今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「2会合で0.5ポイントの利上げで一致。FOMC議事録」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は127円台を回復し、127円49銭まで反発。FOMC議事録では目新しい内容は見られず、株価が上昇したことでリスクオンの流れから円が売られた。
  • ユーロドルは反落。前日の1.07台半ばから1.0642までユーロ売りが進む。
  • 株式市場ではダウが191ドル上昇し、4日続伸。ナスダックとS&P500も反発。
  • 債券は横ばい。長期金利は2.74%台で推移。
  • 金は反落し、原油は反発。
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4月耐久財受注 → 0.4%
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ドル/円 126.80 〜 127.49
ユーロ/ドル 1.0642 〜 1.0694
ユーロ/円 134.99 〜 136.15
NYダウ +191.66 → 32,120.28ドル
GOLD −19.10 → 1,846、30ドル
WTI +0.56 → 110.30ドル
米10年国債 −0.005 → 2.745%

本日の注目イベント

  • トルコ トルコ中銀、政策金利発表
  • 米   1−3月GDP(改定値)
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   4月中古住宅販売成約件数
  • 米   イエレン財務長官、対中政策についてスピーチ
  • 加   カナダ3月小売売上高

本日のコメント

今月3−4日に開催されたFOMCでは、今後2会合で0.5ポイントずつの利上げが必要だとの認識で大部分のメンバーが一致していたことが、公表された議事録で明らかになりました。議事録では、「向こう2回の会合で0.5ポイントずつの利上げを行うことが適切となる公算が大きいだろうと、大部分の参加者が判断した」と記されており、また「政策緩和の解除を早めれば、委員会は年内において、政策引き締めの効果、および経済の展開が政策調整をどの程度正当化したかを見極める上で良い位置につけることが出来ると、多くの参加者が判断した」としていました。ただ少数意見だったようですが、急速な利上げが金融市場へ与える影響を懸念する声もあったようで、議事録は「金融安定に関する問題に言及した幾人かの参加者は、金融引き締めが米国債券市場の流動性や民間部門の仲介能力に絡む脆弱性と相互作用を起こす可能性を指摘した」と記されていました。

5月会合では0.5ポイントの大幅利上げが実施されたこともあり、市場はどのような議論が交わされたのか注目していました。中には、「タカ派的」な意見もあったのではと警戒感もありましたが、蓋を開けてみたらサプライズはなく、株式市場では「安心感」から株価が上昇。ダウは4日続伸し、3万2000ドルの大台を回復してきました。前日126円台半ばまで売られたドル円も127円台を回復し、127円49銭まで反発しています。株価の上昇からややリスクオンが進んだことで、円が売られたようです。127円という、これまでの重要なサポートを割り込んだことで、126円37銭までドルが急落しましたが、昨日はひとまず反発したことでドルロングの投資家は胸を撫でおろしたことと思います。しかしまだ安心は出来ません。ドルの上値は依然として重く、米長期金利も同様な動きを見せています。127円前後は重要なレベルでしたが、もっと重要なのが125円前後です。この水準は4月13日以降、一度も割り込んでおらず、一目均衡表(日足)でも、現在雲の上限が125円19銭辺りに位置しており、ここから「抵抗帯」があることを示しています。筆者は「相場の基準は日足にある」と考えており、その意味からも上記「抵抗帯」を割り込んだら、相場は転換したと判断出来るのではないかと思います。ドル円はまだ上昇し130円台を目指す可能性があると考えていますが、それには昨日のNYのように株価が大きく反発し、リスクオンが強まるか、あるいは、今後発表されるインフレ指標が上振れし、9月会合でも0.5ポイントの利上げが必要との見方が強まる、といった「支援材料」が不可欠です。

中国の李克強首相は、地方当局や国有企業、金融機関と景気について協議を行い、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った2020年よりも幾つかの側面で悪化しているとの見方を示し、「中国の経済統計は著しく悪化している。厳しさは幾つかの側面において、またある程度において、パンデミックの打撃を受けた2020年よりも深刻だ」と述べています。(ブルームバーグ)「ゼロコロナ」を目指す習近平国家主席の号令の下、北京や上海では徹底した新型コロナウイルスの封じ込めが実施されています。個人や家庭のプライバシーも脅かされる状況に、国民の怒りを買っているとの報道もあります。上海ではロックダウン解除も決まっているようですが、感染状況次第では中国の「ゼロコロナ」戦略が今後、世界経済のリスク要因になる可能性もありそうです。

本日のドル円は126円60銭〜127円90銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/25 FOMC議事録 「向こう2回の会合で0.5ポイントずつの利上げを行うことが適切となる公算が大きいだろうと、大部分の参加者が判断した」、「政策緩和の解除を早めれば、委員会は年内において、政策引き締めの効果、および経済の展開が政策調整をどの程度正当化したかを見極める上で良い位置につけることが出来ると、多くの参加者が判断した」、「金融安定に関する問題に言及した幾人かの参加者は、金融引き締めが米国債券市場の流動性や民間部門の仲介能力に絡む脆弱性と相互作用を起こす可能性を指摘した」 株式市場に安心感を与え、3指数が揃って上昇。ドル円は126円台後半から127円台半ばへ上昇。
5/24 ビルドワドガロー・仏中銀総裁 「0.5ポイント利上げは現時点でECBのコンセンサスに含まれていない。これを明白にしておく」と述べ、「金融政策の正常化であって引き締めではない。利上げは漸進的なものになる」 --------
5/23 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「今後2回のFOMC会合で政策金利をいずれも0.5ポイントずつ引き上げた後、9月に利上げをいったん停止する可能性がある」、「インフレが現在とは違う方向に展開し始めた場合は、より積極的に動くことにオープンでなければならないだろう。検討対象から解除しているものは何もないことを明確にしておきたい」 --------
5/21 ラガルド・ECB総裁 「7−9月初めに資産購入を終了した後で、われわれはその後ある時点で利上げを行い、それは数週間後かもしれない」と、(0.5ポイントの利上げに関しては)、「現時点で何か言えることではない」 --------
5/20 黒田・日銀総裁 「物価上昇の要因は、国際商品市況を中心とした輸入物価の上昇であり、交易条件の悪化によって国民所得が流出し、経済を下押しする」、「マイナス金利を含む現行のYCC政策を軸とした強力な金融緩和策を粘り強く続け、経済の回復をしっかりサポートすることが重要だ」 --------
5/19 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「株式市場が大荒れの1週間となっているのは驚きではなく、金融政策の引き締を一部反映したものだ」、「インフレ抑制に向け、複数回の0.5ポイントの利上げを支持する考えは変わらない」、「現在はインフレ率が高過ぎて、それを下げるために一連の金融調整を行う必要がある」、「今は0.5ポイントの行動に全く違和感はない」 --------
5/18 イエレン財務長官 「政権の立場から言えることは、われわれは市場が決定する為替レートにコミットしているということだ」と述べ、米金利上昇でドルへの資金流入が勢いづく中、「ドルが上昇しているのは理解できる」 --------
5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「政策金利を米金融当局が経済にとって中立と考える水準をやや上回るまで引き上げ、利上げをそこで打ち止めにしても、インフレを現在の高い水準から減速させるのに役立つと考える」、「引き締めのためにFF金利を常に引き上げる必要はない。引き締めの環境に到達し、そこでしばらく政策を維持することは可能だ」 --------
5/17 ブラード・セントルイス連銀総裁 「次の数会合に0.5ポイントずつの利上げを実施する方向にあるようだと、パウエル議長がこれまでに述べている」、「見通しへのリスクはあり、状況は変わり得るが、今のところわれわれには適切な計画がある」 --------
5/17 パウエル・FRB議長 「われわれが目にしなくてはならないのは、明確かつ納得のいく形でのインフレ低下であり、それを確認するまで取り組みを続けていく」、「そのために広く理解されている中立水準を超えることになるならば、われわれは一切ちゅうちょせずそれを成し遂げる」、「経済は強く、金融緩和の後退や政策引き締めに耐えられる良好な位置につけている」、「物価安定を取り戻すには何らかの痛みを伴うこともあるだろう。しかし、強い労働市場を維持できると考えている」 債券が売られ、長期金利は2.98%台へ急上昇。ドル円は129円台前半から129円台後半まで買われる。
5/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「ウクライナ情勢や中国の『ゼロコロナ』政策は供給制約を悪化させ、さらなるインフレを引き起こしかねない。米国でも非常に高い家賃が物価に反映されるのに時間がかかる。今の物価情勢は上振れリスクが大きい」、(0.75ポイントの利上げの可能性について)「インフレが十分に収まらない事態もあり得るため、0.75%の利上げを含むあらゆる選択肢をテーブルの上に置いておきたい。6月と7月の利上げ幅は0.5%にとどめておくのが妥当だろうが、将来的に0.5%とすることも排除するつもりはない」 --------
5/16 バーナンキ・元FRB議長 「フォワードガイダンスが全体として、インフレ問題へのFRBの対応を遅らせたと考える」、「振り返ってみると、間違いだったと思う。彼らも間違いだったと同意すると思う」、「結果として成長停滞とインフレが同時進行するスタグフレーションの局面に直面する」 --------
5/12 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「50ベーシス・ポイントずつの利上げは私にとってかなり理にかなうもので、現時点の経済には向こう数回の会合でそれを休止する理由は見当たらない」、(0.75ポイントの利上げについては)「第一に考えられているものではない」 大きく下げていた株価が、ほぼ下げを埋める。
5/12 パウエル・FRB議長 (0.75ポイントの利上げは既に検討から外したのか問われ、当局はそうした動きを)「積極的に検討していない」、「経済がほぼ予想通りに推移した場合、今後2回の会合では0.5ポイントの追加利上げが適切だろう」 --------
5/11 ラガルド・ECB総裁 「ECBが金利に関するフォワードガイダンスで伝えているように、初回の利上げは純資産購入の終了からしばらく後で行われる」「『しばらく』の概念をECBはまだ正確に定義していないが、わずか数週間を意味することもあり得ると私自身これまで極めて明確にしてきた」 --------
5/11 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「われわれは、もはや緩和策とはならない中立の領域にまで政策金利を引き上げていく。インフレが高すぎる水準にとどまった場合、私はさらなる行動を支持するだろう。高すぎる水準とは、当局目標の2%に向けて戻っていかないような状況だ」 --------
5/10 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「私が『ソフトランディング』を考える場合、『それは潜在成長率を下回る成長がしばらく続く可能性がある。失業率が幾分か上昇することも確実にあり得るが、大幅に上昇するわけではない』という状況だ」、「私は失業率が3.6%にとどまっている状況をソフトランディングとは定義しない。インフレが鈍化しつつあり、同時に健全かつ力強い労働市場を真の意味で維持している状況が、ソフトランディングと定義されよう」 --------
5/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「今後2会合での50ベーシス・ポイント利上げは完全に妥当だと考える。その後、加速させる必要があるかどうかを見極める必要性が出て来るだろう。需要が予想より速いペースで減速すれば、少し減速させることも可能かもしれない」、「永遠に75bpの利上げを排除するのではない。今後後半のしかるべき時点でインフレが下がっていなければ、スピードを上げる必要があるかもしれない」 ドル円は小幅に上昇。NYダウ下落の引き金に。
5/9 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「米国民が払っている物価は高すぎる」と述べ、その理由として「労働力の供給が予想していたほど速いペースで回復していないことや、個人消費が貯蓄ではなく現行の収入で賄われているとみられる」 --------
5/9 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (0.5ポイントの利上げは)「既にかなり積極的だ」、「さらに積極的に動く必要があるとは思わない。このペース、この歩調を維持し、市場がどのような展開をたどるかを見極めることは可能だ」、「優先事項として私の念頭にあるのはインフレ率があまりに高水準であるということであり、われわれは決然と、また明確な意図を持ってその抑制に向けて行動する必要がある」 --------
5/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (0.75ポイントの利上げの可能性に関する質問に)、「私は何も排除しない。あらゆることが検討議題になるだろう」、「われわれのペースはかなり加速していることだけは言っておこう」 --------
5/4 パウエル・FRB議長 「インフレはずいぶんと高すぎる、それがもたらしている困難をわれわれは理解しており、インフレを押し下げるべく迅速に行動している」と説明し、「委員会は次の2会合において0.5ポイントの追加利上げを議題にすべきだとの認識が広く見られる」、(0.75ポイントの利上げについては)、「委員会は積極的に検討していない」 株価は大幅高。債券も買われ、ドル円は130円台から128円台半ばへ急落。
4/28 黒田・日銀総裁 「これまで通り粘り強く金融緩和を継続する」(指し値オペを毎日実施するのは)、「市場の憶測を払拭し、不安定性を減らす」、(物価上昇について)、「米国が利上げに動くのは、物価上昇が約40年ぶりの高水準になっているためだ。日本も資源高の影響で22年度は一旦2%程度まで高まるとみているが、23年度は1.1%程度まで再び落ち込む」 ドル円130円台に乗せ、その後の131円25銭まで大きく上昇。
4/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「金融政策は市場の期待や動きを通じて経済に伝わっていくことを常に念頭に置いておきたい」、「75ベーシス・ポイントの衝撃よりも、こうした整然としたアプローチを私が支持するのはそれが理由だ。われわれの政策でやろうとしていることにおいて、それは必要ではないと考える」 --------
4/22 サンジャヤ・パンス・IMFアジア大洋局副局長 「通貨を安定させるための介入は、市場が無秩序になり始めた時に実施すべきだ。円相場はかなりの速さで動いているが、市場は円滑に機能している。ファンダメンタルズを反映した形で動いている。無秩序になっていないのだから安定させようとする必要はない」、(金融緩和政策を見直す必要はないかとの質問に)、「変更する必要はない。今後数カ月間は燃料費の上昇や携帯電話料金の引き下げの影響が消えることでインフレ率が一時的に上昇するが、また下がると考える。2%の目標を持続的に考えていくまで、金融政策の変更は勧めない」 --------
4/22 黒田・日銀総裁 「日銀は2%の物価目標の安定的な達成に向け、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」 ドル円は128円台半ばから129円11銭まで急上昇。
4/21 デーリー・サンフランシスコ連銀の総裁 「金融当局は迅速に行動し、年末までに経済を抑制も促進もしない中立水準に政策金利を引き上げるべきだ」 --------
4/21 パウエル・FRB議長 「5月会合では0.5ポイントが選択視に入るだろう」、「インフレ率を2%に戻すべく金融政策手段を活用することに、われわれは全力で取り組んでいる」、(適切な場合に)「前倒しで働くという考えには何か感じるものがある」、「それは0.5ポイントを選択肢とする方向を示している」、「労働者にとっては極めて良好な労働市場だ。供給と需要のバランスを改善し、より良い環境にするのがわれわれの仕事だ」 長期金利が一時2.95%まで上昇。ドル円も128円台前半から128円70銭まで買われる。
4/19 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「中立水準を超えていきたいと実際に表明することに二の足を踏む1つの理由は、経済環境から正当化されるよりも多く利上げする可能性があるためだ」、「前に進む際に間違いなく慎重になる必要があることを示すサインだ」(インフレが予想通り抑制されない場合に0.75ポイントの利上げが必要になる可能性があるとセントルイス連銀のブラード総裁が発言したことに同意するかと問われ)「いかなる行動も実際には可能だが、それは現時点では私の念頭にはない」 --------
4/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCが複数回の0.5ポイントの利上げで年内の政策金利を3.5%前後に早急に引き上げる必要がある」、「0.75ポイントの利上げも排除しない」、(グリーンスパンFRB議長時代の1994年にもそうした利上げはあり)、「その可能性を排除しない」 --------
4/18 黒田・日銀総裁 「かなり急激な為替の変動のため、企業の事業計画の策定に困難を来す恐れがあるという意味で、マイナスを考慮しなければならない」、「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」、「より注意して見ていく必要がある」 ドル円126円60銭辺りから126円25銭まで下げる。
4/14 ラガルド・ECB総裁 「インフレ見通しが上振れするリスクは短期を中心に増した」、「現在の不確実性に強く留意しており、中期的インフレ見通しへの影響に関して今後のデータを注視していく」と語っており、利上げは資産購入終了の「1週間後かもしれないし、数カ月後かもしれない」 ユーロドルが売られ、1.0758までユーロ安が進む。
4/14 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「FF金利は現在非常に低いことから、妥当な選択肢だと考えられる」とし、「政策をより中立に近い水準へと戻す必要がある」、「われわれはインフレ率を中長期の目標である2%以下に低下させることに集中する必要がある。向こう数年で2%に戻されなければならない。それが最重要課題だ。経済が力強いことが原因だと考えられる」、「よって金融政策の観点から見て、より正常なFF金利の水準に向けてわれわれが迅速に動くことは理にかなっている」 米長期金利2.83%近辺まで上昇。ドル円は125円台半ばから126円に乗せる。
4/13 黒田・日銀総裁 「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を目指す」 ドル円、125円台半ばから126円32銭まで急上昇。
4/12 ブレイナード・FRB理事 (バランスシートに関する決定は)「5月にも下され、6月にバランスシート縮小が開始される可能性がある」、(利上げを具体的にどのようなペースで進めるのが適切かについては)「あまりそのことに重点を置きたくない」、「複合的な効果により、年内には速やかに政策スタンスがより中立的なものになる」 プラス圏で推移していたダウ、ナスダックが下落。ドル円は124円台後半から125円台前半に上昇する。
4/11 ウォーラー・FRB理事 「利上げは経済をたたくハンマーとなり得る『力ずくの手段』であり、米金融当局はその『付随的損害』を回避できるよう全力を尽くしている」 --------
4/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 「5月3、4日両日に開かれる次回FOMC会合で0.5ポイントの利上げを検討する価値があるのは明らかだ」、「その可能性はおそらく極めて高いとさえ言える」、(FRBが政策金利を中立水準まで引き上げる必要がある。それには)「今年9回分程度の利上げが必要になるが、毎会合0.25ポイントずつ利上げするだけでは到達できない」 株価は大きく下落。債券も売られ長期金利は2.79%台まで上昇。ドル円は125円台前半から125円77銭までドル高が進行。
4/10 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレ率は今年も来年も2%を超えると思うが、鈍化の軌道になるだろう」、 「金融政策の引き締めのなかでも米経済はリセッション入りを回避すると確信しているものの、インフレ率は来年にかけて2%を上回る水準が続く公算が大きい」(リセッションのリスクが高まると見ているが)、「困難であるが、われわれには出来る」 --------
4/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「FOMCが今年下期に政策金利を3−3.25%に引き上げることが望ましいと考える」、「直面するインフレに対応するため、われわれは政策金利を適切な水準にすべく、直ちに動く必要がある」 --------
4/7 野口・日銀審議委員 「経済全体としてメリットとデメリットを比較すると、現状では円安のプラス面の方が大きい」と述べています。た(エネルギー価格の上昇は、輸入にほぼ依存する日本にとって)「交易条件の悪化をもろに被り、経済全体の下押し圧力になる」、「為替の問題とは切り離して考える必要がる」 --------
4/6 イエレン・財務長官 「罪のないウクライナ市民に対するブチャでの残虐行為を含めロシアの行動は非難に値する。ルールに基づく世界秩序への容認できない侮辱だ。世界的に経済への甚大な影響があるだろう」、「ロシアが参加する限り、われわれは数々の会合に出席しない方針だとインドネシアに明確に伝えた」、「中国が台湾に対する攻撃に動いた場合、バイデン政権として中国にあらゆる制裁手段を使う用意がある」、(対ロシア制裁で明らかになったように、侵略的な国家に多大な苦痛を強いることが米国は)「可能であることが示された」 --------
4/6 FOMC議事録 「参加者は総じて、米国債で月額600億ドル程度、MBSで同350億ドル程度を上限とすることが適切になりそうだとの見解で一致した」、「参加者はまた、市場環境から見て妥当と判断される場合は縮小規模の上限を3カ月ないし、それよりやや長い期間をかけて段階的に導入し得るとの認識でもおおむね一致した」、「特にインフレ圧力の強い状態が続く、ないしはさらに強まった場合、今後の会合でFF金利誘導目標レンジの0.5ポイント引き上げを1回以上行うことが適切になり得ると、多くの参加者が認識した」 株価が大きく下げ債券は売られ、長期金利は2.66%近辺まで一段と上昇。
4/5 オーストラリア準備銀行(RBA) 「忍耐強い対応を続ける」との表現が消え、「豪州のインフレ率は他の多くの国々よりも低い水準にとどまる」、「インフレは勢いを増しており、さらなる加速が予想される」、「力強い雇用の伸びが継続する兆しがある」、「賃金の上昇は引き続き緩やかと予想」 豪ドル円92円台前半から93円台まで上昇。
4/5 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「50ベーシスポイントは、われわれが他の事とともに検討しなければならない選択肢の一つだと思う」、「この金融緩和を解除する課程で、非常に慎重かつ意図を持って行う必要がある。バランスシートが政策金利の上昇とともに同推移するかを考えることを、私は重視している」 --------
4/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「金利は上昇しつつあるものの、歴史的基準から見て比較的低い軌道上になおある」 --------
4/5 ブレイナード・FRB理事 「一連の利上げを通じて整然と、また早ければ5月の会合で急速なペースでのバランスシート縮小を開始することで、金融政策の引き締めを続ける」、「過去の景気サイクルと比べて回復がかなり力強く、かつ速いスピードで進んでいることを踏まえれば、バランスシートは過去の回復局面よりもかなり急速なペースで縮小すると想定する。2017−19年と比較して縮小額の上限がかなり大きくなるほか、縮小期間も大幅に短くなる」、「現時点において、インフレは高すぎる状況で、上振れリスクにさらされている。インフレやインフレ期待の指標で正当化されれば、FOMCには一段と強力な行動を取る用意がある」 債券は大幅下落。長期金利が2.56%台まで上昇し、ドル円は122円半ばから123円台半ばまで上昇。株価は3指数が揃って大幅な下げに。
4/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金利をもっと正常ないし中立的な水準に引き上げなければならないのは明らかだが、直ちにそこに到達する必要があるかと問えば、答えはノーだ。それは一連のステップを通じて実行可能だ」 --------
4/1 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 「今から次回の会合までにネガティブサプライズがないとすれば、0.5ポイントの論拠は強まっている」、「そうした早期の調整を行うのが適切になるとの確信を私は強めている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和