今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円再び127円割れを試す」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 荒っぽい動きが続くドル円は129円手前から2円に迫る、127円03銭まで下落。3週間ぶりのドル安を付ける。
  • ドル安の流れが強まったことでユーロドルは大幅に上昇。一時は2週間ぶりとなる1.0608まで反発。
  • 株式市場は下げ止まらずに続落。ダウは236ドル下げ、S&P500と共に年初来安値を連日で更新。
  • 債券は続伸。長期金利は2.77%台まで低下したが、その後持ち直し2.83%台で取り引きを終える。
  • 金と原油は反発。
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新規失業保険申請件数 → 21.8万件
5月フィラデルフィア連銀景況指数 → 2.6
4月中古住宅販売件数 → 561万件
4月景気先行指標総合指数 → −0.3
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ドル/円 127.03 〜 127.91
ユーロ/ドル 1.0517 〜 1.0608
ユーロ/円 133.93 〜 135.43
NYダウ −236.94 → 31,253.13ドル
GOLD +25.30 → 1,841.20ドル
WTI +2.62 → 112.21ドル
米10年国債 −0.047 → 2.837%

本日の注目イベント

  • 日 4月消費者物価指数
  • 日 バイデン大統領来日
  • 独 独4月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月小売売上高

本日のコメント

ドル円の荒っぽい動きは止まりません。昨日の東京市場オープン前には127円90銭近辺までドル売りが進み、株価の大幅下落も予想されたことから、127円台半ばを目指す雰囲気でしたが、直後に発表された日本の4月の貿易収支が相場を押し上げました。結果は9カ月連続の貿易赤字で、輸出も伸びていましたがそれ以上に輸入が増加しており、輸入額は過去最高でした。この発表にドルを買い戻す動きが加速。日経平均株価の大幅な下げを横目に、午後には128円95銭までドル高が進みました。

9カ月連続の貿易赤字は予想されていたことで、その割にはドルの戻しが速いと感じていましたが、欧州市場が参入すると流れが変わり、NYでは米長期金利が大きく低下したことを材料に127円割れ手前までドル売りが進み、結局昨日1日の値幅は1円90銭を超えるものでした。今週に入り、ドル円は神経質な動きを見せながらも下値を徐々に切り下げています。「日足」チャートでは、ローソク足が一目均衡表の「基準線」を下回り、これは今回のドル高が加速した3月7日以来のこととなります。ドル高トレンドはまだ変わっていないとみていますが、「基準線」を下回ったことで、「トレンド転換の予兆」と捉えられることもできなくはなく、注意が必要です。FRBが粛々と利上げを進めることは確実ですが、6月、7月の0.5ポイントの利上げは既に織り込み済みで、ここから再度131円台を目指すには、例えばどちらかの会合で「0.75ポイントの利上げの可能性」が高まるなど、新たなドル支援材料が必要となります。重要なポイントは127円前後の水準です。日足チャートを見れば分かりますが、このレベルは4月6日の下落時に最初にサポートされて以来、昨日で3回目となり、見事に下げ止まっています。相当しっかりとしたサポートラインと見られますが、それだけにここを下抜けした場合、かなりの下落も予想されます。この下方にはストップロスのドル売り注文も集まっているはずです。

カンザスシティー連銀のジョージ総裁は19日CNBCとのインタビューで、「株式市場が大荒れの1週間となっているのは驚きではなく、金融政策の引き締めを一部反映したものだ」と指摘し、「インフレ抑制に向け、複数回の0.5ポイントの利上げを支持する考えは変わらない」と述べています。また総裁は、「現在はインフレ率が高過ぎて、それを下げるために一連の金融調整を行う必要がある」とした上で、「今は0.5ポイントの行動に全く違和感はない」と語っています。インフレ阻止を最優先に掲げているFRBが利上げを行うことで、株式市場が下落することは想定内といった意味合いで、これと同様な考えを、パウエル議長は今週ウォールストリート・ジャーナル主催のイベントでも示しています。議長は、「物価安定を取り戻すには何らかの痛みを伴うこともあるだろう。しかし、強い労働市場を維持できると考えている」と述べています。

バイデン大統領はNATO加盟を申請したスウェーデンとフィンランドの首脳をホワイトハウスに招き、「強く支持する」と表明。ストルテンベルグNATO事務総長も申請が速やかに受け入れられることに期待感を示しました。また米上院はこの日、400億ドル(約5兆1000億円)余りに上るウクライナ支援法案を86対11で可決し、バイデン大統領の署名を経て成立する運びになっています。

今日は週末でもあり、NY株式市場がどのような動きをするのか興味があります。ドルもこの先再度131円台を目指すのであれば、ここが「踏ん張りどころ」でしょう。間もなく、日本の4月のCPIが発表されます。2%に届くようなら、「日銀が金融政策を修正するのではないか」といった観測も浮上し、円が買い戻される可能性もあるかもしれません。

本日のドル円は127円〜128円50銭程度といったところでしょうか。

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ラグビー好きの筆者にとって、非常に懐かしい名前を先週の新聞で見つけました。「シナリ・ラトゥー」・・・かつて大東文化大学で同校を大学ラグビー日本一に押し上げたラガーマンです。同氏が立ち上げたNPO法人が、今年1月、海底火山の大規模噴火と津波の被害を受けた南太平洋の島トンガを支援するため、義援金約3千万円を在日トンガ大使に渡すニュースが紹介されていました。ラトゥーはその後日本代表としても活躍しましたが、確か大学選手権では伝統校の早明を圧倒していた記憶があります。なにしろ、当時としては破格の体格で、タックルに来る相手選手をハンドオフで軽く払いのけ、ラグビーボールを片手で掴み野球ボールを投げるようにパスをし、ボール持って突進したら誰も止められず、ピッチを縦横無尽に走っているような存在でした。しかもこの時はもう一人のトンガからの留学生もいました。ラトゥーが義援金をトンガのマンギシ駐日大使に手渡し、二人で並んで写真に写っていましたが、この大使、驚くほど体格が良く、最初に見た時はどちらがラトゥーか分からない程でした。分かったことは、ラトゥーよりも背丈も横幅も一回りも大きい方が大使でした。ざっと見て、身長は190センチ、体重120キロ以上はあるでしょう。「大使もラグビーをやっていたのですか?」と尋ねたい思いでした。

良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/19 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「株式市場が大荒れの1週間となっているのは驚きではなく、金融政策の引き締を一部反映したものだ」、「インフレ抑制に向け、複数回の0.5ポイントの利上げを支持する考えは変わらない」、「現在はインフレ率が高過ぎて、それを下げるために一連の金融調整を行う必要がある」、「今は0.5ポイントの行動に全く違和感はない」 --------
5/18 イエレン財務長官 「政権の立場から言えることは、われわれは市場が決定する為替レートにコミットしているということだ」と述べ、米金利上昇でドルへの資金流入が勢いづく中、「ドルが上昇しているのは理解できる」 --------
5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「政策金利を米金融当局が経済にとって中立と考える水準をやや上回るまで引き上げ、利上げをそこで打ち止めにしても、インフレを現在の高い水準から減速させるのに役立つと考える」、「引き締めのためにFF金利を常に引き上げる必要はない。引き締めの環境に到達し、そこでしばらく政策を維持することは可能だ」 --------
5/17 ブラード・セントルイス連銀総裁 「次の数会合に0.5ポイントずつの利上げを実施する方向にあるようだと、パウエル議長がこれまでに述べている」、「見通しへのリスクはあり、状況は変わり得るが、今のところわれわれには適切な計画がある」 --------
5/17 パウエル・FRB議長 「われわれが目にしなくてはならないのは、明確かつ納得のいく形でのインフレ低下であり、それを確認するまで取り組みを続けていく」、「そのために広く理解されている中立水準を超えることになるならば、われわれは一切ちゅうちょせずそれを成し遂げる」、「経済は強く、金融緩和の後退や政策引き締めに耐えられる良好な位置につけている」、「物価安定を取り戻すには何らかの痛みを伴うこともあるだろう。しかし、強い労働市場を維持できると考えている」 債券が売られ、長期金利は2.98%台へ急上昇。ドル円は129円台前半から129円台後半まで買われる。
5/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「ウクライナ情勢や中国の『ゼロコロナ』政策は供給制約を悪化させ、さらなるインフレを引き起こしかねない。米国でも非常に高い家賃が物価に反映されるのに時間がかかる。今の物価情勢は上振れリスクが大きい」、(0.75ポイントの利上げの可能性について)「インフレが十分に収まらない事態もあり得るため、0.75%の利上げを含むあらゆる選択肢をテーブルの上に置いておきたい。6月と7月の利上げ幅は0.5%にとどめておくのが妥当だろうが、将来的に0.5%とすることも排除するつもりはない」 --------
5/16 バーナンキ・元FRB議長 「フォワードガイダンスが全体として、インフレ問題へのFRBの対応を遅らせたと考える」、「振り返ってみると、間違いだったと思う。彼らも間違いだったと同意すると思う」、「結果として成長停滞とインフレが同時進行するスタグフレーションの局面に直面する」 --------
5/12 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「50ベーシス・ポイントずつの利上げは私にとってかなり理にかなうもので、現時点の経済には向こう数回の会合でそれを休止する理由は見当たらない」、(0.75ポイントの利上げについては)「第一に考えられているものではない」 大きく下げていた株価が、ほぼ下げを埋める。
5/12 パウエル・FRB議長 (0.75ポイントの利上げは既に検討から外したのか問われ、当局はそうした動きを)「積極的に検討していない」、「経済がほぼ予想通りに推移した場合、今後2回の会合では0.5ポイントの追加利上げが適切だろう」 --------
5/11 ラガルド・ECB総裁 「ECBが金利に関するフォワードガイダンスで伝えているように、初回の利上げは純資産購入の終了からしばらく後で行われる」「『しばらく』の概念をECBはまだ正確に定義していないが、わずか数週間を意味することもあり得ると私自身これまで極めて明確にしてきた」 --------
5/11 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「われわれは、もはや緩和策とはならない中立の領域にまで政策金利を引き上げていく。インフレが高すぎる水準にとどまった場合、私はさらなる行動を支持するだろう。高すぎる水準とは、当局目標の2%に向けて戻っていかないような状況だ」 --------
5/10 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が『ソフトランディング』を考える場合、『それは潜在成長率を下回る成長がしばらく続く可能性がある。失業率が幾分か上昇することも確実にあり得るが、大幅に上昇するわけではない』という状況だ」、「私は失業率が3.6%にとどまっている状況をソフトランディングとは定義しない。インフレが鈍化しつつあり、同時に健全かつ力強い労働市場を真の意味で維持している状況が、ソフトランディングと定義されよう」 --------
5/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「今後2会合での50ベーシス・ポイント利上げは完全に妥当だと考える。その後、加速させる必要があるかどうかを見極める必要性が出て来るだろう。需要が予想より速いペースで減速すれば、少し減速させることも可能かもしれない」、「永遠に75bpの利上げを排除するのではない。今後後半のしかるべき時点でインフレが下がっていなければ、スピードを上げる必要があるかもしれない」 ドル円は小幅に上昇。NYダウ下落の引き金に。
5/9 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「米国民が払っている物価は高すぎる」と述べ、その理由として「労働力の供給が予想していたほど速いペースで回復していないことや、個人消費が貯蓄ではなく現行の収入で賄われているとみられる」 --------
5/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (0.5ポイントの利上げは)「既にかなり積極的だ」、「さらに積極的に動く必要があるとは思わない。このペース、この歩調を維持し、市場がどのような展開をたどるかを見極めることは可能だ」、「優先事項として私の念頭にあるのはインフレ率があまりに高水準であるということであり、われわれは決然と、また明確な意図を持ってその抑制に向けて行動する必要がある」 --------
5/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (0.75ポイントの利上げの可能性に関する質問に)、「私は何も排除しない。あらゆることが検討議題になるだろう」、「われわれのペースはかなり加速していることだけは言っておこう」 --------
5/4 パウエル・FRB議長 「インフレはずいぶんと高すぎる、それがもたらしている困難をわれわれは理解しており、インフレを押し下げるべく迅速に行動している」と説明し、「委員会は次の2会合において0.5ポイントの追加利上げを議題にすべきだとの認識が広く見られる」、(0.75ポイントの利上げについては)、「委員会は積極的に検討していない」 株価は大幅高。債券も買われ、ドル円は130円台から128円台半ばへ急落。
4/28 黒田・日銀総裁 「これまで通り粘り強く金融緩和を継続する」(指し値オペを毎日実施するのは)、「市場の憶測を払拭し、不安定性を減らす」、(物価上昇について)、「米国が利上げに動くのは、物価上昇が約40年ぶりの高水準になっているためだ。日本も資源高の影響で22年度は一旦2%程度まで高まるとみているが、23年度は1.1%程度まで再び落ち込む」 ドル円130円台に乗せ、その後の131円25銭まで大きく上昇。
4/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「金融政策は市場の期待や動きを通じて経済に伝わっていくことを常に念頭に置いておきたい」、「75ベーシス・ポイントの衝撃よりも、こうした整然としたアプローチを私が支持するのはそれが理由だ。われわれの政策でやろうとしていることにおいて、それは必要ではないと考える」 --------
4/22 サンジャヤ・パンス・IMFアジア大洋局副局長 「通貨を安定させるための介入は、市場が無秩序になり始めた時に実施すべきだ。円相場はかなりの速さで動いているが、市場は円滑に機能している。ファンダメンタルズを反映した形で動いている。無秩序になっていないのだから安定させようとする必要はない」、(金融緩和政策を見直す必要はないかとの質問に)、「変更する必要はない。今後数カ月間は燃料費の上昇や携帯電話料金の引き下げの影響が消えることでインフレ率が一時的に上昇するが、また下がると考える。2%の目標を持続的に考えていくまで、金融政策の変更は勧めない」 --------
4/22 黒田・日銀総裁 「日銀は2%の物価目標の安定的な達成に向け、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」 ドル円は128円台半ばから129円11銭まで急上昇。
4/21 デーリー・サンフランシスコ連銀の総裁 「金融当局は迅速に行動し、年末までに経済を抑制も促進もしない中立水準に政策金利を引き上げるべきだ」 --------
4/21 パウエル・FRB議長 「5月会合では0.5ポイントが選択視に入るだろう」、「インフレ率を2%に戻すべく金融政策手段を活用することに、われわれは全力で取り組んでいる」、(適切な場合に)「前倒しで働くという考えには何か感じるものがある」、「それは0.5ポイントを選択肢とする方向を示している」、「労働者にとっては極めて良好な労働市場だ。供給と需要のバランスを改善し、より良い環境にするのがわれわれの仕事だ」 長期金利が一時2.95%まで上昇。ドル円も128円台前半から128円70銭まで買われる。
4/19 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「中立水準を超えていきたいと実際に表明することに二の足を踏む1つの理由は、経済環境から正当化されるよりも多く利上げする可能性があるためだ」、「前に進む際に間違いなく慎重になる必要があることを示すサインだ」(インフレが予想通り抑制されない場合に0.75ポイントの利上げが必要になる可能性があるとセントルイス連銀のブラード総裁が発言したことに同意するかと問われ)「いかなる行動も実際には可能だが、それは現時点では私の念頭にはない」 --------
4/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCが複数回の0.5ポイントの利上げで年内の政策金利を3.5%前後に早急に引き上げる必要がある」、「0.75ポイントの利上げも排除しない」、(グリーンスパンFRB議長時代の1994年にもそうした利上げはあり)、「その可能性を排除しない」 --------
4/18 黒田・日銀総裁 「かなり急激な為替の変動のため、企業の事業計画の策定に困難を来す恐れがあるという意味で、マイナスを考慮しなければならない」、「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」、「より注意して見ていく必要がある」 ドル円126円60銭辺りから126円25銭まで下げる。
4/14 ラガルド・ECB総裁 「インフレ見通しが上振れするリスクは短期を中心に増した」、「現在の不確実性に強く留意しており、中期的インフレ見通しへの影響に関して今後のデータを注視していく」と語っており、利上げは資産購入終了の「1週間後かもしれないし、数カ月後かもしれない」 ユーロドルが売られ、1.0758までユーロ安が進む。
4/14 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「FF金利は現在非常に低いことから、妥当な選択肢だと考えられる」とし、「政策をより中立に近い水準へと戻す必要がある」、「われわれはインフレ率を中長期の目標である2%以下に低下させることに集中する必要がある。向こう数年で2%に戻されなければならない。それが最重要課題だ。経済が力強いことが原因だと考えられる」、「よって金融政策の観点から見て、より正常なFF金利の水準に向けてわれわれが迅速に動くことは理にかなっている」 米長期金利2.83%近辺まで上昇。ドル円は125円台半ばから126円に乗せる。
4/13 黒田・日銀総裁 「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を目指す」 ドル円、125円台半ばから126円32銭まで急上昇。
4/12 ブレイナード・FRB理事 (バランスシートに関する決定は)「5月にも下され、6月にバランスシート縮小が開始される可能性がある」、(利上げを具体的にどのようなペースで進めるのが適切かについては)「あまりそのことに重点を置きたくない」、「複合的な効果により、年内には速やかに政策スタンスがより中立的なものになる」 プラス圏で推移していたダウ、ナスダックが下落。ドル円は124円台後半から125円台前半に上昇する。
4/11 ウォーラー・FRB理事 「利上げは経済をたたくハンマーとなり得る『力ずくの手段』であり、米金融当局はその『付随的損害』を回避できるよう全力を尽くしている」 --------
4/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 「5月3、4日両日に開かれる次回FOMC会合で0.5ポイントの利上げを検討する価値があるのは明らかだ」、「その可能性はおそらく極めて高いとさえ言える」、(FRBが政策金利を中立水準まで引き上げる必要がある。それには)「今年9回分程度の利上げが必要になるが、毎会合0.25ポイントずつ利上げするだけでは到達できない」 株価は大きく下落。債券も売られ長期金利は2.79%台まで上昇。ドル円は125円台前半から125円77銭までドル高が進行。
4/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレ率は今年も来年も2%を超えると思うが、鈍化の軌道になるだろう」、 「金融政策の引き締めのなかでも米経済はリセッション入りを回避すると確信しているものの、インフレ率は来年にかけて2%を上回る水準が続く公算が大きい」(リセッションのリスクが高まると見ているが)、「困難であるが、われわれには出来る」 --------
4/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCが今年下期に政策金利を3−3.25%に引き上げることが望ましいと考える」、「直面するインフレに対応するため、われわれは政策金利を適切な水準にすべく、直ちに動く必要がある」 --------
4/7 野口・日銀審議委員 「経済全体としてメリットとデメリットを比較すると、現状では円安のプラス面の方が大きい」と述べています。た(エネルギー価格の上昇は、輸入にほぼ依存する日本にとって)「交易条件の悪化をもろに被り、経済全体の下押し圧力になる」、「為替の問題とは切り離して考える必要がる」 --------
4/6 イエレン・財務長官 「罪のないウクライナ市民に対するブチャでの残虐行為を含めロシアの行動は非難に値する。ルールに基づく世界秩序への容認できない侮辱だ。世界的に経済への甚大な影響があるだろう」、「ロシアが参加する限り、われわれは数々の会合に出席しない方針だとインドネシアに明確に伝えた」、「中国が台湾に対する攻撃に動いた場合、バイデン政権として中国にあらゆる制裁手段を使う用意がある」、(対ロシア制裁で明らかになったように、侵略的な国家に多大な苦痛を強いることが米国は)「可能であることが示された」 --------
4/6 FOMC議事録 「参加者は総じて、米国債で月額600億ドル程度、MBSで同350億ドル程度を上限とすることが適切になりそうだとの見解で一致した」、「参加者はまた、市場環境から見て妥当と判断される場合は縮小規模の上限を3カ月ないし、それよりやや長い期間をかけて段階的に導入し得るとの認識でもおおむね一致した」、「特にインフレ圧力の強い状態が続く、ないしはさらに強まった場合、今後の会合でFF金利誘導目標レンジの0.5ポイント引き上げを1回以上行うことが適切になり得ると、多くの参加者が認識した」 株価が大きく下げ債券は売られ、長期金利は2.66%近辺まで一段と上昇。
4/5 オーストラリア準備銀行(RBA) 「忍耐強い対応を続ける」との表現が消え、「豪州のインフレ率は他の多くの国々よりも低い水準にとどまる」、「インフレは勢いを増しており、さらなる加速が予想される」、「力強い雇用の伸びが継続する兆しがある」、「賃金の上昇は引き続き緩やかと予想」 豪ドル円92円台前半から93円台まで上昇。
4/5 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「50ベーシスポイントは、われわれが他の事とともに検討しなければならない選択肢の一つだと思う」、「この金融緩和を解除する課程で、非常に慎重かつ意図を持って行う必要がある。バランスシートが政策金利の上昇とともに同推移するかを考えることを、私は重視している」 --------
4/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「金利は上昇しつつあるものの、歴史的基準から見て比較的低い軌道上になおある」 --------
4/5 ブレイナード・FRB理事 「一連の利上げを通じて整然と、また早ければ5月の会合で急速なペースでのバランスシート縮小を開始することで、金融政策の引き締めを続ける」、「過去の景気サイクルと比べて回復がかなり力強く、かつ速いスピードで進んでいることを踏まえれば、バランスシートは過去の回復局面よりもかなり急速なペースで縮小すると想定する。2017−19年と比較して縮小額の上限がかなり大きくなるほか、縮小期間も大幅に短くなる」、「現時点において、インフレは高すぎる状況で、上振れリスクにさらされている。インフレやインフレ期待の指標で正当化されれば、FOMCには一段と強力な行動を取る用意がある」 債券は大幅下落。長期金利が2.56%台まで上昇し、ドル円は122円半ばから123円台半ばまで上昇。株価は3指数が揃って大幅な下げに。
4/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金利をもっと正常ないし中立的な水準に引き上げなければならないのは明らかだが、直ちにそこに到達する必要があるかと問えば、答えはノーだ。それは一連のステップを通じて実行可能だ」 --------
4/1 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「今から次回の会合までにネガティブサプライズがないとすれば、0.5ポイントの論拠は強まっている」、「そうした早期の調整を行うのが適切になるとの確信を私は強めている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和