては与党の一部議員からも辞任を求める声が上がっており、捜査の進展具合によっては辞任に追い込まれる可能性があるとのことです。

株式市場の喧騒をよそに、ドル円には大きな動きが見られません。一つは米債券市場が予想外に穏やかで、金利に大きな動きが出ていないことが挙げられます。米長期金利は先週19日に1.9%まで上昇した後は1.75−1.8%の範囲で一進一退の動きを見せています。たださすがに明日の朝方のFOMC後には相当荒っぽい動きを見せることが予想されます。ドル円も米金利上昇に支えられているとは言え、株価次第では下値を試す可能性も否定できません。

FOMCの結果発表は明日の朝4時です。それまでは大きな動きはないと見られますが、材料は株価の動きです。本日の日経平均は下げそうですが、昨日は一時2万7000円の大台を下回る場面もありました。買い手不在の中、先物中心に売られる展開が予想されますが、引け値で2万7000円の大台を下回るのかどうかに注目しています。

本日のドル円は113円30銭〜114円50銭程度を予想します。

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明日27日(木)の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせていただきます。ご愛読者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどお願い申し上げます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/20 ラガルドECB総裁 「1年前に想定していたほどではないが、インフレ率は低下するだろう」、(米国とユーロ圏を比較して)「米連邦準備制度について想定し得るほど迅速かつ急激な対応をECBが行わない理由はある。米国のインフレははるかに激しい。もちろん、数字とデータ、事実がその必要性を示せば金融政策で対応する用意がある」 --------
1/20 ブリンケン国務長官 「われわれは重大な岐路に立っている。いかなるものであれロシア軍がウクライナ国境を越え、ウクライナに対して新たな攻撃行為を取る場合には、米軍と同盟国は速やかかつ厳しい、団結した対応を打ち出す。われわれの姿勢は一貫して極めて明確だ」 --------
1/19 イエレン財務長官 「確かにオミクロンは試練であり、今後数カ月のデータに一定の影響を及ぼす可能性が高い」、「しかし、この1世紀でも傑出して力強い景気拡大局面が、これで脱線することはないと確信する」 --------
1/19 バイデン大統領 「物価高が定着しないよう確実にする重要な責務は連邦準備制度に託されている」、「米経済の力強さや最近の物価上昇ペースを踏まえれば、パウエル議長が指摘するように、金融当局がインフレ抑制のため現在の必要に応じて支援を『再調整』することが適切だ」、「連邦準備制度の独立性を私は支持する」 --------
1/18 黒田・日銀総裁 「オミクロン株で物価が2%に近づく可能性は極めて低い」、「利上げ議論は全くしていない」、「必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」 ドル円114円台後半から円売りが強まる。
1/13 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FOMCの予測中央値では今年3回の利上げが見込まれていたが、インフレに関するデータが十分速やかに改善しない場合には4回利上げする可能性がある」 --------
1/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレが望ましい水準より高く、雇用市場が非常に堅調だという現実から導かれる避けようのない論理的結論は、金融引き締めだ」、「データに何ら変化がなければ、3月に0.25ポイントンの利上げが実施されるというのが私の予想だ」、「私は今年に関して3回の0.25ポイント利上げを予想している。インフレが制御されない場合は、4回目の必要性を確信するだろう。ただし、データを見極めなくてはならない」 --------
1/13 ブレイナード・FRB理事 「FOMCは向こう1年間に数回の利上げを予想している」、「資産購入が終了し次第、われわれはそれを行える立場にある。今後1年間、データから何が求められているのかを見ていく必要がある」、「われわれには強力な手段があり、今後インフレ率を押し下げるためそれを活用していく。全国の労働者世帯からインフレに関する声が上がっていることを、しっかり認識している」 株価の下落を後押し。
1/12 ベージュブック 「楽観的な見方は依然として強いが、幾分弱まった、今後6カ月間、経済成長が続くとの明るい見通しを示した企業の割合が低下した。12地区連銀のうち10連銀は、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が活動に影響を及ぼし、労働市場を巡る問題を深刻化させていると報告された」 --------
1/12 ブラード・セントルイス連銀総裁 「実際のところ、現時点ではおそらく2022年に4回利上げすべきだと考えている」、「今年上期に2.3回の利上げを済ませれば、より望ましい状況になるだろう」、「実態経済を混乱させない方法でインフレを制御したいが、中期的に物価上昇率を2%に戻したいとの望みもしっかりと持っている」 --------
1/12 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局は金融市場を混乱させずに出来るだけ速やかにバランスシートを縮小すべきだ。また3月の利上げ開始を支持する」 --------
1/10 ナーゲル・ドイツ連銀総裁 「信頼のためには金融政策が物価安定目標に焦点を絞ることが特に重要だ」、「従って、中央銀行は独立性を維持し、責務を狭義に解釈すべきだ」、「不確実性にもかかわらず、一つだけ明確なことがある。物価安定のために必要であれば、ECB政策委員会は行動し、金融政策の道筋を調整しなければならない」 --------
1/10 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「インフレが制御不可能とならぬようにするため、当局には行動の用意がある。それが私や同僚の発言で人々に伝えるべき最も重要なメッセージだ」 --------
1/10 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「当局が金融緩和解除への道筋を描く中で、早めにバランスシートを自然減少させることが望ましと、私自身は考えている」、「インフレ率が40年ぶりの高水準付近にあり、需要の伸びにも相当な勢いが見られる。また労働市場の引き締まりを示す兆候とリポートの数も多い。そうした状況を踏まえると、現在の極めて緩和的な金融政策スタンスは経済見通しと一致していない」 --------
1/10 パウエル・FRB議長 「時間をかけて利上げを追加で実施する必要があれば、そうする」、「インフレを元に戻すために金融当局のツールを活用する」、「われわれが望むような参加率が高い非常に力強い労働市場を得るには、長期の景気拡大が必要になる」、「長期の景気拡大を実現するには、物価安定が必要になる。高インフレは最大雇用達成への深刻な脅威になると言える」、「バランスシートの規模がかなり大きくなっているため、自然減少も速いペースで可能になる。早く開始し、速いペースで実行するだろう。そこまでははっきりしている」 インフレ抑制に強い意志が示されたとして、株式市場は急反発。債券も買われ、ドル円は下落。
1/7 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「我々が直面しているインフレは不快なほど高い」、「1〜2回の利上げをした後に資産を調整することは考えられる」との見方を示しています。 --------
1/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「FOMCによる3月会合で利上げの開始決定は想定可能だと、当然考えている」、「インフレ圧力は2022年中には和らぐ。サプライチェーンは新型コロナウイルのパンデミックによる打撃を引き続き受ける。その影響は23年になっても根強く残る可能性がある」 --------
1/6 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「現時点で、資産購入の縮小ペースを加速させ始めることは非常に適切だとの感触を得ている」、「FRBNおバランスシート縮小とは極めて異なる議論だ。バランスシート縮小はFF金利誘導目標の正常化を始めた後に実現する」 --------
1/6 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCはインフレの制御を高めるため、早ければ3月会合で利上げを開始することが可能だ」と述べ、「それに続く2022年中の利上げはインフレ動向次第で、前倒しも後ずれもあり得る」、「資産購入は向こう数カ月で終了を迎えるが、FOMCは適切なペースで金融緩和を巻き戻すため、バランスシートの受動的な縮小という選択肢を取ることもあり得る」 債券売り、ドル円上昇にやや影響。
1/5 FOMC議事録 「参加者は概して、経済や労働市場、インフレについての個々の見通しに基づきフェデラル・ファンド(FF)金利を参加者の従来想定よりも早期に、あるいは迅速に引き上げることが正当化される可能性があることに留意した」、「FF金利引き上げ開始後の比較的早い時期に、連邦準備制度のバランスシートの規模を縮小し始めることが適切になり得ると、一部の参加者が留意した」 ナスダックが3.3%など株価は大幅下落。債券も売られ、長期金利は1.71%まで上昇。ドル円は115円台半ばから116円台前半まで買われる。
1/4 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「私が想定した以上にインフレが高く、かつ根強いため、私は2回の利上げ予想を2022年に前倒しさせた」、「根本的には、新たな高インフレのレジームに入るよりも、過去20年にわたって続いてきた低インフレのレジームに最終的には戻る可能性が高いと確信している」、「しかし、高インフレレジームに陥ることのコストは、低インフレレジームに最終的に戻ることのコストよりも大きくなる可能性が高い」 --------
12/23 サマーズ・元財務長官 「インフレ動向はかなり深刻となっている」、「今後リセッション(景気後退)に陥った後にスタグネーション(停滞)に見舞われるリスクがあり、これから何年間かは困難な局面が懸念される」 --------
12/22 ホルツマン・オーストリア中銀総裁 「インフレ率が予想に沿って低下しなければ当局者にとって『警鐘』がなるだろう」、「従来の資産購入プログラムであるAPPを終了すれば、その後の利上げがあるという『非常に強いシグナル』を市場に送ることになる」 ユーロドル1週間ぶりに1.1342近辺まで上昇。
12/17 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が、私の予想通り勢いを増し、新型コロナウイルスを切り抜けるように、1四半期は成長が低迷してもその後は回復するといった状況であれば、来年2、3回の利上げは適切だと思う」 --------
12/17 ウィリアムズ・NY連銀総裁 米金融政策スタンスを好位置に置くということだ。もちろん、来年のある時点でフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを実際に開始し得るという選択肢を作るという意味もある」、「実際に利上げとなれば、景気サイクルのどの時点にいるかという観点で前向きな展開を示す兆候となろう」 --------
12/17 ウォラー・FRB理事 テーパリング加速で最も重要な点は、当初よりずっと早い3月にプログラムを終了させることだ。それにより3月の会合で政策金利の変更があり得る。テーパリング加速の意図はそこにある」、「今後入手するデータの内容にもよるが、3月は利上げ開始を決定し得る会合になり得る」、「オミクロン株による深刻な影響が労働市場の改善や失業率の低下を遅らせるようなことがない限り、3月が利上げの開始検討の重要な時期から外れることはない」、「私の見通しでは、3月に利上げを決定する可能性は極めて高い」 --------
12/16 ラガルド・ECB総裁 「以前にも述べたように、2022年に利上げする可能性は極めて低い。これは変わっていない」、「インフレ見通しには上振れリスクがある可能性もある」 ユーロドル下落。
12/15 パウエル・FRB議長 「10月の雇用統計や7−9月の雇用コスト指数の力強い数値に加え、1990年以来の大幅上昇となった10月のCPIを受けて、CPI発表後の週末に資産購入のテーパリング加速の必要があると認識し、当局としてそのための作業に着手した」 --------
12/15 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」、「雇用はこの数カ月堅調に伸びており、失業率は大幅に低下した。パンデミックと経済再生に関連した需給の不均衡は、引き続き高水準のインフレにつながっている」、「経済の道筋はウイルスを巡る状況に引き続き左右されている」 株価は大きく上昇。ドル円は113円台後半から114円30銭近辺まで買われる
12/3 サマーズ・元財務長官 「インフレの数値がどうなるかに左右されるが、私だったら来年4回の利上げを示唆するだろう」、「それは衝撃になるが、衝撃は信頼回復には必要なことだ」 --------
12/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」、「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」、(資産購入を来年1−3月期に向けて終わらせることは)「われわれの利益にかなう」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和