「WTI原油価格一時87ドル台まで続落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 欧州市場の朝方には134円43銭近辺まで買われたドル円でしたが続かず。NYではややリスクオフが強まり132円77銭までドル安に。
- ユーロドルは反発したものの、1.02台半ばから上が抜けない展開が続く。
- 株式市場はまちまち。雇用統計を控え、ポジション調整に終始。ダウは85ドル下げ、ナスダックは小幅に続伸。
- 債券は続落。長期金利は2.68%台に。中国が台湾海峡周辺にミサイルを発射したことでリスク回避の流れに。
- 金は大幅に続伸し、1800ドル台を回復。原油は大幅に続落。ロシアのウクライナ侵攻以降初めて87ドル台を付ける。
6月貿易収支 → −79.6b
新規失業保険申請件数 → 26.0万件
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| ドル/円 | 132.77 〜 133.85 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0167 〜 1.0254 |
| ユーロ/円 | 135.65 〜 136.72 |
| NYダウ | −85.68 → 32,726.82ドル |
| GOLD | +30.50 → 1,806.90ドル |
| WTI | −2.12 → 88.54ドル |
| 米10年国債 | −0.016 → 2.688% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA四半期金融政策報告
- 日 6月景気先行指数(CI)(速報値)
- 独 独6月貿易収支
- 独 独6月鉱工業生産
- 米 7月雇用統計
- 米 6月消費者信用残高
- 加 カナダ7月就業者数
- 加 カナダ7月失業率
本日のコメント
中国人民解放軍は台湾周辺で軍事演習を開始し、台湾沖に11発のミサイルを発射しました。演習はペロシ米下院議長の訪台への対応と見られ、台湾海峡を巡る緊張が高まってきました。防衛省は弾道ミサイル4発が台湾本島上空を飛翔し、5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられると発表しました。岸防衛相は中国を強く非難すると声明を発表しましたが、中国は7日まで演習は続ける予定で今後さらに緊張が高まる可能性もあります。中国外務省が、カンボジアで予定していた日中外相会談を取りやめると発表しています。
ペロシ訪台への報復が始動したようですが、ペロシ氏は昨日の夜米軍横田基地に到着し、本日岸田首相、細田衆院議長と会談する予定です。中国が実弾を用いた演習に、日本でも地政学的リクスが高まってきています。加えて、北朝鮮は発足した韓国の尹政権を露骨に批判しており、前政権より関係が悪化しています。ロシアのウクライナ侵攻のような事態は想定されませんが、日本の周りでも地政学的リスクが一気に高まる可能性がないとは言えません。「リスク回避の円買い」が進むとの見方が強い中、日本周辺での出来事であることから、必ずしも円を買えばいいという訳でもないような気もします。ただ、株式市場では株価の下落につながり易く、株価の下落がドル売り円買いに向かう可能性はありそうです。
イングランド銀行(BOE)は4日、政策金利の0.5ポイント引き上げを発表しました。金融政策委員会(MPC)メンバー9人のうち8人が0.5ポイントの利上げを支持し、これで政策金利は1.75%になります。BOEが通常の2倍の大幅利上げを行うのは27年ぶりのこととなり、その上でBOEはインフレ加速の重圧により英経済が1年超のリセッションに向いつつあると警告しました。英国の6月のCPIは前年同月比で「9.4%」と米国のインフレ率を上回っています。この発表を受け、ポンドドルは一時上昇しましたがすぐに売られる展開でした。ポンドドルは昨年6月の1.42台前半から一貫して下げており、今年だけでもおよそ10%程売られています。これに関してBOEのベイリー総裁は「ポンドの下落は今のところ危機ではない」とした上で、「景気見通しを見極めるため政策当局は為替を含むあらゆる指標を注視している」と述べていました。(ブルームバーグ)
ドル円はまだ上値の重い展開が続いています。昨日もそうでしたが、特に134円台の半ばから上が重いようで、134円50〜80銭の水準が抜けないことから135円台に乗せることができない状況です。本日の雇用統計の結果次第ではその可能性はありますが、一方で再び130円台テストの可能性もくすぶります。非農業部門雇用者数だけではなく、平均時給にも注視したいところです。
クリーブランド連銀のメスター総裁はピッツバーグでのイベントで講演し、「米金融当局はインフレ抑制にコミットしており、需要を緩和するために政策金利を、4%を少し上回る水準まで引き上げる必要がある」との認識を示しました。メスター総裁はさらに、「われわれは利上げを行い、そして有力な証拠で裏付けられる十分に高い水準に至ったらその水準をしばらく維持し、インフレが目標に近づいた段階で引き下げることができる」と説明。また、9月の利上げ幅については「0.75ポイントは不合理ではないものの、0.5ポイントもあり得る」との見方を示しており、これらは、FOMCメンバー全体のスタンスを集約した発言かと受け止めています。「有力な証拠で裏付けられた」といった部分が重要で、要は、「インフレのピークアウトを示す具体的、かつ説得力のあるデータ」ということになり、それが入手されるまでは現行の引き締め政策が維持されるということです。因みにメスター総裁は今年度のFOMCで投票権を持っています。
本日のドル円は131円〜134円50銭とワイド過ぎますが、展開が読めない上、ボラティリティーが高いことを加味しています。
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今週はペロシ米下院議長の台湾訪問を巡り、多くの個人投資家が緊張感を持って市場と対峙したことと思われます。あの醜いほどの言葉を駆使した「恫喝」にもかかわらず、今のところ目立った報復はみられません。
ペロシ氏が台湾に到着した2日には、中国メディアの中国新聞網は、『ペロシ米下院議長が台湾に到着した夜に台北市内で<ペロシ帰れ>と叫ぶ市民による抗議デモが行われた』と報じています。記事は、『ペロシ議長が台北到着後に滞在する予定のグランドハイアット台北(君悦飯店)の外で2日夜、ペロシ議長の訪台に反対する市民が続々と集まり、警察官約1000人が厳戒態勢を敷き、2000人が出動待機する中で<ペロシ、帰れ>とシュプレヒコールを上げた』と伝えています。この種のニュースは他のどのメディにも報道されていません。この記事を目にし、「本当かいな・・・?」と思ったのは筆者だけではないと思います。情報操作だとしても余りに露骨で、ミエミエのような気もしますが・・・。
良い週末を・・・・・。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/4 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「米金融当局はインフレ抑制にコミットしており、需要を緩和するために政策金利を、4%を少し上回る水準まで引き上げる必要がある」、(9月の利上げ幅について)「0.75ポイントは不合理ではないものの、0.5ポイントもあり得る」 | -------- |
| 8/4 | ベイリー・BOE総裁 | 「ポンドの下落は今のところ危機ではない」、「景気見通しを見極めるため政策当局は為替を含むあらゆる指標を注視している」 | -------- |
| 8/2 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (9月のFOMC会合で決定する利上げ幅について)「50ベーシスポイントが妥当な判断となり得るまでに十分な時間があると思われるが、75bpでも問題ないかもしれない」 | 債券が急落し、長期金利は2.54%台から2.77%まで急騰。ドル円は130円台半ばから133円台前半まで上昇。 |
| 8/2 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「インフレははるかに高すぎる。われわれは物価安定の達成をなお強く決意しており、完全に団結している。物価安定は9.1%のインフレではなく、2%に近いインフレを意味する。従って、道のりはまだ長い」 | 債券が急落し、長期金利は2.54%台から2.77%まで急騰。ドル円は130円台半ばから133円台前半まで上昇。 |
| 7/29 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「米国がリセッション下にあるとは考えていない」、「われわれは高インフレに真剣に対応する必要があり、米国経済をより安定的かつ持続的な状態に戻されなければならない」 | -------- |
| 7/29 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「FOMCではインフレ率を2%以下に下げるとの決意で一致している。インフレが2%に低下する軌道に十分乗ってきていると確信するまで、われわれは必要なことを続けるだろう。そこに至るまでには長い道のりがある」 | -------- |
| 7/28 | イエレン財務長官 | 「経済がリセッションに陥っていることを証明するものではない」、「本当の意味でのリセッションとは、広範囲に及ぶ経済の弱まりだ」、「現在そういう状況は見られない」、「インフレ率が依然として高すぎ、これを下げることが政府の最優先事項だ」、「消費者物価の伸びは、近いうちに低下する可能性が高い」 | -------- |
| 7/27 | パウエル・FRB議長 | 「次回の会合で異例に大幅な利上げをもう一度行うことも適切となり得るが、判断は今から次回会合までのデータ次第だ」と、「いずれ利上げペースを落とすことになる」と説明し、「米経済がリセッションに陥っているとは考えていない」 | 株式市場では3指数が揃って大幅高。債券も買われ、金利低下にドル円は137円台から136円35銭まで下落。 |
| 7/27 | FOMC声明文 | 「支出と生産に関する最近の指標は軟化している。それでも雇用はこの数カ月、堅調に伸びており。失業率は低いままだ。インフレは高止まりし、それはパンデミックに関連した需給の不均衡と食品・エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映している」、「委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は公衆衛生や労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢など幅広く考慮して判断する」 | -------- |
| 7/26 | IMF、世界経済見通し(WEO) | 「リスクへの見通しは圧倒的に下振れ方向だ」、「欧州向けロシア産ガス輸入の突然の停止やインフレの長期化、中国での不動産危機のエスカレートなど、懸念要因は多く、世界経済が近くリセッション入りの瀬戸際に立たされる恐れがある」 | 株価の重石に。 |
| 7/25 | カザークス・ラトビア中銀総裁 | 「先週の大幅利上げが唯一の前倒しだとは言えない。9月の利上げもかなり大きくする必要があると言える」(FRBが6月に行ったように、ECBの次回の利上げ幅が0.75ポイントとさらに大きくなる可能性があるかとの問に)、「不確実性とインフレのダイナミクス、持続性のリスクを踏まえ、もちろんわれわれは議論にオープンであるべきだと思う」 | -------- |
| 7/24 | イエレン・財務長官 | 「雇用創出ペースがやや減速する可能性が高い」、「それはリセッションではないだろう。リセッションとは経済が広い範囲で弱くなることだ。現在のところ、そうした状況は目にしていない」、(金融当局によるインフレ抑制への取り組みについては)「成功すると見込んでいる」 | -------- |
| 7/21 | ラガルド・ECB総裁 | 「価格上昇圧力はより多くのセクターに広がりつつあり、ユーロ安が拍車をかけている」、「基調的インフレの指標のほとんどがさらに上昇した。インフレは当分、望ましくない高水準にとどまる見込みだ」、「9月の金利決定に関する従来のガイダンスはもはや当てにはならない。9月の行動はその時のデータ次第だとし」、「利上げを加速させるが、最終的に目標とする金利水準を変えるわけではない」 | -------- |
| 7/14 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これまでわれわれは50bpか75bpという枠組みで議論してきた。私は75bpにかなり利点があると考えている」、「今日時点では、私は次回会合で再び75bp利上げすることを支持する」 | -------- |
| 7/14 | ウォラー・FRB理事 | 「6月のCPI統計については最大級の失望だ」、「75bpという利上げ幅は極めて大きい。FOMCがそうした幅の利上げを選択した場合、金融当局が役割を果たしていないことにはならない」、「行き過ぎた利上げはしない方が良い」 | 株と債券は買い戻される。ドル円は139円39銭前後の高値を付けた後、小幅に下落。 |
| 7/13 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「CPIの数字は懸念すべき要素だ」、「あらゆる行動が考慮される」、(そうした行動に1ポイントの利上げが含まれるのかという質問に)「全てという意味だ」 | -------- |
| 7/12 | イエレン財務長官 | (為替介入について)「まれで例外的な状況でしか正当化されない」 | -------- |
| 7/12 | 日米財務長官・財務相回会談共同声明 | 「為替市場に関して緊密協議し、為替の問題について適切に協力する」 | -------- |
| 7/11 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | 「政策金利の軌道についての意思伝達は、そこに至るまでの速さよりも、はるかに重要だろう。金利をあまりに速く動かすとオーバーステアとなる可能性を高める」 | -------- |
| 7/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「米経済の勢いが非常に強いことを踏まえると、次回会合で75ベーシスポイントで動くことは可能であり、広範な経済へのダメージが長引くことはないだろう」、(同幅の利上げを)「完全に支持する」 | -------- |
| 7/7 | ウォラーFRB理事 | 「もっと大いに抑制的な設定に向う必要がある。可能な限り迅速に動くべきだ」と、7月会合で2会合連続となる75ベーシスポイントの利上を支持する考えを示し「9月会合では恐らく50bpの利上げを支持する」 | -------- |
| 7/6 | FOMC議事録 | 「政策引き締めは経済成長ペースを一時的に減速させ得るが、最大限の雇用を持続的なペースで達成するためには2%へのインフレ率回帰が極めて重要」、「高いインフレ圧力が続くようであれば、さらに抑制的なスタンスが適切となり得ることの認識を示した。インフレ期待が固定されなくなった場合、インフレ率をFOMCの目標に再び引き下げる上でより多くの代償が必要になる」 | 対ユーロなどでドル高が進む。 |
| 7/5 | ロウ・RBA総裁 | 「政策委員会は今後数カ月の豪州の金融正常化プロセスでさらなる対応を取るつもりだ。豪州のインフレ率が徐々に目標水準に戻るよう確実を期するために必要な行動にコミットしている」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



