今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年6月16日(火)




おはようございます。



上武大学教授の池田先生のブログによるとプライマリーバランス

(単年度の歳入と歳出の差)を、1.黒字化するには将来消費税を60%以上にまで

引き上げるしか方法がないそうです。

あまりに現実的でないので長期的には、それ以外に次の二つを挙げています。

2.歳出の30%削減→年金給付の削減や特殊法人などの全廃。

3.実質債務の削減→ハイパーインフレあるいは債務不履行の宣言。

そして上記3つはいずれも政治的には困難なため、結局どの政策もとれず

「アルゼンチン化」してしまうのでは、と結んでいました。

専門家から見ると日本の国と地方も借金は常識的にはとても

返せるものではないようです。

このつけは今の若い人,あるいは彼らの子供へとしわ寄せされて

行くことになるわけです。

考えるだけでゾットします。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米経済指標の悪化を受けて為替市場ではこれまでの流れが逆流し、高金利通貨安、 資源国通貨安がすすみ、ドルと円が買われた格好に。
  • また、ロシアのクドリン財務相がドルへの信頼を表明したことからドル買いが強まった。
  • ドル円は積極的な取引不在の中、98円を割り込み97円半ばまで円高が進行。
  • 円高の進行に伴い、ポンド、ユーロ、豪ドルなどこれまで買われてきた通貨が軒並み売られ、 ドル円での円買いを後押し。
  • NY連銀指数を受け、米国株のVIX指数は大幅上昇、ダウは一時200ドルを超えるマイナスを 記録したものの、大引けはマイナス187ドル。
  • 6月NY連銀製造業景気指数 →▼9.41(事前予想を下回る)
  • 6月NAHB住宅市場指数 → 15
  • 金、原油先物価格は続落。

ドル/円97.59 〜 98.30
ユーロ/円134.43 〜 136.23
NYダウ −187.13 → 8,612.13ドル
GOLD −13.20 →  927.50
WTI −1.42 →  70.62ドル
米10年国債 −0.076 → 3.715%


本日の注目点

       
  • 欧   6月独ZEW景況感調査             
  • 欧   5月ユーロ圏消費者物価指数 
  • 欧   BRICS 首脳会議
  • 米   5月住宅着工件数
  • 米   5月建設許可件数
  • 米   5月鉱工業生産                            

昨日の海外市場では先週までと逆の動き、資源国通貨売り、高金利通貨売りが出て、

円買い、ドル買いが進みました。

「ポジションの偏り」が意識された格好になりましたが、きっかけはECBの発表でした。

ECBはユーロ圏の銀行が2010年までに総額2830億ドル(約28兆円)の不良債権処理

が必要との試算を発表しました。

先週にはバルト三国の経済危機から北欧へのエクスポージャーが大きいドイツ、フランスの

金融機関の不良債権問題が噂されましたが、今回、ECBは市場の不安を払拭する狙いから

不良債権処理額の発表に踏み切ったようです。

この結果、ユーロドルは1.39台から1.37台半ばまで200ポイント以上下落、

同様にユーロ円も134円台へと3円以上のユーロ安が進んでいます。

日足のローソクを観ると、ユーロドルに「ヘッドアンドシルダー」が形成され

ユーロドルの下落を示唆しているように思われます。



先週までは円が主要通貨に対して大きく売られてきましたが、昨日のこの欄で指摘したように、

海外市場では巻き戻しが優勢な取引となりました。

ロシアのクドリン財務相はG8財務相会合の閉幕後、ブルームバーグとのインタヴューで

「ドルの代替通貨を議論するのは時期尚早」と語ったことが材料視されました。

加えて、ECBによる不良債権額の発表が「円」以外の通貨でドル買いを誘発させる結果に

なったようです。



米長期金利は先週の4%から落ち着きを取り戻し、300ベーシスポイントほど下げてきました。

このところ言われてように「良い金利上昇」「悪い金利上昇」の観点からすれば

「よい金利下落」と言えるのかもしれません。



さて、本日は欧米で経済指標が目白押しなのと、注目のBRICs首脳会議が行われます。

ロシアの財務相がドルに信頼を寄せているとの報道があったことで多少風向きが

変わりそうな気配はありますが、米ドル債中心の運用からIMF債への移行を

具体的に表明するようだとドル売りに繋がる可能性はあります。

会議終了後に共同声明を予定していることから、その内容には大いに注目です。
                                                                                                                                     
2009年4月(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/4 トリシェECB総裁  ECBの政策金利は現時点では「適正」と述べ、ユーロ圏の経済成長率は「今年末にかけてはマイナス幅が大きく縮小する。」との見通しを示す。(定例理事会後の記者会見で) -----
6/8 クルーグマン プリンストン大学教授  「後から振り返って米国のリセッションの終りが今夏のある時期だったと公式に判定されても驚かないだろう。」と米経済は9月までに景気後退から脱却するとの見方を示した。(ロンドンスクールオブエコノミクスでの講演で で) -----
6/11 ロックハート アトランタ連銀総裁  「準備通貨としてのドルに差し迫った危機はないが、新興市場の成長に対してドルの地位は徐々に弱まる。」講演会で。 で) ドル円97円台から一時98円台半ばへ。
6/11 ルービニ NY大学教授  「準備通貨としてのドルを補完する通貨が浮上するかもしれない。」「いずれドルの役割を低下させるだろう。」アテネでの講演会で。 で) -----
6/13 ガイトナー財務長官  「米国のデフレ懸念は後退した。」世界経済については「依然として潜在成長をかなり下回っている。」イタリアでのG8財務相会合で。 で) -----
6/13 クドリン ロシア財務相  「ドルの代替通貨を議論するのは時期尚早。」G8財務相会合後、ブルームバーグとのインタヴューで。 で) ユーロ、ポンドなどが対ドルで大きく下落。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和