今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米主要3指数久しぶりの大幅上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は欧州時間朝方に115円68銭まで買われたが、NYでは米長期金利が低下したこともありジリ安の展開。115円16銭まで売られ、安値圏で越週。
  • ユーロドルは小幅に続落し、1.1127まで売られる。
  • 株式市場は3指数が揃って大幅に反発。ダウは564ドル買われ、ナスダックは3%を超える大幅な上昇に。連日の下げに、一時的な底入れ観測も。
  • 債券は続伸。長期金利は1.77%付近まで低下。
  • 金は3日続落。原油は小幅に反発。
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10−12月雇用コスト指数 → 1.0%
12月個人所得 → 0.3%
12月個人支出 → −0.6%
12月PCEデフレーター → 5.8%
12月PCEコアデフレーター → 4.9%
1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 67.2
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ドル/円 115.13 〜 115.63
ユーロ/ドル 1.1127 〜 1.1174
ユーロ/円 128.35 〜 128.83
NYダウ +564.69 → 34,725.47
GOLD −8.40 → 1,786.60ドル
WTI +0.21 → 86.82ドル
米10年国債 −0.026 → 1.769%

本日の注目イベント

  • 日 12月鉱工業生産
  • 日 日銀金融政策決定会合議事録等(2011年7−12月開催分)
  • 独 独1月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
  • 米 1月シカゴ製造業指数
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、オンラインイベントで講演

本日のコメント

先週末の東京市場では日経平均株価が大きく反発したこともあり、ドル円は堅調に推移し、夕方には115円68銭近辺まで買われました。NY市場でのもう一段の上昇も期待されましたが、そこからはじり安の展開でした。堅調に推移したとはいえ、116円台を回復するにはさらなるドル支援材料が不可欠のようです。NY株式市場では久しぶりに3指数が揃って大幅な上昇を見せました。ダウは564ドル上昇し、ナスダックは3%を大きく超える上昇で、連日の下げから値ごろ感の買いが大きく入ったようです。ただ、これで本格的な底入れをしたと多くの投資家は考えておらず、まだまだボラティリティーの高い動きが続き、底値を探る展開が続くと見ているようです。

アトランタ連銀のボスティック総裁は英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)とのインタビューで、インフレ抑制でより積極的なアプローチが必要な場合、政策金利の50bp引き上げを選択することもあり得るとの見解を示しました。同総裁は、自身の予想である3月から計3回の25bp利上げが最も可能性の高いシナリオだとしながらも、「50bpの動きが必要、あるいは適切になるような状況に発展しているとデータが示した場合、私はその方向に傾くだろう。連続した会合での動きが理にかなうなら、それに賛成するだろう」と話しています。今後のデータ次第という条件は付けたものの、FOMCメンバーから50bpの可能性があることに言及したのは初めてのことと思います。因みにFOMCが前回50bpに利上げに踏み切ったのは2000年5月が最後で、それ以降ありません。

先週末に発表された経済指標も、インフレの高進を示すものでした。12月のPCEデフレーターは年率で「5.8%」と、1982年以来、約40年ぶりの高水準でした。またコア指数も「4.9%」と、こちらも1983年以来の高い伸びとなっています。12月の消費者物価指数は39年ぶりの高水準でしたが、FRBはPCEデフレーターをより重視していると言われ、ポスティック総裁の言葉もこの辺りを意識しているものと思われます。またこの日発表された昨年10−12月の雇用コスト指数も通年で20年ぶりの大きさとなっており、労働力確保の点からもコスト高が続き、これが価格に転嫁されることからインフレにつながっていることも確認されています。パウエル議長も先週のFOMC後の会見で、「われわれが目にしている高インフレが長期化したり、一段と加速したりするリスクがある。これらの想定される結果全てに金融政策で対処する態勢になければならない」と述べており、今後オミクロン変異株の感染拡大や株価の下落、さらにはウクライナ情勢などで余程の状況の変化がない限り、3月利上げ開始に始まり、6、9、12月での利上げシナリオは維持される公算が高いと見られます。

依然として緊張が続くウクライナ情勢を巡り、バイデン大統領は近く米軍を東欧に派遣することを表明しています。ジョンソン英首相もプーチン大統領と電話会談をするほか、東欧訪問を計画していると伝えられています。また、フランスのルドリアン外相とドイツのバーアボック外相もロシアへの対応を協議するため2月7−8日にウクライナ政府を訪問することを発表しています。ロシアはウクライナ国境に10万人規模の兵士を集結させていると見られ、緊迫した状況は続いています。

113円台半ばまで売られ、その後115円台半ばまで反発したドル円は、今回の下落局面でも結局日足の重要な雲の下限を完全に抜け切ることなく上昇してきました。今回は米長期金利の上昇が強力な支援になりましたが、同時にユーロドルで大きくドル高が進んだことも影響したとみています。ユーロドルは1.11台前半まで売られ、約1年半ぶりの水準まで売られています。こちらは「雲の下限」を月足まで全て抜け切っており、2020年3月に記録した1.06台を目指す動きになっています。仮にユーロドルがこの水準を試す展開になるようだと、ドル円も再び116円台を回復するものと予想しています。ユーロの動きにも注視したところです。

本日のドル円は114円80銭〜115円60銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/28 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「50bpの動きが必要、あるいは適切になるような状況に発展しているとデータが示した場合、私はその方向に傾くだろう。連続した会合での動きが理にかなうなら、それに賛成するだろう」 --------
1/20 ラガルドECB総裁 「1年前に想定していたほどではないが、インフレ率は低下するだろう」、(米国とユーロ圏を比較して)「米連邦準備制度について想定し得るほど迅速かつ急激な対応をECBが行わない理由はある。米国のインフレははるかに激しい。もちろん、数字とデータ、事実がその必要性を示せば金融政策で対応する用意がある」 --------
1/20 ブリンケン国務長官 「われわれは重大な岐路に立っている。いかなるものであれロシア軍がウクライナ国境を越え、ウクライナに対して新たな攻撃行為を取る場合には、米軍と同盟国は速やかかつ厳しい、団結した対応を打ち出す。われわれの姿勢は一貫して極めて明確だ」 --------
1/19 イエレン財務長官 「確かにオミクロンは試練であり、今後数カ月のデータに一定の影響を及ぼす可能性が高い」、「しかし、この1世紀でも傑出して力強い景気拡大局面が、これで脱線することはないと確信する」 --------
1/19 バイデン大統領 「物価高が定着しないよう確実にする重要な責務は連邦準備制度に託されている」、「米経済の力強さや最近の物価上昇ペースを踏まえれば、パウエル議長が指摘するように、金融当局がインフレ抑制のため現在の必要に応じて支援を『再調整』することが適切だ」、「連邦準備制度の独立性を私は支持する」 --------
1/18 黒田・日銀総裁 「オミクロン株で物価が2%に近づく可能性は極めて低い」、「利上げ議論は全くしていない」、「必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」 ドル円114円台後半から円売りが強まる。
1/13 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FOMCの予測中央値では今年3回の利上げが見込まれていたが、インフレに関するデータが十分速やかに改善しない場合には4回利上げする可能性がある」 --------
1/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレが望ましい水準より高く、雇用市場が非常に堅調だという現実から導かれる避けようのない論理的結論は、金融引き締めだ」、「データに何ら変化がなければ、3月に0.25ポイントンの利上げが実施されるというのが私の予想だ」、「私は今年に関して3回の0.25ポイント利上げを予想している。インフレが制御されない場合は、4回目の必要性を確信するだろう。ただし、データを見極めなくてはならない」 --------
1/13 ブレイナード・FRB理事 「FOMCは向こう1年間に数回の利上げを予想している」、「資産購入が終了し次第、われわれはそれを行える立場にある。今後1年間、データから何が求められているのかを見ていく必要がある」、「われわれには強力な手段があり、今後インフレ率を押し下げるためそれを活用していく。全国の労働者世帯からインフレに関する声が上がっていることを、しっかり認識している」 株価の下落を後押し。
1/12 ベージュブック 「楽観的な見方は依然として強いが、幾分弱まった、今後6カ月間、経済成長が続くとの明るい見通しを示した企業の割合が低下した。12地区連銀のうち10連銀は、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が活動に影響を及ぼし、労働市場を巡る問題を深刻化させていると報告された」 --------
1/12 ブラード・セントルイス連銀総裁 「実際のところ、現時点ではおそらく2022年に4回利上げすべきだと考えている」、「今年上期に2.3回の利上げを済ませれば、より望ましい状況になるだろう」、「実態経済を混乱させない方法でインフレを制御したいが、中期的に物価上昇率を2%に戻したいとの望みもしっかりと持っている」 --------
1/12 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局は金融市場を混乱させずに出来るだけ速やかにバランスシートを縮小すべきだ。また3月の利上げ開始を支持する」 --------
1/10 ナーゲル・ドイツ連銀総裁 「信頼のためには金融政策が物価安定目標に焦点を絞ることが特に重要だ」、「従って、中央銀行は独立性を維持し、責務を狭義に解釈すべきだ」、「不確実性にもかかわらず、一つだけ明確なことがある。物価安定のために必要であれば、ECB政策委員会は行動し、金融政策の道筋を調整しなければならない」 --------
1/10 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「インフレが制御不可能とならぬようにするため、当局には行動の用意がある。それが私や同僚の発言で人々に伝えるべき最も重要なメッセージだ」 --------
1/10 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「当局が金融緩和解除への道筋を描く中で、早めにバランスシートを自然減少させることが望ましと、私自身は考えている」、「インフレ率が40年ぶりの高水準付近にあり、需要の伸びにも相当な勢いが見られる。また労働市場の引き締まりを示す兆候とリポートの数も多い。そうした状況を踏まえると、現在の極めて緩和的な金融政策スタンスは経済見通しと一致していない」 --------
1/10 パウエル・FRB議長 「時間をかけて利上げを追加で実施する必要があれば、そうする」、「インフレを元に戻すために金融当局のツールを活用する」、「われわれが望むような参加率が高い非常に力強い労働市場を得るには、長期の景気拡大が必要になる」、「長期の景気拡大を実現するには、物価安定が必要になる。高インフレは最大雇用達成への深刻な脅威になると言える」、「バランスシートの規模がかなり大きくなっているため、自然減少も速いペースで可能になる。早く開始し、速いペースで実行するだろう。そこまでははっきりしている」 インフレ抑制に強い意志が示されたとして、株式市場は急反発。債券も買われ、ドル円は下落。
1/7 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「我々が直面しているインフレは不快なほど高い」、「1〜2回の利上げをした後に資産を調整することは考えられる」との見方を示しています。 --------
1/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「FOMCによる3月会合で利上げの開始決定は想定可能だと、当然考えている」、「インフレ圧力は2022年中には和らぐ。サプライチェーンは新型コロナウイルのパンデミックによる打撃を引き続き受ける。その影響は23年になっても根強く残る可能性がある」 --------
1/6 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「現時点で、資産購入の縮小ペースを加速させ始めることは非常に適切だとの感触を得ている」、「FRBNおバランスシート縮小とは極めて異なる議論だ。バランスシート縮小はFF金利誘導目標の正常化を始めた後に実現する」 --------
1/6 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCはインフレの制御を高めるため、早ければ3月会合で利上げを開始することが可能だ」と述べ、「それに続く2022年中の利上げはインフレ動向次第で、前倒しも後ずれもあり得る」、「資産購入は向こう数カ月で終了を迎えるが、FOMCは適切なペースで金融緩和を巻き戻すため、バランスシートの受動的な縮小という選択肢を取ることもあり得る」 債券売り、ドル円上昇にやや影響。
1/5 FOMC議事録 「参加者は概して、経済や労働市場、インフレについての個々の見通しに基づきフェデラル・ファンド(FF)金利を参加者の従来想定よりも早期に、あるいは迅速に引き上げることが正当化される可能性があることに留意した」、「FF金利引き上げ開始後の比較的早い時期に、連邦準備制度のバランスシートの規模を縮小し始めることが適切になり得ると、一部の参加者が留意した」 ナスダックが3.3%など株価は大幅下落。債券も売られ、長期金利は1.71%まで上昇。ドル円は115円台半ばから116円台前半まで買われる。
1/4 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「私が想定した以上にインフレが高く、かつ根強いため、私は2回の利上げ予想を2022年に前倒しさせた」、「根本的には、新たな高インフレのレジームに入るよりも、過去20年にわたって続いてきた低インフレのレジームに最終的には戻る可能性が高いと確信している」、「しかし、高インフレレジームに陥ることのコストは、低インフレレジームに最終的に戻ることのコストよりも大きくなる可能性が高い」 --------
12/23 サマーズ・元財務長官 「インフレ動向はかなり深刻となっている」、「今後リセッション(景気後退)に陥った後にスタグネーション(停滞)に見舞われるリスクがあり、これから何年間かは困難な局面が懸念される」 --------
12/22 ホルツマン・オーストリア中銀総裁 「インフレ率が予想に沿って低下しなければ当局者にとって『警鐘』がなるだろう」、「従来の資産購入プログラムであるAPPを終了すれば、その後の利上げがあるという『非常に強いシグナル』を市場に送ることになる」 ユーロドル1週間ぶりに1.1342近辺まで上昇。
12/17 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が、私の予想通り勢いを増し、新型コロナウイルスを切り抜けるように、1四半期は成長が低迷してもその後は回復するといった状況であれば、来年2、3回の利上げは適切だと思う」 --------
12/17 ウィリアムズ・NY連銀総裁 米金融政策スタンスを好位置に置くということだ。もちろん、来年のある時点でフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを実際に開始し得るという選択肢を作るという意味もある」、「実際に利上げとなれば、景気サイクルのどの時点にいるかという観点で前向きな展開を示す兆候となろう」 --------
12/17 ウォラー・FRB理事 テーパリング加速で最も重要な点は、当初よりずっと早い3月にプログラムを終了させることだ。それにより3月の会合で政策金利の変更があり得る。テーパリング加速の意図はそこにある」、「今後入手するデータの内容にもよるが、3月は利上げ開始を決定し得る会合になり得る」、「オミクロン株による深刻な影響が労働市場の改善や失業率の低下を遅らせるようなことがない限り、3月が利上げの開始検討の重要な時期から外れることはない」、「私の見通しでは、3月に利上げを決定する可能性は極めて高い」 --------
12/16 ラガルド・ECB総裁 「以前にも述べたように、2022年に利上げする可能性は極めて低い。これは変わっていない」、「インフレ見通しには上振れリスクがある可能性もある」 ユーロドル下落。
12/15 パウエル・FRB議長 「10月の雇用統計や7−9月の雇用コスト指数の力強い数値に加え、1990年以来の大幅上昇となった10月のCPIを受けて、CPI発表後の週末に資産購入のテーパリング加速の必要があると認識し、当局としてそのための作業に着手した」 --------
12/15 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」、「雇用はこの数カ月堅調に伸びており、失業率は大幅に低下した。パンデミックと経済再生に関連した需給の不均衡は、引き続き高水準のインフレにつながっている」、「経済の道筋はウイルスを巡る状況に引き続き左右されている」 株価は大きく上昇。ドル円は113円台後半から114円30銭近辺まで買われる
12/3 サマーズ・元財務長官 「インフレの数値がどうなるかに左右されるが、私だったら来年4回の利上げを示唆するだろう」、「それは衝撃になるが、衝撃は信頼回復には必要なことだ」 --------
12/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」、「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」、(資産購入を来年1−3月期に向けて終わらせることは)「われわれの利益にかなう」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「インフレ高進が根強く続くリスクが明らかに高まった」、(金融当局の)「政策はそうした状況に合わせて適応してきたし、今後も適応していく」、「現在起きている高インフレが定着しないよう、当局として手段を講じていくことを約束したい」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和