「ユーロドルおよそ1カ月ぶりに1.00台後半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間は上値が重い展開だったが、NYでは135円台半ばを超え135円90銭まで上昇。7月28日以来となるドル高水準を付け、高値圏で取引を終える。
- ユーロドルも下げが加速し、約1カ月ぶりに1.0080まで下落。
- 株式市場は小幅ながら3指数が上昇。経済指標の後押しもあり、ややリスク選好の流れから株式が買われた。
- 債券は反発。長期金利は2.88%台とやや低下。
- 金は4日続落。原油は続伸し90ドル台を回復。
新規失業保険申請件数 → 25.0万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 6.2
7月中古住宅販売件数 → 481万戸
7月景気先行指標総合指数 → −0.4
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| ドル/円 | 134.65 〜 135.90 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0080 〜 1.0186 |
| ユーロ/円 | 136.56 〜 137.41 |
| NYダウ | +18.72 → 33,999.04ドル |
| GOLD | −5.50 → 1,771.20ドル |
| WTI | +2.39 → 90.50ドル |
| 米10年国債 | −0.015 → 2.882% |
本日の注目イベント
- 日 7月消費者物価指数
- 独 独7月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏6月経常収支
- 英 英7月小売売上高
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- 加 カナダ6月小売売上高
本日のコメント
ドル円は昨日の東京時間ではいつものように上値が重い展開が続いていましたが、NYでは一転して上昇。135円台半ばを超え、135円90銭まで買われ、ほぼこの日の高値圏で取引を終えています。フィラデルフィア連銀製造業景況指数が良かったことや、失業保険申請件数も3週間ぶりに減少するなど、経済指標の好転という材料がありましたが、ドル円を押し上げるにはそれほど強い材料ではありません。ドル円と相関関係が高い米長期金利は小幅ですが低下しており、やや説明がつきにくい状況です。ここはやはりユーロドルに引っ張られた側面が強いと思われます。ユーロドルは1.01を割り込み、1.0080辺りまで「ドル高・ユーロ安」が進み、約1カ月ぶりの安値まで沈んでいます。このドル高の影響がドル円にも波及したと思われます。
8月も後半に入り、9月のFOMCでの利上げ幅に焦点が移ってきました。昨日も複数のFOMCメンバーによる発言がありましたが、金融当局者の彼らの中でも意見が分かれていました。SFシスコ連銀のデーリー総裁はCNNとのインタビューで、「われわらは政策金利を少なくとも中立水準の3%をやや上回る水準に政策金利を引き上げる必要があるが、恐らく年内に景気抑制的な領域である3%をやや上回る水準に、来年には3%をさらにやや上回る水準とする必要性がありそうだ」と述べ、「利上げ後は水準を維持するという戦略は、歴史的に見ても奏功してきたと考えている」と説明しています。また、タカ派のブラード・セントルイス連銀総裁はダウ・ジョーンズ通信とのインタビューで、9月のFOMC会合で0.75ポイント利上げすることへの支持を考えているとの報道があります。一方カンザスシティー連銀のジョージ総裁は大幅な利上げには慎重なトーンを示しており、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「リセッションに陥ることなくインフレを抑制できるかどうか確信を持てない」と述べています。(ブルームバーグ)こうなってくると来週のジャクソンホールでのパウエル議長の発言がますます重要になってきますが、今月のデータで示されたようにインフレのピークアウトが来月も示されるのかどうかが最も重要になってきます。パウエル議長がどのような発言を行おうと、結局、利上げ幅はそれまでは「白紙」だということです。
今週はNZ準備銀行が追加の大幅利上げに踏み切るなど、世界的にもほぼ全ての中銀がインフレファイターとして政策運営を行っている中、またあのトルコ中銀が流れに逆行する「利下げ」を断行しました。トルコ中銀は政策金利である1週間ものレポ金利をこれまでの14%から13%に引き下げました。トルコでは直近のCPIが年率で「79.6%」(7月実績)と記録的なインフレに見舞われている中、7カ月ぶりの「利下げ」はサプライズです。発表直後リラは急落しましたが、その後は水準を戻しています。トルコ中銀の発表では「政策金利は現在の見通しでは適切な水準だ」としていますが、エルドアン大統領の意向が強く働いていることは明らかで、ブルームバーグは記事の中で、「インフレ率が24年ぶりの高水準となっている同国の利下げは予想外で、市場に衝撃が走った」と伝えています。
昨日もこの欄で触れた、ワイオミング州の予備選挙で敗北したリズ・チェイニー氏が共和党の大統領候補に出馬する意向のようです。チェイニー氏はこれまでにも、2024年の大統領選でトランプ氏がホワイトハウスへの復帰を目指すのを阻止するため、「必要なことは何でもする」と述べていました。チェイニー氏はCNNの番組で、「トランプ氏は引き続き重大な脅威を突き付けており、わが国に対するリスクだと私は信じている。彼を打ち負かすには、共和党員と民主党員、無党派層の幅広い共同戦線が必要になると思う。私はそれに関与するつもりだ」と述べています。24年の大統領選で共和党候補になるのは簡単ではありません。知名度、お金、組織力、パワーなど、どれをとってもトランプ氏有利は動きませんが、もし実際に出馬するのであれば、個人的にはこの決断に拍手を送りたいと思います。
ドル円は再び136円手前で推移しています。ここから136円台に乗せることがきれば、今度はショート筋のストップロスを巻き込む可能性もありそうです。今週に限って言えば、多くの市場関係はドル下落を見込んでいました。
本日のドル円は135円〜136円70銭程度を予想します。
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今年の夏がとりわけ暑いと感じるのは私だけではないでしょう。なにせ、東京都では16日にも猛暑日を記録し、これで観測史上最多日数を更新したとか・・・。確かに今年は、梅雨明けが6月の中旬だったこともあり、夏が例年よりも長いような気がします。それでも、昨日の夕方近くの公園を歩いてみると、相変わらずのアブラゼミの合唱が聞こえる中、良く耳を澄ますと時折ツクツクボウシの鳴き声も聞かれました。夏が早かった分、秋の訪れも早いかもしれません。為替市場の熱い夏はまだ続きそうですが、暑い夏の季節はもう少しの辛抱です。
良い週末を・・・・・。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/18 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「われわらは政策金利を少なくとも中立水準の3%をやや上回る水準に政策金利を引き上げる必要があるが、恐らく年内に景気抑制的な領域である3%をやや上回る水準に、来年には3%をさらにやや上回る水準とする必要性がありそうだ」、「利上げ後は水準を維持するという戦略は、歴史的に見ても奏功してきたと考えている」 | -------- |
| 8/10 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「インフレは依然として高水準にあり、われわれの物価安定目標にはほど遠い」、「高水準にあるインフレとの闘いで米金融当局が勝利宣言するのは時期尚早だ」と語っています。また9月のFOMCについては、「9月に0.5ポイントの利上げが自身の基本シナリオだ」 | -------- |
| 8/9 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ上振れのサプライズが続くのであれば、米金融当局として高めの金利を長期にわたり維持する用意がある」、「インフレ率が鈍化しつつあるのなら、その間に金利を高めに維持することができると考えられる」(それもって)、「インフレ率がピークに達したと主張するには時期尚早だ」 | -------- |
| 8/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「インフレを抑制するという点で金融当局が役割を果たしたと言える状況からはまだ遠い」、(9月会合で50ベーシスポイントの利上げが実施される可能性について問われ)、「もちろんだ。だがデータに基づく姿勢を取る必要がある」、「考え方をオープンにしておく必要がある。インフレ指標がさらに2つ、雇用統計もあと1回発表される」 | -------- |
| 8/5 | ボウマン・FRB理事 | 「インフレ率が明白に低下するまでは先月決めた0.75ポイント利上げと同様の大幅な利上げを検討し続けるべきだ」、「現在進めているような利上げが適切だと予想しているが、データや状況がどのように展開するかについては不確実性を踏まえ、そうした情報を指針としてどの程度の利上げが必要かを判断する」 | -------- |
| 8/4 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「米金融当局はインフレ抑制にコミットしており、需要を緩和するために政策金利を、4%を少し上回る水準まで引き上げる必要がある」、(9月の利上げ幅について)「0.75ポイントは不合理ではないものの、0.5ポイントもあり得る」 | -------- |
| 8/4 | ベイリー・BOE総裁 | 「ポンドの下落は今のところ危機ではない」、「景気見通しを見極めるため政策当局は為替を含むあらゆる指標を注視している」 | -------- |
| 8/2 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (9月のFOMC会合で決定する利上げ幅について)「50ベーシスポイントが妥当な判断となり得るまでに十分な時間があると思われるが、75bpでも問題ないかもしれない」 | 債券が急落し、長期金利は2.54%台から2.77%まで急騰。ドル円は130円台半ばから133円台前半まで上昇。 |
| 8/2 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | 「インフレははるかに高すぎる。われわれは物価安定の達成をなお強く決意しており、完全に団結している。物価安定は9.1%のインフレではなく、2%に近いインフレを意味する。従って、道のりはまだ長い」 | 債券が急落し、長期金利は2.54%台から2.77%まで急騰。ドル円は130円台半ばから133円台前半まで上昇。 |
| 7/29 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「米国がリセッション下にあるとは考えていない」、「われわれは高インフレに真剣に対応する必要があり、米国経済をより安定的かつ持続的な状態に戻されなければならない」 | -------- |
| 7/29 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「FOMCではインフレ率を2%以下に下げるとの決意で一致している。インフレが2%に低下する軌道に十分乗ってきていると確信するまで、われわれは必要なことを続けるだろう。そこに至るまでには長い道のりがある」 | -------- |
| 7/28 | イエレン財務長官 | 「経済がリセッションに陥っていることを証明するものではない」、「本当の意味でのリセッションとは、広範囲に及ぶ経済の弱まりだ」、「現在そういう状況は見られない」、「インフレ率が依然として高すぎ、これを下げることが政府の最優先事項だ」、「消費者物価の伸びは、近いうちに低下する可能性が高い」 | -------- |
| 7/27 | パウエル・FRB議長 | 「次回の会合で異例に大幅な利上げをもう一度行うことも適切となり得るが、判断は今から次回会合までのデータ次第だ」と、「いずれ利上げペースを落とすことになる」と説明し、「米経済がリセッションに陥っているとは考えていない」 | 株式市場では3指数が揃って大幅高。債券も買われ、金利低下にドル円は137円台から136円35銭まで下落。 |
| 7/27 | FOMC声明文 | 「支出と生産に関する最近の指標は軟化している。それでも雇用はこの数カ月、堅調に伸びており。失業率は低いままだ。インフレは高止まりし、それはパンデミックに関連した需給の不均衡と食品・エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映している」、「委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は公衆衛生や労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢など幅広く考慮して判断する」 | -------- |
| 7/26 | IMF、世界経済見通し(WEO) | 「リスクへの見通しは圧倒的に下振れ方向だ」、「欧州向けロシア産ガス輸入の突然の停止やインフレの長期化、中国での不動産危機のエスカレートなど、懸念要因は多く、世界経済が近くリセッション入りの瀬戸際に立たされる恐れがある」 | 株価の重石に。 |
| 7/25 | カザークス・ラトビア中銀総裁 | 「先週の大幅利上げが唯一の前倒しだとは言えない。9月の利上げもかなり大きくする必要があると言える」(FRBが6月に行ったように、ECBの次回の利上げ幅が0.75ポイントとさらに大きくなる可能性があるかとの問に)、「不確実性とインフレのダイナミクス、持続性のリスクを踏まえ、もちろんわれわれは議論にオープンであるべきだと思う」 | -------- |
| 7/24 | イエレン・財務長官 | 「雇用創出ペースがやや減速する可能性が高い」、「それはリセッションではないだろう。リセッションとは経済が広い範囲で弱くなることだ。現在のところ、そうした状況は目にしていない」、(金融当局によるインフレ抑制への取り組みについては)「成功すると見込んでいる」 | -------- |
| 7/21 | ラガルド・ECB総裁 | 「価格上昇圧力はより多くのセクターに広がりつつあり、ユーロ安が拍車をかけている」、「基調的インフレの指標のほとんどがさらに上昇した。インフレは当分、望ましくない高水準にとどまる見込みだ」、「9月の金利決定に関する従来のガイダンスはもはや当てにはならない。9月の行動はその時のデータ次第だとし」、「利上げを加速させるが、最終的に目標とする金利水準を変えるわけではない」 | -------- |
| 7/14 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「これまでわれわれは50bpか75bpという枠組みで議論してきた。私は75bpにかなり利点があると考えている」、「今日時点では、私は次回会合で再び75bp利上げすることを支持する」 | -------- |
| 7/14 | ウォラー・FRB理事 | 「6月のCPI統計については最大級の失望だ」、「75bpという利上げ幅は極めて大きい。FOMCがそうした幅の利上げを選択した場合、金融当局が役割を果たしていないことにはならない」、「行き過ぎた利上げはしない方が良い」 | 株と債券は買い戻される。ドル円は139円39銭前後の高値を付けた後、小幅に下落。 |
| 7/13 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「CPIの数字は懸念すべき要素だ」、「あらゆる行動が考慮される」、(そうした行動に1ポイントの利上げが含まれるのかという質問に)「全てという意味だ」 | -------- |
| 7/12 | イエレン財務長官 | (為替介入について)「まれで例外的な状況でしか正当化されない」 | -------- |
| 7/12 | 日米財務長官・財務相回会談共同声明 | 「為替市場に関して緊密協議し、為替の問題について適切に協力する」 | -------- |
| 7/11 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | 「政策金利の軌道についての意思伝達は、そこに至るまでの速さよりも、はるかに重要だろう。金利をあまりに速く動かすとオーバーステアとなる可能性を高める」 | -------- |
| 7/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「米経済の勢いが非常に強いことを踏まえると、次回会合で75ベーシスポイントで動くことは可能であり、広範な経済へのダメージが長引くことはないだろう」、(同幅の利上げを)「完全に支持する」 | -------- |
| 7/7 | ウォラーFRB理事 | 「もっと大いに抑制的な設定に向う必要がある。可能な限り迅速に動くべきだ」と、7月会合で2会合連続となる75ベーシスポイントの利上を支持する考えを示し「9月会合では恐らく50bpの利上げを支持する」 | -------- |
| 7/6 | FOMC議事録 | 「政策引き締めは経済成長ペースを一時的に減速させ得るが、最大限の雇用を持続的なペースで達成するためには2%へのインフレ率回帰が極めて重要」、「高いインフレ圧力が続くようであれば、さらに抑制的なスタンスが適切となり得ることの認識を示した。インフレ期待が固定されなくなった場合、インフレ率をFOMCの目標に再び引き下げる上でより多くの代償が必要になる」 | 対ユーロなどでドル高が進む。 |
| 7/5 | ロウ・RBA総裁 | 「政策委員会は今後数カ月の豪州の金融正常化プロセスでさらなる対応を取るつもりだ。豪州のインフレ率が徐々に目標水準に戻るよう確実を期するために必要な行動にコミットしている」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



