今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年6月18日(木)




おはようございます。



上場一流企業の会長、69歳。

この年齢の役職としてはよくある話で、今後数年は会長職として

会社のかじ取りに専念するのが通常のケースです。

ところが、「僕は勉強と仕事が大嫌いだから、会社に行かずに済むのがうれしい。」

退任するにあたって、記者の質問にこう答えた会長がいいます。

武田国男氏、製薬最大手武田薬品工業の会長です。

何年か前に日経新聞「私の履歴書」でも採り上げられ、興味深く読んだ記憶が

ありますが、来週25日の株主総会で退任し同社の役職から一切身を引くそうです。

もちろん創業家の出身ですから、ややもすると会社との関係を断ち切るのは難しい

ケースもよくありますが、潔い身の引き方に拍手を送りたいと思います。

「もし、武田薬品がおかしな方向にに行きそうになったら、株主として

一言申し上げたい。」と最後に付け加えています。

見事な言葉です。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 5月の消費者物価指数が+0.1%と市場予想を下回り、FRBがフェデラルファンド(FF)金利 の誘導目標を引き下げるとの観測からドルは主要通貨に対して下落。
  • 円は一時95円51銭と2週間ぶりの水準まで買われ、ユーロやポンドに対しても続伸。 ほぼ円全面高の展開に
  • NYダウは小幅ながら3日続落。一時前日比プラスの場面があったものの、勢いはなく7ドル安。 S&Pが米銀18行の格付けを引き下げたことで金融セクターが軟調。
  • オバマ大統領は金融規制改革法案を発表。保険、証券も含めた監視体制を強化し バブルの再発を防ぐ狙い。今回の改革は1930年以来の見直し。
  • 原油価格は在庫が予想以上に減少していたことから再び71ドル台へ。

ドル/円95.51 〜 96.40
ユーロ/円132.35 〜 133.76
NYダウ −7.49 → 8,497.18ドル
GOLD +3.80 →  936.00
WTI +0.56 →  71.03ドル
米10年国債 +0.037 → 3.686%


本日の注目点

       
  • 欧   ECB 定例理事会
  • 欧   EC 首脳会議  
  • 米   週間失業保険申請件数   
  • 米   5月景気先行指数    
  • 米   フィラデルフィア連銀景況指数 
  • 米   ガイトナー長官下院で議会証言                                     

円が95円台半ばまで上昇し2週間ぶりの水準まで買われてきました。

2週間前はこのレベルから米雇用統計での非農業部門雇用者数の減少幅が大幅に

縮小したことで、一気に99円目前までドル高が進みました。

朝7時現在でも95円68銭近辺での動きとなっており、ドル円は下値を試す気配と

なっています。

95円割れがあるのかどうかは、やはり今日の東京株式市場の動き次第です。

日経平均が大きく下落するようだと95円割れも見えてきそうですが、このところの

世界的な株式市場の軟調と商品価格の天井観を考えると、現状ではややドルの下値リスクは

高いと思えます。

クロス円が軒並み円高に振れ、これまでの資源国通貨や高金利通貨を買って円を売る

動きが一気に観られなくなったことも円高傾向に拍車をかけている模様です。

周初に今週の予想レンジを95−100円と観ていましたので、この水準は下限に

なりますが、95円割れまでは「想定内」で、ここから反発することも考えられます。

市場にはFRBによる利上げ観測も依然としてあることから、BNPパリバの通貨アナリストは

17日顧客向けのリポートで「当社は再びドルの買い持ちとすることを推奨している」と

書きしるしています。



オバマ大統領は大恐慌以来となる「金融規制改革法案」を発表しました。

貯蓄貸付組合(S&L)の監督機関である貯蓄機関監督局を廃止し、新しい監督機関の

下に、銀行、保険、証券などを一元的に監視するものです。

新規制案は、住宅ブームを後押しして金融危機を招く要因の1つになった住宅ローン担保証券や、

デリバティブ、幹部報酬なども対象に含み、ヘッジファンドや未公開株投資会社の

監督も新たに図る模様です。

これまで米国は「市場主義」を優先してきたわけですが、今回の金融危機をきっかけに

バブルの再発を未然に防ぐための「規制強化」へと舵を切ったことになります。



市場では未だ明確な方向感が見いだせない中、今週残り2日で、一気に円高傾向へ走り出すのか、

再び95−100円のレンジに戻るのかのトレンドが決まってくる可能性があります。

個人的には後者の立場ですが、市場では円高を唱える立場の人達が多いのも事実です。
                                                                             
2009年4月(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/4 トリシェECB総裁  ECBの政策金利は現時点では「適正」と述べ、ユーロ圏の経済成長率は「今年末にかけてはマイナス幅が大きく縮小する。」との見通しを示す。(定例理事会後の記者会見で) -----
6/8 クルーグマン プリンストン大学教授  「後から振り返って米国のリセッションの終りが今夏のある時期だったと公式に判定されても驚かないだろう。」と米経済は9月までに景気後退から脱却するとの見方を示した。(ロンドンスクールオブエコノミクスでの講演で で) -----
6/11 ロックハート アトランタ連銀総裁  「準備通貨としてのドルに差し迫った危機はないが、新興市場の成長に対してドルの地位は徐々に弱まる。」講演会で。 で) ドル円97円台から一時98円台半ばへ。
6/11 ルービニ NY大学教授  「準備通貨としてのドルを補完する通貨が浮上するかもしれない。」「いずれドルの役割を低下させるだろう。」アテネでの講演会で。 で) -----
6/13 ガイトナー財務長官  「米国のデフレ懸念は後退した。」世界経済については「依然として潜在成長をかなり下回っている。」イタリアでのG8財務相会合で。 で) -----
6/13 クドリン ロシア財務相  「ドルの代替通貨を議論するのは時期尚早。」G8財務相会合後、ブルームバーグとのインタヴューで。 で) ユーロ、ポンドなどが対ドルで大きく下落。
6/16 オバマ大統領  「今われわれがやってることは全て、ウオール街の無謀な行為の後片付けだ。」と金融幹部が痛みを忘れそうなことに警鐘を鳴らした。(ブルームバーグテレビジョンとのインタヴューで。) で) -----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和